美味しく仕上がるのは 高い圧力鍋なのか調査!
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圧力をかけることで短時間で調理ができる圧力鍋。忙しいときはもちろん、根菜類や固くなりがちなお肉も柔らかく仕上がって、料理をする人なら気になるのではないでしょうか?
でもいろいろなメーカーの製品を見てみると、3~4000円台から2万円超えまで価格に大きな差が。高い鍋は、高い圧力をうたっていたり、素材が5層と厚くなっていたりします。また、圧力状態の表示の仕方や調理中の音の大きさ、フタの開け閉めしやすさなど、使い勝手も鍋によって違います。
そこで、ホントに高い鍋を買ったほうがいいのか、料理の仕上がりやできあがりの早さ、使い勝手を8製品を実際に使って検証しました!
〈今回検証した8製品〉
(1)フィスラー「ビタクイック」
(2)ヴェーエムエフ「パーフェクトプラス圧力鍋」
(3)アサヒ軽金属工業「ゼロ活力なべ」
(4)ビタクラフト「スーパー圧力鍋アルファ」
(5)ティファール「クリプソアーチ」
(6)ワンダーシェフ「魔法のクイック料理 AQSA30」
(7)アイリスオーヤマ「かんたん開閉圧力鍋」
(8)パール金属「クイックエコ H-5040」
検証をしてみて分かった圧力鍋の基本から選び方、おすすめランキングまでご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ベストバイはなんと3000円台! 仕上がりは高クオリティでした
検証では実際にいろいろな料理をつくって、仕上がりや出来上がりの早さ、使いやすさを徹底的にテストしました。
結果を先にお見せしちゃいますと、ベストバイに選ばれたのはなんと格安のこちらでした!
パール金属
クイックエコ H-5040
実勢価格:3909円
ベストに輝いたパール金属の「クイックエコ」は、どんな料理も柔らかく、味の染み十分の仕上がり! なかでも煮豚の仕上がりにほかの鍋との大きな差が出ました。火が通らなかったり、加熱しすぎてパサついた仕上がりの鍋もありましいたが、パール金属は柔らかいのにお肉ならではの弾力やジューシーさでとても美味しく仕上がりました。
ベストバイに続くランキングの前に、つづいては圧力鍋の基本と、価格によって何が違うのかをまとめたのでご紹介します。
圧力鍋はなぜ短時間で柔らかく 味が染みて美味しくなるの?
まずは知っていそうで意外と知らない圧力鍋の基本からご覧ください。知っておくと今後の圧力鍋選びにも役立ちますよ!
(C) PaylessImages/123RF.COM
基本1:加熱し圧力をかけることで、内部が高温になり時短調理が可能に!
圧力鍋は加熱すると鍋の中に圧力がかかりはじめ、温度が上昇します。100℃を超える高温になることで時短調理が可能になります。なかには120℃を超える鍋もあります。
基本2:仕組みは加圧→調理→減圧。減圧するまでフタは開きません!
圧力鍋は加圧、高温調理のあと、火を止めて圧力を下げます。減圧すると中の温度が下がり、フタが開けられます。減圧は鍋や調理によって変わりますが、5~10分ほどです。
基本3:加圧と減圧の長さが美味しさの決め手です!
圧力鍋は、加圧に時間がかかるほど旨味が引き出されます。反対に減圧の時間が長いほど、食材に味がよく染み込みます。そのため、急冷による減圧はおすすめしません。
基本4:圧力鍋は価格で「素材の層」が変わります!
圧力鍋は素材の層が厚くなると熱の通りや、冷めやすさなどが変わります。高い鍋ほど素材の層が厚くなる傾向にあり、鍋全体が熱しにくく冷めにくいため均一に熱が通ります。
[安い鍋はアルミをステンレスで挟む3層構造が主流]
かつてはアルミ1層やステンレス1層の圧力鍋もありましたが、今は熱伝導がいいとされているアルミとステンレスの3層構造が主流です。
今回のテストでは、鍋の素材がいいほど料理はおいしく仕上がるのか? 検証しました!
[高い鍋はステンレスの間にアルミ3層を挟んだ5層構造も]
アルミとステンレスの3層構造はもちろん、ステンレスの間のアルミが3層になっている5層構造の鍋もあり、全体をより均一に加熱できます。
基本5:圧力が違う! 高い鍋は圧力も高い傾向にあります
圧力鍋は高い圧力がかかるほど、中の温度も上昇します。高い鍋はほとんどが100kpaを超えており、1番圧力の高い「ゼロ活力なべ」は、温度が126℃まで上がります。
[価格の高い鍋の場合]
アサヒ軽金属工業
ゼロ活力なべ
圧力:146kpa
[価格の低い鍋の場合]
パール金属
クイックエコ H-5040
実勢価格:3948円
圧力:100kpa
圧力が高いほど早く料理の出来上りが早いのか? は検証で明らかにしました!
基本6:使い勝手が違います
安い圧力鍋はフタを閉めるだけでロックされるシンプルで安全な点がメリット。一方高い鍋はロックの厳重さや、圧力のかかり具合がわかりやすいところなどがさらに安心です。
こちらはシンプルで使いやすい構造ながら、安全な安い鍋。もちろん調理中はフタが開かないようになっていますが、ロックが厳重な高い鍋と比べてちょっと不安に感じる鍋もあります。
一方高い鍋はロックが厳重です。見えるロックも安心!
高い圧力鍋の中にはフタを閉めてから、さらに自分でロックをかける構造のものもあります。フタが閉まっていても、ロックがかかっていないと圧力がかからないので安心です。
でも実際に高い鍋の方が使いやすいのでしょうか? 使い勝手についてもじっくり比較してみましょう!
続いては、検証方法をご覧ください。
[検証方法]美味しさと早さ 使いやすさ3点をチェック!
価格がさまざまな圧力鍋ですが、料理の仕上がりや出来上がりの早さ、使い勝手にどのようなさがあるのでしょうか? 下記のテストを実施し比較してみました。
[テスト1:料理の仕上がり]
最低限必要な水分の量に合わせて鍋ごとの調味料を調節し、同じレシピで調理しました。
圧力鍋で「煮豚」と「さんまの生姜煮」、「カボチャの煮物」を作り、仕上がったものをプロに食べてもらい「柔らかさ」と「味の染み」を判定しました。
[テスト2:出来上がりの早さ]
圧力鍋は、ずっと圧力がかかってるわけではありません。鍋の中は加圧→高温調理→減圧が起こっています。
そこでテスト1の各鍋の調理時間を計測。今回は鍋によって高温調理の時間に一番差があった「さんまの生姜煮」で比較しています。
調理中の「加圧」、「高温調理」、「減圧」の3段階の時間をそれぞれ計りました。高温調理の時間は鍋のレシピを参照しています。
[テスト3:使いやすさ]
調理時の音や圧力表示ピンの見やすさ、フタの開閉しやすさなどの使い勝手を、プロと一緒に検証。チェックしたのは「圧力表示」「フタの開閉」「重さ」「お手入れ」「静かさ」「焦げにくさ」の6項目で、S・A・B・C・Dで採点しました。
ピンの形はいろいろ。上記の写真のように浮き上がったピンから見える線の数で、圧力のかかり具合が判断できる分かりやすいものもあります。
それではさっそくそれぞれのテスト結果からみていきましょう!
[テスト1の結果] 素材や価格は関係なし!
実際に料理をつくってその美味しさを比較したこちらのテストでは、驚きの結果がでました!
素材の層の厚さによって熱しやすさも冷めやすさも変わるといわれる圧力鍋ですが、料理の仕上がりには関係がないことが判明。値段が高いから美味しく仕上がるわけではありませんでした!
1位となったパール金属は、安い圧力鍋によく見られるステンレスとアルミの3層構造。ほかの圧力鍋と比べて煮豚に程よい弾力がありながら、柔らかくジューシーに仕上がりました。
[1位]パール金属「クイックエコ」:最安でも柔らかく、味の染み具合もバツグン!
パール金属「クイックエコ」は、さんまもカボチャもしっかり煮えて苦手な料理がありませんでした。煮豚の加熱が足りず、少し赤みが残った鍋もいくつかあった中、パサパサ感なく弾力のあるジューシーな仕上がりになりました。
パール金属
クイックエコ H-5040
実勢価格:3948円
内側:ステンレス
中:アルミ
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:A評価
味の染み:A評価
それぞれの仕上がりをご覧ください。残念な仕上がりで8位となったアイリスオーヤマと比較してみます。
[煮豚:柔らかさ]
パール金属の仕上がりにハリがあるのに対して、アイリスオーヤマは少し加熱しすぎなのか縮こまっており、断面にもシワがよっています。肉の色も暗めの印象です。
[煮豚:味の染み]
アイリスオーヤマは全体的に色が濃くなっています。でも食べてみると、この色は味の染みではなく、火が通ったことによるただの煮色でした。
[さんまの生姜煮:柔らかさ]
どちらも柔らかめに仕上がっており、ホネが気になるということもありませんでした。箸で押すと、沈み込んでいるパール金属のほうが少し柔らかく煮えているのがわかります。
[さんまの生姜煮:味の染み]
どちらも色は染みています。味にも大きな差はありませんでしたが、よくよく見るとムラがあるアイリスオーヤマに対し、パール金属は全体にほんのりと色がついています。
[カボチャの煮物:柔らかさ]
煮崩れしない程度にくったりと煮えて、柔らかいパール金属。一方アイリスオーヤマも加熱が足りずに固いということはないが、柔らかさでは若干劣りました。
[カボチャの煮物:味の染み]
どちらもしっかり味が染みており、色がついています。でもアイリスオーヤマは調味料が染みすぎていて、カボチャの味を感じにくいしょっぱい仕上がりになってしまいました。
2位、3位には「ゼロ活力なべ」「ビタクラフト」といった高い鍋特有の5層構造の鍋がランクイン。いずれもパール金属と遜色のなく、味の染み具合と食材のうまみのバランスがい安定の仕上がりでした。難しい煮豚もちょうどよく火が通りました。
[2位]アサヒ軽金属工業「ゼロ活力なべ」:肉も野菜も魚もOK。圧力鍋としては優秀!
注目の「ゼロ活力なべ」は煮豚もさんまもカボチャも柔らかい仕上がり。味の染みは圧力鍋と大きな違いはありませんが、カボチャの甘みと調味料のバランスがピッタリでした。
アサヒ軽金属工業
ゼロ活力なべ
実勢価格:2万2192円
※楽天はミッキーマウスバージョン
内側:ステンレス
中:アルミ3層
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:A評価
味の染み:B評価
「ゼロ活力なべ」は肉も魚も野菜も柔らかく煮えます。
[さんまの生姜煮:柔らかさ]
ホネに部分的に固いところはありましたが、身は全体的にしっかりと煮えている印象です。
[さんまの生姜煮:味の染み]
開いた部分にほかの圧力鍋との色の違いは見られず、味の染み具合は特別優れてはいませんでした。
ちなみに「ゼロ活力なべ」は進化形圧力鍋といわれており、超高圧で調理時の温度が126℃まで上昇し、鶏肉など一部の料理が0分で調理できるとうたう鍋です。
蒸気が出ておもりが揺れたら、すぐに火を止めます。高温調理の時間はなんと0分!
火を止めたら、減圧してフタが開くまで放置すれば完成で、あっという間に一品できちゃいます。
[3位]ビタクラフト「スーパー圧力鍋アルファ」:味を染み込ませるのが得意な圧力鍋
すべての食材で特別柔らかく仕上がるものはありませんでしたが、肉やカボチャに味がしっかり染み込んでいました。また、調味料が食材の味を邪魔しないところも魅力です。
Vita Craft(ビタクラフト)
スーパー 圧力鍋 アルファ
2.5L
実勢価格:2万9638円
内側:ステンレス
中:アルミ3層
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:B評価
味の染み:A評価
[カボチャの煮物:柔らかさ]
箸で押すと、ほかのカボチャより少し抵抗感を感じますが、特別固い仕上がりではありません。
[カボチャの煮物:味の染み]
色はほかの鍋と大きな差はありませんでしたが、カボチャの旨味を感じることのできる染み具合でした。
[4位]ティファール「クリプソアーチ」:カボチャと煮豚の柔らかさがちょうどいい
クタクタになりすぎず、歯がスッと通るようなカボチャの柔らかさが絶妙です。さんまも、身は焼いたものとあまり違いを感じませんでしたが、ホネはしっかり柔らかくなっていました。
ティファール
クリプソ アーチ
内側:ステンレス
中:アルミ
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:B評価
味の染み:B評価
[煮豚:柔らかさ]
火の通りすぎたようなパサついた固さではなく、肉のジューシーな弾力を感じます。
[煮豚:味の染み]
味の染み具合は平均的で、仕上がりの色もあまり濃くありません。肉の味が強めに出ていました。
[5位]ヴェーエムエフ「パーフェクトプラス圧力鍋」:カボチャ以外の味の染み具合はちょうどいい
味をしっかり染み込ませたい煮豚や、さんまの染み具合は合格点。ただカボチャはしょっぱい仕上がりになりました。反対に柔らかさは、カボチャが食感を楽しめる程よい仕上がりですが、煮豚は固めでした。
内側:ステンレス
中:アルミ
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:C評価
味の染み:B評価
[煮豚:柔らかさ]
加熱のしすぎか、押してみると少し固めの感触。食感もジューシーさに物足りなさを感じました。
[煮豚:味の染み]
外側だけでなく、断面の色も濃い仕上がりに。肉の旨味と調味料の風味のバランスはよかったです。
[6位]ワンダーシェフ「魔法のクイック料理」:魚は得意だけど肉の火の通りが悪い
ホネまで柔らかく、煮汁の甘じょっぱい味が美味しい仕上がりだったさんまに対して、煮豚は加熱が足りず、赤みの残る仕上がりに。味の染み具合も調味料ではなく、豚のくさみを感じました。
内側:ステンレス
中:アルミ
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:C評価
味の染み:C評価
[煮豚:柔らかさ]
高温調理の時間が最も短いためか加熱が足りず、煮豚らしくない柔らかさになりました。
[煮豚:味の染み]
火の通っているところも味の染み具合は薄く、食べてみると豚肉そのままの味です。
[7位]フィスラー「ビタクイック」:煮豚の味の染み具合に物足りなさを感じる
食感がトロトロで、食材と調味料のバランスもよく仕上がっているカボチャの煮物に対して、肉の味が強い煮豚は、まだまだ加熱して味を染み込ませたい仕上がりでした。
内側:ステンレス
中:アルミ
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:C評価
味の染み:C評価
[煮豚:柔らかさ]
ワンダーシェフほど赤みはありませんが、押してみるともう少し加熱したい柔らかさです。
[煮豚:味の染み]
外側まで色が薄く、ほかの鍋に比べて見た目にも味の染み具合が足りていない印象に……。
[8位]アイリスオーヤマ「かんたん開閉圧力鍋」:煮豚のパサついた仕上がりが足を引っ張りました
1位のパール金属との比較でご紹介しましたが、煮豚は火が通りすぎているためか、パサつきのある固めの仕上がりに。またカボチャの煮物は、味は染みていましたが、ほかの鍋に比べて調味料がしょっぱく、素材の甘みを引き出すことができませんでした。
内側:ステンレス
中:アルミ
外側:ステンレス
〈評価〉
柔らかさ:C評価
味の染み:C評価
[テスト2の結果] 圧力の高さが時短につながる!
普通の鍋と違って圧力鍋の調理過程は加圧、高温調理、減圧の3段階。減圧までが調理時間の圧力鍋は、時短重視で選ぶなら加圧と減圧の時間も重要です。
このテストでは圧力の高い「フィスラー」と圧力の低い「ティファール」では、完成時間が約17分違いました!
1位の「フィスラー」は、高圧で調理時間が15分と短め。また、5分前後で手早く加圧と減圧をしてくれるので、完成が早く、時短にピッタリの圧力鍋です。
一方8位だった「ティファール」は、圧力が最も低いためか、高温調理の時間が27分と長め。じっくり煮込むことはできますが、時短には向かない圧力鍋でした。
[1位]フィスラー「ビタクイック」:さんまがたったの15分でホネまで柔らかくなります
圧力の高さは3番目のフィスラーですが、加圧と減圧が早く1位に。完成まで24分50秒と、ホネも柔らかいさんまの生姜煮が作れます。
フィスラー
ビタクイック
実勢価格:1万5900円
圧力:110kpa
加圧:4分30秒
高温調理:15分
減圧:5分20秒
[2位]パール金属「クイックエコ」:高温調理がたったの15分でした!
高温調理が1位のフィスラーとの差がわずか2分。かなりの早さでできあがります!
圧力:100kpa
加圧:6分37秒
高温調理:15分
減圧:5分13秒
[3位]ヴェーエムエフ「パーフェクトプラス圧力鍋」:減圧以外は2位と一緒の早さでした!
圧力が低いのに加圧、高温調理、減圧、どれも素早くでました。
圧力:95kpa
加圧:6分37秒
高温調理:15分
減圧:5分18秒
[4位]アサヒ軽金属工業「ゼロ活力なべ」:減圧に少し時間がかかります
超高圧の圧力鍋は、高温調理、減圧の時間が短縮できませんでした。
圧力:146kpa
加圧:4分50秒
高温調理:15分
減圧:7分51秒
[5位]ビタクラフトスーパー「圧力鍋アルファ」:加圧と減圧の時間は1位並み!
加圧と減圧はかなり早いものの、高温調理の時間が長めです。
圧力:110kpa
加圧:4分48秒
高温調理:20分
減圧:5分37秒
[6位]アイリスオーヤマ「かんたん開閉圧力鍋」:加圧に時間がかかりました
加圧から減圧まで、いずれも少しずつ時間がかかりました。
圧力:100kpa
加圧:12分13秒
高温調理:20分
減圧:7分25秒
[7位]ワンダーシェフ「魔法のクイック料理」:短いのは高温調理の時間だけです
高温調理は早いものの、特に加圧に時間がかかりました。
圧力:140kpa
加圧:14分15秒
高温調理:10分
減圧:8分
[8位]ティファール「クリプソ アーチ」:高温調理の時間が最長……
ティファールは1位のフィスラーより高温調理の時間が12分も長く、最下位に。圧力が最も低いため、調理時間も一番かかりました。
圧力:80kpa
加圧:7分38秒
高温調理:27分
減圧:7分13秒
それでは最後に3つ目のテスト「使いやすさ」の結果をご紹介します。
[テスト3の結果] 高額製品はフタの開閉に安心感あり
シューシュー鳴る音が怖いイメージの圧力鍋に大事なのは安心感。料理が美味しくても過剰に蒸気が吹き出したりする鍋は心配ですよね。
1位のフィスラーは音や蒸気も抑え、圧力の状態、フタのロックもわかりやすく、調理中も安心して仕えました。対して最下位となったワンダーシェフは、音や染み出てくる水分が不安を煽りました!
[1位]フィスラー「ビタクイック」:ワンプッシュで簡単にフタをロックできて安心!
「フィスラー」は、わかりやすいロックや大きな圧力表示ピンなどを備えていながら、シンプルで使いやすい圧力鍋です。洗う際も凹凸が少ないデザインでラクラク。調理中は、音や蒸気もほとんど出ませんでした。使う人のことが考えられている鍋といえるでしょう。
フィスラー
ビタクイック
実勢価格:1万5900円
圧力表示:A評価
フタの開閉:A評価
重さ:B評価
お手入れ:A評価
静かさ:A評価
焦げにくさ:B評価
[取っ手にロック機能があります]
取っ手から飛び出したロックは、見やすくて安心感があります。使い方も、ロックを押しながらフタを右に回すだけのワンプッシュなのでわかりやすいですね。
[圧力ピンが見やすいです]
ピンが浮き上がり、表示されている線の数で中の圧力を判断できます。線が太くて丸いピンが、近寄って見なくてもわかりやすいんです!
ここでテストで分かった高い鍋と安い鍋の使いやすさの差をご覧ください。
[違い1:ロックが確認できるものが安心]
通常圧力鍋は、加圧の際にフタが開かないようになっていますが、自分でロックをかけたり、ロックがかかっているかどうかわかりやすい鍋が安心です。
[違い2:静かに調理を進めてくれる]
圧力鍋は、圧力がかかると蒸気が吹き出る鍋と、ピンが浮き上がる鍋、その両方が起こる鍋の3つに分かれます。鍋によって音の大きさは違い、ピンが浮き上がる鍋は、比較的静かに調理を進めてくれます。
[違い3:蒸気を閉じ込めうまみを逃さない]
蒸気の量は、調理中の音だけでなく、仕上がりにも影響が出ます。蒸気を逃がさない密閉型の鍋は、食材の旨味がしっかりと残っています。
これを踏まえて2位以降になった鍋を一挙にご紹介しますね。
[2位]ビタクラフト「スーパー圧力鍋アルファ」
密閉されていて蒸気が出ません。
圧力表示:B評価
フタの開閉:A評価
重さ:B評価
お手入れ:B評価
静かさ:A評価
焦げにくさ:B評価
[3位]アサヒ軽金属工業「ゼロ活力なべ」
昔っぽいシンプルさがわかりやすいです。
圧力表示:A評価
フタの開閉:A評価
重さ:B評価
お手入れ:B評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:B評価
[4位]パール金属「クイックエコ」
取っ手で圧力が調整できるのが便利です!
圧力表示:C評価
フタの開閉:B評価
重さ:A評価
お手入れ:B評価
静かさ:B評価
焦げにくさ:B評価
[5位]アイリスオーヤマ「かんたん開閉圧力鍋」
蒸気とピンの両方で圧力がわかります。
圧力表示:A評価
フタの開閉:B評価
重さ:C評価
お手入れ:C評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:B評価
[6位]ティファール「クリプソ アーチ」
凸凹があって、洗うのがちょっと大変です。
圧力表示:C評価
フタの開閉:B評価
重さ:B評価
お手入れ:C評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:B評価
[7位]ヴェーエムエフ「パーフェクトプラス圧力鍋」
ロックは安全ですが、わかりにくいのがザンネンです。
圧力表示:C評価
フタの開閉:C評価
重さ:B評価
お手入れ:B評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:C評価
そして、最下位の8位になったのがこちらです。
[8位]ワンダーシェフ「魔法のクイック料理」:圧力調理時の激しい反応が不安……。
加圧中におもり付近から蒸気と一緒に水が染み出てきたり、減圧するまで音がずっと鳴っていたりと不安な圧力鍋。取っ手についたフタのロックも小さくてわかりづらかったです。
圧力がかかった時に大きめの音がずっとシュルシュル鳴っています。同時に一緒に蒸気が吹き出すのはちょっと怖いです。さらに高温調理中も音が続きます。
圧力表示:C評価
フタの開閉:C評価
重さ:B評価
お手入れ:C評価
静かさ:D評価
焦げにくさ:B評価
以上がテストの結果でした。こちらの結果を総合的に踏まえ、おすすめ順にランキング形式でご紹介します!
肉も魚も野菜もなんでも美味しく! パール金属「クイックエコ」
料理の仕上がりが高評価だったパール金属。苦手な圧力鍋が多かった煮豚に火が通り、弾力を残しつつ柔らかく仕上げることができました。また仕上がりはもちろん、さんまを煮た時の調理時間は2位と、しっかり時短もできます。
鍋の使い勝手も、圧力表示が少しわかりにくいところはあるものの、圧力の強さを調節できるダイヤルが取っ手についているところや、表面のシンプルで洗いやすいデザインが便利で、3000円台なのに高クオリティな圧力鍋でした!
パール金属
クイックエコ H-5040
実勢価格:3948円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:1位]
柔らかさ:A評価
味の染み:A評価
[出来上がりの早さ:2位]
加圧:6分37秒
高温調理:15分
減圧:5分13秒
[使いやすさ:B評価]
圧力表示:C評価
フタの開閉:B評価
重さ:A評価
お手入れ:B評価
静かさ:B評価
焦げにくさ:B評価
すべての食材が柔らかく美味しい! アサヒ軽金属工業「ゼロ活力なべ」
すべての食材が柔らかく、味の染みもよかった「ゼロ活力なべ」。料理の仕上がりはベストに負けません! でもウリにしていた0分調理は使う食材やレシピによっては可能ですが、今回検証した料理では、圧力が高めの鍋と同じ調理時間。出来上がりの早さは4位となり総合評価では2位になりました。
アサヒ軽金属工業
ゼロ活力なべ
実勢価格:2万2192円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:2位]
柔らかさ:A評価
味の染み:B評価
[出来上がりの早さ:4位]
加圧:4分50秒
高温調理:15分
減圧:7分51秒
[使いやすさ:A評価]
圧力表示:A評価
フタの開閉:A評価
重さ:B評価
お手入れ:B評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:B評価
デザインがシンプルで使いやすい! ビタクラフト「スーパー圧力鍋アルファ」
ビタクラフトは味を染み込ませるのが得意な鍋。柔らかさはふつうでしたが、味の染みでは高評価で、バランスのいい味わいでした。シンプルなデザインで使いやすさはバツグンです。
ビタクラフト
スーパー圧力鍋アルファ
実勢価格:2万5990円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:3位]
柔らかさ:B評価
味の染み:A評価
[出来上がりの早さ:5位]
加圧:4分48秒
高温調理:20分
減圧:5分37秒
[使いやすさ:A評価]
圧力表示:B評価
フタの開閉:A評価
重さ:B評価
お手入れ:B評価
静かさ:A評価
焦げにくさ:B評価
4位: 料理が素早く仕上がる! フィスラー「ビタクイック」
フィスラーは蒸気が出ない密閉型の圧力鍋で、料理が素早く仕上がるのが特徴です。出来上がりの早さではベストとなりました。料理の仕上がりは奮いませんでしたが、表示なども見やすく使い勝手はいいです。
フィスラー
ビタクイック
実勢価格:1万5900円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:7位]
柔らかさ:C評価
味の染み:C評価
[出来上がりの早さ:1位]
加圧:4分30秒
高温調理:15分
減圧:5分20秒
[使いやすさ:A評価]
圧力表示:A評価
フタの開閉:A評価
重さ:B評価
お手入れ:A評価
静かさ:A評価
焦げにくさ:B評価
5位: 美味しさも早さも◎ヴェーエムエフ 「パーフェクトプラス圧力鍋」
今回検証した8製品のなかで一番高値の「ヴェーエムエフ」は、圧力95kpaと低め。仕上がりの早さも美味しさも標準的です。ただ一見わかりにくい表示や使いにくさで評価を下げました。
ヴェーエムエフ
パーフェクトプラス圧力鍋
実勢価格:2万9500円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:5位]
柔らかさ:C評価
味の染み:B評価
[出来上がりの早さ:3位]
加圧:6分37秒
高温調理:15分
減圧:5分18秒
[使いやすさ:D評価]
圧力表示:C評価
フタの開閉:C評価
重さ:B評価
お手入れ:B評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:C評価
6位: 低めの圧力でゆっくり調理する ティファール「クリプソアーチ」
「ティファール」は検証した8製品のなかで一番圧力が低く80kpa。低めの圧力でじっくり加熱する鍋です。ただそのせいで、出来上がるまでに時間がかかってしまいます。美味しさはバッチリでした!
ティファール
クリプソアーチ
実勢価格:1万8600円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:4位]
柔らかさ:B評価
味の染み:B評価
[出来上がりの早さ:8位]
加圧:7分38秒
高温調理:27分
減圧:7分13秒
[使いやすさ:D評価]
圧力表示:C評価
フタの開閉:B評価
重さ:B評価
お手入れ:C評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:B評価
7位: 圧力は高くも、音がすごい…… ワンダーシェフ「魔法のクイック料理」
8000円台と安い圧力鍋ですが、圧力の高さはNo2の「ワンダーシェフ」。ただ高圧は良いのですが、調理中シューシューと鳴り続ける音が大きく、使っていてちょっとコワいです。
ワンダーシェフ
魔法のクイック料理 AQSA30
実勢価格:8600円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:6位]
柔らかさ:C評価
味の染み:C評価
[出来上がりの早さ:7位]
加圧:14分15秒
高温調理:10分
減圧:8分
[使いやすさ:D評価]
圧力表示:C評価
フタの開閉:C評価
重さ:B評価
お手入れ:C評価
静かさ:D評価
焦げにくさ:B評価
8位: 美味しさも早さももの足りない…… アイリスオーヤマ「かんたん開閉圧力鍋」
「アイリスオーヤマ」は蒸気とピンの両方で圧力がわかるつくりで、使いやすさが魅力です。ただ実際に料理をつくってみると、美味しさも早さも物足りず、最下位になってしまいました。
アイリスオーヤマ
かんたん開閉圧力鍋
実勢価格:14999円
テストの結果はこちらです。
[料理の仕上がり:8位]
柔らかさ:C評価
味の染み:C評価
[出来上がりの早さ:6位]
加圧:12分13秒
高温調理:20分
減圧:7分25秒
[使いやすさ:B評価]
圧力表示:A評価
フタの開閉:B評価
重さ:C評価
お手入れ:C評価
静かさ:C評価
焦げにくさ:B評価
[まとめ]高い鍋ほど美味しくなるわけではないことが判明しました!
3000円台から2万円を超えるものまで値段に大きな差がある圧力鍋ですが、実際に料理を作って比べてみると、安い鍋でも十分美味しく仕上がるものがありました。
ベストは3000円台で購入できる「パール金属」。美味しさ、料理の出来上がりの早さ使いやすさを総合的に比較して、一番おすすめの鍋でした! 一方高い鍋でもっとも優れていたのはアサヒ軽金属工業の「ゼロ活力なべ」。とはいえウリである調理時間の早さでは、減圧に思ったよりも時間がかかり出来上がりの早さでは4位となりました。
「高い圧力鍋=美味しい料理を作つくれる」というわけではなく、安くてもきちんと使える鍋もあります。ぜひこの結果を参考に選んでくださいね!
ちなみにラクして手のこんだ料理が可能になる電気圧力鍋ランキングも公開中ですので、ぜひチェックしてみてください。
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