AV機器音楽も外の音も聞き取れる ソニー「LinkBuds」

音楽も外の音も聞き取れる ソニー「LinkBuds」 イメージ

ソニー
LinkBuds
実勢価格:2万3100円

重量:約4.7g(片側)
Bluetooth:Ver.5.2 
対応コーデック:SBC、 AAC(LDAC非対応)

昨今はテレワークも増え、家庭内で常時音楽を聴けるようになったり、リモート会議も増加したりするなど、イヤホンの装着時間が長くなりがちです。

こうした状況の変化に合わせて登場したのがソニー「LinkBuds」。スピーカー部の真ん中をくり抜き、周囲の音が自然に聞こえることに注力した完全ワイヤレスイヤホンです。

そこで、雑誌『家電批評』とプロが使い込んでその実力をチェックしました。今回は、第1回の【概要】、第2回の【装着感と音質】に続く第3回。使い勝手のテスト結果と「LinkBuds」が買いなのか結論を発表します。

AV機器【使い勝手】バッテリー持ちは気になるけどテレワークとは好相性

マイク性能はかなり高い!職場や自宅での通話は快適

マイク性能はかなり高い!職場や自宅での通話は快適 イメージ

▼うるさい場所での通話

  • マイク:◎
  • 音の聞きやすさ:△

▼生活音の中で通話

  • マイク:◎
  • 音の聞きやすさ:○

最近のノイズキャンセリングイヤホンではマイクを多数搭載し、それを利用して口元からの声を集中して集音する「ビームフォーミング」が普及しています。しかし、「LinkBuds」のマイクは左右1つずつのみ。ビームフォーミングも使いません。

となると、通話品質に懸念が生じますが、音声の集音に関しては別アプローチをとっています。それが5億以上ものサンプルを使った機械学習を行い、その成果を使ってイヤホン内蔵のチップが音声だけを抽出するというものです。

AVライターの折原さんがAirPods(第3世代)にやや劣るとジャッジしたマイク性能ですが、実生活のさまざまな場面でLinkBudsを試した小寺さんによると「実際にテストしてみると、多少シュワシュワ感はあるものの、喋りの声だけをかなり賢く分離していて、うるさい場所からの通話にはかなり効果が高い」とのこと。

ただしノイズキャンセリングはできないので、うるさい場所では相手の声が聞きづらく、不向き。一方で、ロボット掃除機やエアコンの動作音、水道の音などの生活音があっても十分聞き取れました。あくまでも自宅や職場など静かな屋外で使うべき製品です。

会話を始めたら、自動で音楽を止められる機能も

会話を始めたら、自動で音楽を止められる機能も イメージ

イヤホンでBGMを流しつつ家族とも会話する。そうしたシーンでは「LinkBuds」は有用です。自分が発声したら音楽が止まる「スピーク・トゥ・チャット」という機能もあります。

会話を始めたら、自動で音楽を止められる機能も イメージ2

「スピーク・トゥー・チャット」は、ソニーのアプリ「Headphones Connect」から有効にできます。音楽の再生を再開するまでの時間も指定可能です。ただし発話を検知するたびに「トゥルル」と音を鳴らすので、この音が煩わしくも感じることも。

音楽の音量が小さい(iPhoneのボリュームで下から5段階めぐらい)なら、「スピーク・トゥー・チャット」を使うまでもなく、人と普通に会話が可能でした。

連続駆動時間は短めだが、実際に使うと意外と大丈夫

一日中装着している可能性があるにもかかわらず連続再生時間は5.5時間。同社の完全ワイヤレスイヤホンの8時間からすると短め。

連続駆動時間は短めだが、実際に使うと意外と大丈夫 イメージ

とはいえ10分充電で90分再生可能なので、昼食を食べる間にケースに入れて充電しておけば、トータル7〜8時間は使えるはずです。

ただし、連続通話時間が2.5時間とやけに短いのは気になります。長時間のWeb会議ではマイクはPC、音は本機などと使い分けてバッテリーを節約しましょう。

“ほっぺタップ”でコントロールは新鮮で便利

“ほっぺタップ”でコントロールは新鮮で便利 イメージ

完全ワイヤレスイヤホンはハウジングをタッチして再生や停止を操作するのが主流ですが、イヤホンが小さいと操作が大変。ところが「LinkBuds」は顔を2〜3回叩いただけで反応する「ワイドエリアタップ」を搭載。面白いアイデアですし、実用的でした。

センサーだけの問題なので、本機に限らず、今後はソニー製イヤホンで普及するのかもしれません。

WindowsやAndroidではペアリングがより簡単に

「LinkBuds」はBluetoothのマルチペアリングに対応していて、いつもはスマホだけど会議中だけパソコンにつなぎたいといった用途でも使いやすいです。さらに、WindowsやAndroidのペアリングを補助する規格にも対応しています。

WindowsやAndroidではペアリングがより簡単に イメージ

最新バージョンのWindows 10や11であればペアリングモードに入った「LinkBuds」を自動で検知します。

WindowsやAndroidではペアリングがより簡単に イメージ2

Android 6.0以降に搭載されている「Fast Pair」機能も、画面の指示に従うだけでペアリングが終了します。「AirPods」並みに簡単でした。

また、マルチペアリングの台数も8台と多く安心。もちろん、iPhoneでも一般的なBluetoothイヤホンと同様の手順で簡単に接続できます。

Googleの「デバイスを探す」機能に対応

Googleの「デバイスを探す」機能に対応 イメージ

スマートフォンと最後に接続できていた場所を確認することが可能。イヤホンの電源がオフだったりスマホと接続が切れていたりすると役に立ちませんが、紛失場所の見当をつけるには役立ちそうです。

地図の音声案内もできる

地図の音声案内もできる イメージ

「LinkBuds」はソニー以外のいくつかのアプリとも連携します。その1つが「Microsoft Soundscape」。地図上の位置情報を3Dサウンドで再現するアプリです。

任意の目的地まで音声ビーコンが案内してくれる機能は、地図を見なが歩きスマホをするわけにもいかない場合には有用そうです。実際に使ってみましたが、ビーコンの聞き方に慣れれば細かいルートまでわかる必要がなく、方向と距離さえわかればだいたい行けるといった人には便利だと感じました。

AV機器【結論】音楽を聴きつつ仕事や家事をする用途にはフィット

【結論】音楽を聴きつつ仕事や家事をする用途にはフィット イメージ

【総合評価:A】

▼良かったこと

  • ながら聴きしやすい
  • マイク品質
  • 操作性
  • WindowsやAndoridとのスムーズなペアリング

▼惜しかったこと

  • バッテリー駆動時間
  • ドライバー外装が硬いので耳が痛くなる人もいる
  • 音質はよくない

以上、ソニー「LinkBuds」のテスト結果でした。

このイヤホンは、「音楽やラジオを聴きながらのほうが集中して仕事や勉強が進む」という人が自宅や職場で使うのに適したイヤホンだと感じました。散歩用のイヤホンとしてもオススメできます。一方、電車の中などうるさい場所で使うには不向き。

「ひとつのイヤホンでどんな場所でも」というニーズには、外音取り込みできるノイキャンイヤホンのほうが適しています。つまり万人向きではないということです。新しいリスニングスタイルか? と聞かれると疑問は残ります。でも、ハマる人にはハマるイヤホンです。

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