ロジクール「MXシリーズ」のマウスって?
今回テストするマウス「MX ANYWHERE 3S」は、マウス・キーボードの分野で圧倒的なシェアを誇るロジクール社のフラグシップモデルです。
ロジクールのマウスはエントリーモデルの「M」シリーズ、ゲーミングモデルの「G」シリーズ、そしてフラグシップモデルの「MX」シリーズ(正式名称はMasterシリーズ)の3種に大別でき、本機は製品名にある通りMXシリーズです。
現行のロジクールマウスで「MX」の製品名がついている製品は6つ。内2つがMac用のバリエーションモデルなので、実質4タイプあります。ちなみにMX ANYWHERE 3Sは、「コンパクト ワイヤレス パフォーマンス マウス」という分類です。
MXシリーズは共通の特徴として、専用アプリ「Logi Options+」による各種ボタンのカスタマイズができ、「Easy-Switch」によりパソコンやタブレットなど、接続した機種を瞬時に切り替えられます。
また「Logicool Flow」機能により、異なるパソコン間でのコピー&ペーストなど、複数のパソコンを同時に使用するユーザーやビジネスやクリエイティブの現場で効率よく作業できる機能を備えています。
23年6月発売のロジクール「MX ANYWHERE 3S」の実力は?
ロジクール「MX ANYWHERE 3S」
- ロジクールMX ANYWHERE 3S コンパクトパフォーマンスマウス
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昨今、高性能なパーツを贅沢に使用したゲーミングマウスが登場したことで、1万円を超えるマウスはさほどめずらしくなくなりました。とはいえ、一般用途のマウスなら1000〜3000円ほどの製品が多く、高くても5000円も出せばお釣りがきます。
しかし、「MX ANYWHERE 3S」は、実勢価格が約1万3千円と非常に高額。いくら多機能で高性能だからといって、同じマウスにそれだけのコストを掛ける意味はあるのでしょうか?
ということで今回は、PC&周辺機器に詳しいベテラン編集者の佐久間氏と『家電批評』編集部が、ユーザー目線でガチテストしました!
テスト1:手触りと使いやすさをチェック!
結果:高級感があり持ちやすい!
「MX ANYWHERE 3S」の全長は約100.5mm。マウス業界では標準の“Mサイズ”に分類される大きさですが、他社のMサイズよりもわずかに小さめ。一般的な手の大きさなら、違和感なく使えますが、大柄な男性だと小さく感じるかもしれません。
側面は親指と薬指が自然と収まるようになっています。また、その形状に合わせてライン加工が施されたシリコンが貼ってあるので、グリップ力が高く手に馴染みます。これは安価なマウスにありがちなツルツルしたプラスチックの手触りとはかけ離れた上質な握り心地です。
厚みは外観の通り34.4mmと平べったく、手のひら全体をマウスに乗せて動かす「かぶせ持ち」には向いていません。
指を立て、小指以外の指先と指の付け根付近でマウスを保持する「つかみ持ち」による操作は、側面のグリップ力が高いため良好です。
親指と薬指でマウスを動かす「つまみ持ち」も、側面のグリップ力が高いので操作しやすいです。
小型で自然と手に馴染むことから、精密作業に向いたマウスです。ただし「かぶせ持ち」には向いていないので、ユーザーによっては長時間使うと疲れやすいかも。また、手が大きい人は小さく感じるかもしれません。
テスト2:ボタン&インタフェースをチェック!
結果:クリックの感触がよくホイールは超秀逸‼
マウスの操作性の要となるセンサーは、独自開発の「Dark Fieldセンサー」を搭載。解像度は8000DPI(マウスを1インチ動かした時に移動するカーソルのドット数)と高く、高解像度モニターを使っていてもカーソルが遅く感じることはありません。
また、センサーの感度は非常に高く、マウスパッドなしでもガラスや鏡面加工の机上で操作できます。
センサーの位置は、本体やや後ろ目の中央。これはつかみ持ちやツマミ持ちをする際にマウスを動かすために力を入れる場所と同じなので、操作イメージとズレることなくカーソルを動かせます。
底面には光学センサーと電源スイッチ、そしてボタンひとつでペアリングする機器を切り替える「Easy-Switch」があります。Easy-Switch機能で接続できる機器の上限は3台で、接続中は機器に割り当てたナンバーに相当するLEDが点灯します。これにより、カーソルの動きを確認することなく接続中の機器が判別可能です。
また、底部4ヵ所に非常に滑りの良いソールが付いており、これによりマウスパッドの上ではスイスイと気持ちよく動かせます。
もうひとつの操作の要である左右クリックには静音ボタンを採用(ちなみに製品名「MX ANYWHERE 3S」の「S」は、静音モデルの「Silent」を表しています)。
一般的な静音ボタンはクリック時に「カチッ」という音がなく静かな環境でも使いやすい反面、ボタンを押した際のクリック感が希薄になるという欠点があります。しかし、本機のボタンは、静音であるにも関わらず確かな押し心地を感じます。
本機のスクロールホイールは「MagSpeed」という電磁気スクロールを実装。これは、磁石の極性を変えることで、ホイールを高速回転(フリースピンモード)させたり、一般的なスクロールホイールのようにひっかかりのある抵抗(ラチェットモード)を発生させる技術です。
特にフリースピンモードのスクロールスピードは凄まじく、同社のMagSpeed非搭載モデルより90%高速で、1秒間に1,000行をスクロール可能です。なお、モードはホイールの手前にあるボタンで切り替えます。
本レビューでは幾度となく本機の高級感に触れましたが、金属製のスクロールホイールは上質で高性能な使い勝手だけでなく、ビジュアル面での高級感も演出しています。
テスト3:使い勝手をチェック!
結果:バッテリーの持ちがよく、専用アプリによる機能が充実!
「MX ANYWHERE 3S」の接続規格は、Bluetoothとロジクール社の独自規格「Logi Bolt USB」に対応しています。Logi Bolt USBはUSB-A型のレシーバーで、ひとつあれば対応製品を6台まで同時接続できるというスグレモノ。ただし、本製品には付属しないので、必要な場合は別途購入しなければなりません。
もしくは、ロジクール社のミドルクラス以上の製品には同梱されている場合もあるので、同社製品の購入時には同梱物もチェックしましょう。
Logi Bolt USBレシーバーの実勢価格は1210円。「MX ANYWHERE 3S」には入っていませんが、同梱している製品は意外と多いです。
本機にはUSB-C端子が1基ありますが、これはパソコンとの有線接続用だけでなく、充電にも使います。ちなみにパソコンに有線接続しても充電するだけで、接続は無線で行います。
なお、1回のフル充電で最長70日間使用でき、1分間の急速充電で3時間使用可能です。つまり、充電待ちで長時間使えなくなることはありえません。
専用アプリ「Logi Options+」を使ったボタンのカスタマイズは、使用するアプリケーションごとに設定可能。
例えばサイドボタンは初期設定ではWebブラウザーの「進む」と「戻る」ですが、Excel使用時は「コピー」と「ペースト」にするといったカスタマイズが可能です。
異なるOS間でのコピー&ペーストを可能にする「Logicool Flow」を使うには、両方のパソコンに「Logi Options+」を導入してペアリングの設定が必要ですが、使いこなせばかなり便利な機能です。
Windows・Mac間でのコピペが可能なのは、感動モノです。
ロジクール「MX ANYWHERE 3S」のテスト結果まとめ
結論:価格分の以上の価値は十分にありました!
- ロジクールMX ANYWHERE 3S コンパクトパフォーマンスマウス
- 実勢価格: ¥12,770〜
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- 操作性
- インターフェース
- 機能
- コスパ
「MX ANYWHERE 3S」の「3」は、3代目の3を表しています。初代「MX ANYWHERE M905」が発売されたのが2009年。この時点で非常に完成度の高い製品でしたが、新機種が発売されるたびにより精錬され、今ではハイエンドマウスの代名詞的な製品に成長しました。正直、欠点らしい欠点はありません。
強いて言えば手の大きい人や長時間の作業にはあまり向かないこと。また、本製品はデザインこそ左右対称ですが、ボタンレイアウトが右利き用なので、左利き用もあると喜ぶユーザーが一定数いるでしょう。
文句なしの神マウスでした。贅沢を言わせてもらえるなら、バッテリーやソールなど消耗品の交換パーツを発売してもらえると、より長期間愛用できてウレシイですね。
以上、「MX ANYWHERE 3S」の正直レビューでした。
「どれだけ良い製品といってもマウスに1万円以上出すのはちょっと……」と思う人も多いでしょう。しかし、そんな人にこそ使ってほしいのがこのマウスです。安いマウスを1年おきに買い替えていたり、パソコンが3台ある環境で安いマウスを3つ使っているといった場合には、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。
過去に本誌ではマウスの比較検証を何度も行いましたが、製品によってできることや使い勝手に大きな違いがありました。ロジクール製品は比較的、高評価なものが多かったです。