おいしいご飯が炊ける手頃な炊飯器が欲しい!
1万円前後の格安機から数十万円するハイエンドモデルまで、さまざまな製品があって価格帯の幅が大きい炊飯器。炊き上がりの好みはもちろん、お手入れのしやすさや使い勝手まで、よりこだわって炊飯器を選ぶ人が増えてきています。
今回はそんな炊飯器に注目してみることに。まずは手始めに、雑誌『LDK』読者のみなさんに、炊飯器に関するアンケートを行った結果をご紹介します。
Q:持っている炊飯器の価格帯は?
※LDK公式Twitterアンケートより
読者のみなさんがいつも使っている炊飯器の価格帯は、3万円以下が過半数ということが判明しました。
炊飯器は価格の違いで何が変わる?
・2万円未満
2万円前後なら「IH方式」の炊飯器もあるが、1万円以下のものは、ヒーター熱源による「マイコン方式」のものがほとんど。ヒーター熱源だと火力や圧力が弱く、炊き上がりの味はイマイチです。
・2~5万円
この価格帯から、釜全体で熱を発する「IH方式」の炊飯器が主力に。IHの熱源はヒーターよりも火力が強いのが特徴で、ご飯がおいしく炊けて保温性能がよい炊飯器も多数あり。
・5万円以上
お米に均等に熱を加える「IH方式」に加え、圧力をかけて炊く「圧力IH方式」という機能を持つものが多い。ご飯をとことんおいしく炊くための機能が満載ですが、高価すぎるのがネックです。
アンケートの結果、今使っている炊飯器は2~3万円台が多数であることがわかりました。そこで今回は、安くておいしい炊飯器を探して、おおよそ3万円台までの話題の炊飯器5製品を集めてテストしました。
3万円までで買える炊飯器5台の実力をテスト
今回テストするのは、おおよそ3万円台までで購入できる人気メーカーの炊飯器5台。五つ星お米マイスターの片山真一さんにご協力いただき、以下の3項目を徹底比較しました。
※検証当時3万円台前半で購入できる製品でテストしています。価格は変動している場合がありますのでご了承ください。
テスト1:ご飯のおいしさ
ご飯のおいしさのテストでは、炊きたて、保温ご飯のおにぎり、冷やご飯のおにぎりの3つの状態を比較。全国のお米のランキングを決める検定の基準米として使われる関東産のコシヒカリで、給水の差が出ないように無洗米で味をチェックしました。
テスト2:使いやすさ・機能性
各モードでのセットのしやすさや表示の見やすさ、ボタンの押しやすさなど、実際に使って、操作や設定のしやすさといった使い勝手のよしあしをテストしました。
テスト3:お手入れのしやすさ
毎日使うからお手入れのしやすさは超重要! フタの取り外しやすさや洗いやすさを検証。内釜の表示の見やすさもチェックしました。
テストの結果は、評価の高かった製品から順に発表します。それでは早速どうぞ!
硬さとやわらかさがちょうどいいタイガー魔法瓶「IHジャー炊飯器 〈炊きたて〉 JPW-A100」
タイガー魔法瓶
IHジャー炊飯器〈炊きたて〉
JPW-A100
実勢価格:2万4800円(2021年9月上旬発売)
サイズ・重量:W260×H200×D354mm・約3.9kg
炊飯容量:5.5合
消費電力:1225W(最大)
炊飯時間目安:約44分~56分(白米・無洗米)
▼テスト結果
ごはんのおいしさ(炊きたて) :◎+
ごはんのおいしさ(保温おにぎり) :◎
ごはんのおいしさ(冷やご飯おにぎり):◎+
使いやすさ・機能性 :◎
お手入れのしやすさ :◎
A+評価でベストバイに輝いたのは、タイガー魔法瓶「IHジャー炊飯器 〈炊きたて〉 JPW-A100」。もっちりとしたやわらかさがありつつ、口の中でお米の粒感を感じることができます。そのバランスのよさは、おにぎりとの相性抜群です。
ご飯のおいしさ:冷めてもおいしい!
お米の粒がしっかりしているのにやわらかくおいしいです。
炊きたてはもちろん、冷めてもほろっと口の中でほどける、おいしいおにぎりができました !
使いやすさ・機能性:自動で炊き加減を調整
無洗米でも炊き方は白米と同じでOK。無洗米モードを選べば、自動で炊き加減を調整してくれて便利です。
お手入れのしやすさ:掃除しやすく使いやすい
フタの構造がシンプルでパッキンや蒸気の出入り口のお手入れがラクちんです。
各種の炊き方の目盛りが見やすいです。
内釜には取っ手が付いているので、アツアツのカマでも取り出しやすいのがいいです。
タイガー魔法瓶「IHジャー炊飯器 〈炊きたて〉 JPW-A100」のいいところは、炊き方のメニューが18種類と豊富で画面の表示を見て簡単に選べて、お手入れしやすいところ。内釜が食洗機対応なのも嬉しいです!
もちっとやわらか好きにおすすめの東芝「真空IH RC-10VRR」
東芝
真空IH
RC-10VRR
実勢価格:2万3200円
サイズ・重量:W264×H217×D327mm・約4.7kg
炊飯容量:5.5合
消費電力:1420W(最大)
炊飯時間目安:約37~47分(白米・本かまど)
※Amazonは出荷元・販売元ともに特価COM
▼テスト結果
ごはんのおいしさ(炊きたて) :◎
ごはんのおいしさ(保温おにぎり) :◎
ごはんのおいしさ(冷やご飯おにぎり):◎
使いやすさ・機能性 :◎
お手入れのしやすさ :◎
A評価だったのは、東芝「真空IH RC-10VRR」。厚みがあり熱効率のいい釜を使って一気に炊き上げ、ほかより早い時間で、とてもおいしく炊けました。
ご飯のおいしさ:もっちり派におすすめ
もっちりとねばりがある仕上がりで、ご飯のおいしさとしては、ほぼ、ベストバイと変わらぬ美味しさに炊けました。
おにぎりがもっちり派ならコレがおすすめです。
使いやすさ・機能性:お弁当コースも◎
真空炊きの技術を生かしたコースがあり、冷めてもおいしさが保てる、お弁当コースもおすすめです。
お手入れのしやすさ:シンプルさが魅力
凹凸が少なく、お手入れ簡単。内ぶたと内釜を洗えばOKというシンプルさが魅力。
メモリが大きく読みやすいです。お米が付きにくく手入れもラクちんです。
銅釜にはフッ素加工が施されています。
粘り気がありもっちりした食感の象印マホービン「STAN. NW-SA10」
象印マホービン
STAN.
NW-SA10
実勢価格:3万3000円
サイズ・重量:W235×H195×D290mm・約4.3kg
炊飯容量:5.5合
消費電力:1115W(最大)
炊飯時間目安:約52~59分(白米ふつう)
▼テスト結果
ごはんのおいしさ(炊きたて) :◎
ごはんのおいしさ(保温おにぎり) :◎
ごはんのおいしさ(冷やご飯おにぎり):◎
使いやすさ・機能性 :◎
お手入れのしやすさ :◎
同じくA評価だったのは、象印マホービン象印マホービン「STAN. NW-SA10」。スタイリッシュな見た目はもちろんのこと、弾力があるおいしいご飯が炊けて機能性も文句ナシ!
ご飯のおいしさ:バランス良し
炊き上がりは内側が少し凹んでしまいわずかにムラがありますが、弾力、甘み、粘り気ともにバランスがよく炊けました。
おにぎりにしても粘り気があっておいしいです。
使いやすさ・機能性:離乳食モードもあり
表示が見やすくモード選びも簡単。30時間時おいしく保温できる機能や離乳食用のモードも便利です。
お手入れのしやすさ:ニオイ除去もできる
超シンプルでお手入れは簡単。炊き込みご飯の後など、ニオイが気になる場合は、クリーニング機能でニオイの除去もできます。
目盛りの表示がユニーク。水と米を入れると目盛りがくっきりします。
お米がつかず洗いやすいです。
もっちりとした食感がおいしい三菱電機「備長炭 炭炊釜 NJ-VEC10」
三菱電機
備長炭 炭炊釜
NJ-VEC10
実勢価格:2万5800円
サイズ・重量:W237×H227×D292mm・約4.9kg
炊飯容量:5.5合
消費電力:1210W(最大)
炊飯時間目安:約42~53分(白米・無洗米)
▼テスト結果
ごはんのおいしさ(炊きたて) :◎
ごはんのおいしさ(保温おにぎり) :◎
ごはんのおいしさ(冷やご飯おにぎり):◯
使いやすさ・機能性 :◎
お手入れのしやすさ :◯
B評価だったのは、三菱電機「備長炭 炭炊釜 NJ-VEC10」。洗練されたデザインがインテリアにもよくなじむ。ご飯は、甘みのある炊き上がりで粒感もイイ感じです。
ご飯のおいしさ:やわらかめの仕上がり
他製品よりも粘り気が強く、もっちりとした甘さがあります。少々やわらかめながら粒感はあります。ただし、冷えると噛みごたえに物足りなさを感じるかも……。
甘さがあり、上品な炊き上がりです。
使いやすさ・機能性:パネルが見やすい
操作性は簡単でパネルも見やすいです。超音波で吸水を促し、といですぐでもふっくら炊ける機能を搭載しています。
お手入れのしやすさ:蒸気出口はひと手間かかる
内ぶたの放熱板と水蒸気を逃すカートリッジが一体型になっていて、一気に洗えて便利ですが、蒸気の出口はひと手間かかります。
内釜は山型の目盛り表示で、0.5合ずつの炊飯も簡単です。白米と無洗米が見てすぐわかります。
洗米してもOKな加工です。
少々硬めのシャッキリ感があるアイリスオーヤマ「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器 KRC-IC50」
アイリスオーヤマ
銘柄量り炊きIHジャー
炊飯器 KRC-IC50
実勢価格:1万6800円
サイズ・重量:W265×H231×D356mm・約4.9kg
炊飯容量:5.5合
消費電力:1130W(最大)
炊飯時間目安:約47~63分(無洗米・標準)
▼テスト結果
ごはんのおいしさ(炊きたて) :◯
ごはんのおいしさ(保温おにぎり) :◎
ごはんのおいしさ(冷やご飯おにぎり):◯
使いやすさ・機能性 :◎
お手入れのしやすさ :◯
同じくB評価だったのが、アイリスオーヤマ「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器 KRC-IC50」。安価なうえに、お米の量に合わせて自動で水の量が表示されたり銘柄が選べたり、独自の機能がスゴイ!
ご飯のおいしさ:硬め好きさんにおすすめ
無洗米の場合は少し硬めに炊ける印象なので、やわらかめが好きな人はお好みで水加減の調節を。
シャキッとした食感でおにぎりとの相性は◎!
使いやすさ・機能性:値段以上の機能
豊富なメニューや独自の機能が充実していてお値段以上! ただしタッチパネルの押しやすさはあと一歩!
お手入れのしやすさ:掃除しやすい
パーツは内蓋や外側の蒸気部分も外せて、お手入れのしやすさも文句ナシ。内フタのほかに蒸気口も外せます。
6つの銘柄炊き分けモードに合わせた、内釜の目盛り表示がわかりやすいです。
傷つきにくいダイヤモンドコート。
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以上、3万円台までで買える炊飯器5選でした!
手頃な価格でおいしいご飯を炊くならやはり「IH方式」がおすすめ。今回テストした中でのベストはタイガー魔法瓶「IHジャー炊飯器 〈炊きたて〉 JPW-A100」でした! 甘みがあって粒感もいい上に、手入れのしやすさや選べるメニューの豊富さも決め手でした。
買い換えを検討しているならぜひ参考にしてみてください。
シャッキリとした歯ごたえが今のトレンドです。