ツラい目のかゆみ。おすすめの目薬はどれ?
「国民病」とも言われている花粉症。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、そして猛烈な「目のかゆみ」で毎年悩んでいる人も多いのではないでしょうか。2022年は去年よりも飛散するヒノキ・スギ花粉量が多く、飛散する期間も長いと予想されているそうです。
そこで、テストするモノ批評誌『MONOQLO』では、花粉・アレルギー用の目薬をテスト。薬剤師と眼科医の先生にご協力いただき、成分や差し心地などを比較しました。
花粉・アレルギー用目薬10製品をプロと比較
テストでは、「アレルギー専用」を謳う製品を中心に人気の高い10製品をピックアップ。以下4項目をチェックしました。
テスト1:成分(配点:60点)
目薬に含まれる有効成分をもとに、薬のプロである薬剤師の増田光徳さんに判定していただきました。
テスト2:目への優しさ(配点:20点)
目への影響を考えると使用を推奨できない、できれば避けたい成分が入っているものは減点の対象にしています。
テスト3:使いやすさ・差し心地(配点:10点)
使いやすさについては、「キャップの開け閉めはしやすいか」「容器が硬すぎて差しにくくないか」「液だれしやすくないか」などを、差し心地は実際に点眼したときの印象を、編集部で主観的に評価しました。
テスト4:コスパ(配点:10点)
目薬1滴の量を0.03mLと仮定し、1滴あたりの価格で比較。薬である以上、効果が第一であり、安い=高コスパとは一概に言えないので、2021年のテストで20点だった配点を10点に引き下げました。コストの目安にしてみてください。
以上4つの項目での獲得ポイントを合算して、得点に応じS・A・B・Cの4段階評価で判定しました。
今回は、高評価だった上位4製品を紹介します。
ロート製薬「ロート アルガード クリニカルショットm」
ロート製薬
ロート アルガード
クリニカルショットm
実勢価格:1550円
内容量:13ml
第2類医薬品 セルフメディケーション税制対象
1滴あたり:3.5円
▼テスト結果
- 成分 :58/60点
- 目への優しさ :12/20点
- 使いやすさ・差し心地:9/10点
- コスパ :3/10点
- 合計点数 :82/100点
- 評価 :S
今回1位に輝いたのは、ロート製薬の「ロート アルガード クリニカルショットm」でした。
最大の特徴は、アレルギー反応が起こるのを防ぐ予防的な効果を持つ「抗アレルギー成分」に、市販薬では新しいトラニラストを配合している点。
加えて、かゆみを抑える「抗ヒスタミン成分」にクロルフェニラミンマレイン酸塩、炎症を鎮める「抗炎症成分」にプラノプロフェンを配合。花粉症対策に特に大切な抗アレルギー、抗ヒスタミン、抗炎症の三大要素を網羅しているほか、回復促進効果のあるタウリンを配合。総合力に優れたベストバイの1本です。
成分:市販の目薬では新しい抗アレルギー成分を配合
▼有効成分の配合率
- トラニラスト……0.5%
- プラノプロフェン……0.05%
- クロルフェニラミンマレイン酸塩……0.03%
- タウリン……1.0%
市販薬では新しい抗アレルギー成分トラニラストのほか、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分の主要3成分を配合。さらに、角膜を保護する成分をプラスしています。目に沁みないマイルドな差し心地です。
使いやすさ・差し心地:細かい工夫で使いやすい
キャップは固すぎず、軽くひと捻りするだけでサッと素早く開閉できます。
ロート製薬独自のノズルを採用。液だれしにくく点眼しやすい形状です。
「セルフメディケーション税制」対象製品です
対象となる医薬品を1年間で1万2000円以上購入した場合、超過分(上限8万8000円)について所得の控除を受けられる制度。ただし健康診断などを受けている必要があるほか、医療費控除との併用はできません。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。
ロート製薬「ロート アルガード クリアブロックZ」
ロート製薬
ロート アルガード
クリアブロックZ
実勢価格:1100円
内容量:13ml
第2類医薬品 セルフメディケーション税制対象
1滴あたり:2.5円
▼テスト結果
- 成分 :49/60点
- 目への優しさ :10/20点
- 使いやすさ・差し心地:9/10点
- コスパ :6/10点
- 合計点数 :74/100点
- 評価 :A+
前回の比較テストでトップだったロート製薬「ロート アルガード クリアブロックZ」が2位に。抗アレルギー成分クロモグリク酸ナトリウムを配合。クールな差し心地です。
千寿製薬「マイティア アルピタットN EXα7」
千寿製薬
マイティア
アルピタットN EXα7
実勢価格:2420円
内容量:15ml
第2類医薬品 セルフメディケーション税制対象
1滴あたり:4.8円
▼テスト結果
- 成分 :52/60点
- 目への優しさ :12/20点
- 使いやすさ・差し心地:8/10点
- コスパ :1/10点
- 合計点数 :73/100点
- 評価 :A+
3位は千寿製薬「マイティア アルピタットN EXα7」。主要な成分は4位の「アルピタットEXα」と同じ。さらに3種類の角膜補修補助成分をプラスすることで、アレルギーによる角膜へのダメージにもアプローチします。
成分:有効成分の種類が多い
▼有効成分の配合率(1ml中)
- クロモグリク酸ナトリウム……10mg
- クロルフェニラミンマレイン酸塩……0.3mg
- プラノプロフェン……0.5mg
- コンドロイチン硫酸 エステルナトリウム……5mg
- タウリン……1mg
- L-アスパラギン酸カリウム……2mg
- 酢酸d-α-トコフェロール……0.1mg
7つの有効成分が配合され、トータルケアをしてくれる1本。実は抗アレルギー・抗ヒスタミン・抗炎症の主要3成分と角膜の保護補修成分は、全て2位の「アルガード クリアブロックZ」と同じ。角膜補修補助成分を3種加えてはいるものの、他の製品の価格と比べると、コスパ面でやや劣る印象はあるかもしれません。
4位: 千寿製薬「マイティア アルピタットEXα」
千寿製薬
マイティア
アルピタットEXα
実勢価格:1521円
内容量:15ml
第2類医薬品 セルフメディケーション税制対象
1滴あたり:3.0円
▼テスト結果
- 成分 :48/60点
- 目への優しさ :10/20点
- 使いやすさ・差し心地:8/10点
- コスパ :4/10点
- 合計点数 :70/100点
- 評価 :A
4位は千寿製薬「マイティア アルピタットEXα」。主要な3成分がしっかり配合されています。かゆみを抑える成分が強いので、かゆみがひどい人におすすめです。
抑えておきたい目薬の基本
目薬は私たちにとって身近な存在ですが、正しい差し方や保管方法を知らない人も意外に多いのでは? ぜひ覚えておきたい目薬の基本を、眼科医の大島由莉先生に解説していただきました。
【差し方】バイ菌が入らないよう注意する
ポイント1:点眼前には必ず手を消毒
今のご時世、そもそもアルコール消毒は基本。しっかり乾かしてから点眼しましょう。
ポイント2:差すときはアッカンベー
下瞼を下げて、裏瞼の間の溝に差すイメージ。差し口がまつ毛や目に触れないようにしてください。
ポイント3:点眼後はまばたきNG
まばたきすると雑菌が入ってしまうことも。流れた目薬は軽く押さえてふき取ります。
【保管】防腐剤無添加は1週間!防腐剤ありは1カ月が目安
長く使い続けるほど外気に触れて雑菌が繁殖する可能性も高まります。期限切れの目薬はキッパリ処分をしましょう。また、特に注意書きがない限り、高温多湿を避けて常温で保存。冷蔵庫での保管もナシです。
【添加物】パッケージをしっかりチェックする
購入前には必ず成分表に目を通し、「テトラヒドロゾリン」「ナファゾリン」など避けた方が良い成分が入っていないか確認しましょう。また、有効成分を最大濃度配合した製品は目への負担も大きく、刺激が強いと炎症を起こす可能性も。症状が長引く場合は、すぐ眼科医で受診してください。
必ずしも防腐剤=NGという訳ではありません。
さいごに
一般的に「アレルギー専用」を謳うのは、「クリニカルショットm」のトラニラストのように、アレルギー反応が出るのを予防する「抗アレルギー成分」を含む目薬がほとんどです。
この抗アレルギー成分に、起きてしまったかゆみを抑え(抗ヒスタミン)、炎症を鎮める(※抗炎症)2つを加えた3つの成分が、花粉・アレルギー用目薬には特に重要と言えるでしょう。事実、今回もこの主要3成分を漏れなく配合している製品が1~4位を占める形になりました(※製品紹介中、「炎症を抑える」としか記載されていないものは「抗炎症成分」には含まれません)。
以上、花粉・アレルギー用の目薬のおすすめ4製品でした。
春のスギ花粉だけでなく、年間を通してさまざまな花粉が飛散しているので、しっかり備えておきましょう。
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新しい成分が承認されるには、それだけの有用性が求められます。