料理研究家の「リュウジ」さんとは?
料理研究家 リュウジ
ネットで何かと話題の二日酔いお兄さん。YouTubeなどSNSの総フォロワー約970万人を誇る。「今日食べたいものを今日作る!」をコンセプトに、X(旧Twitter)で更新する「簡単・爆速レシピ」が話題。近著は『料理研究家のくせに「味の素」を使うのですか?』 (河出新書)
モノを買う基準はコスパですね
──本日はよろしくお願いします。
リュウジさん:うぅー、はいお願いします(酒ヤケ声)。
──昨日もけっこうお飲みになってたんですか?
リュウジさん:そう、3時くらいまで。あ、料理作りながらインタビューを受けてもいい? もうすぐダメになりそうなあさりを使いたくて。
──もちろん大丈夫ですよ! それは動画の次回作として流すんですか?
リュウジさん:いや、俺が作りたいから作ろうかなって。動画にしたとしても、ユーザーがあさりを買いに行くのって面倒じゃないですか?
──たしかに。
リュウジさん:俺の料理は「自炊を広める」ことを目指しているので、基本的に「作りやすい」がモットーだからね。
──今回の企画は「達人の狂愛品」がテーマなんですが、リュウジさんがモノを購入するときの基準ってありますか?
リュウジさん:やっぱり値段・コスパですね。
──コスパですか。
リュウジさん:そう。安くて手軽に買えるモノじゃないと、視聴者を置き去りにしちゃう。高いモノを買わないと料理ができないと思われちゃうのが一番ダメなことです。
──たとえば、100円ショップなんかでも大丈夫なんですか?
リュウジさん:全然、大丈夫です。俺も普通に買ってますし、ずっと愛用しているモノもあります。
──安いモノだと、素人はハードルが低いので嬉しいですね。
リュウジさん:そうそう。ただ、高いモノにも意味があって、例えば「使いやすい」とか。料理は毎日するものだから、使いやすいモノや高性能なモノだとラクになるのは間違いないです。
──動画でリュウジさんがよく使っているMicroplaneのおろし器は使いやすそうです。
リュウジさん:あれは本当に便利で超愛用しています。ニンニクやショウガのほかに、チーズをすったりもできるし、サッと水で流すだけでキレイになるからお手入れもラクチン。あれがないと料理ができないというくらい。料理道具として完璧だと思っています。
──そのほかにも動画で愛用品を紹介していますね。
リュウジさん:包丁を使わずみじん切りができるぶんぶんチョッパー(K&A)とかでしょ。先日江頭2:50さんと共演したときに壊されちゃって、いまは二代目を使っています(笑)。
ほかにも、野菜を細切りするサラダおろし(ののじ)とか。最近は菜箸とトングを兼用できる菜箸トングがオススメ。これらは基本的に視聴者でも抵抗なく買える価格帯で、調理をラクにしてくれるグッズです。
──リュウジさんの愛用している道具とか、レシピも含めて、素人に〝優しい〟印象です。
リュウジさん:基本的に俺の料理は登竜門なんです。とりあえず俺を通過してほかの料理家に行くという視聴者も多い。でも、最終的に俺に戻ってくるという(笑)。だって、作りやすいですから。
Microplane(マイクロプレイン)「ゼスター グレーター」
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Microplane(マイクロプレイン)「ゼスター グレーター」は、「これがないと料理ができない」というほど重宝しているハンディおろし器。
水でサッと流すだけですった食材がキレイに落ちるのも便利です。
- 型番
- 46020
効率厨なので旨さへの最短距離を走りたいんです
──そうなんですよね。例えば、「野菜の皮は剥かない」などというように、手間を省いてもおいしいというのが特徴ですよね。
リュウジさん:そうね。俺の料理は省いたり、代用することをためらわないですから。基本的に俺は〝効率厨〟なので、料理では「旨さ」への最短距離を走りたいんです。
──最短距離ですか?
リュウジさん:料理は趣味に走るか、生活に走るかの2種類あると思っています。趣味に走りたければ、手間暇をかけて調理の工程を楽しめばいい。
でも、俺のレシピは生活に走る料理だから、効率重視で誰でも手軽においしく作れるというのが大事。調理工程を省こうが、代用しようが、ラクでおいしければいいじゃんという。
──そういう意味で考えると、いろいろと物議を醸すことが多い「味の素」も効率的な調味料と言えるのかもしれませんね。
リュウジさん:あぁ、あれね。味の素ってただのグルタミン酸で、塩と同じような基礎調味料なんだけどなぁ。俺もネットで煽っちゃうから良くないんだけども(苦笑)。まあ、俺も昔は味の素嫌いでした。
──そうなんですか?
リュウジさん:修業時代に勤めていたお店で味の素をめちゃくちゃ使ってたんです。手間をかけてダシを取るみたいなこともせず、化学調味料に頼るなんてとんでもない店に来ちゃったと。でも、すごい人気店で、しかもみんな「ウマイ!」と笑顔で帰っていくんです。
それを見たとき、俺の「味の素を使わない」というこだわりで、このお客さん達を笑顔にできるのかと自問した時、いや、無理だなと思いました。
あとは使ったほうがおいしいという実感もあったし、コスパも悪くない。調理がラクになる場合もあるということで、愛用するようになりましたね。
──あれも手軽に〝旨み〟を出せる調味料ですよね。
リュウジさん:いや、それは勘違いなんです。ただ入れればウマくなると思っている人は多いんですが、そう考えているなら使いこなせていない証拠。適当に入れてしまうと料理の味がまとまらなくなるんです。
俺も料理の塩味などを計算しながら、ベストな分量を研究したうえで使っていますよ。
──単純に見えて、実は奥が深いですね。では、素人が常備したい調味料はありますか?
リュウジさん:最近よく使っているんですけど、ヤマサの「これ!うま!!つゆ」でしょうか。白だしでもいいんですけど、それに近い味わいで少し甘みがあって、入れるだけで料理の味が決まります。
あとは鶏がらスープの素も、いろいろな料理に手軽に使えて便利。「バズレシピ」でも使っているので、それを参考にしながら料理を作ってみてください。
──料理の美味しさの土台となる〝ダシ〟が手軽になるのは、たしかに嬉しいですね。あと、調理家電で狂愛品はありますか?
リュウジさん:家電はパッと思いつかないかも。電子レンジもごく普通のモデルだし……。しいて言えば、低温調理器をプライベートでたまに使っているけど、それもボニークとかではなくノーブランドの安いヤツで十分ですし。
──本当にコスパ重視なんですね。ちなみに、低温調理器を利用したレシピは「バズレシピ」で公開してたりしますか?
リュウジさん:いや、まだ「バズレシピ」では公開していなんです。いずれ自分でプロデュースした低温調理器を使って、レシピを出したいと思っています。
ヤマサ「ぱぱっと ちゃんと これ!うま!! つゆ」
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ヤマサ「ぱぱっと ちゃんと これ!うま!! つゆ」は、最近よく使っているという濃縮つゆ。
白だしを少し甘めにした味わいで、入れるだけで料理の味が決まります。ビギナーでも使いやすいのでオススメです。
- 内容量
- 500ml
味の素「味の素 アジパンダ瓶 70g」
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味の素「味の素 アジパンダ瓶 70g」は、リュウジさんのレシピといえばコレという〝うま味〟の決め手。
料理の味のバランスを壊さない使い方は、コツが必要になるそうです。
- 内容量
- 70g
- 型番
- 123
「味の素」は、実は上級者向け。初心者は「これ! うま!! つゆ」。
ファストフード店は味の研究のためにもよく行っています
──リュウジさんはご自身で料理をすることが多いと思いますが、外食ってするんでしょうか?
リュウジさん:普通にしますよ。一昨日もスシローに行ったし。
──えぇ、チェーン店も利用するんですか?
リュウジさん:めっちゃ行きますよ。というか、レシピを考えるうえでチェーン店はすごく勉強になります。だって、俺のレシピはあえてチェーン店の「味」をマネしている部分も多くて、そこにこだわりを持っていますから。
──けっこう意外で驚きました。料理家ってチェーン店はあまり行かないイメージがありました。
リュウジさん:売れているチェーン店は「味」の最大公約数をしっかり出しているんです。
──最大公約数ですか?
リュウジさん:お客さんはうまいと思っているからお金を出しているわけで、それが現代に好まれている「味」、つまり最大公約数を押さえているから売れているわけですよね。
逆に独創的な料理だと、グルメには響くけど、素人には美味しくないということも多いんです。なので、塩分濃度なんかをレシピの参考にして取り入れていますよ。チェーン店やコンビニのご飯とか、売れているパスタなんか。
──サイゼリヤとか?
リュウジさん:サイゼリヤは天才。なんなら、俺のペペロンチーノはほぼサイゼリヤの味です。
──ほかに好きなチェーン店はありますか?
リュウジさん:よく食べるのは日高屋の「バクダン炒め」ですね。キムチの素を使ったピリ辛の炒め物なんですが、これが酒に合うこと。もう酒が止まりませんね。
──あと、リュウジさんは市販のいろいろな商品とコラボすることが多いですが、そこにもこだわりがあったりしますか?
リュウジさん:〝案件〟について決めているのは、必ず引き受ける前に商品を試させてもらうこと。実際に自分で食べたり、使ってみて本当に納得したモノだけを紹介することにしています。
──それだと大変そうですけど。
リュウジさん:たくさんお話を頂くから大変だけど、俺が本気でおいしいとか、便利だと思わないモノを紹介するのって、見てくれている人に失礼じゃないですか。
基本的にウソをつきたくないのよ。せっかく俺が紹介したのに、「全然ダメじゃん」とか思われたくない。
──忖度なしですね。弊誌も「忖度なし」のテストや比較を心がけているので共感できます。
リュウジさん:忖度なしはいいですよね。視聴者や読者にウソをついても良いことなんてないですから。ちなみに、最近の案件で紹介した「ホップ炭酸水」はハイボールに合うのでマジでお気に入り。
苦みがあるけど苦すぎず、普通の炭酸水とは違ったテイストでおいしいなと思いました。ハイボール好きなら試してみてほしいです。
サイゼリヤ「ペペロンチーノ」
リュウジさんが「天才!」とべた褒めするサイゼリヤ「ペペロンチーノ」。自身のペペロンチーノの味の指標としているほどの美味しさです。
日高屋「バクダン炒め」
日高屋「バクダン炒め」は「酒がすすみまくる!」と美味しさを大絶賛。キムチベースのピリ辛味でお酒やご飯との相性バッチリです。
ポッカサッポロ「北海道富良野 ホップ炭酸水」
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ポッカサッポロ(pokka sapporo)「北海道富良野 ホップ炭酸水」は、ホップの苦みが適度なアクセントで、普通の炭酸水とは一味違うのが特徴。
最初は案件で飲んだものの、普通においしいと感じたそう。いまもハイボールを作るときに使っているとか。
- 内容量
- 500ml
- 型番
- WJ69
自分が作って売り出すモノには責任を持ちたい
──コラボだけではなく、プロデュースや監修も多いですよね。
リュウジさん:本当に欲しいモノは自分で作るようになりました。ただ、マジで疲れるんですよ。
──ダメと思われないために?
リュウジさん:そうそう。使いやすさももちろんだけど、価格も含めたうえで、あらゆるところで満足してもらえるモノを作らないと。こっちも本気だから厳しい意見ばかり突きつけるし、メーカーさんとガチ喧嘩しながら進めていきます。
──大変そう……。
リュウジさん:例えば、日本酒の「酒屑」も1本1980円だけど、メーカーさんはもっと高くしても大丈夫だと言うけど、俺としては「その値段で誰が買うんだよ」と。俺自身は「1980円なら買ってもいいかな」と思って、そこまで価格を下げてもらいました。
まな板も原価がめっちゃ高すぎたから、俺のインセンティブを下げてもらってギリギリまで値段を抑えています。それでも6950円と高いんですが、一生使えるレベルの商品に仕上げてもらいました。
──たしかにプロデュース系は値段が張るモノが多い印象ではありますね。
リュウジさん:やっぱり自分が納得する商品でないと作って売ろうとは思わないですね。自分で作ったモノには責任を持ちたいですし、せっかく買ってくれた人がガッカリする姿を見たくない。「みんなを幸せにしたい」が俺のポリシーですから。
リュウジさんが関わって作ったモノたち
divi「酒屑」
- divi酒屑
※白・黒2本セットです
BAZU GOODS「リュウジの至高のまな板 Mサイズ」
- BAZU GOODSリュウジの至高のまな板 Mサイズ
BAZU GOODS「リュウジの至高のまな板 Mサイズ」は、包丁がしっかり食い込み、食材をしっかり切れるゴム製のまな板。傷が目立たないのもうれしいです。
- 幅
- 300mm
- 奥行
- 8mm
- 高さ
- 200mm
- 重量
- 520g
P2C「良朝丸 45錠」
- P2C良朝丸 45錠
- 実勢価格: ¥1,490〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥1,490〜
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P2C「良朝丸 45錠」は、「二日酔いのむかつきをケアする」というサプリ。酒好きのリュウジさんが自ら1年間試して監修したとか。
- 内容量
- 45錠
- 型番
- ym-45-p
──ちなみに、動画のタイトルも「世界一うまい」とか、けっこうハードルを上げたモノが多い印象ですけど。
リュウジさん:意識してハードルを上げていて、それに見合うものを出そうと努力しています。見栄を張る性格なので。そういうところが気に障る人もいるんだろうなと。まあ、俺は世界一、悪口を言われている料理研究家だから(笑)。
──でも、SNSを見ても、世界で一番注目されている料理研究家だと思います。ちなみに、尊敬する料理研究家や料理人はいらっしゃいますか?
リュウジさん:イタリアンの落合務シェフですね。
──どういうところが?
リュウジさん:落合シェフのレシピは、どんな料理でも失敗しにくい。多分、レシピをデフォルメして伝えるのが上手なんです。本場はこう作るけど、日本ではこう作ったほうがいいよという。料理人としてはもちろん、料理研究家としての素質も兼ね備えていると思います。
──リュウジさんにも通ずるところがありそう。あと、動画を作るときに愛用しているものは?
リュウジさん:スマホかな。俺は「Galaxy Note」を使っているけど、エフェクトが多く選べて料理がキレイに撮影できます。サムネもスマホで作るし、料理道具よりも大事なツールかも(笑)。あ、パスタできたけど食べる?
──ありがとうございます…って、ウマっ!
リュウジさん:うん、ウマいね。俺って天才だわ。
──インタビューだけでなくおいしい料理まで、本日はありがとうございました!
サムスン「Galaxy Note」シリーズ
- サムスンGalaxy Note
動画のサムネやレシピ記録でリュウジさんが超愛用しているのがスマホ。サムスン「Galaxy Note」シリーズは、カメラのエフェクトが多彩で、料理をおいしそうに撮れるのがお気に入りだそうです。
「虚無あさりトマトパスタ」MONOQLO的再現レシピ
リュウジさんが取材を受けながら調理してくれたトマトパスタが絶品で取材班はみんな虜に。とにかく美味しかったので、本インタビューの担当者である『MONOQLO』編集部員が、リュウジさんの過去の動画を参考にレシピを再現してみました。
ちなみに、2024年4月時点では動画公開を予定していないとのことです。
「虚無あさりトマトパスタ」の再現レシピ
<材料>
- 1.4mmパスタ……100g
- あさり……200g
- 日本酒……50cc
- 鷹の爪……1本
- トマト缶……1/2缶
- ニンニク……2片
- オリーブ油……各大さじ1
- 水……340cc
- 塩……ひとつまみ
- 砂糖……小さじ1
- コショウ……適量
<作り方>
1:あさりを砂抜きしておきニンニクを粗みじんに
あさりを3%前後の塩水に浸して砂抜きをしておきます。その間にニンニクを包丁で潰して、芯を取ったら粗みじんにします。
2:オリーブ油と鷹の爪でニンニクオイルを作る
小さめのフライパンにオリーブ油とニンニクを入れて中火くらいで炒めます。鷹の爪を入れ、ニンニクがきつね色になるまで炒めます。
3:あさりと日本酒を入れ蓋をして酒蒸しにする
「2」に砂抜きしたあさりを入れて炒め、日本酒を入れて酒蒸しを作ります。白ワインは少し酸味が出るので、日本酒を使うのがコツです。
4:あさりを引き上げておきフライパンにトマト缶を入れる
蒸していくうちにあさりが開いたら、ボウルなどに一度取り出します。その後、フライパンにトマト缶を入れて火にかけます。
5:砂糖を加えたらよく煮詰めていく
トマトソースをよく煮詰めていき、塩と砂糖を入れます。砂糖を入れない場合は玉ねぎを炒めて甘みを出しましょう。
6:水を入れて沸いたらパスタを入れる
煮詰めたら水を入れて、沸騰したらパスタを投入。立てて入れたパスタの先端を手のひらで回すように押しつけると折らずに入れられます。
7:パスタに火が通ったらあさりを投入する
パスタの芯が柔らかくなるまで中火で4~5分間煮詰めていきます。そのあと、引き上げていたあさりを投入して、よく混ぜます。
8:オリーブ油とパセリをかける
その後でオリーブ油とコショウを入れて香りを付けます。最後は皿に盛り付けて、仕上げにお好みでパセリとオリーブ油(分量外)を垂らせば完成です。
参考にした「料理研究家リュウジのバズレシピ」
【至高のボンゴレビアンコ】
「本場の味を知る男が『本場の作り方を完全無視』で作る。あさりの旨味を全部麺に吸わせる至高の調理法」
【虚無トマトパスタ】
「1皿98円。トマトソース買うのがバカらしくなるウマさだこれ」
ワンパンとは思えない激ウマパスタ、みなさんもぜひ作ってみてくださいね。
気持ちが良いので長年使っているモノもあります。