ホットアイマスクの本当の効果とは?
ホットアイマスクといえば、目の疲れを和らげてくれるものとして認知されています。
理屈はわからないけれど、なんとなく目を温めるといいことだけは知っているという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、最初になぜ目の周りを温めるといいのか、簡単に解説していきます。
目を温める"3つ"の効果
ホットアイマスクの効果を述べるにあたって着目すべきは“ホット”の部分です。
ホットアイマスクは“温かくなる”アイマスクですから、目の周辺を温めることにどんな効果があるのかということになります。
そこで、快眠ナビゲーターの結城未来さんをお招きして、目の周辺を温めることによる効果、そして睡眠との関係性について伺いました。
Q.それでは単刀直入にお聞きします! 目を温めることには、どんな効果があるのですか?
目を温めることには3つの効果があると言えます。①筋肉の緊張緩和、②瞳をキレイにする、③睡眠の質を改善、この3つです。
①血流をよくすることで、筋肉の緊張を和らげる
まず、目を温める効果として最も認知度の高い、①筋肉の緊張緩和についてです。
長時間パソコンの画面などを見ていると、目のピントを調整するための毛様体筋(水晶体の厚さを変える筋肉)が凝り固まるなど、眼精疲労の原因となる筋肉の緊張が起こります。
さらに悪いことに、毛様体筋の異常は自律神経のバランス異常を起こし、頭痛、肩こり、めまいなど、全身に症状が現れると考えられています。
これらを防ぐには、目の筋肉の緊張を緩和しなければならないわけですが、その方法の一つが「温めること」です。
特に睡眠前などの目を休めるときに温めるのが効果的です。
目の周りを温めることで、目や目の周辺の血管を拡張し、血行が促進され、筋肉の緊張をほぐすことで、リラックス状態になります。
②瞳をキレイにする
次は、②瞳をキレイにするについて。
一見、目を温めることと瞳をキレイにすることには関係がなさそうで、ピンと来ない人も多いのではないでしょうか。
これには「マイボーム腺」という器官との関わりがあります。
聞きなじみのないものですが、マイボーム腺とはまつ毛の生え際あたりにある、油分を分泌する器官。
上まぶたと下まぶたそれぞれに数十個ずつあり、油分を分泌することで、涙が蒸発するのを防ぐ役割をしています。
とても重要な役割のあるマイボーム腺ですが、目やに、化粧、ゴミ、加齢など様々な原因で開口部が閉塞し、出口で油分が固着して機能不全に陥ることがあります。
これを「マイボーム腺機能不全」といいます。
慢性的な目の不快感を伴う疾病です。
また、よく聞く「ドライアイ」の方の多くが、このマイボーム腺機能不全を併発しているといわれています。
※ドライアイとマイボーム腺機能不全の直接的な関わりについては、現状不明な部分も多いとされています
そんな、放っておくと目の不調につながる「マイボーム腺の詰まり」を改善する近道があります。
それは「目を温めること(温罨法:おんあんぽう)」です。
油分が固まって詰まってしまっているわけですから、温めれば油分がスムーズに分泌しやすくなるというわけです。
これは、予防としても効果的で、夜寝る前に目を温めるとマイボーム腺から油分がスムーズに分泌されるのを助けてくれます。
油分がスムーズに分泌されれば、涙の上に膜を作ることで涙の蒸発を防ぎ、涙で瞳を均一に潤すことができます。
つまり、うるうるのきれいな瞳と、くっきりとした視界を手に入れやすくなるということです。
目を温めるとマイボーム腺から油分がスムーズに分泌するのを助けてくれるので、涙の蒸発を防ぎ、目の表面に涙が均一に広がりやすくなります。
③睡眠の質が改善する
最後に睡眠の質を改善についてですが、これについては、かなり難しい話になります。
簡単に説明すると、「眼を温めると体の熱が下がって寝つきやすくなる可能性がある」ということです。
赤ちゃんは眠たくなると、手足が温かくなるというのを聞いたことはあるでしょうか。
この現象は、人が入眠するときは深部体温が下がり、その際に手足などの体の末端から熱が放出されるという生理的現象により起こるとされています。
つまり、人は深部体温がスムーズに下がれば眠りやすくなり、その際に手足から熱が放出されるのです
実は、目を温めることで眠るための体の準備・深部体温を下げることにつながるという研究データがあります (※)。
研究を行ったのは、ホットアイマスクの代表格「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」でおなじみの花王です。
この研究では、健常な男性19名を対象に温める効果のあるシートとないシートを使用し、目を温めたときとそうでないときの体の内部の温度、手と足の皮膚温、体幹の皮膚温、口頭での自覚的評価などを測定しています。
その結果、目の周りを適度に温めることで、対象者は自覚的な心地よさや眠気を得る、温める効果のないシートを使用したのに比べて手足の皮膚温の上昇が大きく、温める効果のないシートを使用するのに比べて体の熱を外へ逃す放熱が促進される、といった影響があったとしています。
つまり、目の周りを温めることは、人が眠るための体内の準備の手助けをしてくれて、入眠にポジティブな影響を与える可能性があるということを示唆しています。
目を温めることにより、睡眠の質が改善されるというのは、科学的な根拠があるんです。
※ 花王株式会社パーソナルヘルスケア研究所. “眼の周りを温めることによる入眠への影響 ~体温の放熱促進を確認~”.花王株式会社.2019-08-22.
https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2019/20190822-001/
「nerugoo 充電式ホットアイマスク」が新発売
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※使用環境によって表面体感温度は前後します
前置きが長くなりましたが、前述のように「目を温めること」には良い影響がたくさんあります。
そこで、目を温める効果を十分に得られて、かつ便利そうなモノを探していて見つけたのが今回紹介する製品。
最新の充電式ホットアイマスク「nerugoo 充電式ホットアイマスク」です。
さっそく、本製品の特徴を見ていきましょう。
①コードレスで使えてそのまま眠れる
最近のホットアイマスクはもっぱら充電式が人気です。
USBケーブルで充電して使うもので、内蔵バッテリーから電力をとって温めるため、コードレスで使えて気軽なのが魅力です。
また、30分すると自動的に電源がオフになるので、着けたまま寝てしまっても温めすぎたりしないので、安心して眠りにつけます。
目を温めるとリラックスして眠くなりやすいので、寝落ちしても自動で電源が切れてくれると安心です
②3段階の温度設定が可能
本製品は、温度設定の幅が広いです。
「高温・中温・低温」の3段階から設定できます。
ホットアイマスクの場合、温度設定の幅が広いほど通年で使いやすいです。
ホットアイマスクは、単に温めれば良いというものでもなく、あくまで「快適な温度」で温めることが重要です。
快適な温度は室温によって変わるので、夏と冬で温度を使い分けられるのが理想です。
暑いにもかかわらず高い温度で温めると、かえって不快感のほうが勝ってしまいます。
その点、本製品には「弱モード」が用意されており、低い温度で温めることもできるのが嬉しいポイントです。
一般的な充電式ホットアイマスクは、一段階もしくは二段階調整のものが多いので、三段階で設定できるのは端的に優れているポイントといえるでしょう。
細かく温度を変えて使えるのは、自分に合った心地よい温度で使いやすいという点で理想的です。
③洗濯可能な肌触りのいいカバー
本製品は、外側のカバーと内側のヒートパッドの2層構造になっています。
内側のヒートパッドにだけ電気系統が内蔵されているので、直接肌にあたるカバーは取り外して洗濯可能です。
優しく手洗いして、軽い力で脱水した後、陰干しで乾かします。
目の周りに直接触れるものなので、清潔に保てるのは嬉しいポイント。
カバーには、こだわりの詰まった独自技法のシルクを使っているとのこと。
サラサラとしていて、肌にまとわりついてこない軽さなのに密着感もある不思議な肌触りです。
バンドは適度に弾力のあるゴムでできており、もちろん長さ調節も可能なので、好みのフィット感に調節できます。
担当編集は寝る時に何か身につけるのは苦手ですが、とにかく肌触りがいいので、そこまで「着けてる感」がなく、あっさり寝落ちできました。
「nerugoo 充電式ホットアイマスク」を徹底検証
それでは、「nerugoo 充電式ホットアイマスク」の実力を検証していきます。
検証を行うにあたり、比較対象を提示しておきましょう。
過去、MONOQLO本誌で行った充電式ホットアイマスクランキングにて、ベストバイとなった「STAN Beauty ホットアイレスト」と比較していきます。
- stanSTAN Beauty ホットアイレスト
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検証① 温かさをサーモカメラでチェック
まずは、それぞれの製品がどれくらい皮膚表面を温められるかをサーモカメラを使用してチェックしていきます。
温湿度を一定にした室内で、被験者の皮膚表面が平温状態であることを確認後、ホットアイマスクを装着して加温を開始。
8分後の皮膚表面の温度を測定しました。
最初に前回ベストバイとなった「STAN Beauty ホットアイレスト」の検証結果から。
▼STAN Beauty ホットアイレストのサーモ検証結果
モード | After | Before |
高温 | ||
低温 |
高温モードでは、皮膚表面が最も高いところで「42.2℃」まで温まっています。
温まる範囲も広く、目だけでなく、目の周りも温まっていることがわかります。
低温モードは、温まる範囲は若干狭くなりますが「40.4℃」まで温まっていることがわかりました。
高温モード、低温モードともに皮膚表面温度が最も高いところで「40℃」を超えており、十分に温かさを感じられる温度です。
続いて、「nerugoo 充電式ホットアイマスク」の検証結果です。
▼nerugoo 充電式ホットアイマスクのサーモ検証結果
モード | After | Before |
高温 | ||
中温 | ||
低温 |
高温モードでは、皮膚表面は「40.6℃」まで温まっており、温まっている範囲は「STAN Beauty ホットアイレスト」の強モードと同じくらいでした。
中温モードでは、「39.6℃」まで温まっており、強モードと比べてちょうど1℃ほど低くなっています。
低温モードでは、「38.0℃」となっており、さらに1℃ほど温度が下がり、かなり控えめに温めることもできるとわかります。
各モードで皮膚表面の温度が約1℃ずつ上下しており、設定どおり使い分けることができそうです。
以上の結果からいえるのは、「nerugoo 充電式ホットアイマスク」の3段階の温度設定はしっかりと機能しており、おおよそ「40℃〜38℃」のレンジで使い分けることができるということ。
「STAN Beauty ホットアイレスト」の温度レンジは、おおよそ「42℃〜40℃」なのでレンジ幅自体は「2℃」と「nerugoo 充電式ホットアイマスク」と同じですが、どちらも40℃を超えるという点で、ベース温度が高めです。
サーモ検証を行った時期は、室温が「21.9℃」と少し涼しい環境だったので、40℃まで温まっても心地よかったですが、それから1ヶ月後の室温「25℃前後」の環境で使用してみたところ、温かすぎると感じました。
その点「nerugoo 充電式ホットアイマスク」は低温モードを使用することで「38℃前後」のより低い温度でも使うことができるので、より汎用性が高いといえます。
サーモ検証を行ったときは、どちらの製品でも変わらないという印象で、なんなら「nerugoo 充電式ホットアイマスク」の低温モードはやんわり過ぎて不要じゃないかとも思っていましたが、暑い季節になるにつれて、「低めの温度」の意義に気づかされました。
検証② 使い勝手をチェック
次に、使い勝手はどうなのかをみていきましょう。
まず、結論からいいますと、それほど大きな違いはありません。
これは、どちらもそれなりだという話ではなく、どちらもよく考えられており使いやすいということです。
まずは、カバーの仕様についてです。
「nerugoo 充電式ホットアイマスク」はヒートパッドが外しやすいように作られています。
留め具はマグネットになっており、ヒートパッドを取り出すのがラクで、カバーの再装着もしやすいです。
一方、「STAN Beauty ホットアイレスト」は取り出し口がジッパーになっています。
カバーを再装着する際に、少し入れにくくはありますが、重箱の隅をつつくような差異です。
では、カバーの取り外しやすさによって充電のしやすさに違いはあるのか?
それは、ないといっていいでしょう。
どちらの製品も、カバーを外さずに充電できるようになっています。
また、端子も両方「USB-C」なので一緒です。
では、ゴムバンドはどうでしょうか。
これも差異はないですし、形状すら同じです。
どちらも十分に使いやすいといえます。
最後に、肝心な着け心地です。
これには違いがありました。
「nerugoo 充電式ホットアイマスク」は前述のとおり、独自製法とされるシルクがサラサラとした肌触りでとにかく軽いです。
「STAN Beauty ホットアイレスト」も同様の心地よいサラサラとした肌触りですが、製品自体ががっしりしていて「nerugoo 充電式ホットアイマスク」よりも若干重たいです。
この違いは、装着した時の「包まれている感」に影響をおよぼします。
「nerugoo 充電式ホットアイマスク」は「軽い」と評したとおり、「目の周りが包まれていながらも、何かを着けている感覚が少ない」といった印象です。
逆に、「STAN Beauty ホットアイレスト」は「重い」と評したように、「より目の周りが包まれている感覚が強く、着けている感覚も強い」という印象でした。
では、どちらがよいのかというと、「それぞれの好み」です。
実際に、なんの前情報もない方々に、唐突に「両方着けてみて好きなほうを教えて」という形で、アンケートを取ってみました。
結果は半々で、「nerugoo 充電式ホットアイマスク」のほうが「軽やかで好きだ」という人もいれば、「STAN Beauty ホットアイレスト」のほうが「がっつり装着している感覚があって好きだ」という人も同じくらいいました。
「利便性」はほとんど違いはなし。「着け心地」はそれぞれの好み。よって、使い勝手はイーブンです。どちらも十分使い勝手のよい製品だといえるでしょう。
「nerugoo 充電式ホットアイマスク」をベストバイとしておすすめします
- 株式会社ルルnerugoo 充電式ホットアイマスク
- 実勢価格: ¥4,280〜
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※使用環境によって表面体感温度は前後します
- 温度設定の幅
- 使い勝手のよさ
検証内容を踏まえて、MONOQLOは「nerugoo 充電式ホットアイマスク」をベストバイとしておすすめします。
決め手となったのは、「設定できる温度の幅」です。
本製品は「高温・中温・低温」の3モードに切り替えることができます。
特に「低温モード」の存在意義は格別で、暑い時期にはこれがないとダメになるでしょう。
それくらい、温度設定の幅は「通年使える」という点で重要です。
使い勝手もよく考えられていて、不満を感じるポイントもありません。
充電式ホットアイマスクを探している方には、最高の逸品であり、買い換える必要もない完成型といえるでしょう。
- おすすめポイント
-
- 設定できる温度の幅が広く通年で使える
- サラサラとした心地よい肌触り
- カバーの着脱がしやすい
- カバーが洗濯できる
- 幅
- 28.6cm
- 奥行
- 12cm
- 高さ
- 2.6cm
- 重量
- 190g(約)
- 表面体感温度
- 低温:35度(約)、中温:44度(約)、高温:48度(約)
- 自動電源OFF
- 30分
- 電池
- リチウムイオン/1000mAh/3.7V/3.7Wh
- 充電口
- USB-C
- 対応アダプター
- 推奨 5V/1-2A Total:5-10W
- 素材
- 表面(カバー):シルク100%、内面(パッド):ポリエステル
- 付属品
- 電源コード
以上、「nerugoo 充電式ホットアイマスク」のご紹介と徹底検証の結果でした。
最近、目が疲れていると感じている方に、是非一度使って頂きたい製品です。
睡眠に関することなら私にお任せください!