ソノス「Sonos Era 300」の注目の理由とは?
Apple MusicやAmazon Musicでは、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)対応の楽曲が増加中。「空間オーディオ」として、立体的なサウンドで音楽を楽しめます。
そもそも空間オーディオとは?
最近よく耳にする言葉ですよね。もともとは、Appleが自社の立体音響技術に対して使った言葉です。しかし、現在では立体音響技術全般の総称として使われており、メーカーごとに解釈や方式が異なります。とはいえ、Appleを含めた多くのメーカーが「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」の技術をベースにしています。もともとは映画館向けの技術でしたが、今ではスピーカーやヘッドホンをはじめ、さまざまな製品に普及しつつあります。
1:Dolby Atmos(ドルビーアトモス)
音を位置情報と組み合わせることで、より臨場感のある音空間を作り出す技術。
機器ごとに最適な再生方法を演算するため、多くの機器で採用されています。
2:ソニーの360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)
360度、全天球の中に音を配置することで、立体的な音場を感じることができる技術です。
ソニー製以外のイヤホンやヘッドホンでも利用でき、PlayStation 5でも対応しています。
3:Appleの空間オーディオ
Dolby Atmos(ドルビーアトモス)の技術をベースとしていますが、さらに自社のヘッドホンやイヤホンのモーションセンサーによる頭の動きをもとに音の位置や方向を変え、立体感を強調しています。
空間オーディオはAirPods Proなどのイヤホンなら手軽に楽しめますが、スピーカー単体で再生しようとすると、対応はAppleやAmazonなどの一部製品のみでした。
ここに新登場したのが、今回レビューするソノス「Sonos Era 300」です。
ソノス「Sonos Era 300」
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ソノス「Sonos Era 300」は、Amazon Alexaに対応したスマートスピーカーです。
Wi-Fi以外にBluetoothにも対応しており、Bluetoothスピーカーとして利用したり、AppleのAirPlay規格にも対応します。
独特な形状をした本体には6つのドライバーが搭載されており、内部構成はかなり豪華で非常に高価なのもうなづけます。
- 幅
- 260mm
- 奥行
- 185mm
- 高さ
- 160mm
- 重量
- 4.47kg
- 型番
- E30G1JP1BLK
前面・側面・上面と計6つのドライバーで音の広がりを実現
6つのドライバーは精密に計算された角度で配置されており、音をあらゆる方向に発することで立体的なリスニング体験を実現するそう。
上面のツイーターが天井の反射音を利用することで、横だけでなく空間に高さも作ります。
本体のボタンで直感的に操作できる
操作ボタンは「再生/一時停止」と「前の曲」「次の曲」「音声アシスタント」のみで、音量はスライドバーで調節。あとは背面側にBluetoothやマイクのスイッチがあります。
ソノス「Sonos Era 300」のテスト方法は?
Apple「HomePod」以上の音質が期待できそうなソノス「Sonos Era 300」は、果たしてヒットするのでしょうか?
ということで、スピーカー単体、および2台をペアリングした状態で、音質テストを実施しました。
ソノス「Sonos Era 100」
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注目のソノス「Sonos Era 300」とあわせて、同じく新発売の下位モデルである、ソノス「Sonos Era 100」も検証。
Apple「HomePod 第2世代」
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比較対象としてAppleの「HomePod 第2世代」を用意し、通常音源とDolby Atmos音源を聴き比べました。なお、Dolby Atmos非対応のソノス「Sonos Era 100」は通常音源のみで評価しています。
検証にはApple Music内の楽曲を使用。ソノス製品では「Sonos」アプリ内からApple Musicの楽曲を検索・再生しましたが、検索機能は正直使いづらいです。
それでは、テスト結果を順に解説していきましょう。
テスト結果は?
通常の音源:「Era300」は1台でもすでに広がりを感じる
ソノス「Sonos Era 300」
総合評価:A+
1台のみで再生【評価:優秀】
歌声は伸びやかで、少し空間が広げられて立体感も感じます。
声の帯域の再現、楽器の音の広がり・引き締めと空間の広がりのバランスが取れた音です。
2台ペアリング再生【評価:良好】
スピーカーの存在感が薄れ、広いステージで音楽が鳴ります。
楽器の音も自然と分離して1つ1つ聴こえ、低音はリズムの再現が極上です。
Apple「HomePod 第2世代」
総合評価:A
1台のみで再生【評価:良好】
1台再生でも音バランスは比較的よくできていて、歌声のクリアさや楽器の再現性、重低音の沈み込みなどのバランスは2台再生時とほぼ変わりません。
2台ペアリング再生【評価:良好】
ステレオで音空間はしっかり広がります。少し中高域を伸びやかにした音ですが、歌声はややぼやけ気味。
低音のリズム感はまずまずの表現ができていました。
ソノス「Sonos Era 100」
総合評価:B
1台のみで再生【評価:合格】
一定レベルはクリアしていますが、派手にドコドコと響く低音に、シャカシャカした高域で洋楽向け。
バランスが日本人の好みからかけ離れています。
2台ペアリング再生【評価:良好】
ステレオらしく空間の音像定位は出ますが、歌声は空間に漂うような印象で、高域に伸びが出ます。
素直に音楽を聴くにはちょっと派手すぎる音です。
Dolby Atmos音源:Era300&HomePodの1台が優秀
ソノス「Sonos Era 300」
1台のみで再生【評価:優秀】
楽器やボーカルを邪魔せずに音楽を空間で鳴らせているのが秀逸。
アプリで音が広がる空間の高さを調整できるのも興味深いです。最大値(+10)がおすすめです。
2台ペアリング再生【評価:優秀】
空間オーディオの再現としては最もハイレベル。奥行き方向の広がりは特筆もの。
低音は引き締まっており、ステレオと同じ良さを残しているのも素晴らしいです。
Apple「HomePod 第2世代」
1台のみで再生【評価:優秀】
空間オーディオの使い方が非常にうまく、音がスピーカー付近から自然に広がります。
劇的に音が良くなったように聴こえますが、わざとらしさがありません。
2台ペアリング再生【評価:良好】
1台の場合とは音の作りがかなり違い、スピーカー間の奥にステージが広がるような聴こえ方。
音像はやや曖昧に空間に浮かび、ステレオよりかなり甘めです。
ソノス「Sonos Era 300」の検証まとめ
- ソノスSonos Era 300
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- 総合評価
以上、ソノス「Sonos Era 300」の検証レビューでした。本製品を聴き始めて驚いたのは、通常音源を1台で再生するだけでも、スピーカーの位置よりも広い空間で音が鳴り、空間オーディオっぽいサウンドになったこと。
2台目をペアリングしてアプリで「空間音楽」をオンにすると、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)ではない通常音源でも折原さんが「文字通りの空間オーディオ」と感心するサウンドに。歌声が空間に浮かぶような聴こえ方で、高域の伸びも出ます。
次に性能をフルに発揮できるDolby Atmos(ドルビーアトモス)音源を再生。するとスピーカー本体の少し上に奥行き方向にも横方向にも広がる音空間が!
広がりをつくるとボーカルがあいまいになりがちですが、歌声がぼやけすぎず再生されます。
2台再生にすると音を広げるというより、とても広い音空間の真ん中で音楽を聴くような感覚へと変わります。ソノス「Sonos Era 300」は、新しい音楽体験ができるスピーカーでした。
単純に音がいいのではなく、“空間オーディオっぽい音の良さ”を存分に感じる新ジャンルのスピーカーです。
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空間オーディオの再現は「Era 300」の2台ペアリングが最もハイレベル。ただし、1台のほうがより空間オーディオのオン・オフ効果をはっきりと実感できます。