100g未満ドローンの特徴とは?
空中を自由に飛ばすことができるドローン。発売当初は高価だったり、操作が不安的だったりして、なかなか手に取りにくい印象がありました。しかし、近年は価格の低下や性能が向上し、また法規制も固まってきたこともあって、子どものおもちゃとしても定着しつつあります。
そもそもドローンとは、遠隔操作または自動操縦によって飛行する無人航空機のことで、主に空撮や測量、農業、物流、災害対策などの用途で使われています。家電量販店などでも販売されているため、一度は飛ばしてみたいと考えている人も多いでしょう。しかし、実は高度な操縦技術や航空法などの専門知識に加え、国土交通省にも飛行許可や飛行計画の申請が必要で、結構ハードルが高めなんです。
国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」
ところが、今回テストした100g未満の小型軽量ドローンは、資格や申請、知識が不要。購入直後からラジコン感覚で飛ばせて、空撮も楽しめます。手軽さと安全性の高さから、初心者や子どものおもちゃにもおすすめ!
以下に、100g未満ドローンの特徴をまとめてみました。
特徴1:手軽に飛ばせて写真や動画を撮影できる
小型モデルにもカメラを搭載したモデルも多数存在。画質はそこまで良くはありませんが、手軽に空撮を楽しめます。
特徴2:軽量でコンパクト
軽量かつコンパクトなので、持ち運びが容易。旅行やキャンプなどに携帯しても邪魔になりません。ただし、風にかなり弱く簡易な作りの製品が多いので、飛ばす環境には注意が必要です。検証では、室内の無風状態でも安定しない製品が多くありました。
特徴3:飛行可能時間は短い
機体重量を100g未満に収める必要があるため、バッテリーは軽量です。そのため1個のバッテリー容量も小さく、連続して飛行できる時間は構造上10分程度と短め。予備バッテリーが付属していることが多いですが、それでも丸一日遊ぶ……なんてことは厳しいです。
特徴4:価格が比較的安い
100g未満のドローンは専門機と比較すると価格は抑えられています。カメラが搭載されているモデルは8000円~2万円程度で、飛行して楽しむだけならば5000円程度で購入可能です。
特徴5:100g未満ドローンは航空法の規制を受けない
2022年6月20日から、機体重量100g以上のドローンが規制の対象となっています。手軽に飛ばすのであれば、今回比較した100g未満のドローンがベスト。
ちなみに100g以上のドローンを飛行させるには、国土交通大臣の許可または承認が必要で、国土交通省への機体登録が義務付けられており、登録されていないドローンは、飛行できません。飛行禁止空域の侵入や飛行方法に問題があった場合は、罰則が科せられることがあるので要注意です。
100g未満のドローンは以上のような航空法の規制がないため、国土交通省への申請や登録は必要ありません。しかし、100g未満でも飛行が禁止されているケースもあります。それについては、次で詳しく解説していきます。
100g未満ドローンを飛ばすにあたっての注意事項
以上のように100g未満のドローンは航空法の規制がないため、国土交通省への申請や登録は必要ありません。ただし、100g未満のドローンにも小型無人機等飛行禁止法や各自治体の条例があり、重要施設周辺や特定の場所でのドローン飛行が禁止されています。
以下の飛行禁止区域に該当する場合は飛行できませんので、注意してください。
- 国土交通大臣が指定する空港周辺地域
- 国会議事堂、内閣総理大臣官邸などの国の重要施設、外国公館、自衛隊基地、原子力発電所などの原子力事業所
- 都道府県や市区町村の条例で定める飛行禁止区域(都立公園など)
- 道路使用許可を得ていない道路
- 土地所有者の許可を得ていない私有地
- 河川敷や海岸(ドローンの飛行が禁止されている場合がある)
- 災害や捜索、救助活動などによる緊急用務空域
- 特別措置法により新たに指定された飛行禁止区域(オリンピック会場など)
また、私有地を飛行する場合は、土地所有者や管理者に許可を取る必要があります。
100g未満ドローンの選び方
それでは、具体的にはどんな点に注意して100g未満ドローンを選べばいいのか確認していきましょう。
操作性
ドローン操作には「高さ(上昇・下降)」「方向(旋回)」「移動(前後・左右)」の3パターンがあり、付属のリモコンやスマホアプリで行います。微細な操作はリモコンが得意で、スマホでの操作はなめらかな動きがしにくい傾向があります。また、自動離着陸機能を搭載したモデルがおすすめです。今回検証した製品は、基本的にすべて対応していました。
飛行時間
100g未満という制約があるため、バッテリーはコンパクトで容量が少なめ。飛行時間は短いので、10分以上の飛行が可能なモデルを選ぶと、より長く楽しめます。
また、予備でバッテリーを用意するとなると余計に費用がかさむので、付属で予備バッテリーがあるものを選ぶとお得です。
カメラ性能
搭載するカメラの画質は、大型の撮影用ドローンやスマートフォンに比べて劣ります。また、飛行中の画角の操作ができず、手動で行う機種がほとんどなので、あくまでおまけ程度。とはいえ、普段のスマホでは絶対に撮れない画角からの撮影ができるので、遊びで使うのには十分でしょう。
安全性
室内での飛行や初心者の方は、プロペラガード付きのモデルがおすすめ。全方位にプロペラガードがあるモデルから、一部にしかプロペラガードが装着されていないモデル、何も付属しないモデルもあります。
100g未満ドローン5製品を徹底比較
さまざまなメーカーから発売されている100g未満のドローンですが、実際に使ってみないと細かい性能はわかりにくいのが現実です。今回は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったECサイトで購入できる、100g未満ドローンの人気商品をピックアップ。
ドローンインストラクターの岡宏治氏とプロカメラマンの文田信基さんと一緒に、以下の項目でテストしました。
検証1:遅延はないか?
リモコン操作とドローンの動きとの間に遅延がないかをテストしました。
検証2:安定性はあるか?
ドローンをホバリングさせ、上下左右に移動せずに静止できるかをテストしました。
検証3:思い通りに操作できるか?
ドローンを思い通りに操縦できるか、旋回のしやすさをメインにチェックしました。
検証4:安全に使えるか?
空中で静止できるか、壁などに衝突した際にプロペラガードがドローンを保護できるかをテストしました。
検証5:駆動音はうるさくないか?
駆動音の最大音量を測定しました。
検証6:十分な稼働時間があるか?
バッテリー1個あたりの公称稼働時間を参考にしました。
選び方7:写真や動画の質はいいか?
撮影した画像や動画の色味や解像度を見て適性に表現できているかをプロカメラマンにチェックしました。
100g未満ドローンのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ドローンのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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Ryze TechnologyTello
![]() |
|
98×92.5×41mm |
80g |
100m |
13分 |
2.4GHz |
不明 |
82.6° |
なし |
2592×1936(JPEG)・1280×720(MP4) |
JPEG・MP4 |
100m |
|
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G-ForceLACIERO
![]() |
|
134×104×42mm |
80g |
約30m(Wi-Fi 20m) |
約7分 |
2.4GHz |
約80分間 |
不明 |
チルト回転 |
3840×2160P(JPEG)・1920×1080P(MP4) |
JPEG・MP4 |
不明 |
|
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ホーリストーンHS155
![]() |
|
252×172×41mm |
98g |
150m |
14分 |
2.452~2.474GHz |
約60分 |
120° |
90~0° |
1280×720(JPG)・1920×1080(MP4) |
JPEG・MP4 |
100m |
|
![]()
DEERCJP-D40
![]() |
|
188×15×41mm |
70g |
約140m |
11分 |
2.4GHz |
約90分間 |
67° |
90~0° |
1920×1080(JPEG)1920×1080(MP4) |
不明 |
60m |
|
![]()
ホーリストーンHS130
![]() |
|
126×79×48mm |
95.2g |
100m |
11分 |
2.4GHz |
約70分間 |
不明 |
90~0° |
1920×1080(JPEG)・1920×1080(MP4) |
JPEG・MP4 |
60m |
【1位】DJI「Tello」
- Ryze TechnologyTello
- 実勢価格: ¥12,121〜
- 遅延
- 安定性
- 操作性
- 安全性
- 音の大きさ
- 稼働時間
- カメラ画像
- カメラ映像
- おすすめポイント
-
- ホバリング時の高度が安定
- 操作性が高く、旋回もスムーズ
- 狙った位置に正確に停止し、衝突しにくい
- カメラ画像の色味が適切
- がっかりポイント
-
- パワーがあるため稼働音がやや大きい
- 本体サイズ
- 98×92.5×41mm
- 機体重量
- 80g
- 操縦可能距離
- 100m
- 最大飛行時間
- 13分
- 送信機周波数帯
- 2.4GHz
- 充電時間
- 不明
- カメラレンズ視野角
- 82.6°
- カメラ調整範囲
- なし
- 画素数
- 2592×1936(JPEG)・1280×720(MP4)
- 写真・映像形式
- JPEG・MP4
- リアルタイム距離
- 100m
- 型番
- D-162930
色表現が優秀。感度荒れが少しありますが、明暗がはっきりして見やすい。アウトドアにおすすめです
おすすめポイント1:高性能のフライトテクノロジーを搭載し、安全に飛行が可能
機体背面には、ビジョンポジショニングシステム用のカメラと気圧センサーを搭載し、安定飛行が可能。
今回検証したドローンでも採用している自動離陸や離着陸にも対応し、ワンタップで離着陸できます。万が一接続が切れても落下するのではなく、安全に着陸するので安心です!
おすすめポイント2:静止画は問題ないが、動画のクオリティは高くない
再現性という意味では、明暗がしっかり表現されましたが、日が落ちるとともに画面も暗くなります。にじみやノイズも入り込んでしまうので、日中の撮影で実力を発揮してくれるでしょう。
【2位】G-Force「LACIERO」
- G-ForceLACIERO
- 実勢価格: ¥14,691〜
- 遅延
- 安定性
- 操作性
- 安全性
- 音の大きさ
- 稼働時間
- カメラ画像
- カメラ映像
- おすすめポイント
-
- 全面保護のプロペラガード付属
- 専用ケース付属
- 操作しやすいリモコン
- 玩具らしいデザイン
- がっかりポイント
-
- 稼働時間が短い
- スマホアプリとの接続が不安定
- 本体サイズ
- 134×104×42mm
- 機体重量
- 80g
- 操縦可能距離
- 約30m(Wi-Fi 20m)
- 最大飛行時間
- 約7分
- 送信機周波数帯
- 2.4GHz
- 充電時間
- 約80分間
- カメラレンズ視野角
- 不明
- カメラ調整範囲
- チルト回転
- 画素数
- 3840×2160P(JPEG)・1920×1080P(MP4)
- 写真・映像形式
- JPEG・MP4
- リアルタイム距離
- 不明
- 型番
- GB043
高度の維持はやや苦手ですが、横への移動は比較的操作しやすい印象。また、大きなリモコンが持ちやすく、操作も直感的で使いやすかったです
色味の表現が優秀ですが、明所と暗所の撮影はやや苦手。また、歪みがきついので、広範囲の遠景撮影におすすめです
おすすめポイント1:専用ケースで携帯性が向上
「LACIERO」は持ち運びに便利な専用ケースが付属しています。大きなプロペラガードとリモコンも収納可能。
おすすめポイント2:動画のクオリティは100g未満ドローンにしては及第点
暗部は画面がつぶれ、明るいところは白く飛びしがちです。サイドが広がっていて、歪みも気になる……。遠景の撮影に向いています。
※上記の動画は、ドローンを手で持った状態で撮影しています
【3位】ホーリーストーン「HS155」
- 遅延
- 安定性
- 操作性
- 安全性
- 音の大きさ
- 稼働時間
- カメラ画像
- カメラ映像
- おすすめポイント
-
- 長い稼働時間
- 専用ポーチ付属
- 良好な動画画質
- がっかりポイント
-
- プロペラガードなし
- 安定性に欠ける
- 折りたたみ不可
- 本体サイズ
- 252×172×41mm
- 機体重量
- 98g
- 操縦可能距離
- 150m
- 最大飛行時間
- 14分
- 送信機周波数帯
- 2.452~2.474GHz
- 充電時間
- 約60分
- カメラレンズ視野角
- 120°
- カメラ調整範囲
- 90~0°
- 画素数
- 1280×720(JPG)・1920×1080(MP4)
- 写真・映像形式
- JPEG・MP4
- リアルタイム距離
- 100m
- 型番
- HS155
ホバリング時に意図せず移動し、プロペラガードがないためやや安全性に欠けます。無風の屋外や体育館での使用がおすすめ
1位の「Tello」に次いで発色が良いです。ただし、画角が広いため歪みが大きく、魚眼レンズのような仕上がりになります
長時間飛行で練習に最適
100g未満のドローンはバッテリー容量に制限がありますが、「HS155」は1個あたり14分と飛行時間が長め。長時間練習してドローン操作に慣れたい方に最適です。
色が派手めに表現される
動画では彩度が高く、色がはっきりしています。ただし、両サイドの歪みはきつめ。
【4位】DEERC「JP-D40」
- DEERCJP-D40
- 実勢価格: ¥8,690〜
- 遅延
- 安定性
- 操作性
- 安全性
- 音の大きさ
- 稼働時間
- カメラ画像
- カメラ映像
- おすすめポイント
-
- プロペラガード装着可能
- 稼働音が比較的静か
- 1万円以下で購入可能
- がっかりポイント
-
- 高度維持が不安定
- リモコンでの微調整が難しい
- カメラ画質が低い
- 本体サイズ
- 188×15×41mm
- 機体重量
- 70g
- 操縦可能距離
- 約140m
- 最大飛行時間
- 11分
- 送信機周波数帯
- 2.4GHz
- 充電時間
- 約90分間
- カメラレンズ視野角
- 67°
- カメラ調整範囲
- 90~0°
- 画素数
- 1920×1080(JPEG)1920×1080(MP4)
- 写真・映像形式
- 不明
- リアルタイム距離
- 60m
- 型番
- JP-D40
ホバリング時に機体が安定せず、縦横に勝手に移動してしまいました。ただ、プロペラガード付きで安全性には配慮されている印象です
細部の表現は苦手ですが、画像処理で補正されている印象。人物撮影に向いています
折りたたみ式で携帯性に優れる
本体は折りたたむと幅93×奥行き63×高さ41mmとコンパクトサイズ。重量も約70gと軽量で、携帯性に優れています。
無理な加工・補正しているため、動画画質がガサガサ
画像処理でなんとか映像を保っていますが、細かい部分がガサガサで再現できていません。コントラストが低く、画面がぼんやりしているのも気になります。
【5位】ホリストーン「HS130」
- ホーリストーンHS130
- 実勢価格: ¥7,480〜
- 遅延
- 安定性
- 操作性
- 安全性
- 音の大きさ
- 稼働時間
- カメラ画像
- カメラ映像
- おすすめポイント
-
- 動画画質は比較的良好
- 予備バッテリー2個付属
- 1万円以下で購入可能
- がっかりポイント
-
- 高度維持が不安定
- プロペラガードなし
- リモコンでの微調整が難しい
- カメラ画質が低い
- 本体サイズ
- 126×79×48mm
- 機体重量
- 95.2g
- 操縦可能距離
- 100m
- 最大飛行時間
- 11分
- 送信機周波数帯
- 2.4GHz
- 充電時間
- 約70分間
- カメラレンズ視野角
- 不明
- カメラ調整範囲
- 90~0°
- 画素数
- 1920×1080(JPEG)・1920×1080(MP4)
- 写真・映像形式
- JPEG・MP4
- リアルタイム距離
- 60m
- 型番
- HS130
ドローンが旋回する操縦が難しい印象です。サイズが大きいのも気になります
画像の表現力が低いうえ、ノイズが多く、白飛びも目立ちました
ゲームコントローラー風のリモコン
付属のリモコンはゲームコントローラーのような形状です。操作感は親しみやすいですが、ドローン操作は2位のG-Forceなどスティック状のリモコンのほうが微調整しやすいです。
色味とコントラストはまずまずだが、動画は厳しい
やや青みがかっていますが、色味とコントラストは適性に出そうと好感が持てます。ただし、解像度が低く、細部が表現できていません。また、感度も高感度に弱く荒れてチリチリでガサガサでした。
まとめ:頭ひとつ抜けているDJI「Tello」がベストですが安全性高めのG-Forceもアリ
人気の100g未満ドローン5製品のおすすめランキングを発表しました。
今回ベストバイになったDJI「Tello」はやはりドローンの定番メーカーだけあって性能が抜群でした。「遅延」「安定性」「操作性」「安全性」「稼働時間」「カメラ画像」「カメラ映像」7項目で最高得点を獲得。
とりわけ、「安定性」はほかの機種とは比較にならないほどの性能で、空中にピタっと静止できるのは技術力のなせるわざです。本格的なドローン操作の前に、練習用機としても十分使えるでしょう。
また、子どものプレゼント用に100g未満ドローンを探している方におすすめしたいのは、安全性が高い本機に加えG-Force。全面保護タイプのプロペラガードが付属していて、安心して使えます。ビビットな色合いの動画も新鮮で面白いはず。
ただし、上位の機種はどれも1万円以上とそれなりの値段。とりあえずドローンを体験してみたい人には1万円以下でひと通りの空撮ができるDEERC「JP-D40」やホリストーン「HS130」ドローンも手頃な選択肢としておすすめです。
ぜひこのランキングを参考にして、自分に最適な100g未満ドローンを選んでみてください!
安定性が高く、低空でも静止可能。操作性も良く、入門機として最適です