最強のベストバイと期待の自動回転鍋を比較!
これまで雑誌『家電批評』のテストでは、自動調理鍋といえばシャープの「ホットクック」が、ほぼ一強状態。幾度となく調理の検証を行いましたが、その仕上がりと手軽さに勝る製品は存在しませんでした。
まずは、シャープ「ヘルシオホットクック」の特徴を紹介します。
シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」
シャープ
水なし自動調理鍋
ヘルシオホットクック
KN-HW24G
実勢価格:5万7999円
サイズ・重量:W345×D305×H256mm・約5.8kg
2021年9月に登場したシャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」は、雑誌『家電批評』の2021年年間ベストバイに輝いた自動調理鍋。
画面と音声でナビゲートしてくれるので、誰でも簡単に調理が可能。メインからデザートまで、これ1台で完成します。
特徴1:料理がニガテな人でもカンタンに使いこなせる
付属のレシピ通りに材料を入れてスタート、または予約するだけで誰でもカンタンに料理が作れます。時短にもなるので、忙しいときにも大活躍すること間違いなしです。
特徴2:進化した「まぜ技ユニット」が手間をさらに省く!
2021年の最新モデルでは、性能がアップして、ポテトサラダのように食材を「つぶす」ことができたり、材料を入れて「混ぜる→調理する」までを自動化してくれたりと、大幅な進化を遂げました。
特徴3:料理の出来はどれもプロ級のおいしさ!
実食したプロの料理家も太鼓判を押すほどのおいしさで、メインになる魚料理や肉料理から、スープ、デザートまで作れます。無線LANに接続してレシピをダウンロードできるのも魅力。
しかし、そんなシャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」に待ったをかけるように登場したのが、アイリスオーヤマの「シェフドラム」です。
アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」
アイリスオーヤマ
自動かくはん式調理機
CHEF DRUM
KDAC-IA2-T
実勢価格:5万266円
サイズ・重量:W370×D279×H343mm・約7.2kg
2022年9月に発売されたアイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」は、鍋が自動で回転する最新の調理鍋です。
業務用の調理鍋に着想を得ていて、鍋がかたむけられるうえに、なんと自動で回転します。そのかたむきと回転によって食材を効率的にムラなく加熱・かくはんしようという狙い。さらに、予約調理も可能な本格派です。
シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」と違う点は大きく以下の3つ。
▼「ホットクック」との違い
- 内鍋が自動で回転してかくはんする
- 鍋が3段階にかたむいて、回転効率UP
- 揚げ物も自動調理できる
また、価格設定はシャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」よりも高額な約7万円。品質のよい製品を安く販売する、コスパの高さで知られるアイリスオーヤマの製品としてはかなり高額な設定で、その本気度がうかがえます。
特徴1:かたむきと回転でムラなく加熱&かくはん
まるで業務用の大鍋のように鍋本体をかたむけて回転させ、食材をムラなく加熱&かくはんさせます。炒め物や揚げ物、煮物といった多彩な料理を1台で簡単に、おいしく仕上げるというのが最大のウリ。
かたむけ角度は0°・30°・50°の3段階のなかから手動でセットし、レシピに合わせて使い分けます。今まであるようでなかった製品ですが、今回はその実力が本物なのかを厳しくチェックしていきます。
特徴2:メニュー数は108種と豊富!
付属のレシピブックには、カレーや煮物のような主菜から、焼き芋やジャムのようなデザートまで108種類のレシピが記載されています。
レシピブックの内容は、本体の持ち手部分にあるQRコードを読み込んでも参照可能です。
特徴3:「揚げ物も自動」は唯一無二!
これまでも揚げ物ができる自動調理鍋はありましたが、それは「揚げ物にも鍋が使える」というだけで、調理自体は自分で行う必要がありました。
油の予熱から揚げ終わりまでメニューによる自動化ができるのは、アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」だけの特長です。
「ホットクック」と「シェフドラム」で料理対決!
今回はアイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」がシャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」のライバルになり得るのかを徹底検証。
料理の仕上がりはもちろんですが、操作とレシピのカンタンさやわかりやすさ、後片付けや設置・収納のしやすさなどの使い勝手まで含めて、ガチ対決させました。
まずは、どちらがうまく料理を作れるかを比較テスト。味や調理の手軽さをプロが検証しました。
味勝負ではほぼ互角!独自機能も両者優秀
シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」
【メニュー数:500品〜】
▼テスト結果
- 合計 :78/100点
- 回鍋肉 :11/15点
- サラダチキン :10/15点
- ビーフカレー :15/15点
- さばの味噌煮 :13/15点
- 独自項目(オムレツ):8/15点
- 操作のわかりやすさ :10/10点
- 片付けのしやすさ :3/5点
- 収納性 :3/5点
- メニュー数 :5/5点
調理の手軽さではシャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」が圧勝。特に「まぜ技ユニット」はムラなくかくはんする以外にも、材料を混ぜる・ルウを刻むなどの細かい手間まで省けて優秀でした。
アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」の「自動で回転してムラなく加熱&かくはんする」という機構もうまく働くものの、「まぜ技ユニット」には劣ります。
それでは、おいしさはどうだったのでしょうか? 調理のテスト結果をメニューごとに見ていきましょう。
【炒め物】回鍋肉(20分)
- 評価……良好
ピリ辛で味は味噌ベース。下ごしらえで肉に片栗粉を付けているので、味がしっかりのっていて、ご飯が進みます。
【低温調理】サラダチキン(70分)
- 評価……合格
しっかり火が通っているのに柔らかく仕上がりました。ほんの少しだけパサつきを感じますが、市販のものより断然おいしいです。
【カレー】ビーフカレー(45分)
- 評価……優秀
▼調理前
▼調理後
じゃがいもはとろっとしているのに形はしっかり残った最高の状態でした。ルウを刻む手間がないのも嬉しいポイントです。
【煮物】さばの味噌煮(25分)
- 評価……優秀
しっとりしていてパサつきもなく、強めの煮付けで調味料とのなじみもよく、かなりおいしく仕上がります。
【混ぜ→焼き】オープンオムレツ(55分)
- 評価……合格
▼調理前
▼調理後
卵も他の材料と一緒にかきまぜずに鍋に入れるだけで均一に仕上がるのは高評価。ただし素材の味が強く、好き嫌いが分かれれます。
アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」
【メニュー数:108品】
▼テスト結果
- 合計 :76/100点
- 回鍋肉 :11/15点
- サラダチキン :12/15点
- ビーフカレー :11/15点
- さばの味噌煮 :14/15点
- 独自項目(唐揚げ):12/15点
- 操作のわかりやすさ:7/10点
- 片付けのしやすさ :4/5点
- 収納性 :2/5点
- メニュー数 :3/5点
どちらの料理がおいしいのかという食味検証では、当初の「ホットクック圧勝」という予想を大きく裏切る互角の結果に。
特にサラダチキンとさばの味噌煮は絶品で、アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」の温度調節の緻密さにプロも感動しました。
本製品の優位点は「自動で揚げ物ができる」こと。また、フタをしたまま揚げ物ができるので、油ハネがないのも高評価でした。
料理もおいしくできて、レシピ数も豊富です。レシピや調理中の操作説明がホットクックと比べると少しだけ不親切かもしれません。
それでは、「ホットクック」と同様に、調理のテスト結果をメニューごとに見ていきましょう。
【炒め物】回鍋肉(10分)
- 評価……良好
ピリ辛ですが、味もほどよく付いてご飯に合う味付け。野菜はシャキシャキに仕上がって、おいしいです。
【低温調理】サラダチキン(92分)
- 評価……良好
しっとり柔らかくハムのような仕上がり。火はしっかり通っていますが、調理後は早めに食べきるのがオススメです。
【カレー】ビーフカレー(55分)
- 評価……良好
醤油やウスターソースなどの味付けで濃いめの仕上がり。肉も柔らかくおいしいですが、ルウを刻むのは手間でした。
【煮物】さばの味噌煮(10分)
- 評価……優秀
まるでゆっくり火入れしたかのように、ふわっと柔らかく、臭みもありません。
10分でこの仕上がりはプロも絶賛していました。
【揚げ物】とりの唐揚げ(6分)
- 評価……良好
カラッと揚がり、衣もサクサクに仕上がりました。
鍋をかたむけて、少ない油で揚げられます。
後片付けや収納のしやすさは?
「ホットクック」はユニット以外はラクに手入れができる
- 後片付けの評価……合格
丁寧に洗うとやや手間ですが、そこまで面倒ではありません。
「シェフドラム」はパーツが少なくて洗いやすい
- 後片付けの評価……良好
内鍋とフタだけのシンプルな構造なので、洗いやすくラクちんです。
「シェフドラム」はキッチン・収納のスペースを圧迫する
鍋の容量と大きさはどちらもほぼ同じですが、アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」は、かたむかせる仕組みのために高さが出てしまっているうえに、前後にもある程度スペースを確保しなければなりません。
もう一回り小さければ、取り回しも悪くないので、小型化に期待です。
まとめ:料理はどちらも旨いが手軽さは「ホットクック」が上
ということで、「ホットクック」VS「シェフドラム」の対決は料理の仕上がりでは互角だったものの、レシピや調理中の指示もわかりやすく、誰でも手軽に使えるという点でシャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」の勝利となりました。
しかし、ここまでシャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」の牙城に迫った製品は過去に存在しません。シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」ではできない揚げ物を目当ての購入は大いにアリです。
それでは、最後にアイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」のヒット予測指数とよかった点、残念な点を紹介します。
アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」
アイリスオーヤマ
自動かくはん式調理機
CHEF DRUM
KDAC-IA2-T
実勢価格:5万266円
サイズ・重量:W370×D279×H343mm・約7.2kg
【予測ヒット指数:65%】
▼よかった点
- 料理もおいしくてフタをしながら揚げ物もできる
▼残念な点
- 価格がやや高くメニューや操作、設置スペースなどが課題
アイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」は、「すぐにヒット!」とはいきませんが、登場したばかりであることも考えれば、かたむきの調整が手動から自動になるなどの改良も期待できます。
よって、ヒット指数は65%という結論になりました。
自動調理鍋を安く試すなら「AINX」
AINX
スマートオートクッカー
実勢価格:2万9700円
AINX「スマートオートクッカー」は、シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオホットクック KN-HW24G」やアイリスオーヤマ「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM KDAC-IA2-T」の約半額で購入できます。
調理検証では火力の強さと炒飯の仕上がりが高評価でした。
おまけ:サンコーの「まわるフライヤー」も試しました
自動調理鍋の比較検証ということで、サンコーの「まわるフライヤー」も検証してみました。
サンコー「まわるエアフライヤードラム クルクルクック」
サンコー
まわるエアフライヤードラム
「クルクルクック」
実勢価格:1万8400円
サンコー「まわるエアフライヤードラム クルクルクック」は、鍋の中を下から電熱線、上から温風によって温める仕組み。
便利なように感じますが、消費電力は1000Wとドライヤー並で、調理時間も5分〜20分と長時間とあまり効率的ではありません。
フライドポテトやチキンの丸焼きなどもできるらしいのですが、付属のレシピもなく不親切。大容量なので、パーティでは活躍するかもしれません。
▼冷凍フライドポテト
▼冷凍チャーハン
▼冷凍ピザ
▼冷凍たこ焼き
今回実際に食材を温めてみたところ、確かにしっかり温められるのですが、電子レンジと仕上がりは大差ありませんでした。
自動調理鍋の購入を検討している人は、今回の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。
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フタをしながら揚げ物ができるのは、シェフドラムならではのポイントです。 料理の仕上がりも期待以上でおいしくできていました!