コンパクトで使いやすく本格的な写真が撮れるカメラとは…
「一眼レフカメラを使ってみたいけど重いし、初心者には少しハードルが高そう」と思っている方、結構いらっしゃるのでは? ここでオススメなのがミラーレス一眼カメラです。
ミラーレス一眼カメラはコンデジほどの大きさでありながら、一眼レフのような写真が撮れるので人気が高まっています。
そんなミラーレスカメラですがレンズがないと写真を撮れません。そして、ひと口にレンズと言ってもさまざまな種類があり、ミラーレス用にも多くのモデルが発売されています。
基本的にカメラ本体の購入時にキットとして標準ズームレンズがついてきますが、本体のみの場合もあるので、購入前にレンズの有無はご確認ください。
どんな写真を撮りたいかでレンズの種類は変わります
先ほど「レンズにもいろいろな種類がある」とお伝えしましたが、ズーム機能を多く使いたいならズームレンズ、ズームはできないけれど背景を綺麗にボケさせたいなら単焦点レンズ……といった具合に使用シーンに合ったレンズを選ぶ必要があります。
また、広角レンズや魚眼レンズなど特殊な見え方のするレンズもありますが、カメラを始めたばかりの頃は標準レンズの方が使いやすいかもしれません。
基本となる標準ズームレンズを7つの項目でテストしました
ミラーレス一眼カメラの人気が高まっている中、フルサイズミラーレスカメラであるソニーの「α7シリーズ」「α9」が注目を集めています。
フルサイズミラーレスはセンサーサイズが大きいため、暗い場所や繊細な写真を撮るのに向いています。また、背景をボケさせたいときなどもキレイに撮影できるので、本格的な写真を撮りたい方にオススメです。
……でもいくら高機能でも、その実力を引き出すためにはやはり「レンズ選び」が重要になってきます。
そこでソニー「α7シリーズ」「α9」向けのレンズを集めて比較検証を行い、オススメ順ランキングを作成しました。今回は初心者でも使いやすい基本の「標準ズームレンズ」に絞って検証しています。
プロの写真家にご協力いただき、標準ズームレンズを選ぶ際に重視すべき「AF」「シャープネス」「歪曲」「携帯性」「ズーム」「描写」「ボケ」の7項目を検証しました。各項目5点満点、1~2点台は不満が大きい、3点は許容範囲、4点以上が満足としています。
[チェック①:AF(オートフォーカス)]
ボディの影響を受けにくい静物を撮影してチェック。単写をするときのデフォーカスからピントを合わせるまでの速さや、暗い場所、ピントを合わせにくい被写体を撮影して、迷いが出やすいかを評価しています。
[チェック②:シャープネス]
ハッキリとした描写に見やすいコントラストで撮影できているかをチェック。撮影後にレタッチ(編集)しない場合は、見栄えが大事になるので重視したい項目です。
[チェック③:歪曲]
よく建物や人工物を撮るユーザーは注目したい項目。美術品や建物といった歪みが気になる被写体を撮影するときに不自然にならないかをテストしました。
[チェック④:携帯性]
高画質かつ小型で軽量というのが誰にとっても理想型のはず。ここでは携帯性のよさをレンズの太さであるフィルター径と重量を基準にジャッジしました。フィルター径は62mm以下が5点、重量は400g以下を5点としています。
[チェック⑤:ズーム]
ズーム倍率が高いと便利ですが画質面では不利になる一面も。検証ではズーム倍率を基準としました。24-70mmと28-75mmは、広角端と望遠端のどちらに重点を置くかという観点から採点しています。
[チェック⑥:描写]
パソコンで画像処理を行うRAW現像派なら本項目は要チェック! ディティールが細く繊細に再現されているかどうかを重視して採点しました。点数が高いほどRAW現象をしたときに細部の描写が引き出しやすくなります。
[チェック⑦:ボケ]
ボケの雰囲気の違いは採点対象外として、ボケの滑らかさを基準にしました。ボケの大きさも加点対象にしています。大きく滑らかなボケができれば高得点となります。
今回のテストに使ったボディは、4000万画素以上の高画質モデル「α 7R III」です。
ソニー
フルサイズミラーレス一眼
α7RM3 ボディ ILCE-7RM3
実勢価格:28万998円
それではソニー「α7シリーズ」「α9」向け標準ズームレンズランキング、注目の1位からご覧ください!
高画質で撮影の自由度も高いFE 24-105mm F4 G OSS
ソニー
FE 24-105mm F4 G OSS
実勢価格:14万5439円
サイズ:全長113.3mm/フィルター径77mm
重量:663g
最短撮影距離:0.38m
手ブレ補正:搭載
見事1位に輝いたレンズはソニーの「FE 24-105mm F4 G OSS」。性能面ではほぼ満点に近い点数を出し、ご協力いただいたプロも絶賛していました。
ボケは滑らかで、AFも素早く5点満点。唯一気になったのは大きさです。標準的な重さ、大きさではあるものの、α7シリーズのボディが軽量なので、ややバランスの悪さを感じました。
とはいえ、高感度画質で撮影できるのは間違いありません。プロの写真家も「このレンズを購入しておけば、今後のカメラライフはもう間違いない」とコメント。広角や望遠に対応しているので撮影の自由度も高く、トップクラスのレンズです。
ソニーの最上級ラインFE 24-70mm F2.8 GM
ソニー
FE 24-70mm F2.8 GM
実勢価格:22万4180円
サイズ:全長136mm/フィルター径82mm
重量:886g
最短撮影距離:0.38m
手ブレ補正:非搭載
2位にはソニーの最高級ライン「Gマスター」の一本である「FE 24-70mm F2.8 GM」がランクイン。
とにかく画質が抜群にいいズームレンズ。ズーム全域でF2.8と、1位の24-105mmよりも明るいですが、ズーム倍率はやや劣ります。明るさをとるか、便利さをとるかで選択するといいかもしれません。
写真で見る細部までの丁寧な描写とボケ感が、一級品であることを物語っています。24mmスタートで広角に強いのも魅力のひとつ。しかし画質を最優先したモデルゆえか、886gとずしりとした重さを感じます。2位に甘んじた理由はこの重量でした。
価格以上のパフォーマンス28-75mm F/2.8 Di III RXD
タムロン
28-75mm F/2.8 Di III RXD
実勢価格:8万8450
サイズ:全長117.8mm/フィルター径67mm
重量:550g
最短撮影距離:0.19m (WIDE)/0.39m (TELE)
手ブレ補正:非搭載
3位に入ったのはタムロンの「28-75mm F/2.8 Di III RXD」でした。
F2.8ズームでフィルター径67mm、重量は550gとかなりの軽量モデル。広角を28mmにしていることで小型化が実現しています。
F2.8ということだけあって暗い場所での撮影には強く、大きなボケを楽しむことができました。しかし背景が煩雑な場所だと滑らかには撮れず、なんとなくうるさい印象に。
またオートフォーカスが不安定になる場面もあり、ソニーの純正品との差が出ました。しかし10万円前後の値段を考えると十分すぎる性能と言えそうです。
4位: カールツァイスブランドの
24-70mm F4 ZA OSS
ソニー
Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
実勢価格:8万8450円
サイズ:全長94.5mm/フィルター径67mm
重量:426g
最短撮影距離:0.4m
手ブレ補正:搭載
ソニー製ですが、ドイツのカールツァイスブランドのレンズです。F4と明るさを抑えており、コンパクトなモデルとなっています。
5位: リーズナブルな1本です
FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS
ソニー
FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS
実勢価格:4万586円
サイズ:全長83mm/フィルター径55mm
重量:295g
最短撮影距離:0.3-0.45m
手ブレ補正:搭載
ソニーのαシリーズでは付属レンズにも採用されているだけあって、リーズナブルな1本です。重量もコンパクトで、お手頃なモデル。
6位: 高倍率ズームが特徴
FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS
6位には「FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS」が入りました。
ソニー
FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS
実勢価格:10万8603円
サイズ:全長118.5mm/フィルター径72mm
重量:780g
最短撮影距離:0.5-0.8m
手ブレ補正:搭載
望遠側が240mmまで伸びた、便利さ重視の「高倍率ズーム」が搭載されたモデル。最短撮影距離が長めです。
以上、ソニーのα7シリーズ、α9向けのフルサイズミラーレス向け標準ズームレンズのランキングでした。
1位はレンズの性能が抜群の24-105mm。ボケの質、撮影の自由度などで高得点を出しました。しかしミラーレスの魅力はコンパクトさにもあるので、そういった意味では3位のタムロンも大健闘。
性能を選ぶか、コンパクトさを選ぶか、ぜひ本ランキングを参考にレンズを選んでみてください。