"くるくるヘッド掃除機"は本当に革命的?
ダイソンとバルミューダの両メーカーから新しいタイプのスティック掃除機が発売されました。ヘッドが360度回転するいわば「くるくるヘッド掃除機」です。
メーカーのうたい文句は、ヘッドがくるくる回って自在に動かせるのでムダな動きが減って掃除がラクになる、とのこと。果たしてそれが本当なのか、そもそも便利なのか、買うならどちらのメーカーがいいのか……。
そんな気になるギモンを解決するために、本音の家電ガイド雑誌『家電批評』が「くるくるヘッド掃除機」を検証しました!
ダイソン「Dyson Omni-glide」
ダイソン
Dyson Omni-glide
実勢価格:6万4900円
こちらは、ダイソンから発売されている「Dyson Omni-glide」。フローリング限定のヘッドを使用した、フローリングに特化した1台です。
バルミューダ「BALMUDA The Cleaner」
バルミューダ
BALMUDA The Cleaner
実勢価格:5万9400円
「BALMUDA The Cleaner」は、オシャレ家電で人気のバルミューダから登場したコードレス掃除機。独自のホバーテクノロジーを使用し、浮いているような操作性を目指した製品です。
くるくるヘッド掃除機2製品の使い勝手を比較
自在に動くのは便利そうですが、掃除機の使い勝手はほかにもアタッチメントの豊富さや着脱のしやすさ、ゴミの捨てやすさなど多岐にわたります。
ということで、前回の吸引力テストに続き、今回は一般家庭で実際に使用して使い勝手を比較してみました!
▼吸引力を比較検証した記事はこちら
比較テスト1:操作性
【ダイソン】狭い場所もスイスイ掃除できる
ダイソンのじゅうたんのような手触りのフラフィローラーは、スイッチオンでぐるぐる回転。その上にあるカーボンファイバーブラシが取り除いたホコリやゴミなども吸い取ってくれます。
ヘッド裏四隅に配置されたキャスターホイールは360度回転します。このホイールのおかげで、全方向に滑るようにヘッドが動き、家具の隙間などにもストレスなく入ります。
また、ヘッドとパイプの接合部下にある青いホースはヘッドと平行に曲がり、ほぼ平らに。棚やソファの下などに差し入れたヘッドを、ぐるぐる動かして掃除できます。ヘッドがしっかり曲がるのでテレビ台の下(7.8cm)にもすすっと入り、奥まで掃除できました。
【バルミューダ】今までにない操作感覚がある
バルミューダの本体の重量は約3.1kg。充電スタンドから本体を外すときに思わず声が漏れてしまうほど、持ち上げる際には重量を感じます。
しかし、スイッチを入れるとヘッドが浮き上がるような今までにない感覚があり、ヘッドを回転させるのも簡単です。滑るような感触で、掃除が進むと楽しくなってきます。
その浮遊感の秘密は、2つずつあるブラシとキャスター。ブラシはそれぞれ内側に、キャスターは360度回転してフローリングやじゅうたんなどを掃除します。
本体とデュアルブラシヘッドをつなぐジョイントも360°回転しますが、ジョイントがブラシとぶつかるせいで平らにはなりません。
テレビ台の下(7.8cm)には、残念ながら本体が引っかかってしまって入りませんでした。
比較テスト2:アタッチメント
【ダイソン】使い勝手がいい3本が付属されている
ダイソンに付属されているアタッチメントは、「コンビネーション隙間ノズル」「卓上ツール」「ミニモーターヘッド」の3つ。
ダイソンにしては3本は少ないかとも思いましたが、隙間ノズルは車や棚、卓上ツールは机上やキーボード、ミニモーターヘッドはふとんなど幅広い場所を掃除できます。
車掃除に最適な隙間ノズルは、ゴミが入り込んだ背もたれ下部にもしっかり届きます。
さらに、ボタンを押しながらずらすとブラシが出てくるので、ブラシで座面のゴミをかき出せます。
ノズルとブラシを付け替えなくていいのが便利です。
【バルミューダ】付属のノズルはすきま用ノズルのみ
バルミューダに付属されているすきま用ノズルは、本体の着脱ボタンを押してヘッドとスティックを外し、ハンディに付け替えます。
ハンディで使うことをあまり想定していなかったのか、ハンドル・本体・ノズルで実測2.1kgあり、やや重く感じました。
重心が下なので下方向をさっと掃除する分には問題ありませんが、標準モードの稼働時間30分をハンディで使うのは厳しいです。
別売の専用ノズルセット(5本+専用バッグで9800円)の延長ホースを使うと本体を持つ必要がないので、家具の上などの掃除がラクになります。
比較テスト3:ゴミ捨て&メンテナンス
【ダイソン】ワンタッチで手が汚れない
ダイソンはブラシやダストカップに直接手を触れなくてもいいように、ワンタッチで操作できるようになっています。
とくにダストカップは本体をそのままゴミ箱の上に持っていけばワンタッチで手や床を汚さずに、ゴミ捨てができます。
また、底面の赤いボタンを押しながら回転ブラシをずらすと簡単に外せるので、ブラシの手入れもしやすいです。
【バルミューダ】どちらもひと手間必要
バルミューダは、ゴミ捨てやバッテリー交換には一手間かかってしまいます。
バッテリーは、カバーを取り、プラスドライバーでネジを外して交換します。そもそも、バッテリーが劣化して使用に耐えられなくなった場合に交換することを想定しているので、ネジを外す手間も、その程度なら許せるでしょう。
ゴミ捨てに関しては、ダストカップを取り外してからでないと、ゴミは捨てられませんが、これも特別な手間というわけではありません。ゴミも舞い散らないように工夫されているので、慣れてしまえば、そんなに手間に感じることはないでしょう。
【まとめ】慣れるまでは不満に思ってしまうかも
ダイソンとバルミューダ、それぞれの使い勝手を実際に使用しながら確認しましたが、アタッチメントの便利さやワンタッチ操作の快適さによって「使い勝手の良さ」を重視したダイソン・まるで「浮いているような新しい操作感覚」を重視したバルミューダという特徴に分かれました。
やや気になるのは、前回の検証結果のように両者ともに吸引力が控えめな点です。また、ダイソンは専用ヘッドを交換しなければフローリング専用であるということも、実際に使うにあたっては気になります。
バルミューダの場合は、重くて長さもあってと、一見取り回しに難があるように感じられる点でしょう。どちらも慣れてしまえば、大きく気になるということはありませんが、はじめのうちは不満に思ってしまうことがあるかもしれません。
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以上、くるくるヘッド掃除機2製品の検証結果でした。「ヘッドが360°回転する掃除機ってどうなの?」と気になっていた方は、参考にしてみてください。