電卓のメリットとは?
電卓は、デジタル化が進む現代でも依然として重要な計算ツール。スマートフォンの電卓アプリもありますが、専用の電卓には独自のメリットがあります。
まず、物理的なキーによる確実な入力感により、誤操作を防ぎながらスピーディーに計算できる点が特徴。また、液晶画面が常に表示されているため、計算途中の数値を確認しながら作業を進められます。電池持ちも良く、太陽電池併用タイプなら電池切れの心配もほぼありません。
また、家計簿の計算や仕事での簡単な集計など、日常生活のさまざまな場面で活躍。現代でも、十分に使える製品なんです。
電卓の選び方は?
普段使いに適した電卓を選ぶ際に注意すべきポイントを紹介。価格だけでなく、使いやすさを左右する要素を理解しておくことが重要です。
選び方①:打鍵感
キーを押したときの感触は、計算作業の効率に大きく影響します。軽やかで心地よい打鍵感があると、長時間使っても疲れにくく、正確な入力が可能。一方、キーが重すぎると指が疲れやすく、軽すぎると誤入力の原因となってしまいます。
特に重要なのは、キーの端を押しても確実に入力される構造かどうか。キーの中央部分だけでなく、端の部分を押しても垂直にキー入力ができる設計なら、ブラインドタッチでも安心して使えます。
また、キーから指を離す前に次のキーを押しても、入力を受け付ける早打ち機能を搭載していると、素早い連続入力も可能です。
選び方②:キーの工夫
キーの見やすさと配置は、使い勝手に直結する要素。文字色とキーの色のコントラストが高く、数字がはっきり見えることが基本条件となります。白地にグレー文字、黒地に白文字など、視認性の高い組み合わせを選びましょう。
また、機能別に異なるキー成型を採用した製品もあり、フラットキー、凹型傾斜キー、凸型ラウンドキーなど、用途に応じて形状を変えることで、心地よいクリック感と入力ミスの軽減を両立しています。
選び方③:液晶の見やすさ
計算結果を確認する液晶画面の見やすさは、ミスを防ぐために欠かせません。大きなディスプレイを搭載し、コントラストが高く、文字が太くはっきり表示される製品がおすすめです。
また、入力した数値を画面に表示する際、タイムラグなく表示するものがベスト。機種によってはほんの一瞬ですが、画面が消えるものがあり、数字の見にくさにつながる場合もあるので要注意です。
そのほか、画面に傾斜がついているかも重要なポイント。チルト式で角度調整できるタイプなら、使用環境に合わせて最適な見やすさに設定できます。「万」や「千」などの日本人に馴染みのある単位表示に対応していると、大きな数値の計算時により便利に使えるでしょう。
選び方④:静音性
家庭や職場で使う際、キーの打鍵音は意外に気になるもの。とくに夜間や静かな環境では、音が響かない設計が重要です。シリコンラバーなどの衝撃吸収材を使用し、静音設計を採用した製品なら、周囲を気にせず計算作業に集中できるでしょう。
電卓の検証方法は?
今回の検証では、普段使いに最適な電卓を見つけるため、「打鍵感」「キーの工夫」「液晶の見やすさ」「静音性」の4項目を中心に評価を実施。それぞれを点数化し、コストパフォーマンスも含めて総合的に判定しました。
打鍵感(20点満点)では、キーの軽やかさ、安心感のある構造、早打ち対応の有無を評価。キーの工夫(10点満点)では、文字の見やすさ、色分け、デザイン性をチェックしています。液晶の見やすさ(15点満点)では、画面サイズ、コントラスト、傾斜機能を、静音性(5点満点)では実際の打鍵音レベルを測定しています。これらの性能を、文具プランナーの福島槙子さんと検証しました。
また、基本性能に加え、価格とのバランスを考慮したコストパフォーマンス評価を編集部で行い、普段使いに最適な電卓をランキング形式で紹介します。
電卓のおすすめは?
雑誌「家電批評」が文具プランナーの福島槙子さんと共に電卓の比較検証を実際に行ったところ、1位ベストバイはキヤノンの「HS-1220TUB」でした。2位はカシオの「WM-320MT」と「MW-12GT-N」でした。
商品 | ||||||
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キヤノンHS-1220TUB
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126mm |
23mm |
175mm |
179g(約) |
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カシオWM-320MT
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108.5mm |
33.4mm |
168.5mm |
175g(約) |
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カシオMW-12GT-N
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|
103mm |
28.8mm |
145mm |
120g(約) |
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シャープEL-S762K-X
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112mm |
25.5mm |
185mm |
172g(約) |
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ナカバヤシECD-4102TLG
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134mm |
35mm |
184mm |
208g(約) |
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カシオJT-200T
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107mm |
26.1mm |
178mm |
175g(約) |
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無印良品電卓 12桁(KK-1154MS)
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|
104.5mm |
11.5mm |
173mm |
165g(約 |
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Asmix/アスカC1258
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|
124mm |
35mm |
178mm |
200g(約) |
【1位】キヤノン「HS-1220TUB」
- キヤノンHS-1220TUB
- 最安価格: ¥2,264〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥2,264〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- ボタンが大きく軽やかな打ち心地
- キーごとに形状が異なり心地よいクリック感
- 大画面表示で文字が見やすい
- 音キーボードのような感触
- がっかりポイント
-
- キー配色がわずかに見にくい
- 幅
- 126mm
- 奥行
- 23mm
- 高さ
- 175mm
- 重量
- 179g(約)
- 型番
- HS-1220TUB
キーによって異なる形状
フラットキー、凹型傾斜キー、凸型ラウンドキーと、3タイプのキーを組み合わせることで、誤入力を減らしつつ快適に入力できます。静音性も優れており、オフィスや家庭の静かな環境でも安心して使用可能。
特大ディスプレイで数字も見やすい
液晶は特大ディスプレイを採用しており、コントラストも高くて見やすいのが魅力。数字も太く表示されるので、一目で確認できます。
【2位】カシオ「WM-320MT」
- カシオWM-320MT
- 最安価格: ¥2,321〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥2,336〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- 防塵防水性能で分離して水洗い可能
- タフなつくり
- コントラストのある数字が大画面表示
- 大画面表示で文字が見やすい
- がっかりポイント
-
- キーの文字色が同系色でやや見にくい
- 幅
- 108.5mm
- 奥行
- 33.4mm
- 高さ
- 168.5mm
- 重量
- 175g(約)
- 型番
- WD-320MT
防水防塵、また頑丈なつくりをしているので、とくに現場(屋外)で使うのに向いています
キー部分は取り外して水洗い可能
本体からキーパッドを外して水洗いが可能。防水防塵設計なので、屋外で使う人に最適なモデルです。建築現場や市場など、汚れやすい場所でも安心して使用できます。
【2位】カシオ「MW-12GT-N」
- カシオMW-12GT-N
- 最安価格: ¥1,437〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥1,445〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- ボタンが大きく軽やかな打ち心地
- 大画面表示で文字が見やすい
- 求めやすい価格
- がっかりポイント
-
- キーの文字色が同系色でやや見にくい
- 幅
- 103mm
- 奥行
- 28.8mm
- 高さ
- 145mm
- 重量
- 120g(約)
- 型番
- MW-12GT-N
キーの表示以外は問題なく、定番の電卓で慣れれば使いやすいです
シンプルながらも使いやすさを追求したモデル
シンプルでクセのない設計が愛される定番モデル。軽やかな打鍵感を備え、連続して入力しても操作がスムーズ。凹凸のあるキーは押しやすく、誤入力を防ぎながら快適に利用できます。
【4位】シャープ「EL-S762K-X」
- シャープEL-S762K-X
- 最安価格: ¥3,059〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- ボタンが大きく、非常に軽やかな打ち心地
- キーと文字の配色がはっきりして見やすい
- チルト式液晶画面で角度を好みに変更できる
- がっかりポイント
-
- ボタンを押すたびに一瞬ディスプレイが消えて視認性に欠ける
- ミドルクラスの機能にしては価格が高め
- 幅
- 112mm
- 奥行
- 25.5mm
- 高さ
- 185mm
- 重量
- 172g(約)
- 型番
- EL-S762K-X
サイズが大きく入力しやすい。またキーの配色がくっきりして文字が見やすいです
視認性の高いキー配置で打鍵感も見事
数字キーと演算キーが色違いのグレーで、文字色が白く太く表示されているため、視認性が高く、入力ミスを減らせます。打鍵感も適度な反発力があり、軽快なタッチで入力可能です。
【5位】ナカバヤシ「ECD-4102TLG」
- ナカバヤシECD-4102TLG
- 最安価格: ¥980〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥1,900〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- チルト式液晶画面で角度を好みに変更できる
- がっかりポイント
-
- キーを押したときの反発が重く疲れやすい
- 液晶画面がやや小さい
- キー配置にやや違和感を感じる
- 幅
- 134mm
- 奥行
- 35mm
- 高さ
- 184mm
- 重量
- 208g(約)
- 型番
- ECD-4102T-LG
液晶画面の角度を調整できるのはいいけれど、本体サイズの割に画面が小さいのはもったいないですね
本格的な角度調整機能を搭載
ディスプレイの角度を自由に調整できるチルト機能を採用し、机の高さや照明の当たり具合に合わせて、見やすい位置に設定できます。液晶のサイズがやや小さめなので、この機能はうれしいポイント。
【6位】カシオ「JT-200T」
- カシオJT-200T
- 最安価格: ¥2,573〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥2,573〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- 秀逸なデザインが唯一無二
- 大画面表示で文字が見やすい
- がっかりポイント
-
- ボタンを押すたびに一瞬ディスプレイが消える
- AC以外のキーがすべて同じ色になっていて視認性に欠ける
- 幅
- 107mm
- 奥行
- 26.1mm
- 高さ
- 178mm
- 重量
- 175g(約)
- 型番
- JT-200T-GN
画面が大きくて見やすいですが、表示がチラチラして一瞬見にくくなるのが残念です
所有欲が満たされるオシャレな電卓
太陽光パネルを上部にさりげなく配置するなど、デザイン面の工夫が随所に確認できます。実用性と見た目を両立させたい人にとっては魅力的。機能性だけでなく、デスクに置いたときの雰囲気も重視したい方におすすめです。
【7位】無印良品「KK-1154MS」
- 無印良品電卓 12桁(KK-1154MS)
- 最安価格: ¥1,290〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥1,303〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- 無印良品らしいミニマルデザイン
- お求めやすい価格
- がっかりポイント
-
- 液晶画面の文字が細く視認性に欠ける
- すべてのキーが白地にグレー文字で見にくい
- 打鍵感に工夫なし
- 幅
- 104.5mm
- 奥行
- 11.5mm
- 高さ
- 173mm
- 重量
- 165g(約
- 型番
- 37355538
取り立てて特徴はありませんが、デザインが好みであれば選んでもよいでしょう
無印良品らしいシンプルなデザイン
ごちゃごちゃしたものが苦手な人や、デスク周りをすっきりとさせたい人にぴったり。キーが色分けされていないため、慣れるまでは入力に少し注意が必要となります。
【8位】Asmix「C1258」
- Asmix/アスカC1258
- 最安価格: ¥1,780〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥1,780〜
- 打鍵感
- キーの工夫
- 液晶の見やすさ
- 静音性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- 途中式表示機能搭載
- がっかりポイント
-
- キーが小さく打ちにくい
- すべて同じキー配色で見にくい
- 液晶画面が小さく、ドット文字も見づらさを感じる
- カチャカチャと騒音がする
- コスパは高くない
- 幅
- 124mm
- 奥行
- 35mm
- 高さ
- 178mm
- 重量
- 200g(約)
- 型番
- C1258BK
打ちにくく、表示も微妙で静音性も他機種と比較するとうるさめです
演算結果後も計算式を確認できる
計算式を途中まで表示できる機能を備えており、演算の過程を確認可能。複雑な計算や、桁数の多い計算をする際に、どこで間違えたかを確認できるのは便利です。
コラム:電卓の疑問を解決!
ここまでおすすめ製品を紹介してきましたが、そもそも電卓のこと、よく知らないという人も多いのでは。ここでは電卓に関する疑問を「家電批評」編集部が解決します!
Q.電卓の桁数はどこまで必要?
A. 家庭用なら10桁でも十分ですが、仕事や簿記の勉強で大きな金額を扱う場合は12桁あると安心です。
Q.電卓の電源はソーラー?電池?
A. 多くのモデルが、光が当たる場所ではソーラーで、暗い場所では内蔵電池で動く「ツインパワー方式」を採用しています。電池交換の手間はほとんどありません。
Q.メーカーによって違いはどれくらいあるの?
A.メーカーによってキー配列が異なることも少なくありません。たとえば今回検証した中だと、カシオとシャープは「00」キーの位置が違いました。基本的には、これまで使ってきた電卓に近いキー配列を選ぶと使いにくさを感じにくいでしょう。
まとめ:迷ったらキヤノン「HS-1220TUB」で間違いなし!
ミドルクラス電卓のランキングを発表しました。
普段使いや軽い仕事用に最適な電卓を探している方には、キヤノン「HS-1220TUB」をおすすめします。2000円台という手ごろな価格ながら、すべての評価項目で高得点を獲得したバランスの取れた製品です。
軽やかで確実な打鍵感は、長時間の使用でも疲労を感じさせません。キーの端を押しても垂直に入力される安心構造により、ブラインドタッチでも正確な操作が可能。機能別に3タイプのキー成型を採用することで、心地よいクリック感と入力ミスの防止を両立しています。
また、特大ディスプレイはコントラストが高く、なめらかな表示でチラつきもなく、万や千などの単位表示で日本人にとって使いやすい仕様となっているのもポイント。
そのうえ、静音性も「だいぶ静か。静音のキーボードのような感触」と評価できるレベルで、家庭でも職場でも周囲を気にせず使用可能。デザインもキーがやや色分けしにくい程度の軽微な問題はあるものの、普段使いには全く支障のない上質な配色を実現しています。
総合的に見て、価格以上の価値を提供する優秀な電卓といえるでしょう。
一方、デザイン性を重視する方には、カシオ「JT-200T」も魅力的な選択肢。上質なデザインを実現し、太陽光パネルが目立たない配慮やインテリアに馴染む配色など、細部に至るまで美しさにこだわった製品。実用性だけでなくデザイン性も重視したい場合におすすめです。
電卓選びにおいて重要なのは、自分の使用環境と用途を明確にすること。今回のランキングを参考に、あなたにとって最適な一台を見つけてください。
キーがとても打ちやすいです。液晶も大きくてコントラストが高く、なめらかな表示がポイントです。