パソコンWi−Fi6対応の1万円以下のルーター、ASUSの最新モデルを検証!

Wi−Fi6対応の1万円以下のルーター、ASUSの最新モデルを検証! イメージ

家電量販店の売り場でWi-Fiを見ると、すっかり高速なWi−Fi6対応モデルで埋め尽くされ、Wi−Fi5から完全に世代交代したといえます。

そんなWi−Fi6対応ルーターの普及にともない、家庭で手軽に使えるエントリーモデルも続々と登場。なかでも1万円以下の製品は、いまやWi−Fi6対応ルーターの主戦場として存在感を高めています。

そこで今回ピックアップしたのは、2023年3月発売のASUSの最新モデルRT-AX1800U」と「TUF Gaming AX4200」。それぞれ1万円以下と1万円台という低価格でありながら、ゲーミングに特化していたり、メッシュに対応していたりするなど、最新のトレンドもしっかりカバーしている2製品です。通信速度も必要十分でコスパも良さそう。

とはいえ、本当にリーズナブルさと性能を両立できているのか、速度を計測して検証しました。

また、TP-Linkの同価格帯の製品とベストバイ製品とも速度の比較を行い、どれがおすすめなのか調べました。

パソコンWi-Fiルーターの選び方のポイントは?

検証の前に、まずは今どきのWi−Fiルーターの選び方をおさえましょう。

Wi-Fiルーター選びで重視したいのは、「速度」「価格」「安定性」の3本柱です。単純に通信速度の速さを選ぶなら高機能モデル一択ですが、非常に高価(3万円前後〜)。Wi-Fiに接続するデバイスが少なく、YouTubeなどの動画を観る程度なら過剰な性能です。

5〜10台程度の実接続数なら、1万円~2万円台前半の通信速度の速い製品を選ぶと、不満なくコストも抑えられます。

Wi-Fi6対応は絶対条件

Wi-Fi6対応は絶対条件 イメージ

現在の量販店で販売されているWi-Fi ルーターは、ほぼWi-Fi 6対応。価格も落ち着いており、通信も安定しているので、これから買うならWi-Fi6 対応モデル一択です。

古作光徳 氏
ITライター
古作光徳 氏 のコメント

いま買うならWi-Fi6対応がマスト。安定性が抜群です。

2.5G対応だとベター

2.5G対応だとベター イメージ

1Gbpsを超えるインターネット回線が珍しくなくなったいま、建物内の回線のWAN(=Wide Area Network)やLAN(=Local Area Network)ポートがそれ以下の規格では宝の持ち腐れ。2.5G対応モデルがおすすめです。ネット回線のボトルネックを防止します。

話題の次世代規格Wi-Fi7が2023年夏に登場

話題の次世代規格Wi-Fi7が2023年夏に登場 イメージ

さらにWi-Fi 6の次なる規格も登場しています。TP-Linkが、2023年3月に日本初となるWi-Fi7ル ーター「Archer BE9 00」とメッシュシステム「Deco BE85」を発表(発売は2023年夏予定)。本格的なWi-Fi7時代の幕開けに期待が集まります。

パソコンASUSの最新Wi−Fiルーターの検証方法は?

今回の検証は、木造2階建ての家屋で実施。2階の書斎にルーターを設置し、同階のベッドルーム、1階のリビングとキッチンで速度を測定しました。

ASUSの最新Wi−Fiルーターの検証方法は? イメージ
ASUSの最新Wi−Fiルーターの検証方法は? イメージ2

10Gポート搭載のクライアントPCにWi-Fiルーターを有線で接続し、Wi-Fi環境でノートPCからクライアントPCへのファイル転送速度を測定。各ポイントで3回測定し、平均値を導いています。

それでは、検証結果の発表です!

パソコンASUSの1万円クラスのWi−Fiルーター新製品を検証!

C評価ASUS「TUF Gaming  AX4200」

  • ASUSTUF Gaming AX4200
  • 実勢価格: ¥23,778

総合評価:2.8 / 5.0点

ゲーマー向けだが、別フロアでは速度が低下

ASUS「TUF Gaming AX4200」はタイトルを選ぶだけでポートが解放できるOpen NATなど、ゲ ームプレイ時に有効な機能を搭載しています。

ただし、測定では1階での速度低下が 大きく、フロアをまたいだ通信は苦手なよう。戸建て住宅よりマンションでの使用が向いています。

おすすめポイント
  1. 高速ネットの速度を落とさず利用できる
  2. ゲームを快適にする機能も搭載
がっかりポイント
  1. LANは1Gbps止まり
256mm
奥行
178mm
高さ
186mm
重量
547.4g
Wi-Fi 7
Wi-Fi 6E
Wi-Fi 6
Wi-Fi 5
無線LAN規格
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
Wi-Fi最大転送速度(理論値)
5GHz:3603Mbps、2.4GHz:574Mbps
ストリーム数
5
トライバンド
バンドステアリング
メッシュWi-Fi
IPv6(IPoE)
WAN(インターネット)ポート
2.5ギガビットポート✕1
LANポート
ギガビットポート✕4
型番
TUF-AX4200

転送速度のテスト結果

  5GHz帯の転送速度
  書斎 ベッドルーム リビング キッチン
下り(Mbps) 708.79 660.65 527.30 529.85
上り(Mbps) 442.03 419.15 368.92 272.43

※初期設定は「スマートコネクト」が有効のため、5GHzと2.5GHzは自動選択されます。

ここは優秀:ボトルネックを防ぐ2.5GのWANポートを搭載

 ここは優秀:ボトルネックを防ぐ2.5GのWANポートを搭載 イメージ

2.5GのWANポートを実装。ギガビット回線の高速インターネット契約者も、ポートのボトルネックを気にせずフルに速度を活用できます。

ここは惜しい:LANは1Gのみ

搭載されるLANは1Gbps止まり。有線接続メインだとやや物足りません。

B評価ASUS「RT-AX1800U」

  • ASUSRT-AX 1800U
  • 実勢価格: ¥9,071

総合評価:3.4 / 5.0点

エントリーモデルでも機能は充実!

ASUS「RT-AX1800U」は、メッシュネットワークへの対応や、ネットワークを保護する「AiPro tection」など機能が充実。しかし、転送速度は全体的に遅く、このあと紹介する同価格帯のTP-Link「Archer AX23」と比べてとくに優位といえるところはありませんでした。

おすすめポイント
  1. 安価だが4本の外部アンテナがあり細かい調整可能
  2. 安定性が高く離れた場所での速度低下が少ない
がっかりポイント
  1. 速度は平凡
190mm
奥行
126mm
高さ
188mm
重量
364g
Wi-Fi 7
Wi-Fi 6E
Wi-Fi 6
Wi-Fi 5
無線LAN規格
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
Wi-Fi最大転送速度(理論値)
5GHz:1201Mbps、2.4GHz:574Mbps
ストリーム数
4
トライバンド
バンドステアリング
メッシュWi-Fi
IPv6(IPoE)
WAN(インターネット)ポート
1Gbpsポート✕1
LANポート
1Gbpsポート✕3
型番
RT-AX1800U

ここは優秀:外部アンテナ採用で細かな調整が可能

ここは優秀:外部アンテナ採用で細かな調整が可能 イメージ

1万円を下回るモデルながら、4本のアンテナを実装。住環境に合わせて調整することで効率的に電波が飛ばせ、安定した通信が行えます。

ここは惜しい:速度そのものは平凡

転送速度のテスト結果
  5GHz帯の転送速度 2.4GHz帯の転送速度
  書斎 ベッドルーム リビング キッチン 書斎 ベッドルーム リビング キッチン
下り(Mbps) 789.70 475.08 414.04 376.09 178.11 172.10 95.07 100.06
上り(Mbps) 339.13 352.30 325.19 302.02 135.21 117.46 71.74 52.69

5GHz帯の転送速度のテスト結果のとおり、離れた場所での速度低下は小さいものの、最高速度は速くはありません。

古作光徳 氏
ITライター
古作光徳 氏 のコメント

離れた場所でも速度低下が小さく、安定した速度結果。ネットや動画視聴メインなら必要十分です。

パソコン同価格帯の製品やベストバイ製品と比較

続いて比較のため、ASUS「TUF Gaming AX4200」と同価格帯のルーターと、ASUS「RT-AX1800U」と同価格帯のベストバイ製品で同じ条件で速度を測ったので見てみましょう。

B評価TP-Link「Archer AX80」

  • TP-LinkArcher AX80
  • 実勢価格: ¥9,980

総合評価:3.3 / 5.0点

こちらは過去の検証でB評価となった、2022年12月発売のTP-Link「Archer AX80」。外付けアンテナを備えた平置きモデルの印象の強いTP-Linkから登場した、初の縦置きモデルです。

設計が難しい内蔵アンテナモデルながら、上り平均速度は好成績。この価格なら大満足です。

おすすめポイント
  1. アンテナ内蔵のすっきりしたデザイン
  2. アップ速度で好成績
型番
AX80
型番
ARCHER AX80

TP-Link初の縦置きモデル

TP-Link初の縦置きモデル イメージ

スリムなボディと内蔵アンテナ。このあと紹介する同社の「Archer AX23」と比べても、洗練された印象です。

転送速度のテスト結果

  5GHz帯の転送速度 2.4GHz帯の転送速度
  書斎 ベッドルーム リビング キッチン 書斎 ベッドルーム リビング キッチン
下り(Mbps) 658.40 606.24 610.33 527.80 181.05 179.94 161.84 152.35
上り(Mbps) 476.80 511.62 422.62 405.01 98.06 125.03 104.45 113.49

上り速度が速いから、仕事もゲームも安定してできます。

A+評価TP-Link「Archer AX23」

  • TP-LinkArcher AX23
  • 実勢価格: ¥9,800

総合評価:4.4 / 5.0点

こちらは過去にベストバイを獲得した、2022年3月発売のTP-Link「Archer AX23」です。

1万円以下で購入可能なエントリーモデルでありながら、実測テストでより高速な速度を謳っているクラスの製品に匹敵するパフォーマンスを発揮。

通信距離が離れるほど速度が低下しがちなWi-Fiですが、本機は戸建て住宅のすみずみまで安定した通信が行えます。

おすすめポイント
  1. 離れた場所でも電波が安定している
  2. 2.4GHz帯の速度も速い
がっかりポイント
  1. 外部アンテナの採用で設置場所に制約がある
型番
Archer AX23
型番
Archer AX23

転送速度のテスト結果

  5GHz帯の転送速度 2.4GHz帯の転送速度
  書斎 ベッドルーム リビング キッチン 書斎 ベッドルーム リビング キッチン
下り(Mbps) 737.13 713.46 673.76 705.76 177.73 171.38 139.07 152.35
上り(Mbps) 390.72 301.18 303.91 330.07 110.52 109.64 74.04 90.34

お手軽価格で一般家庭には必要十分な性能

お手軽価格で一般家庭には必要十分な性能 イメージ

実売価格が7000円程度とお手軽でありながら、実測テストで十分な通信速度を記録。ルーターから離れた場所の通信速度低下も小さく、最大接続台数も36台と一般的な家庭ならストレスなく使用可能です。

ただし、外部アンテナを採用しているため向きの調整が必須となるので、設置場所に気を配る必要があります。

以上、ASUSの最新Wi-Fiルーターの実力検証でした。買いやすい価格ではあるものの、残念ながら1万5000円未満のWi−Fiルーター部門で過去ベストバイに選ばれたTP-Link「Archer AX23」にはかないませんでした。

Wi-Fi6対応ルーターを検討中の方は、今回の検証をぜひ参考にしてください。

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