今年の決勝にかけるトム・ブラウンの想いとは?
トム・ブラウンプロフィール
布川ひろき(ぬのかわひろき)
(写真左)
1984年1月28日生まれ。北海道札幌市出身。身長176cm、体重67kg。高校卒業後に別コンビやピン芸人として活動し、2009年にトム・ブラウンを結成。
みちお
(写真右)
1984年12月29日生まれ。北海道札幌市出身。身長170cm、体重108.4kg。高校時代はお笑いではなく、プロスノーボーダーを志していた。
過去のM-1決勝をトム・ブラウンと振り返る
──M‐1決勝進出、おめでとうございます!
みちお(以下、み):ありがとうございます。
布川ひろき(以下、布):いやー、恐れ入ります。
み:最初にオファーをいただいたとき、なんで家電の雑誌が? と思いました(笑)。
布:そうそう。嬉しいんですけども(笑)。
── 家電の専門誌なんですが、M‐1直前のインタビューは恒例企画なんです。トム・ブラウンは6年越しの決勝進出が話題になりました。
み:6年前のときはイロモノとか、爪痕を残せればいいとか、優勝するはずがないという評価が多くて。今回決勝行きを決めたので、そう言っていた人たち1人ずつ、首の骨を折っていきたい(笑)。
布:怖いな!
── やはり当時は悔しさがあったんですね。
み:やっぱりありましたね。ただ、あのM‐1のおかげで今の僕らがあるとも思っていますけど。
布:たしかに、悪い感じにはなってないと思いました。あの決勝を観た(千原兄弟の)ジュニアさんが同期と飲んでいる席で「平場も無傷で帰ったな」と評価してくれたみたいで。初めて決勝に残った芸人は、点数が低いと面白いことが言えなくなるのも珍しくないんですが、僕らはそうならなかったのを褒めていただいて。
み:でも、布川がオール巨人師匠のコメントに〝ほげぇ〟と返して、すごい変な空気になっていました。だから、ジュニアさんはいいところしか観ていないんだと思います。
布:それも含めてかもしれないだろ。
み:でも、あれはアドリブじゃなく、1週間くらい前に「俺、ネタを終えたあとで〝ほげぇ〟って言うから」と決めていた。それですべったというのはダメだと思う。
布: 決めすぎちゃうとダメなんだろうなと。なので、今回はあまり考えすぎずに〝ほげぇ〟って言おうと思います。
み:いや、出さなくていいよ!
── 巨人師匠は審査員を引退されてしまいましたが。
布:そうですね。だったら、中川家の礼二さんにしましょうか。前回、僕らの点数が低かったので〝ほげぇ〟を出しやすい人だという認識があります(笑)。
今年決勝を前にしたトム・ブラウンの想いとは?
── 今年のM‐1の決勝進出会見ではみちおさんが〝M‐1の魔法にかかってる〟と話していましたけど、いまは大丈夫ですか?
み:僕らはありがたいことにテレビ出演も結構多いんです。むしろ、M‐1はテレビの延長線上だという魔法を必死にかけているところです(笑)。
布:でも、何をしても絶対にかかってしまうと思いますけど(笑)
み:たしかに、絶対に「おえっ」ってえずきそう。
布:僕が「ほげぇ」で、お前が「おえっ」って、もうダメだろ。
── 決勝までのなかで手ごたえはありましたか?
布:決勝に行けると思ってネタをやったとかはないんですけど、行かないとな、という思いはありました。ラストイヤーなので後悔したくないというのはあります。
み:それはそうだね。
── 昨年の敗者復活戦では唯一無二の〝漫才〟で世間をあっと言わせました。今年の決勝でも目立ってくれそうな期待感があります。
布:M‐1決勝について「今年はコント漫才が4組、しゃべくり漫才が4組、トム・ブラウンが1組」と何かに書かれていました(笑)。
み:まあ、僕らは笑ってもらえれば、何でもよいので。一応、やるべきことはやってきたのかなとは思います。
布:いつもの単独ライブでは卑猥なことも喜んでやるんですけど、今回はマジメにネタだけのライブをやったり(笑)。
み:ただ、単独ライブはネタが決まらず当日の深夜3時くらいまでネタの調整をしていましたけどね。
布:基本的にぐーたらなんです。やりたくないけど、そろそろやらないとダメかぁと。
── ちなみにネタはどうやって作っているんですか?
布: みちおが設定を何個か持ってきて、そこから2人で考えます。
み:僕が夜中の公園で、ブランコに乗りながら設定を考えて(笑)。
布:昔は自分も考えてたんですが、僕の考えたネタは100%、みちおが乗らない。それがムカつくんでやめました。
み:でも、俺が30個くらいネタを考えてきても、ひとつもOKが出ないこともありますから。
布:それはもちろん!
み:なので、お互い様じゃない。
── ひとつも通らないのは悲しいですね。
布:それは厳しくいきますよ。例えば、「日焼けサロンにいる女子高生の皮をむいて、それを自分に付けて女子高生になりたい」っていうネタですよ。ウケるわけねぇだろと。
み:まあ、それはね。でも、このネタは1回だけ舞台でやれたからいい方です。
布:そう、どうしてもやりたいっていうので1回やったんですよ。それで極すべりしたんですが、みちおは「結構よかったよね」って(笑)。
── まあ、テレビ向きではないです。
布:テレビ向きどころか、どこ向きでもないですよ。しかも、それをM‐1でもやろうとしていて、怖かったですね。
み:ウケてなかったかなぁ。
布:なので、ちゃんと選別はしないといけないんです。
── 決勝進出が決まってからの周囲の反応は?
布:モグライダーさんは3回戦で落ちているんですが、準決勝前にともしげさんと飲んだときにずっと「いいなぁ」と言いながら肩を殴られてました(笑)。
み:でも、モグライダーは去年、決勝に行ってる。僕たちは落ちているけど。
布: 今日も飲む約束をしていますが、決勝に行ったのでもっとぶん殴られるんじゃないかと。
み:でも、普通に「おめでとう、優勝してよ」というLINEもくれたし、大丈夫じゃない(笑)。
トム・ブラウンって家電に興味ある?
─── お2人は愛用している家電ってありますか?
布:僕はアナログな人間で、いまだにMDコンポを使っているくらい。でも、大人としてそろそろ時計を身に着けないといけないなと思っています。
み:20分の営業のときもマネージャーに時間を計らせてますから。
布:普通の時計もよいですが、アップルウォッチもよさそうですね。
─── 編集がアップルウォッチのシリーズ6を愛用していますが、かなり重宝しています。専用カバーを付けているのでスマートウォッチ感も控えめです。
布:普通の時計っぽくなるのはイイかも。ちょっと買うことを考えようかな。
み:僕はRANVOOの「ネッククーラー」です。今年の夏はこれがなかったら生きていけなかったと感じるくらい愛用していました。僕が買ったのは「AICE LITE」というモデルですが、LITEじゃないモデルもあって。4万円弱しますが、もう来年の夏に購入するってを決めています。
布:推すねぇ。
み:あと、首に着けられるように蹄鉄(ていてつ)みたいなU字型なので、最悪武器にもなります。
布:怖いわ!
トム・ブラウンの今年と今後の目標は?
─── 今年はどんな一年でした?
み:僕らは北海道出身で、今年ようやく『道産人間オズブラウン』という番組が札幌テレビでスタートして嬉しかったです。
布:僕はYouTubeだと大抵ボケるんですが、宮下草薙・宮下くんのラーメンYouTubeでマジメにラーメンについて語ってみたんです。本当にラーメンと風俗が大好きで、一度きちんとしてみようかなと。そうしたら再生回数、今のところダントツで1番になって、あれは嬉しかったなぁ。
み:あとは『水曜日のダウンタウン』できちんとう●こを漏らすことができたのもよかった。
─── う、う⚫︎こですか!?
み:そう。エイトブリッジの別府(ともひこ)ちゃんを記憶喪失になったといって騙す企画。そこでトイレを忘れた設定でう●こを漏らすまでいくという。それを布川に伝えたら「ズボンをはいていると常識がフタになって漏らせないかもしれないぞ」と。柔道部時代の布川先輩を思い出すくらい、頼りがいがありました。
布:そう。僕は漏らせなかったから。
み:それを聞いていたから、常識がフタをせずにしっかりと漏らせました。
─── テレビ的な演出ではなく?
布:マジですよ。画面じゃ伝わりにくいですが、シャレにならないくらい臭かったんで。
み:コンビがなせる漏らしです。
布:そんなに誇れないけども。
─── 強烈ですね……。それではトム・ブラウンの今後の目標は?
み:まだ仕事でも旅行でも海外に行ったことがないので、一度は行ってみたいです。とくにベトナムに高レートのパチンコがあるらしいので、そこで打ってみたいなと。
布:僕は荻窪に長く住んでいるんですけど、『アド街ック天国』が次に荻窪を扱うときに出演したいです。
─── 以前は声がかからなかったんですか?
布:そうです。そのときのゲストに井上咲楽ちゃんがいたんですけど、彼女は2年くらいしか住んでないと。しかも、すでに出て行っているんですよ。
み:それは布川に頼むべきだよな。
布:だろ。たった2年でどれだけ知っているんだと。荻窪のカレー屋「トマト」とか知らないだろと。ウエストランドの井口(浩之)くんも荻窪に長く住んでいるんですけど、2人で「ふざけんな!」と憤っていました。もう咲楽ちゃんを潰してやろうかと(笑)。
み:ということは、オズワルドの畠中(悠)から潰していかないとダメだな。
布:あぁ、元カレな。
─── 畠中さんも、井上咲楽さんも悪くない気が……。それでは最後に読者へ一言。
布:発売日にはM‐1は終わっているそうですが、僕らの漫才は頭を空っぽにして観てほしいです。これからも、何も考えずにただ見て、楽しいと思ってもらえるように頑張ります。
み:アニメのガンダムシリーズのなかに「人の思念が力になる」という描写があって、僕はみんなの想いを受け止める容器になります。なので、応援してね!
布:最後の最後で容器ってわかりにくいけど、まあいいか。これからも応援よろしく!