オーブンレンジは本当に
ヘルシオで間違いない?

消費税も上がってしまったことだし、高額家電を購入して失敗というのは避けたいですよね。

そこで『家電批評』編集部は、過去のおすすめ製品の実力を改めて見直してみることにしました。今回、見直しのターゲットとなったのはシャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」です。

何度となく「おすすめオーブンレンジランキング」の首位に立っているヘルシオですが、2019年6月にハイエンドモデル「AX-XW600」が登場。そして、ヘルシオと首位争いを繰り広げている東芝の「石窯ドーム」も、同時期にハイエンドモデル「ER-TD7000」を発表しました。

そこで今回は「2大オーブンレンジ」のハイエンドモデルを揃えて、ガチ対決を行なってみました!

「ヘルシオ」と「ライバル機」
似たような機能が新搭載

比較結果の前にシャープ「ヘルシオ」と東芝「石窯ドーム ER-TD7000」のおおまかな特徴をご紹介したいと思います。

オートメニューが優秀な「ヘルシオ」

シャープ
ヘルシオ AX-XW600
実勢価格:11万6702円

サイズ:W490×D430×H420mm(本体)、W395 × H240 × D305mm(庫内有効寸法) 
重量:25kg
庫内容量:30L
レンジ出力:1000W(最大3分)・600W・500W・200W相当
オーブン温度調節範囲:発酵(30、35、40 、45℃)、オーブン(100~250・300℃) 

過熱水蒸気で調理するウォーターオーブン「ヘルシオ」。新モデルはクラウドサービスが進化し、アドバイス機能がより充実。

さらに、たっぷりの蒸気を使って野菜をシャキシャキに仕上げる「低温蒸し青野菜機能」や、パスタや一品おかずが手軽に作れる「レンジで1品機能」などが新たに搭載されました。

ヘルシオは「赤外線ムーブセンサー」と「温度センサー」が食材の状態や庫内の温度を判断して自動で加熱時間を調整。このセンサーの働きにより、調理を「おまかせ」しても加熱ムラが抑えられるとうたっています。

しかし、卵白を容器に流し入れ、レンジ加熱をしてからサーモカメラで計測してみたところ、ヘルシオは中央に熱が集中する傾向があることが分かりました。

加熱ムラが少ない「石窯ドーム」

東芝
石窯ドーム ER-TD7000
実勢価格:11万2060円

サイズ:W498×D399×H396mm(本体)、 W394 × H232 × D314mm(庫内有効寸法)
重量:約21kg
庫内容量:30L
レンジ出力:1000W(最大5分)・600W・500W・200W相当・100W相当
オーブン温度調節範囲:発酵&スチーム発酵(30、35、40 、45℃)、オーブン(100~350℃[約5分後に230℃]) 

東芝の「石窯ドーム」も過熱水蒸気で調理するタイプのオーブンレンジ。旧モデルやヘルシオやの過熱水蒸気の最高温度が300℃なのに対し、「ER-TD7000」は最高350℃にまで上がるようになりました。

そして、「おつまみ1分メニュー」など時短メニューも新搭載されています。

石窯ドームは高精度の8つ目赤外線センサーで庫内を細かくセンシング。さらに、新搭載の「ねらって赤外線センサー」で食品の加熱ムラを低減させています。

卵白を容器に流し入れ、レンジ加熱をしてからサーモカメラで計測してみたところ、まんべんなく加熱されることが分かりました。ヘルシオに比べると、加熱しすぎと思われる部分はわずかでした。

どっちがうまく仕上がる?
12パターンでガチ比較

弁当温め、冷凍肉の解凍、ハンバーグやカップケーキの調理など12パターンの検証を行なって、電子レンジ機能とオーブン機能の実力をテスト。プロの料理家のお二人に仕上がり具合をチェックしていただきました。

テスト1
あたため機能 / ハンバーグ丼

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:2分16秒
ふたをはずして、オートメニューの中から「コンビニ弁当あたため」を選んで加熱。ハンバーグ表面は82℃と熱々でふわっとした仕上がりになりました。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:5分00秒
オートメニューの中の「二品あたため」を使用。表面温度は80.7℃と熱々になりました、ご飯と混ぜると62℃まで下がって食べ頃になりました。ハンバーグ、ご飯ともにふんわりとしておいしかったです。

テスト2
あたため機能 / 幕の内弁当

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:2分23秒
オートメニューの「コンビニ弁当あたため」で加熱。おかずやご飯は熱々で、漬物は人肌程度と絶妙な温度に!

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:1分41秒
ハンバーグ丼と同じく「二品あたため」を使用。表面温度は48℃とややぬるめでしたが、ご飯、おかずともに加熱ムラがなく、突然「あつっ!」ということにはなりませんでした。

テスト3
あたため機能 / 牛乳

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:1分54秒(A評価)
あたためメニューの中から「牛乳」を選んで加熱。加熱後にかき混ぜてから中央の温度を測ったところ、59.5℃になりました。ホットミルクの適温と言われる60℃に限りなく近く、膜がはることもなく、フーフーしなくても快適に飲めました。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:2分09秒(A評価)
あたためメニューの中から「牛乳」を選んで加熱。加熱後にかき混ぜてから中央の温度を測ったところ、58.8℃になりました。ヘルシオよりも若干加熱時間が長く、温度が低めでしたが、こちらも膜がはることなく快適に飲めました。

テスト4
あたため機能 / ロールパン

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:8分16秒
あたためメニューの「焼きたてパンあたため」を使用。ドアを開けた途端、パンのいい香りが漂いました。奥右側のロールパンの表面温度は111℃、手前左側は104℃で焼きたてパンそのものといった熱さで、皮はパリッ、中はモチモチの仕上がりに!

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:3分12秒
オートメニューの中から「ふっくらパン」を選択。奥右側のロールパンの表面温度は78℃、手前左側は77℃でした。石窯ドームの方は加熱ムラがなく、全体的にフワフワとした仕上がりになりました。

テスト5
解凍機能 / 冷凍薄切り肉

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:5分13秒
5分ほどで薄切り肉が解凍されました。加熱しすぎた部分が2ヵ所ほどありましたが、全体的にしっとりしていて、無理なく1枚ずつはがすことができました。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:8分35秒
解凍後の表面温度は25℃と室温に近い感じになりました。加熱しすぎることもなく、こちらも無理なく1枚ずつはがすことができました。

テスト6
解凍機能 / 冷凍合挽き肉

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:5分38秒
表面温度は21℃になっていたものの、解凍は不十分でした。中央は箸でほぐせるものの、端の方はカチカチで追加の解凍作業が必要な感じでした。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:5分17秒
 

オートメニューの「スチーム全解凍」を使用。全体的に凍っていて、塊のまま箸で持ち上げられるレベルでした。こちらも再度解凍が必要なようです。

テスト7
解凍機能 / 冷凍ご飯

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:3分28秒
加熱がややオーバー気味で、表面温度は87℃でふんわり感に欠ける仕上がりでした。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:3分07秒
表面は87℃で中央は75℃。冷まさずともそのまま食べることができる、程よい温度に仕上がりました。

テスト8
オーブン機能 / ハンバーグ

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:18分45秒
オートメニューの「網焼きハンバーグ」で調理。網を使うので、表面も裏面も焦げることなく火が通りました。表面はカリッとして、中はふっくらと仕上がりました。

ヘルシオで焼いたハンバーグは噛むたびに肉汁がじゅわ~っとあふれます。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:31分20秒
石窯ドームオリジナルレシピに即して、鉄板とオーブン機能で調理。表面温度は118℃になり、焦げが生じてしまいました。肉汁も出てしまって仕上がりはイマイチ……。

石窯ドームにも焼き網が付属しているので、ヘルシオのように網を生かしたレシピにした方がよさそうです。

テスト9
オーブン機能 / ローストビーフ

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:55分11秒
オートメニューの「ローストビーフ」で調理。かなり熱が通ってしまいましたが、表面がパリッとして、味は悪くありませんでした。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間:23分18秒
オートメニューの「ローストビーフ」で調理。ハンバーグと同様に鉄板で焼きましたが、こちらは肉汁が保持されてやわらかい仕上がりになりました。

テスト10
オーブン機能 / 塩サバ

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:13分44秒
オートメニューの「塩ざけ・塩さば」で調理。皮はパリッとして、身はしっとりジューシに仕上がりました。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間: 14分59秒
オートメニューの「塩さば」で調理。石窯ドームの場合は約10分加熱した後、サバを裏返す作業が必要なのでチョット面倒でした……。一見、カリッとして食欲をそそる焼き上がりですが、水分が逃げてしまってパサつきを感じました。

テスト11
オーブン機能 / 焼き野菜

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:24分37秒
「まかせて調理」の中の「焼く」を選択。中央は火が通りやすいため、あらかじめ野菜を四隅に配置して調理しました。なすやエリンギはしっとり焼き上がったものの、やや焦げが目立ち、パプリカには苦味が感じられました。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間: 24分07秒
オートメニューの「カラフル焼き野菜」で調理。まんべんなく火が通り、ナスはふっくら、ズッキーニやパプリカはジューシーに仕上がりました。焼き色も食欲をそそります。

石窯ドームの高温で焼いた野菜は、フライパン調理とは違ったおいしさがありました。

テスト12
オーブン機能 / カップケーキ

ヘルシオ AX-XW600
加熱時間:34分10秒
160℃に設定したオーブンで30分野きました(予熱4分)。表面の焼き色はほぼ均一で、表面はサクサク、中はふんわりと焼き上がりました。

石窯ドーム ER-TD7000
加熱時間: 34分10秒
160℃に設定したオーブンで30分野きました(予熱4分)。焼き色はほぼ均一で、ヘルシオで焼いたものよりも濃いめでした。ケーキ中央の盛り上がりは高音の温風がまんべんなく通った証! こちらも表面はサクサク、中はふんわりと焼き上がりました。

以上、ハイエンドモデルのオーブンレンジ「ヘルシオ AX-XW600」と「石窯ドーム ER-TD7000」のガチンコ対決でした。

ヘルシオは時々加熱しすぎなきらいがありますが、オートメニューで調理したものは基本的に美味しく仕上がりました。「焼き野菜」などオートメニューにないものはやや苦戦していましたが、おまかせでパパッと調理できるオーブンレンジが欲しい方にはおすすめです。

一方、石窯ドームは「焼き野菜」や「カップケーキ」で高温調理機としての実力を見せてくれました。しかし「塩サバ」や「ハンバーグ」といった焼くだけのメニューで苦戦。均一に温めることを最優先に、あとはユーザーの調整に任せる傾向がありました。とはいえ、加熱ムラの少なさはプロのようでお見事です。

オーブンレンジ選びで悩んだら、ぜひこちらのテスト結果を参考にしてみてください!