キッチン卓上IHヒーターと土鍋で旨いごはんは炊ける?

今回のテストでは、土鍋はセラミック、カーボン、陶器と異なる素材で3製品をセレクト。それぞれを卓上IHヒーター4製品で炊飯し、炊飯とおいしさを専門家がチェックしました。

今回比較した土鍋とIHヒーターはこちら。

土鍋

土鍋 イメージ

BRUNO
IHセラミックポット BHK267
実勢価格:1万1000円

素材:セラミック

土鍋 イメージ2

KINTO
KAKOMI 2.5L
実勢価格:1万5950円

サイズ・重量:φ275×H145×W315mm・約2800g
容量:2.5L
材質:高耐熱陶器
対応:IH調理器(100V、200V)、直火、ハロゲンヒーター、ラジエントヒーター、電子レンジ、オーブン

素材:カーボン

土鍋 イメージ3

長谷園
IH対応ヘルシー蒸し鍋
「優」 NNC-21
実勢価格:3万3000円

素材:陶器

IHヒーター

IHヒーター イメージ

コイズミ
KIH-1405
実勢価格:8310円

サイズ・重量:約W28×H50×D36cm・2.7kg
火力調節(約):100W相当~1400W(6段階)

IHヒーター イメージ2

日立
HIT-S55
実勢価格:1万4300円

IHヒーター イメージ3

BRUNO
IHクッキングヒーター BOE090
実勢価格:9530円

IHヒーター イメージ4

無印良品
IHクッキングプレート MJ-IHCP1
実勢価格:6765円

キッチンテスト方法は?

テスト方法は? イメージ

まずは炊飯です。無洗米400g(2時間浸漬)と440gの水を土鍋に投入。中火にかけて沸騰後、弱火で15分。土鍋に水がなくなったら火を止めて、10分間蒸らしました。

そして、炊いたごはんを専門家2名が実食。「香り」「食感」「旨み」「甘み」「見た目」の5項目で評価しました。

キッチンテスト結果:土鍋と卓上IHは炊飯器には及ばなかった

テスト結果:土鍋と卓上IHは炊飯器には及ばなかった イメージ

炊飯器を超えるおいしさを期待したのですが、結論からいうと、どのIHと土鍋の組み合わせでも、炊飯器に及びません。

そもそも、芯まできちんと炊けていたのはKINTOの土鍋「KAKOMI 2.5L」と日立「HIT-S55」、コイズミ「KIH-1405」のIHの2セットのみで、それ以外は芯が残ってムラが多く、水っぽい炊きあがりでした。

テスト結果:土鍋と卓上IHは炊飯器には及ばなかった イメージ2

原因として予想されるのが、卓上IHの火力不足。熱するのが土鍋の底面だけで、鍋内のすみずみまで熱が行き渡りにくいからです。同じヒーターが熱源でも、庫内全体に熱が伝わる構造の炊飯器に比べうまく炊けないのだと思われます。

フチの部分はほぼ炊けていない

フチの部分はほぼ炊けていない イメージ

とくに土鍋のフチは水が残り、芯まで炊けていませんでした。炊飯直後に土鍋の取っ手を触っても全く熱くないため、土鍋全体に熱が回っていないのがムラの原因と思われます。

さわけん 氏
科学する料理研究家
さわけん 氏 のコメント

卓上IHの火力では鍋の中心部分しか十分に熱せられません。

キッチン炊飯器に勝てなかったけど、ベストの組み合わせは?

炊飯テストの結果、きちんと炊けていたのはKINTO「KAKOMI 2.5L」と日立「HIT-S55」のセット。ひかえめながら、米の旨みや甘みが感じられました。

炊飯器に勝てなかったけど、ベストの組み合わせは? イメージ

しっかり炊けたポイントは、土鍋の底がフラットで、IHヒーターの天板(ヒーター部)にしっかり接触していたこと。土鍋のフチまで熱がまわり、芯まで炊けています。その他の土鍋はイマイチの炊きあがりでした。

それでは、土鍋3製品とIHをそれぞれ組み合わせて検証した結果を見ていきましょう。

KINTO「KAKOMI 2.5L」

KINTO「KAKOMI 2.5L」 イメージ

KINTO
KAKOMI 2.5L
実勢価格:1万5950円

サイズ・重量:φ275×H145×W315mm・約2800g
容量:2.5L
材質:高耐熱陶器
対応:IH調理器(100V、200V)、直火、ハロゲンヒーター、ラジエントヒーター、電子レンジ、オーブン

素材:カーボン

▼テスト結果

  香り 食感 旨み 甘み 見た目
無印良品 1 1 1 12 1
BRUNO 3 2.5 2.5 2 3
コイズミ 3 3 2.5 2.5 3
日立 3.5 3 3 3 3.5

KINTO「KAKOMI 2.5L」はスタイリッシュな陶器製の土鍋。炊飯器には勝てませんが、日立「HIT-S55」との組み合わせではそこそこ旨さを感じられました。日立「HIT-S55」は火力調節が8段階で安全機能も充実しているIHヒーターです。

桃世真弓 氏
料理家 スーパーエコごはん研究家
桃世真弓 氏 のコメント

かなりやわらかめですが、芯まで炊けていました。

BRUNO「IHセラミックポット BHK267」

BRUNO「IHセラミックポット BHK267」 イメージ

BRUNO
IHセラミックポット BHK267
実勢価格:1万1000円

素材:セラミック

▼テスト結果

  香り 食感 旨み 甘み 見た目
無印良品 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5
BRUNO 2 2 2 1.5 3
コイズミ 2 1.5 1.5 1.5 2
日立 3 3 2.5 2.5 3

BRUNO「IHセラミックポット BHK267」は、底がかなり広い円筒形で、フチまで火が通りにくいのがネック。天板が狭いIHでの炊飯は厳しいです。

長谷園「IH対応ヘルシー蒸し鍋「優」 NNC-21」

長谷園「IH対応ヘルシー蒸し鍋「優」 NNC-21」 イメージ

長谷園
IH対応ヘルシー蒸し鍋
「優」 NNC-21
実勢価格:3万3000円

素材:陶器

I▼テスト結果

  香り 食感 旨み 甘み 見た目
無印良品 1 1 1 1 1
BRUNO 2 2 1.5 1.5 1.5
コイズミ 1.5 1.5 2 2 1.5
日立 2 1.5 2 2 2

長谷園「IH対応ヘルシー蒸し鍋「優」 NNC-21」は厚手で底面積が狭いため、IHの火力では鍋内全体を熱するのが厳しめ。フチ以外も芯残りがありました

キッチン卓上IHヒーターのおすすめは? 4製品比較

今回、土鍋と組み合わせた炊飯の検証とは別に、卓上IHヒーターだけの機能や使い勝手も比較。その結果をおすすめ順に紹介します。炊飯以外の調理で使いたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

A評価コイズミ「KIH-1405」

コイズミ「KIH-1405」 イメージ
コイズミ「KIH-1405」 イメージ2

コイズミ
KIH-1405
実勢価格:8310円

サイズ・重量:約W28×H50×D36cm・2.7kg
火力調節(約):100W相当~1400W(6段階)

▼テスト結果

  • 沸騰時間:4/5点
  • 揚げ物 :4/5点
  • 使い勝手:5/5点

A評価で卓上IHヒーターのベストに選ばれたのはコイズミ「KIH-1405」です。使用頻度の高いボタンが独立しており、操作しやすい点をプロが絶賛。火力や温度キープのテストも優秀でした。

コンパクトで設置しやすく、自動オフや温度過昇防止など安全性も機能もバッチリです。

液晶が見やすくボタン操作もラク

液晶が見やすくボタン操作もラク イメージ

液晶画面や文字表示が大きく、UIもシンプル。取説なしで操作しても迷いません。

A評価日立「HIT-S55」

日立「HIT-S55」 イメージ

日立
HIT-S55
実勢価格:1万4300円

▼テスト結果

  • 沸騰時間:5/5点
  • 揚げ物 :3/5点
  • 使い勝手:4/5点

日立「HIT-S55」はA評価でした。フライパンが合わなかったのか、揚げ物は設定温度にならず。機能は豊富です。

B評価BRUNO「IHクッキングヒーター BOE090」

BRUNO「IHクッキングヒーター BOE090」 イメージ

BRUNO
IHクッキングヒーター BOE090
実勢価格:9560円

▼テスト結果

  • 沸騰時間:3/5点
  • 揚げ物 :4/5点
  • 使い勝手:3/5点

B評価のBRUNO「IHクッキングヒーター BOE090」は、保温や自動オフなど機能充実。ただ、ボタンとつまみの操作は少し面倒かもしれません。

C評価無印良品「IHクッキングプレート MJ-IHCP1」

無印良品「IHクッキングプレート MJ-IHCP1」 イメージ

無印良品
IHクッキングプレート MJ-IHCP1
実勢価格:6765円

▼テスト結果

  • 沸騰時間:2/5点
  • 揚げ物 :3/5点
  • 使い勝手:2/5点

C評価の無印良品「IHクッキングプレート MJ-IHCP1」は、天板が小さく、のせる鍋を選びます。操作表示がほぼないのも分かりにくいです。

キッチンまとめ:土鍋で炊くにはIHヒーターは火力不足

以上、土鍋と卓上IHヒーターを使った炊飯検証でした。卓上IHは各製品ほぼ違いがありませんでしたが、土鍋で炊くには火力不足という結果に。炊飯メインの人は、やはり炊飯器を選ぶのが無難です。

最後に、雑誌『家電批評』がおすすめする炊飯器2製品を紹介します。

まとめ:土鍋で炊くにはIHヒーターは火力不足 イメージ

タイガー魔法瓶
〈炊きたて〉
土鍋ご泡火炊き
JPL-G100
実勢価格:7万1450円

タイガー魔法瓶「〈炊きたて〉土鍋ご泡火炊き JPL-G100」は、雑誌『家電批評』2021年の炊飯器検証でベストバイに輝いた実力機。ふっくら芯まで炊けて、甘みと旨みたっぷりの炊きたてはプロもべた褒めでした。

型落ちのため、価格も手ごろになっているので、今が狙い目です。

まとめ:土鍋で炊くにはIHヒーターは火力不足 イメージ2

タイガー魔法瓶
マイコンジャー
〈炊きたて〉
JBS-A055
実勢価格:8827円

タイガー魔法瓶「マイコンジャー〈炊きたて〉JBS-A055」は、雑誌『家電批評』のマイコン式炊飯器テストでベストバイを獲得した製品です。炊きたてはツヤがあり、かむほどに甘みと旨みが口に広がりました。

操作性や機能性も十分。しかも、約1万円と手ごろでバランスのよい実力機です。

以上、おいしいご飯を手軽に炊きたい人は参考にしてくださいね。

キッチン炊飯器の売れ筋ランキングもチェック!

炊飯器のAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。