AV機器国内初のFire TV内蔵テレビ 「FUNAI F340シリーズ(FL-43UF340)」

国内初のFire TV内蔵テレビ 「FUNAI F340シリーズ(FL-43UF340)」 イメージ

FUNAI
F340シリーズ
FL-43UF340(43インチ)
実勢価格:10万970円

サイズ・重量:W96.9×D9.7×H56.4cm・8.1kg(いずれも本体のみ) 
画面解像度:4K(3840×2160ピクセル)
スピーカー出力:10W+10W

テレビを手軽にスマート化できるデバイスとして人気のAmazon「Fire TV Stick」。これを内蔵したテレビ、FUNAI「F340シリーズ」が、2022年3月5日に国内で初めて発売されました。

アマゾンジャパン全面協力のもと開発されていて、ソフトウェアの内部バージョン的には最新の「Fire TV Stick 4K Max」とほぼ同じものです。

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また、利用できる動画配信サービスやアプリ、ホーム画面などのUI、さらにアレクサによる音声検索やAmazon Echoとの連携が可能な点も同じで、高く評価されている高速レスポンスもそのまま。

ラインナップは43/50/55インチの4Kテレビ「F340シリーズ」と32インチのHDテレビ「F140シリーズ」の4製品となります。

なお、本製品の開発・製造を行っている船井電機(FUNAI)のテレビは、本製品に限らずヤマダデンキが独占販売。Amazonでもヤマダデンキストアのみで販売を行っています。

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Amazon
Fire TV Stick 4K Max
実勢価格:6980円

Amazon「Fire TV Stick」は、テレビに挿すだけで、各種VODサービスが使えるようになるデバイス。高速レスポンスと快適な操作がウリです。

それではFUNAI「F340シリーズ」が行った「Fire TV Stick」をテレビに内蔵することは、どんなメリットがあるのでしょうか?

内蔵するとテレビの操作が簡単になります

Fire TV StickをテレビのHDMI端子に挿して使う場合、テレビから入力切り替えが必要。本製品ではその地味なひと手間がありません。また、テレビ用リモコンとFire TV用リモコンが一体化。音声検索したいときに、わざわざリモコンを持ち替える煩わしさから解放されます。

AV機器「F340シリーズ」は買い? ライバルのAndroid TVと実機で比較

「F340シリーズ」は買い? ライバルのAndroid TVと実機で比較 イメージ

今回は、FUNAI「F340シリーズ」の43インチを『家電批評』編集部で購入。同シリーズは4Kテレビであるものの、パネルの倍速駆動やスピーカーのドルビーアトモス対応などはなく、ごくシンプルな4Kテレビです。

そこで、FUNAI「F340シリーズ」の実売価格10万円に近い価格で、Fire TV同様にアプリも追加できるテレビとして、Android TV搭載のシャープ「AQUOS 4T-C42DJ1」も購入。

AV評論家の折原一也さんと一緒に、FUNAIとシャープのテレビ2台のコスパや機能・性能などを比較検証しました。

比較したAndroid TV搭載のテレビはこちら

比較したAndroid TV搭載のテレビはこちら イメージ

シャープ
4T-C42DJ1
実勢価格:7万2400円

シャープ「AQUOS 4T-C42DJ1」は、4K放送もVODも楽しめるシャープのスタンダードモデルです。

さて、ここからはFUNAI「F340シリーズ」とシャープ「4T-C42DJ1」の画質、操作性、録画機能を比較した結果をお届けします。

AV機器【検証1:画質】画質と音質はシャープが圧勝

画質を検証したところ、FUNAIもシャープも解像感、地デジ品質、コントラストで「○」評価ですが、細かく見れば2者で比べた場合は、どれもシャープのほうが高い評価となりました。

折原さんによれば、シャープはもともと音質面がこなれているそうで、音響補正技術「Eilex PRISM」をうまく使いこなして、厚みや質感を感じやすい音を作り上げています。

FUNAI(Fire TV)のテスト結果

FUNAI(Fire TV)のテスト結果 イメージ

▼画質の評価

  • 解像感   :○
  • 地デジ品質 :○
  • コントラスト:○
  • 明るさ   :△
  • 色再現   :△
  • 視野角   :○
  • 評価    :B

FUNAIはノイズはそこそこ抑えられていますが、処理がうまいというほどではなく、画面も明るさが足りないので調整は必須。映り込みが大きいのも気になります。

FUNAI(Fire TV)のテスト結果 イメージ2

ただ、全体的なバランスとしてはまずまず。視野角の広さはシャープに勝っていました。

音質は音楽以外なら合格レベル

人の声はしっかり聞けますが、音楽リスニングでは音の歪みや低音のパワー不足が目立ちます。

シャープ(Android TV)のテスト結果

シャープ(Android TV)のテスト結果 イメージ

▼画質の評価

  • 解像感   :○
  • 地デジ品質 :○
  • コントラスト:○
  • 明るさ   :◎
  • 色再現   :○
  • 視野角   :△
  • 評価    :A

シャープは、明るくくっきり見やすい画面が特徴。色再現も良好で階調も豊かです。

シャープ(Android TV)のテスト結果 イメージ2

ただし、視野角が狭く、斜めから見ると画面が白くなるのは残念でした。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

ノイズ処理や解像感の作り込みが適切。人肌の質感や色のバランスも整っています。

ワイドショーでも音の良さがわかる

地デジでワイドショーを見ているだけで、声のニュアンスや質感が伝わるほど高音質。歌声や楽器の音、低音のボリュームもよく、音楽も楽しく聴けます。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

シャープは音響補正技術を効果的に利用し、音楽を楽しめるサウンドクオリティを実現しています。

AV機器【検証2:操作性】FUNAIのリモコンは小さすぎて押しづらい

【検証2:操作性】FUNAIのリモコンは小さすぎて押しづらい イメージ

Fire TV Stickのリモコンとテレビのリモコンを合体させたようなFUNAIのリモコンは、テレビ用のリモコンとしては小さすぎ。ボタンも小さく押しづらいと感じました。

【検証2:操作性】FUNAIのリモコンは小さすぎて押しづらい イメージ2

VODのショートカットもプライムビデオなど2サービスのみで、多くの人が使いそうなYouTubeボタンすらありません。一方のシャープは、ボタンが大きくショートカットも豊富。折原さんが「完ぺき」というほどの完成度でした。

シャープは配線しやすい工夫も◎

シャープは配線しやすい工夫も◎ イメージ

ちなみに、シャープは配線しやすいように表記に工夫を感じます。老舗メーカーらしい気遣いです。

AV機器【検証3:録画機能】シャープはチューナー数が多く録画がはかどる

最後は録画機能の比較ですが、ここでもシャープが勝ってしまいました。番組表にはどちらもGガイドを採用しているので、使い勝手にほぼ違いはなし。と思いきや、FUNAIは文字入力での人名検索に非対応でした。

【検証3:録画機能】シャープはチューナー数が多く録画がはかどる イメージ

また、外付けHDDに録画する点はどちらも同じですが、FUNAIのチューナー数は地デジ、BS/110度CS、4Kとも2基ずつ。1基は視聴専用なので、FUNAIは2番組同時録画ができないのも残念なところです。

FUNAI(Fire TV)のテスト結果

FUNAI(Fire TV)のテスト結果 イメージ

Gガイドを用いた番組表で、人物やジャンル名から番組検索もできます。シャープと比べると番組表は文字が大きく一覧性に劣ります。YouTubeなどのアプリ起動中も番組表ボタンが無効にならないのは評価できます。

シャープ(Android TV)のテスト結果

シャープ(Android TV)のテスト結果 イメージ

シャープもFUNAIと同じくGガイドの番組表を採用。FUNAI同様に人名やジャンルで番組検索を行えます。リモコンに裏番組表ボタンがあり、テレビや動画アプリでの視聴中は画面の端に簡易的な番組表を出せるのが便利です。

シャープ(Android TV)のテスト結果 イメージ2

また、シャープのチューナーは、地デジとBS/110度CSが3基ずつ、4Kが2基の構成。4Kの2番組同時録画はできませんが、4K放送を見ながら別の4K番組と地デジを録画するといった使い方ができます。

AV機器【結論】画質・音質よしで3万円安ならシャープが「買い」

【結論】画質・音質よしで3万円安ならシャープが「買い」 イメージ

【FUNAI(Fire TV)の総合評価:B】

今回のテストで、FUNAIがシャープより明らかに勝っていたといえるのは視野角のみ。テレビとしての完成度はシャープの圧勝でした。

【結論】画質・音質よしで3万円安ならシャープが「買い」 イメージ2

シャープは、明るさ重視でもバランスのよい画質、音楽リスニングもこなす音質のよさ。リモコンの完成度の高さや使いやすいネット機能など、隙のないつくりはさすがです。

それでいて、価格はFUNAIの約10.1万円に対して約7.2万円とリーズナブル。となれば、どちらを買ったらいいかは自明の理です。

10万円ともなれば、今や格安の有機ELテレビやミニLEDテレビだって選択肢に入ってくる価格帯。せめて先行予約者のみの特別価格として設定されていた7万円台であれば、十分な競争力があったのに……というのが編集部の率直な感想です。

とはいえ「Fire TV搭載」はスマートテレビの新しい選択肢になるかも

▼Android TVの世界シェアランキング

とはいえ「Fire TV搭載」はスマートテレビの新しい選択肢になるかも イメージ

※日本ではTVS REGZA由来のOSも採用

国内メーカーのテレビに多くみられるAndroid TVですが、世界で圧倒的なシェアを獲得しているかというと、実はそうでもないんです。というのも、世界シェア1位のサムスンと2位のLGが、どちらも独自OSを搭載しているから。

7年以上前から展開しているAndroid TVですら覇権を握れていないわけで「割って入る余地は十分ある」というのが折原さんの見解。事実、海外では東芝ブランドのFire TV搭載テレビも販売中。今後の普及に期待しましょう。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

Android TV搭載テレビも世界的にみればシェアが高くはありません。Fire TV搭載テレビでも戦える余地はありそうです。

以上、日本で初のFire TVを搭載したFUNAI「F340シリーズ」と、ライバルのシャープ「AQUOS 4T-C42DJ1」の比較結果でした。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

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