DAPとは?
アンドロイドOS搭載のDAP(デジタルオーディオプレーヤー)。
いわば高音質全振りのiPodです。
DAPを使うメリットは、その高い再生能力が引き出す情報量の多さと言われます。
演奏の一音一音に込められたニュアンス、ボーカリストの息づかいなどを感じ取れるので、聴き手とアーティストをより濃密につなげてくれます。

今回、雑誌『家電批評』はDAPとしては最安帯3万円クラスのエントリーモデル2製品と、4〜8万円程度のスタンダードモデル5製品を比較しました。
いずれも「Amazon music」や「Apple music」をインストールして手軽に使えます。
スマホとどう違う?
専用機だから音質は明確に格上!

音質に悪影響を与える電磁波ノイズなどへの対策はスマホよりはるかに厳重。
また、LDACなどの高品質コーデックにも対応しており、Bluetoothイヤホンの実力もスマホ以上に発揮できます
DACじゃだめ?
DACより機能が豊富で使い道が多い

スマホでバランス接続を楽しむなら、小型のDACという手もありますが、DAPのほうが高機能。
スマホからDAPにBluetoothで楽曲を転送し、有線イヤホンに出力するといった使い方も可能です。
機能的な特徴は?
バランス接続で有線イヤホンの音質UP

❶左(+)❷右(+)❸グランド(−)❹左(−)❺右(−)
DAPの大きな特徴は「バランス接続」で有線イヤホン・ヘッドホンを楽しめるように、4.4mmのイヤホン端子を備えることです。
バランス接続は一般的な3.5mm端子を使うアンバランス接続に比べ、解像度や定位感が向上するとされており、楽曲本来の情報量を引き出しやすくなります!
プラグにはステレオを構成する左右チャンネルの電気信号が流れていますが、アンバランスでは(ー)が左右共通で分離されておらず、解像感の低下などをまねきます。

DAP端子部です。左が3.5mm、右が4.4mmです。
DAPのベストバイは価格別でFIIO「JM21」とiBasso Audio「DX180」
雑誌『家電批評』編集部が比較テストを行った結果、DAP(エントリーモデル)のおすすめランキング第1位に選ばれたのはFIIO「JM21」、DAP(スタンダードモデル)のおすすめランキング第1位はiBasso「DX180」でした。
どちらも価格を超えた音質を備えた製品です。
3万円台で楽しい音を実感
- FIIOJM21 ブラック FIO-JM21-B
- 最安価格: ¥31,995〜
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圧倒的解像度で段違いの音質
- iBasso AudioDX180
- 最安価格: ¥77,351〜
👇11月11日(火) 1時59分まで👇楽天市場で見る¥77,351〜
DAPの選び方は?
音質採点はAV評論家の野村ケンジさんと本田雅一さんが担当。
試聴はバランス接続中心で、野村さんは水月雨のイヤホン「KADENZ」でヨルシカや米津玄師などのJ-POPを、本田さんはソニーのヘッドホン「MDR-MV1」でセルジオ・メンデスやクラフトワークなどの洋楽を中心にチェックしました。
楽曲はAndroid搭載を生かすべくAmazon Musicで再生しています。
解像度
細かな音やボーカルのこすれといった情報量の豊富さ。
クリアさ
音の輪郭が明瞭で、歪みが少なくクリアな音か。
音域バランス
低域・中域・高域が適切なバランスで再生されるか。
音像定位
各楽器・演奏の位置関係の明瞭さ。
ダイナミクス
楽曲本来の音の強弱を正確に表現できるか。
出力の音質差
バランスでもアンバランスでも音に統一感があるか。
駆動力
鳴らしにくいヘッドホンでも適切な音量を取れるか。
使い勝手
携帯性や操作性、DACやワイヤレス機能の充実さ。
DAP(エントリーモデル)のおすすめランキング
雑誌「家電批評」がプロと共にDAPの比較検証を実際に行ったところ、エントリーモデルの1位ベストバイはFIIOの「JM21」でした。スタンダードモデル1位はiBasso Audioの「DX180」でした。
| 商品 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
FIIOJM21 ブラック FIO-JM21-B
![]() |
|
68mm(約) |
13mm(約) |
120.7mm |
156g |
エントリー |
|||
HiBy DigitalM300
![]() |
|
58mm |
13mm |
113mm |
136g |
エントリー |
|||
iBasso AudioDX180
![]() |
|
75mm |
16mm |
123mm |
206g |
スタンダード |
|||
ACTIVOACTIVO P1
![]() |
|
62mm |
17.2mm |
119.2mm |
155g(約) |
スタンダード |
|||
ShanlingM3 Plus
![]() |
|
70mm |
18mm |
115mm |
205g |
スタンダード |
|||
FIIOM21
![]() |
|
68mm |
17mm |
121mm |
193g |
スタンダード |
|||
HiBy MusicR4
![]() |
|
68.3mm |
18.5mm |
129.6mm |
231g |
スタンダード |
【エントリー:1位】FIIO「JM21」
- FIIOJM21 ブラック FIO-JM21-B
- 最安価格: ¥31,995〜
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- 解像度
- クリアさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 出力の音質差
- 駆動力
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 安くDAPデビューするならコレ
- 明るくポップな楽曲が得意
- がっかりポイント
-
- Android機としてはメモリが不十分
- 幅
- 68mm(約)
- 奥行
- 13mm(約)
- 高さ
- 120.7mm
- 重量
- 156g
- DAC
- Cirrus Logic CS43198×2
- 型番
- FIO-JM21-B
ギリギリポケットにも入るサイズ

今回の登場機種で2番目にコンパクト。
サイズ的にもDAP入門に向いたおすすめの一台です。


選曲とボリューム調節のボタンを側面に完備。
FIIOヘッドホンやUSBケーブルは底面側に接続します。
ストラップホールもあります。
DACやBluetoothレシーバーなど機能面は完璧! EQも手軽に使える


PCやスマホからUSB入力して高音質で聴けるDAC機能、音楽をBluetooth転送して本機で再生できるレシーバー機能を搭載しています。
なお、メモリが少なくアプリの同時起動は非推奨です。

イコライザーは純正アプリ以外にも適用されます。
プリセットが豊富な上、効果を体感しやすい音響効果も◎。
解像度や音像定位に乏しいが明るくメリハリがあるサウンド

空気感や分離感、音場の広さといった基本性能は、低価格帯だけに物足りなさもありました。
しかし、限られた音域の中でメリハリを付け、明るく元気の良い音にまとめ上げていることに注目。
そもそも、3万円台でAmazon Musicなどに対応しているのは貴重な存在で、入門機としてはベストの実力です。
爽やかで明るい音。メリハリがあり現代の楽曲に合っています。
【エントリー:2位】HiBy Digital「M300」
- HiBy DigitalM300
- 最安価格: ¥29,800〜
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- 解像度
- クリアさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 出力の音質差
- 駆動力
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 圧倒的なコンパクトサイズ
- がっかりポイント
-
- Androidの動作が重たかった
- 幅
- 58mm
- 奥行
- 13mm
- 高さ
- 113mm
- 重量
- 136g
- DAC
- Cirrus Logic CS43131
- 型番
- M300 BLACK
駆動力

ボリュームを大きくしても音量を稼げず、駆動力が不足しています。
以前の試聴とは異なる印象。個体差で音質が変わるのか?
DAP(スタンダードモデル)のおすすめランキング
【スタンダード:1位】iBasso Audio「DX180」
- iBasso AudioDX180
- 最安価格: ¥77,351〜
👇11月11日(火) 1時59分まで👇楽天市場で見る¥77,351〜
- 解像度
- クリアさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 出力の音質差
- 駆動力
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- ジャンルを選ばない高音質
- 低域のスピード感・立ち上がりがいい
- がっかりポイント
-
- イコライザーは独自アプリ内のみ
- 幅
- 75mm
- 奥行
- 16mm
- 高さ
- 123mm
- 重量
- 206g
- DAC
- Cirrus Logic CS43131×4
- ストリーミング
- 〇
- 型番
- DX180 BK
機能も充実ボリュームダイヤルは便利


本体側面に備わるボリュームダイヤルを操作していると、ポータブル機ながら「オーディオ機器で音楽を楽しんでいるぞ!」という気持ちが高まります。

画面操作のレスポンスも良好でした。



操作部は他機種と同様のレイアウト。
DACモードでもダイヤルでサッとボリューム調節できるのは便利です。
本体色には明るいブルーや濃いグリーンも選べます。
比較した7製品中、圧倒的な音質!

全体的なバランスの良さを高く評価。
解像感や音場の広さも十分にあり、音楽ジャンルを選ばないポテンシャルの高さが魅力です。
スピード感や音の消え際のなめらかさもおすすめポイントでした。
全体的な良質さを感じます。特にアコースティック系が楽しい!
音場が広い上、音がふわっーと減衰していく消え際も綺麗ですね。
【スタンダード:2位】ACTIVO「ACTIVO P1」
- ACTIVOACTIVO P1
- 最安価格: ¥50,000〜
👇11月11日(火) 1時59分まで👇楽天市場で見る¥50,000〜
- 解像度
- クリアさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 出力の音質差
- 駆動力
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- ジャンルを問わず楽しめる音質
- 秀逸なUIで使いやすい
- がっかりポイント
-
- EQにプリセットがない
- 幅
- 62mm
- 奥行
- 17.2mm
- 高さ
- 119.2mm
- 重量
- 155g(約)
- DAC
- ESS ES9219Q×2
- 型番
- IRV-ACTIVO-P1
設定画面が秀逸で使いやすい!

Androidの設定画面です。
右の「FIIO M21」と比べ、左の「P1」はAndroidベースとは思えないほどの設定項目がオーディオ向けに整理されています。



ボタンを減らしたミニマムな操作部。
電源下部にあるボタンは曲操作用で、1度押すと再生/停止、2度押しで次曲、3度押しで前曲となります。
最近のワイヤレスイヤホンと同じですね。

aptXHDやLDACに対応するので、小型筐体も相まってワイヤレスイヤホンを楽しむにも最適です!

イコライザーはわかりやすいグラフィック式(左)ですが、パラメトリックEQ(右)で追い込むことも可能です。
OS全体に適用されます。
ただし、プリセットがないのは残念でした。
解像度の高さはベスト!情熱的なサウンド傾向

解像度が高くダイレクト感のある音色が高評価でした。
高級イヤホンを接続しても実力を発揮します。
うまくチューニングされていて、パッションを感じる音質。3.5mmのアンバランスは薄味なのでバランス接続推奨です。
総じて懐の深い音表現をもつ、小型ながらできのいい製品です。
【スタンダード:3位】Shanling「M3 Plus」
- ShanlingM3 Plus
- 最安価格: ¥62,370〜
👇11月11日(火) 1時59分まで👇楽天市場で見る¥63,000〜
- 解像度
- クリアさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 出力の音質差
- 駆動力
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- アコースティック系を良好に鳴らすアンプ性能の高さ
- 3.5mmでも好ましい音質
- がっかりポイント
-
- DACモードの挙動が不安定
- 幅
- 70mm
- 奥行
- 18mm
- 高さ
- 115mm
- 重量
- 205g
- DAC
- Cirrus Logic CS43198×4
- 型番
- M3 PLUS DEEP NIGHT BLACK
使い勝手

OSはAndroid 13。
AGLO(Android Global Lossless Output)により、純正以外のストリーミングサービス系アプリでもAndroidの音声処理をバイパスし音質を劣化させずに出力可能です。
同様の機能はDX180やFIIOの2製品、HiBy Music R4も搭載。
スマホにはないメリットです。

試聴ではDACモード時にiPhone15 やMacから認識されませんでした。

タッチレスポンスのサクサク度合いは、FIIO勢に次ぐハイレベルでした。
音質

3.5mmと4.4mmを音質の好みで使い分けるのが楽しそうです。
落ち着いた音でアンプの駆動力も高く、基本性能の底堅さを感じます。
【スタンダード:4位】FIIO「M21」
- FIIOM21
- 最安価格: ¥51,673〜
👇11月11日(火) 1時59分まで👇楽天市場で見る¥51,674〜
- 解像度
- クリアさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 出力の音質差
- 駆動力
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 快適な操作レスポンス
- がっかりポイント
-
- ややノイジーな音質
- 幅
- 68mm
- 奥行
- 17mm
- 高さ
- 121mm
- 重量
- 193g
- DAC
- Cirrus Logic CS43198×4
- 型番
- FIO-M21-L
駆動力

駆動力もあるので、ヘッドホンと組み合わせて、品位ある音を楽しめます。
同価格帯のR4よりニュートラルな音で落ち着いた楽曲向きです。
【スタンダード:5位】HiBy Music「R4」
- HiBy MusicR4
- 最安価格: ¥44,000〜
👇11月11日(火) 1時59分まで👇楽天市場で見る¥44,000〜
- 解像度
- クリアさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 出力の音質差
- 駆動力
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- EDMなどに合うタイトな低域
- DACモードでもBluetooth出力ができる
- がっかりポイント
-
- メリハリはあるが好みの分かれる音色
- 幅
- 68.3mm
- 奥行
- 18.5mm
- 高さ
- 129.6mm
- 重量
- 231g
- DAC
- ESS ES9018C2M×4
- 型番
- R4 ORANGE
使い勝手


ストラップやカラビナを取り付けられる大胆なデザインです。

音色を調節する「MSEB」を搭載。
男女別にボーカルの強調度合いを変えるなど、凝った設定を楽しめます。
組み合わせるイヤホン・ヘッドホンはミドルクラスまで

高域がやや多めながら、中域の厚みと低音の締まりは好感触でした。

「メリハリのよさがEDMなどに合いそう。ジャズや室内楽をゆったり聴くには不向きかも」(本田さん)。
野村さんはアンプの駆動力に注目し、「高級イヤホンにはあまり向かない」と評価しました。
明るく元気で、ポップに聞こえる音の演出があります。
やや癖のある音色表現のため、好みが分かれそうです。
入門機でもイヤホン・ヘッドホンはバランス接続をしよう

今回の試聴では低価格モデルでは3.5mmと4.4mmの音質差が目立つ傾向が見られました。
バランス接続でぜひ聞いてみてください。
ヘッドホンは、ケーブル交換でバランス化が可能です。
外でも家でも楽曲の魅力を味わい尽くすDAP
以上、DAPのおすすめ7製品をエントリーモデルとスタンダードモデルに分けて、ランキング形式でご紹介しました。
まず、とにかく安くDAPデビューしたい人にはFIIO「JM21」がおすすめです。
スマホ単体やスマホ+DACで音楽を聴いている人にとっては、バランス接続の高品位ヘッドホンを組み合わせるなど、ワンランク上のリスニングに踏み出す第一歩になります。
中価格帯に位置する5万円前後の製品は、全体的に音質が向上するものの、まだコストの制約が大きく、全方位的なレベルの高さは望めません。
高密度でエネルギッシュな音楽が好きなのか、空間を感じる静かな音楽が好きなのかなど、自分がよく聴く音楽や組み合わせるヘッドホンのことも一緒に考えてみるといいでしょう。
一方、最高評価だったのが一番高価なiBasso Audio「DX180」。
ここまで来ると、音楽ジャンルを選ばない高い基本性能が備わってきます。
幅広い楽曲を楽しみたい人であれば、少し背伸びしてでもDX180を選ぶ価値があります。
エントリーモデルのおすすめ

FIIO
JM21
スタンダードモデルのおすすめ

iBasso Audio
DX180
DAPの売れ筋ランキングもチェック!
DAPのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。

![家電批評: ベストバイ[リボンなし]](https://360life.ismcdn.jp/mwimgs/b/3/100wm/img_b3288d40ddd40fcbbae4c094af12cf8323865.png)
















コスパならこれ。低価格でもDAPの楽しさがわかります。