エレコム「HS-GMW 100BK」の特徴は?
エレコム
HS-GMW 100BK
実勢価格:1万5273円
サイズ:約W180×D95×H200mm・約312g(付属品を除く)
エレコム「HS-GMW 100BK」は家庭用ゲーム機でもパソコンでゲームをプレイするときのように、ゲームのプレイ音と通話相手の声を同時に聞けるミキサー付きのヘッドセット。
本機最大の特徴は、ミキサーがセパレート式になっていること。こちらの画像の本体の上半分のところで分離します。
ミキサーをゲーム機に挿すだけでOK
このようにミキサーが分離。ミキサーをゲーム機本体に挿すだけで使用することが可能です。
接続方法は、USB-Aケーブルによる接続とUSB-Cによる直挿しの2通りから選べます。
今までもミキサー付きのヘッドセットはありましたが、ミキサーとヘッドセットを有線ではなくワイヤレス(無線)で接続するタイプは珍しく、今回はその実力をチェックしました。
テスト1:ワイワイ通話しながらゲーム音も同時に聞こえる?
「HS-GMW 100BK」の仕組みは?
ほとんどの家庭用ゲーム機やそのソフトには通話機能がありませんが、それをカバーしてくれるのがエレコム「HS-GMW 100BK」です。
ミックスした音をワイヤレスで送信!
普段はテレビなどから聞こえるゲーム音をミキサーに入力します。さらに、PCやスマホなどの通信機器からLINEなどのアプリで通話している相手の音声を入力します。それから、ミックスした2つの音をワイヤレスでヘッドセットに送信する仕組みになっています。
このように、「ミキサー」とは2系統の音をミックスしてひとつの音にする機材のことです。そこでゲームのプレイ音と、スマホやパソコンでの通話音(相手の音声)をしっかりとミックスできるのか検証したほか、快適に遊べるかチェックしました。
2つの音がしっかり聞こえる
結果は良好で、実際にゲームをプレイしながらLINEで友人との通話を開始したところ、ゲームの音と通話中の相手の声を、はっきりと聞き取ることができました。また、音の途切れや遅延も少なく快適です。
ワイヤレスだからラクな姿勢でできる
ミキサーはUSB端子をゲーム機に、イヤホン端子をスマホなどに有線接続しますが、ミキサーとヘッドセット間は無線接続。従来製品のように、ミキサーとヘッドセット間のコードが邪魔になりません。
そのため、リラックスした姿勢でプレイできるほか、プレイ中につい体が動いてしまう人も快適に遊べます。
家庭用ゲーム機でも「ボイチャでプレイ」ができる
Nintendo SwitchやPlayStation5など、USBによる音声出力を備えているゲーム機ならば接続が可能。本製品を使用して、ゲーム音と通話相手の声をミックスできます。
テスト2:音質と通話性能
家庭用ゲーム機で、ゲーム音と通話音をミックスした音をワイヤレスで聞けるというだけで便利に感じられた本製品。
ですが、ヘッドセットの音質や通話性能はどうなのでしょうか。そこで実際にプロがゲームプレイや通話をして検証。Switch版「APEX」の効果音や足音、通話での相手の声やマイクを通した声の聞こえ方をチェックしました。
期待していたほど音質はよくない
プロによる評価は残念ながらあまり高くはなく、結果は「ギリギリ実用範囲内」というレベル。音質は悪いと言いきるほどではありませんが、同価格帯のヘッドセットで、もっと高音質で臨場感がある製品もあります。
「ミキサーとワイヤレスで接続する」という独自のメリットを考慮しても、1万円を超えるオーディオ製品としては実力が伴っているとはいえません。
しかし、ゲームプレイに不足はなく、友人とワイワイと通話しながらプレイするのであれば、音質にこだわりがない人は気にならないレベルです。
音質にこだわらなければ楽しめますが、価格に対して十分とはいえません。
マイク性能【評価:微妙】
音の帯域が狭く、音質がよいとはいえません。しかし、聞きにくいというほどではなく、ボイスチャットをしながらゲームプレイに支障はありません。
3Dサラウンド【評価:微妙】
3Dサラウンドモードに切り替えると低音がズンズンとエンタメ志向の音になるので、FPSなどで足音を聞き分けたいときにはやや不向き。BGMや効果音とナチュラルになじむような印象でした。
ミックス【評価:合格】
ミックスした音を聴くと、ゲーム音を個別で聴いたときに気になった再現性の低さや物足りなさは薄れる印象。両者を明確に聞き分けることができるので「ゲームをしながら通話」という目的はしっかりと果たしています。
通話音【評価:合格】
相手の声の聞こえ方は声を無理にクリアにしているわけでもなく、中低域重視の印象。声の質感や深みも聞きとれるので、「音質がかなりよい!」というほどではありませんが、普段の通話用としては実用範囲内というレベルです。
ゲーム音【評価:微妙】
ゲームの効果音やBGM(音楽)の再現としては低音が弱め。歌声にもクリアさはさほどなく、プロも辛口のコメントでした。
若干シャリッとした音。音の細かさは1万円台の製品としては物足りない。
テスト3:機能性と使い勝手
最後に機能性と使い勝手を検証しました。最初は感動しますが、徐々に不満が出てくることに。音質だけでなく、ミキサーとしても惜しい点が多く、特にミキサーに音量のバランス調整機能がない点は残念でした。
ヘッドセットに備えられているダイヤルやミュートボタンは手元で操作しやすいのに、ゲーム音と通話音のバランス調整は各端末で操作する必要があり、わずらわしさを感じます。
また、最新のスマホはイヤホン端子レスのモデルが多いため、変換端子がなければ接続できない点も不満です。
一方、便利さを実感できたのは飛行機内での利用時。機内放送とゲーム音を同時に聞けて快適でした。このように、イヤホン端子を挿せればミックスできるので、ゲーム音とラジオや動画配信をミックスするという使い道もあります。
操作性:手元の操作は快適だけど音量のバランス調整ができない
音量操作【評価:優秀】
マイクのミュート【評価:優秀】
右には音量調節のダイヤル、左にはマイクのミュートボタンが備えられていて、操作性は良好。特にマイクのミュートは側面全体が大きなボタンとなって、とっさのタイミングでもミスなく押せるのはいいです。
こちらは一般的なミキサーです。上部に4つ並んでいるのがバランス調整ツマミです。ミキサーは「ゲーム音は小さく、通話音は大きく」というように、音量のバランスを調整できるものが一般的。
バランス調整【評価:不合格】
しかし、エレコム「HS-GMW 100BK」にその機能はなく、音量のバランスは各端末を操作する必要があります。
接続:接続は超簡単!でもイヤホンジャックの使い勝手は微妙
設定不要ですぐに使える【評価:優秀】
ミキサーとヘッドセットは初めからペアリングされているので、箱から出してすぐに使用できます。設定の必要がないほか、接続自体もヘッドセットの電源を入れるだけで自動で行われるので、ストレスフリーです。
イヤホン端子の変換ケーブルは必須【評価:微妙】
ミキサーはゲーム機側をUSB端子で、通話側をイヤホン端子で接続しますが、最近のスマホはイヤホン端子を備えている製品が少なく、スマホで通話する際は別途で変換ケーブルが必要になります。
その他:スマホ・PC以外にもつながり飛行機での移動中が快適に
イヤホン端子が挿されば使用可能【評価:合格】
飛行機内で、なんと機内コンテンツやアナウンスとゲーム音のミックスも可能。アナウンスのたびに、いちいちヘッドセットを外す必要がなく快適でした。
自宅でのゲーム以外にも使える【評価:合格】
マイクを取り外して普通のヘッドホンとして使用したり、充電が切れても有線接続で使用できたりと、持ち運び用としても活用できる使い勝手のよさは高評価でした。
エレコム「HS-GMW 100BK」レビューのまとめ
さいごに、エレコム「HS-GMW 100BK」のよかった点や惜しかった点などをまとめてお伝えします。
エレコム「HS-GMW 100BK」
エレコム
HS-GMW 100BK
実勢価格:1万5273円
サイズ:約W180×D95×H200mm・約312g(付属品を除く)
▼よかった点
- 「通話しながらゲーム」が快適になる
- 操作や接続が簡単
- USBやイヤホン端子を挿せれば、なんでもミックスできる
▼惜しかった点
- 価格に対して音質・マイク性能が低い
- ミキサーで音量のバランス調整ができない
- イヤホン端子レスのスマホで使いにくい
以上、エレコム「HS-GMW 100BK」の検証レビューでした。従来の製品にはなかった「ワイヤレスでミックス」は本当に快適でしたが、改善すべき点も多くあり、B評価に。購入の決め手に欠ける……という結論となりました。
音質は気にしない派なので、個人的には欲しい!
同価格帯のヘッドセットなら高音質の「Razer」がおすすめかも
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Kaira for
PlayStation 5
実勢価格:1万3329円
Razer「Kaira for PlayStation 5」は、雑誌『家電批評』2022年6月号でベストバイとなった製品。ミキサー機能はありませんが、音質が良く、音質を重視するならこちらのほうがおすすめかもしれません。
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主にゲームのプレイ音と人の声の聞こえ方をチェックしています!