マッサージシートとは?
自宅で好きな時間に、マッサージで身体の疲れをとってリフレッシュしたい! でも、マッサージチェアは場所を取るし、高価……。そこで、注目されている商品が、マッサージーシート(シートマッサージャー)です。
マッサージーシートとは、自宅のイスやソファに乗せて使える簡易版マッサージチェアといった製品で、上半身を中心に身体をほぐしてくれます。設置スペースを取らず、比較的安く購入できることで人気です。
今回は優秀なマッサージーシートを探して、プロと一緒に最新7製品を徹底比較しました。また記事後半ではマッサージチェアのランキングも追加しています。
まずは、マッサージシートの基本について押さえておくことにしましょう。
マッサージシートの基本1:安くて手軽なマッサージシートが人気
簡易版マッサージチェアといえるマッサージシートは場所を取らず、全体的に価格も安め。既存のイスやソファにセットして手軽に使えるので、家庭用に最適な製品です。
そんなマッサージシートのメリット・デメリットがこちらです。
▼メリット
・イスやソファで手軽に使える
・場所を取らずに収納できる
・約1万円~4万円台と安め
▼デメリット
・動きや位置調節に限界がある
・肩と腰の2カ所のみがキホン
・製品ごとに性能差が大きい
また、マッサージシートと似たものに、「マッサージクッション」があります。これはより小型で、マッサージしたい部位にクッションを自分で当ててもみほぐすものになります。
マッサージシートの基本2:位置調節機能のある・なしは超重要
マッサージ機は“マッサージコースの豊富さ”や“もみ玉の数と動き方”に目がいきがちですが、実は位置調節機能がマッサージ機能において超重要です。
男女差や身長差によって、もみ玉の当たる位置が大きく変わることから、どんなに高性能でも当たり所が悪いと気持ちよくありません。
男性の場合
製品の多くは男性が基準です。
女性の場合
小柄な女性の場合は肩ではなく頭に当たる可能性も。
つまり、自分の身体に合うか? マッサージしたい部位に合わせて位置調節できるタイプか? がもっとも重要なポイントです。男女差や身長差によって、もみ玉の当たる位置が大きく変わるので、位置調節機能の有無を確認するようにしましょう。
おすすめマッサージシートの選び方は?
マッサージシートを選ぶ際は、当たり前ですが、自分の身体に合った製品を使ってみることが一番。買う前にまず、店頭などで試してみるのがおすすめです。
その際、確認すべきポイントは以下の3点です。
ポイント1:当たり位置や強さを含めて気持ちいいか
当たってほしい位置にきちんと当たって気持ちいいことは大前提。もみ玉の当たり位置や強さが、自分にとって丁度いいかを確認しましょう。
ポイント2:もみ玉の位置調節がしやすく思い通りに合わせられるか
もみ玉の位置調節ができるかどうかと、狙った位置に合わせられるかも必ず確認しましょう。その際、どの範囲で動かせるのかも確認して、なるべく調節の幅が広い製品を選びましょう。
当たり位置さえ適切なら、もみ玉の数や動き、コースの豊富さは好みで選んで構いません。ちなみに、もみ玉は上下だけでなく、左右にも動くほうが効果的です。
ポイント3:座面がズレにくく安定して使用できるか
マッサージシートはイスやソファ、座椅子に乗せて使います。製品の安定性や固定方法も確認しておきましょう。また、使用時に身体がズレないことも重要です。
イスへの固定方法も忘れずに確認しましょう。
機能や形状など、その他の部分は好みで選んで構いません。なお、試せない場合は、位置調整の可動幅が広い製品を選ぶのがポイントになります。
マッサージシートの選び方のポイントがわかったところで、テスト内容を解説していきます。
おすすめマッサージシートのテスト方法は?
今回のテストでは、最新のマッサージシート7製品を徹底比較。製品は定番の人気メーカーを中心に、各社の最新・最上位モデルを集めています。
検証はマッサージ師の資格をもち、東京療術学院で講師も務めている熊坂基先生にご協力いただき、実際に試して各製品をのマッサージ効果を評価しました。
“どんなに高性能でも当たり位置が悪いと気持ちよくない”という観点から、評価項目は下記3つのポイントのみに絞っています。
テスト1:気持ちよさ
もみ玉の当たり位置や動き、強さを含めた“気持ちよさ”を自動コースで評価しました。もみ玉の数や動き、コースの豊富さはあえて項目としては挙げてはいませんが、これらの要素やもみ玉の当たり位置も含めて、“気持ちよさ”として評価しています。
テスト2:位置調整
位置調節の有無や使い勝手、狙った位置に合わせやすいかを評価しました。
テスト3:安定性
製品自体の安定性だけでなく、使用時に身体がズレないかも評価しました。
今回テストしたマッサージャーシート7製品は、価格も約1万円~4万円台とバラつきがありますが、果たしてどこが違うのでしょうか?
それでは、お待ちかねのマッサージシートのおすすめランキングを発表します!
【おすすめマッサージシート1位】アテックス「TOR マッサージシート タタキもみ®DMA AX-HXT220」
アテックス
TOR マッサージシート
タタキもみ®DMA
AX-HXT220
実勢価格:4万4000円
サイズ:W520×D480×H820mm
重量:約10.5kg
カラー:グレー・ブラウン
もみ玉:首・肩:4個、背・腰:4個
エアバッグ:腰:4個、ふともも:4個
コース:全自動、首・肩(もみ・左右もみ・上下ストレッチ)、背・腰(上下もみ・部分もみ・たたき)、腰・ふともも(はさむ・ストレッチ) ヒーター機能:搭載
タイマー:15分
消費電力:80W(ヒーター15W)
安全使用荷重:90kg以下
▼テスト結果
- 気持ちよさ: ◎
- 位置調節: ◎
- 安定性: ◎
ベストバイはアテックス「TOR マッサージシート タタキもみ®DMA AX-HXT220」。8個のもみ玉と8個のエアバッグ搭載で、コースも非常に豊富。位置調節は上下の縦方向だけですが、リモコンの表示はわかりやすくて使い勝手も良好です。
高いだけあってきちんとマッサージされている感があります。メニューも豊富で楽しい!
4カ所それぞれが違った動きのマッサージで身体をほぐす
シートマッサージャーがほぐす箇所は首・肩と背・腰の2カ所が一般的です。しかし、この製品は腰とふとももにエアバッグを搭載しており、同時に4カ所をほぐすことができました。ただし、小柄な女性では、首の位置がやや高すぎるかもしれません。
肩・首はもみ玉が回転する動きで、背・腰はもみ玉が左右に動きながら身体に沿って上下していきます。この動きが基本ですが、コースによって間にたたく動きなどが入ります。
腰とふともものエアバッグを計8個も搭載。加圧・減圧のみですが、エアバッグが2層になっているのでしっかり挟んでくれます。膨らんで左右から挟み込むエアバッグがかなりいい!
ちょっと重いけど安定性は抜群!
マッサージ箇所が多いためか、他の製品と比べると本体がやや重めです。しかし、背面のベルトでしっかりイスに固定できるので、安定性は抜群。座面の右側にはリモコン用のポケットも用意されています。
背面のマジックテープ付きベルトでイスに固定可能です。
【おすすめマッサージシート2位】アルインコ「どこでもマッサージャー モミっくすモミート MCR2300T」
アルインコ
どこでもマッサージャー
モミっくすモミート
MCR2300T
実勢価格:2万4700円
サイズ:W410×D550×H710mm
重量:約7.5kg
カラー:ブラウン
もみ玉:背・腰:2個、首・肩:2個(もみローラー)
コース:プログラム(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、肩もみ、腰もみ
ヒーター機能:搭載
定格時間:15分
消費電力:25W(ヒーター2W)
▼テスト結果
- 気持ちよさ: ◯
- 位置調節: ◎
- 安定性: ◎
2位はアルインコ「どこでもマッサージャー モミっくすモミート MCR2300T」。もみ玉は4つですが、首・肩と背・腰のもみ玉が独立しており、2カ所を同時にマッサージ。コースは少なめですが、左右の動きも細かくて気持ちよく、コスパは最強です。
安い割に当たり位置もよく左右の動きも細かくて、思ったよりも気持ちいいです。
マッサージ箇所は2カ所だけど左右の動きが細かくて値段以上に気持ちいい!
マッサージ箇所は一般的な首・肩と背・腰の2カ所。しかし、それぞれもみ玉が独立しているので2カ所を同時にほぐしてくれます。腰のもみ玉はヒーター機能を搭載していますが、あまり暖かさは感じませんでした。
首・肩は左右に動きながら上下、背・腰はもみ玉が回転しながら上下するのが基本の動きです。なお、テストではカバーが付いたままでも十分気持ちいいと感じました。
2カ所のもみ玉の部分には、それぞれ独立したカバーが付いています。
脱着可能なカバーで、もみの強さを調節できます。
固定用ベルトもしっかり付いている
2万円台で購入でき、シートマッサージャーとしては価格は安めです。しかし、背面の固定用ベルトやリモコンポケットはしっかり付いています。
【おすすめマッサージシート3位】ドクターエア「3Dマッサージシート プレミアム MS-002」
ドクターエア
3Dマッサージシート プレミアム
MS-002
実勢価格:3万8500円
サイズ:W460×D120×H1260mm
重量:7.35kg
カラー:ブラウン、ブラック、ディープレッド
もみ玉:首~腰:4個
バイブレーション:座面
コース:自動(全身・肩・腰)、もみ、たたき、指圧、もみたたき
タイマー:約20分
消費電力:53W
▼テスト結果
- 気持ちよさ: ◎
- 位置調節: △
- 安定性: ◎
3位はドクターエア「3Dマッサージシート プレミアム MS-002」。2番目に高い製品だけあり、気持ちよさは1位といい勝負でしたが、位置調節がなかなかうまくいかず、惜しくも3位に。7種類のコースが用意されており、範囲や速度も細かく指定できます。
4つのもみ玉が広範囲に動く
もみ玉は独立しておらず、首から腰まで広範囲に動きます。
4位: 【おすすめマッサージシート4位】フジ医療器「シートマッサージャー S56 MRL-1200」
フジ医療器
シートマッサージャー
S56 MRL-1200
実勢価格:3万4038円
サイズ:W460×D180×H840mm(背面)、W440×D340×H80mm(座面)
重量:8.8kg
カラー:レッド、ネイビー、ブラック
もみ玉:首・肩: 6個、背・腰:4個
コース:コース(全身・肩・腰)、肩もみ、背(もみ・たたき・さざなみ・背すじ伸ばし)
定格時間:20分(タイマー:10分)
消費電力:50W
適応体重:100kg以下
▼テスト結果
- 気持ちよさ: ◯
- 位置調節: ◯
- 安定性: ◎
4位はフジ医療器「シートマッサージャー S56 MRL-1200」。8種類のコース・もみ技が用意。範囲も全身・部分・ポイントから選べます。もみ玉の当たり位置や動きは抜群でしたが、全体的に強さがソフトで物足りず。痛いのが苦手な人には最適です。
首・肩と背・腰が独立してマッサージ
7製品中最多となる10個のもみ玉を搭載しています。首・肩と背・腰のもみ玉が独立しており、それぞれ違った動きをします。
5位: 【おすすめマッサージシート5位】ドウシシャ「MOMiLUX ボディスキャンシートマッサージャー DMS-2001」
ドウシシャ
MOMiLUX
ボディスキャンシートマッサージャー
DMS-2001
実勢価格:1万9800円
サイズ:W424×D140×H780mm(背面)、W410×D410×H40mm(座面)
重量:約4.8kg
もみ玉:首~腰:4個
位置調節:縦方向
ヒーター機能:搭載
コース:もみ(全体・背中・腰)、指圧(全体・背中・腰)
タイマー:10分、15分
消費電力:30W(ヒーター5W)
▼テスト結果
- 気持ちよさ: ◯
- 位置調節: ◯
- 安定性: ◯
5位はドウシシャ「MOMiLUX ボディスキャンシートマッサージャー DMS-2001」。1万円台ながら肩位置の自動スキャン機能を搭載し、毎回自動検出してくれます。位置調節の可動幅も広く、小柄な女性にも向いています。
6位: 【おすすめマッサージシート6位】大東電機工業「THRIVE マルチマッサージチェア CMD-1000」
大東電機工業
THRIVE
マルチマッサージチェア
CMD-1000
実勢価格:1万9800円
サイズ:W430×D180×H730mm(補助マットをたたんだ状態)
重量:約5.2kg
カラー:ブラック、ホワイト
もみ玉:首~お尻:6個
コース:自動(Ⅰ・Ⅱ)、連続(速・遅)
タイマー:10分
消費電力:30W
適応体重:90kg以下
▼テスト結果
- 気持ちよさ: ◯
- 位置調節: △
- 安定性: ◯
6位は大東電機工業「THRIVE マルチマッサージチェア CMD-1000」。7段階のラチェット機構で、折って使えば腰とお尻、伸ばして使えば首と肩、腰と多彩な使い方ができます。寝た状態で使えるのも重宝します。
座椅子として使える4WAYマッサージャー
首・肩&背・腰なら立て掛けて使用できます。
7位: 【おすすめマッサージシート7位】Naipo「シートマッサージャー MGBK-2606H」
Naipo
シートマッサージャー
MGBK-2606H
実勢価格:1万2880円
サイズ:W450×D90×H660mm(背面)、W440×D360×H40mm(座面)
重量:約2.8kg
もみ玉:首~腰 2個
バイブ機能:座面
ヒーター機能:搭載
コース:上部、下部、全身
タイマー:5分、10分、15分
消費電力:24W
▼テスト結果
- 気持ちよさ: △
- 位置調節: ×
- 安定性: ◯
7位はNaipo「シートマッサージャー MGBK-2606H」。中国のNaipo製マッサージャーでコースは全身・上部・下部の3種類。もみ玉は回転しますが、動きは基本的に上下のみで、ちょっと痛いです。
マッサージチェアも追加検証!
マッサージシート7製品を紹介しましたが、ではマッサージシートの1位と比べて、マッサージチェアはどうなのでしょうか? そこで、手が出しやすい15万円以下のマッサージチェア3製品も検証してみました。
【おすすめマッサージチェア】大東電機工「THRIVE くつろぎ指定席 マッサージチェア CHD-9200」
大東電機工業
THRIVE くつろぎ指定席
マッサージチェア CHD-9200
実勢価格:10万9780円
サイズ:W760×D1100×H1120mm
重量:約42kg
カラー:ブラック
もみ玉:首~腰:4個
位置調節:肩位置 5段階、もみ玉 上下・幅
コース:自動(全身・肩・腰)、もみ、たたき、もみたたき、背すじ全体、背すじ部分
リクライニング:電動(約113~137°)
定格時間:20分(タイマー:15分)
消費電力:71W
15万円以下のマッサージチェアでおすすめは、大東電機工業の「THRIVE くつろぎ指定席 マッサージチェア CHD-9200です。肩と腰、お尻だけでなく、手にもエアバッグが付いているうえ、足裏までまとめてリフレッシュできます。
全身くまなくほぐしてくれるので満足度が大違い! 家にあったら、スグ帰りたくなります。
マッサージシートとの最大の違いは全身リフレッシュできること
左右に動きながら上下するというもみ玉の動作は一緒ですが、動きの細かさやスムーズさが段違い。エアバッグも加圧・減圧という動きは一緒ですが、サイズや位置、数の違いで気持ちよさは別モノです。
足も左右から挟むだけでなく、足裏もローラーでほぐしてくれます。
手にもエアバッグを搭載。加圧・減圧で手もほぐしてくれます。
【おすすめマッサージチェア】ドクターエア「3Dマジックチェア MC-02」
ドクターエア
3Dマジックチェア
MC-02
実勢価格:12万8000円
ドクターエア「3Dマジックチェア MC-02」はマッサージ箇所の多さで上記製品にベストを譲りましたが、もみ玉の気持ちよさだけで比べると、こちらのほうが上でした。首や肩が特にこっているという人なら、こちらの製品がおすすめです。
【おすすめマッサージチェア】大東電機工業「くつろぎ指定席Light マッサージチェア CHD-3400」
大東電機工業
くつろぎ指定席Light
マッサージチェア
CHD-3400
実勢価格:3万9800円
大東電機工業「くつろぎ指定席Light マッサージチェア CHD-3400」は、なんと4万円以下という破格のマッサージチェア。足を絞り上げてマッサージする感じは、3台中でこれが一番気持ちよく感じました。
より多彩で質の高いマッサージを受けたい人、立ち仕事で特に足が疲れる人はマッサージシートよりもマッサージチェアのほうが満足度が高いでしょう。
【まとめ】自分の身体に合った製品を試して購入を
以上、マッサージシートおすすめランキング7選でした。テストの過程で気付いたことは、“性能より身体のサイズに合うかが重要”ということ。どんなに高性能な製品でも、いい位置に当たらなければ使わなくなります。身体に合った製品を探すポイントを把握し、毎日の疲れをしっかり解消できる1台を見つけましょう。
上記3つのポイントを中心に各製品の気持ちよさや使い勝手をテストしました。