ノイズキャンセリングヘッドホンとは?

周りの雑音をカットしてくれるノイズキャンセリング。電車の音や話し声などの気になる音を低減させ、集中したいシーンに便利な機能です。
最近では、多くのイヤホンやヘッドホンに搭載されていますが、どんな仕組みで外音をカットしているかご存知ですか?
ノイキャンは「パッシブノイズキャンセリング(PNC)」と「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」の2つから構成されていて、それらを組み合わせることでノイズを低減させています。
ノイズキャンセリングの種類は?
パッシブノイズキャンセリング(PNC)はイヤーパッドなどで物理的に中~高域の騒音を形状や素材で密着して遮断します。アクティブノイズキャンセリング(ANC)は、PNCで遮断できない低音を電気的な回路で遮断します。俗に「ノイキャン」と呼ばれていますが、主にANCが搭載されているものを指します。
アクティブノイズキャンセリングの仕組みとは?
アクティブノイズキャンセリング(ANC)を一言でいうと、“ノイズに対して逆位相の音を生成し、ぶつけることで音を消す技術”のこと。わかりやすく図で説明します。
外からの音

外部のノイズをマイクで拾います。
逆位相を育成した音

マイクでノイズを拾い、その音とは位相が正反対の音を生成します。
耳に入ってくる音

再生音にミックスします。すると互いが打ち消し合い、結果的にノイズが低減されるのです。
とはいえ仕組みは分かっても、ノイズキャンセリングヘッドホンは製品数が多く、ソニー(SONY)、ジェービーエル(JBL)、アップル(Apple)、ボーズ(Bose)といった人気メーカーからも商品が発売されています。
音質や機能性、使い勝手など、特徴はさまざま。どれを選べばいいのか、悩んでしまいますよね。
雑誌『MONOQLO』がノイズキャンセリングヘッドホンを比較

そこで雑誌『MONOQLO』では、1万円以下で買えるノイズキャンセリングヘッドホンの人気製品を比較。
安いうえに音質やノイズキャンセリング性能に優れた、コスパ最強のおすすめを探しました。
ノイズキャンセリングヘッドホンの選び方は?
おすすめ商品を紹介する前に、まずはノイズキャンセリングヘッドホンの選び方のポイントをお伝えします。
選び方1:音質の良さ
音質が良いと言われるヘッドホンは、高音・中音・低音がバランス良く出力され、迫力のある音のことです。
そのほか、臨場感や解像度の高さ、音の広がりなどもチェックしましょう。
選び方2:ノイズキャンセリングの性能の高さ
ノイズキャンセリング性能は製品によってさまざま。
アプリでノイキャンレベルを調整するものから、自動でノイキャンレベルを調整する機能が搭載されているものもあります。
ノイキャンの強度にこだわりがないのであれば、スイッチ一つでノイキャンをオンオフできるシンプルなモデルを選ぶのもアリです。
選び方3:装着の快適さ
長時間使っても疲れにくく快適なノイズキャンセリングヘッドフォンを選ぶなら、軽量モデルがおすすめです。
選び方4:アプリの性能や機能の充実度
専用のアプリがあれば、イコライザーの設定やノイズキャンセリングの切り替え、レベル調整などの設定がスマホで簡単に行えるため、利便性が上がります。
外音取り込み機能を搭載したモデルは、ノイキャンヘッドホンを装着したままでも話し声や電車のアナウンスを聞き取ることができて便利です。
また、頻繁に充電するのが手間という人は連続再生時間が長いものを選ぶと良いでしょう。
選び方5:マイク性能の高さ
ノイズキャンセリングヘッドホンには、マイク機能が搭載されたモデルも多く登場しています。
通話やリモート会議でも使用したい人は、自分の声がクリアに届き、相手の声も聞き取りやすい通話品質の高いものを選びましょう。
選び方6:コスパの良さ
ノイズキャンセリングヘッドホンは、音質や性能にこだわるほど価格が高くなっていきます。
コスパを重視するなら、必要な機能を厳選することも重要。価格と性能のバランスが良いものを選ぶのがおすすめです。
ノイズキャンセリングヘッドホンの人気商品を比較
今回、雑誌『MONOQLO』はAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどネット通販で購入できる1万円以下のノイズキャンセリングヘッドホンをピックアップ。
オーディオライターのゴン川野さんと一緒に、次の項目でテストしました。
テスト項目
- 音質(高音域)
- 音質(中音域)
- 音質(低音域)
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み
- 装着感
- アプリ機能
- マイク性能
それでは評価の高かった順に、ノイズキャンセリングヘッドホンのおすすめ商品を紹介します。
ノイズキャンセリングヘッドホンのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ノイズキャンセリングヘッドホンのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]()
EarFunEarFun Tune Pro
![]() |
|
高級機顔負けのノイズキャンセリング性能/価格以上の高音質で文句なし/自由度の高い専用アプリ |
289.5g |
120時間(最大、ANCオフ時)/80時間(最大、ANCオン時) |
3時間 |
Bluetooth 5.4 |
SBC/AAC |
ブラック、ホワイト |
|||||||||||
![]()
アンカーSoundcore Q30i
![]() |
|
イヤーパッドが柔らかく優秀な装着感/ノイズキャンセリング性能はかなり高め/アプリが優秀 |
263g(約) |
最大80時間 (ノイキャンOFF) / 最大50時間 (ノイキャンON) |
2時間(約) |
Bluetooth 5.3 |
AAC/SBC |
||||||||||||
![]()
HaylouS30 ANC
![]() |
|
メリハリ感のあるダイナミクス/LDAC接続だと解像度の高さを感じる |
295g |
80時間(ANCモードOFF)/50時間(ANCモードON) |
2.5時間 |
Bluetooth 5.4 |
SBC/AAC |
||||||||||||
![]()
JLabGo Lux ANC
![]() |
|
235g |
70時間(最大)/40時間(ANC時) |
10分充電で1時間再生(急速充電) |
Bluetooth 5.4 |
SBC/AAC |
【1位】EarFun「EarFun Tune Pro」
- EarFunEarFun Tune Pro
- 最安価格: ¥8,990〜
- 音質(高音域)
- 音質(中音域)
- 音質(低音域)
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み
- 装着感
- アプリ機能
- マイク性能
- おすすめポイント
-
- 高級機顔負けのノイズキャンセリング性能
- 価格以上の高音質で文句なし
- 自由度の高い専用アプリ
- 重量
- 289.5g
- 再生時間
- 120時間(最大、ANCオフ時)/80時間(最大、ANCオン時)
- 充電時間
- 3時間
- 通信規格
- Bluetooth 5.4
- 対応コーデック
- SBC/AAC
- カラー展開
- ブラック、ホワイト
- 型番
- HP220B
高級機顔負けのノイキャン性能!
ノイズキャンセリングは強度の違う3段階が用意されており、その効果も4製品中で最強。
高級機顔負けの性能でした。
文句なしの音質に驚いた!
高音に変な癖がなく、低音も量感がありながら音がこもっておらず、価格以上の高音質です。
自由度の高い専用アプリ

イコライザーの簡易パーソナライズにも対応しており、各種プリセットも用意されています。
ノイキャンの強度も手軽に変更でき、かなり多機能です。
音質(高音域)
変な癖がなく、モニターヘッドホンを思わせる楽曲に忠実な音です。
音質(中音域)
粒立ちがよく、低音の影響を受けずに歌詞がはっきり聞こえます。
音質(低音域)
量感が確保されていて音もこもらず、中音とのつながりもいいです。
音のバランス

高域が強めでボーカルが前面に。低域もメリハリ感があります。
音の傾向と音場感

量感ある低音に歯切れのいい高音がマッチ。広がりも感じます。
ダイナミクス
ノイズキャンセリング効果の高さもあり、ダイナミックレンジが広く感じられました。
解像度
解像度は高くないものの不満もなし。歌詞もハッキリ聞き取れます。
ノイズキャンセリング
強度を3段階から選択可能。4製品中で最も効果が高かったです。
外音取り込み
音楽を聴きながらでも、細かい外音までよく聞こえます。
装着感

側圧はやや強く感じますが、BOSEのヘッドホンを思わせる構造で耳にフィットします。
アプリ機能

イコライザーのプリセットが各種用意されており、パーソナライズにも対応しています。
マイク性能
やや加工感がありますが集音もノイズ除去も高性能です。
【2位】アンカー「Soundcore Q30i」
- アンカーSoundcore Q30i
- 最安価格: ¥8,980〜
- 音質(高音域)
- 音質(中音域)
- 音質(低音域)
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み
- 装着感
- アプリ機能
- マイク性能
- おすすめポイント
-
- イヤーパッドが柔らかく優秀な装着感
- ノイズキャンセリング性能はかなり高め
- アプリが優秀
- 重量
- 263g(約)
- 再生時間
- 最大80時間 (ノイキャンOFF) / 最大50時間 (ノイキャンON)
- 充電時間
- 2時間(約)
- 通信規格
- Bluetooth 5.3
- 対応コーデック
- AAC/SBC
- 型番
- Q30I BLACK
音質(高音域)
わずかに歪みを感じますが、ウォームで滑らかな心地いい高音です。
音質(中音域)
中音も滑らかで、歌詞もはっきりと聞き取れます。
音質(低音域)
低音の量感はありますが、音がこもらない絶妙のバランスです。
音のバランス

高域・中域はフラットで、低域の量感がやや多めのバランスです。
音の傾向と音場感

迫力ある低音に負けない高音。空間の広さも表現されています。
ダイナミクス
ノイズキャンセリングの効きがよく、無音から音が立ち上がるのでダイミック感があります。
解像度
LDAC対応製品には負けますが、解像度の不満は感じられません。
ノイズキャンセリング
トップではありませんが、ノイズキャンセリング性能はかなり高めです。
外音取り込み
余計なノイズがカットされており、外音がよく聞こえます。
装着感

装着感は優秀。イヤーパッドが柔らかく、耳が包み込まれるように感じます。
アプリ機能

イコライザーのプリセット数が多く、効果も実用的。カスマイズも可能です。
マイク性能
声は聞き取りやすいものの、周囲の音も拾ってしまっています。
【3位】Haylou「S30 ANC」
- HaylouS30 ANC
- 最安価格: ¥7,490〜
- 音質(高音域)
- 音質(中音域)
- 音質(低音域)
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み
- 装着感
- アプリ機能
- マイク性能
- おすすめポイント
-
- メリハリ感のあるダイナミクス
- LDAC接続だと解像度の高さを感じる
- がっかりポイント
-
- 側圧はやや強め
- アプリは機能が少ない
- 重量
- 295g
- 再生時間
- 80時間(ANCモードOFF)/50時間(ANCモードON)
- 充電時間
- 2.5時間
- 通信規格
- Bluetooth 5.4
- 対応コーデック
- SBC/AAC
- 型番
- S30 ANC WHITE
音質(高音域)
滑らかで刺激のない高音が、気持ちよく抜けて聞こえます。
音質(中音域)
低音にやや押され気味の音ですが、解像度は低下していません。
音質(低音域)
量感はありますが音がこもらず、解像度も満足できるレベルです。
音のバランス

高域は影響ありませんが、中域が低域にやや邪魔されています。
音の傾向と音場感

量感ある中低域と高い解像度の高域。音場は立体感がやや乏しいです。
ダイナミクス
小さい音のエッジが立っており、メリハリ感が出ています。
解像度
LDACで接続すると、解像度の高さを十分感じられます。
ノイズキャンセリング
ノイズが高音になるほど、ノイズキャンセリングの効果が薄れてしまいます。
外音取り込み
ノイズも同時に入ってしまいますが、外音自体はよく聞こえます。
装着感

やや側圧が強過ぎる感があるので、長時間の使用はちょっとつらいかもしれません。
アプリ機能

機能が少なく、イコライザーも中低音のバランス変化程度で効果は弱めです。
マイク性能
声がこもった感じでやや遠く、若干聞き取りづらさを感じます。
【4位】JLab「Go Lux ANC」
- JLabGo Lux ANC
- 最安価格: ¥8,800〜
- 音質(高音域)
- 音質(中音域)
- 音質(低音域)
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み
- 装着感
- アプリ機能
- マイク性能
- 重量
- 235g
- 再生時間
- 70時間(最大)/40時間(ANC時)
- 充電時間
- 10分充電で1時間再生(急速充電)
- 通信規格
- Bluetooth 5.4
- 対応コーデック
- SBC/AAC
音質(高音域)
高音はややドライで、見晴らしのいいカラッとした音の印象です。
音質(中音域)
歯切れのいい音ですが、低音と比較するとやや引っ込んでいます。
音質(低音域)
低域は量感を欲張らず、レスポンスのいい低音を実現しています。
音のバランス

高域中心の音作りで高音の抜けがよく、中低域に干渉されません。
音の傾向と音場感

ほぼフラットですが粒立ちがいい繊細系。音場空間はやや希薄です。
ダイナミクス
全体的に粒立ちのいい音で、メリハリ感は出ています。
解像度
ニュアンスが失われる部分もありますが、気にならないレベルです。
ノイズキャンセリング
周囲の人の話し声は聞こえてしまい、性能としてはそこそこです。
外音取り込み
外音取り込み機能はなかなか優秀で、外音がよく聞こえます。
装着感

オンイヤーで軽い装着感ですが、イヤーパッドはちょっと蒸れそうです。
アプリ機能

イコライザーは3種類で実用的。物理ボタンのカスタマイズもできます。
マイク性能
声は近いけれど反響感があり、全体的にぼんやりしています。
ノイズキャンセリングヘッドホンのおすすめ まとめ
以上、ノイズキャンセリングヘッドホンのおすすめランキングでした。
1万円以下で購入できる人気モデルを比較検証したところ、1万円以下とは思えない超コスパヘッドホンが多数。
その結果、「絶対買い」のベストバイに選ばれたのはEarFun「EarFun Tune Pro」です。
ノイズキャンセリング機能は高級機顔負け。比較した4製品中で最も効果が高く、強度は3段階から選ぶことができる点も魅力です。
音質も文句なし。変な癖のない高音と量感がありながら、こもっていない低音で、価格以上の高音質を実現しました。
専用アプリも自由度が高く、正直「もうこれでいい!」と思えるレベルに到達していました。
ご紹介した商品詳細を参考に、快適な音楽体験を楽しんでください。
ノイズキャンセリングヘッドホンのおすすめ

EarFun
EarFun Tune Pro
ヘッドホンの売れ筋ランキングもチェック
ヘッドホンのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
モニター的で忠実な音。ノイズキャンセリングもかなり優秀でした!