「ホットシュライバー」ってどんなツール?
「ホットシュライバー」は、模型用工具などでお馴染みの「ゴッドハンド」から、2023年6月30日に発売された電熱ペンです。
製品には6色のホイルが付属しており、熱でホイル素材を模型に転写する仕組みです。
ゴッドハンド株式会社「ホットシュライバー(GH-UHS)」
- ゴッドハンド株式会社ホットシュライバー(GH-UHS)
- 実勢価格: ¥6,204〜
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本体と転写用ホイル6色がセットになっているので、購入してすぐに試すことができます。
これまで、模型に箔押しするツールはなかったので、何を置いてもまず気になるのが、その実力です。そこで、さっそく編集部にて検証してみました。
なお、ゴッドハンドからはもうひとつ、「ヒートアイゼン」という変形や造形に特化した電熱ペンも発売されています。
ゴッドハンド株式会社
ヒートアイゼン(GH-UHI)
実勢価格:5500円
全長:約135mm(コード除く)
重量:約53g(コード含む)
温度:約300°C
消費電力:10W
セット内容:本体、ペンホルダー、先端チップ(7種)
約300℃の高温でプラスチックを溶かし、変形や造形ができる製品です。今回、併せて検証しているので、興味がある方はぜひそちらもご覧下さい。
「ホットシュライバー」の性能は?
「ホットシュライバー」の検証にあたり、その実力を見るだけでなく、「実際にどんな活用法があるのか?」も知りたいところです。
そこで、プロの意見を聞くため、モデラーとして活躍中のオオゴシトモエさんにも参加して頂きました。
実際に模型に使ってみて、「発熱の早さ」「汎用性」「持ちやすさ」「使い勝手」の4項目で実力を評価。
さらにオオゴシさんに、使ってみた感想や実際にどんな使い方ができるかなどをお聞きしました。
テスト1【発熱の早さ】:すぐに使い始められるか?
結果:発熱は早く、2分かからずに使い始められます
ハンダゴテなど、電熱系のツールでよくあるのが、熱くなるまでに時間がかかり、すぐ使い始められないことです。
そこで、まずは「発熱の早さ」を検証。
使い方は簡単で、本体を電源に挿してスイッチをオンにするだけ。先端が熱くなるので、付属のペンホルダーに置いてしばらく待ちます。
公式では100℃に到達するまで1~2分とありますが、実際に使ってみたところわずか1分たらずで使用可能に。
ホイルを転写したい部分に被せて、上からゆっくりなぞるだけで箔が転写されます。
なお、この手のツールとしては温度は低めなので、ゆっくり作業しても下のプラスチックが溶けることはありませんでした。
テスト2【持ちやすさ】:持ちやすく細かい作業がしやすいか?
結果:ペン感覚で持ちやすく、細かい作業もしやすいです
本体は小型で軽量なので持ちやすく、先端が短いのでペン感覚で使えます。
細かな作業もしやすいのですがひとつ難点をいえば、コードに付いているスイッチの位置が邪魔なことです。比較的本体に近い位置のコードに付いているため、作業していると持ち上がって腕に当たります。
作業に支障をきたすほどではありませんが、ちょっと煩わしさは感じます。「本体にスイッチが付いていればもっと使いやすいのに……」とは思いました。
一般的な“はんだごて”と比べると、かなりコンパクトで使いやすいです。ペン感覚で使えるのもGood。残念なのはやはりスイッチの位置です。せめてもうちょっと端子側に付いていれば嬉しい!
テスト3【汎用性】:これ1台でいろんなシーンで使える?
結果:線の箔は引きやすいけれど、面の箔押しはなかなか大変です
本体には0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mmの4種類の先端チップが付属しています。先端チップを交換することで、さまざまな表現が可能です。
先端チップの交換は回して外すだけと手軽で、取り替え用バネが付属しているので、熱いままでも交換が可能です。
なお、スイッチをオフにしてから手で触れる程度まで冷えるのに4分程度と書かれていましたが、これもおおむねその通りでした。
オオゴシさんにすべての先端チップを使って、実際に模型のパーツに箔を転写してみてもらいました。
その結果、箔自体は簡単に転写できますが、キレイに転写するのはテクニックが必要との結論に。
模型のパーツは物によっては形状が複雑なので、なかなか思うように作業が出来ません。
また、ホイルを上から被せて作業するため、実際に転写したい部分が見えないのも作業しづらく感じた理由のひとつです。とはいえ、これは箔押しの仕組み上、どうしようもないと言えます。
4種類の太さの先端チップが付属していますが、ホイルを破かずに作業できるように、先端は丸みを帯びています。このため、どうしてもパーツに当たる部分が点になってしまい、面として箔をキレイに貼るには慣れが必要そうです。
何度か重ねて作業すればもっとキレイに仕上がりそうですが、一度の作業ではあまりキレイに貼れませんでした。
先端がどれも細いので、線を中心とした描写には向いています。もうちょっと滑らかで平らな先端チップが欲しいですね。
テスト4【使い勝手】:総合的に見て使い勝手はいいか?
結果:ケース付きなので片付けも楽ちんです
セットには専用ケースが付属しており、本体だけでなく6色のホイルもすべてまとめて入るのは非常に便利で
す。
なくしてしまいがちなサイズの先端チップも、まとめて入れておけるケースが付属しています。これなら1つだけなくしてしまった……なんて心配もいりません。
電源コードはUSB Type-A端子なので、モバイルバッテリーでも使えます。ただ、ACアダプターは付属していないので、自分で用意する必要があります。
また、本体セットの話ではありませんが、専用ホイルが6色セットでしか販売されていないのは残念です。おそらく、色によって使用頻度に大きく差が出るので、できればバラで買いたいところです。
ゴッドハンド株式会社
ホットシュライバー専用ホイル(6色セット)
実勢価格:2640円
カラー:6色
ホイル幅:約4cm
ホイル長:約400cm
ケース付きは嬉しいですね。先端チップもドライバー不要で、回せば交換できるのは手軽です。取り替え用バネも付いているので、先端を交換するために冷めるのを待つ必要がないのは、作業が中断されないので快適です。
「ホットシュライバー」のまとめ
ゴッドハンド株式会社「ホットシュライバー(GH-UHS)」
- ゴッドハンド株式会社ホットシュライバー(GH-UHS)
- 実勢価格: ¥6,204〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥6,204〜
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- 発熱の早さ
- 持ちやすさ
- 汎用性
- 使い勝手
結論:キレイに貼るには慣れが必要ですが、新しい金属表現ができます
ケースごと出してサッと使え、片付けも楽ちんです。スイッチの位置だけ微妙ですが、コンパクトな本体は持ちやすく、ペン感覚で手軽に使えます。
ただし、キレイに箔押しするのは思っている以上に大変でした。とはいえ、箔押しという作業自体がかなり目新しく、やっていて非常に楽しいです。
ガンプラのモノアイや自動車のエンブレム、戦闘機のキャノピーのフレームなど、いろいろと使いどころもありそうなので、あれこれ使っているうちに自然と熟練度は上がりそうです。
手が出しやすい価格なので、もう1つの新製品「ヒートアイゼン」と共に使ってみてください。
「ホットシュライバー」は箔押しという手法を使って、プラモデルにこれまでとは違った金属表現が可能な電熱ペン。使いこなすには慣れが必要ですが、塗装やプラモデル付属のシールにはなかなかできない独特な金属表現が可能です。
価格も手頃なので、プラモデルが趣味の人は新しい造形手段として買ってみるのもおすすめです。
スイッチをオンにして、1分程度で使えるのは早い! 発熱に時間がかかるとそれだけで面倒に感じてしまい、なかなか使わなくなるので、そういう意味でもかなり手軽に使えますね。