◎シリーズ第2回目はコチラ
ダイソンの本気! テストでわかった新製品「V10」最強吸引力の秘密
◎シリーズ第3回目はコチラ
トイレにダイソン? 掃除機だけじゃない、意外なラインナップ
◎シリーズ第4回目はコチラ
【現地取材】ジェームズ・ダイソンに聞く「ロボット掃除機どうなった?」
日本上陸20周年記念ダイソンの真実に迫ります!
『サンロクマル』でもお馴染みの家電メーカー「ダイソン」。「羽根のない扇風機」や「吸引力が落ちないただ1つの掃除機」などといった印象的なキャッチフレーズやテレビCMを、皆さんも1度は目や耳にしたことがあるのではないでしょうか。所有欲をくすぐるメカニックデザインとテクノロジーに裏づけされた確かな実力を併せ持ち、世界ではもちろんのこと日本でも瞬く間に人気家電メーカーへと成長しました。
そんな「ダイソン」が、今年もスティック掃除機の新製品を発表。
ダイソン
V10 Fluffy
実勢価格:7万9700円
サイズ:W25×H24.5×D123.2cm
重量:約2.58kg
それこそがこのデジタルモーターの名を冠したVシリーズの最新作「V10 Fluffy」です
数字の大きさが示すようにダイソンのフラッグシップ機で、同社は「もうコードつき掃除機はつくらない」と豪語。自信作であることがうかがい知れます。さらに今回の製品発表会では、創業者であるジェームズ・ダイソン氏が登壇。しかも、プレゼンを行なったのはニューヨークと東京の2都市のみです。
日本という国と市場をいかに重要視していることがわかります。また、ジェームズ・ダイソン氏は多摩美術大学・美術学部生産デザイン学科のプロダクトデザイン専攻客員教授を務めていることからも、特別な思い入れがあるのかもしれません。
V10の詳細なレビューは連載第2回で公開予定です。
世界屈指の家電メーカーはイギリスの田舎町で誕生しました
ダイソンが誕生したのは、イギリスはロンドンの西に位置するコッツウォルズ地方のマルムズベリーという小都市。コッツウォルズは、ビアトリクス・ポターの絵本「ピーターラビット」にも登場する地域。また、マルムズベリーは、11世紀初頭に人工の翼を用いた飛行を試みて、初期航空史に名を残したエイルマ―という修道士がいたことで有名です。
豊かな丘陵とのどかな緑地が広がる地帯に、今でも研究拠点を置いています。現在、マルムズベリーでは先日発表された電気自動車の開発などの新規事業をはじめ、200以上のプロジェクトが進行しているとのことでした。
シンガポールにも研究拠点があったり、製造はマレーシアやフィリピンで行われているものの、未だにダイソンにとって重要なポジションとなっているようです。
社員の約60%がエンジニアや科学者です
「企業規模で考えると非常に珍しい」とジェームズ・ダイソンさんが話す通り、社内の約60%がエンジニアとして働いています。製品の性能はもちろん、プロダクトデザインにもメカっぽさやテクノロジーを感じさせるのはエンジニア中心の同社ならではですね。
ジェームズ・ダイソンさんの肩書も「社長」ではなく、エンジニア。発明家と名乗ることもあるそうです。
スティック掃除機は高くても実売ベースはトップです
以前は約7~10万円前後と高価格ゆえに、金額ベースでの売り上げがトップだったスティック掃除機。
しかし、実勢価格が下がってきているからか、実売数でもランキング上位になることが多いです。
ダイソン
V8 Fluffy SV10 FF2
実勢価格:4万8000円
サイズ:W25×H122.7×D21cm
重量:約2.61kg
2016年に登場した「V8」シリーズあたりから実勢価格の下落により、実売でも1位を獲得するようになった印象です。
家電批評本誌の名物コーナー「家電売れ筋ランキングレビュー」でも、格安キャニスター掃除機に混ざってランクインしています。
人材育成のために大学も運営しています
イギリス国内のエンジニア不足を解消するために、ダイソンは次世代の育成に力を入れています。
ジェームズダイソン財団では、中学生に技術の時間を活用して身近なエンジニアリング体験を行っています。
テクノロジーキャンパスでは、実際にダイソン研究チームと一緒に製品開発に携わることができるそうです。ダイソンに入社する近道はこの大学に入ることかもしれません。
このように、エンジニア中心の経営理念が反映されています。
実は掃除機だけじゃなく「洗濯機」も発明していました
実は過去に、洗濯機や手押し車なども開発・販売していました。
手洗いをヒントに二重反転方式を採用した洗濯機です。しかし、自動車部品などを使用するなどコストがかさみ夢の製品に終わってしまいました。
会社を設立する前にジェームズ・ダイソンさんが開発したのが、この手押し車。キャニスター・アップライト型掃除機に用いられた「ボールテクノロジー」の原型となったとされる、ダイソン製品のオリジンとも言える製品です。
これらの技術は現在の製品開発にも活かされています。たとえばジェームズ・ダイソンさんは、EV(電気自動車)の研究開発を行っていることも明言するほど、影響がうかがい知れます。ダイソン製品は流体力学をベースとした研究から生みだされるため、どんなジャンルの製品がでてきてもおかしくありません。
【特集】ダイソンの真実-第1回「ダイソンという家電メーカーについて」をお届けしましたが、いかがでしたか。ダイソンについて理解を深めていただけたことかと思います。次回は皆さんお待ちかね「V10 Fluffy」のレビューを行いますので乞うご期待ください。
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