キヤノンのVlogカメラは定番DJIを超えられるか?
動画を撮るということは、かつてのようなハードルの高さはなく誰でも気軽に撮影することができるようになってきています。
身近なスマホや一眼カメラでも高画質な動画を撮れますが、よりクオリティの高い映像を気軽に撮影できるのがVlogカメラです。
片手で簡単に扱えるコンパクトなサイズな上に強力な手ブレ補正機能を備えたVlogカメラは日々を撮影するのに最適なアイテムとなっています。
本誌「家電批評」では、これまで各種Vlogカメラを比較してDJI「Osmo Pocket 3」こそがベストバイだと紹介してきました。
しかし、やや高価な製品なので、より安価なキヤノン「PowerShot V10」ではダメなのか? という意見も多く頂いておりました。
そこで今回、改めてこの人気な2機種の性能はどのくらい差があるのかプロと共にその差を検証テストしましたのでご覧ください。
日中メーカーのVlogカメラ2機種を比較
DJI「Osmo Pocket 3」
- DJIOsmo Pocket 3
- 実勢価格: ¥79,180〜
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ジンバル機能が強みでブレに強いカメラ
カメラヘッドが小さく、ガジェット的な印象を受けますが、1型センサー搭載で画質は秀逸。HDRにも対応しています。ジンバルによるブレを抑えた浮遊感のある映像が魅力です。
- 幅
- 42.2mm
- 奥行
- 33.5mm
- 高さ
- 139.7mm
- 重量
- 179g(本体のみ)
- 撮影モード
- 6種
- 型番
- OSMO POCKET 3
キヤノン「PowerShot V10」
- キヤノンPower Shot V10
- 実勢価格: ¥47,949〜
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四角いデザインがユニーク
「初心者でも簡単に楽しめるVlogカメラ」というのがコンセプト。ボディにスタンドを備え、自由な角度に固定して撮影できます。一見持ちにくそうなデザインに見えますが、これがけっこう持ちやすいです。
- 幅
- 63.4mm
- 奥行
- 34.3mm
- 高さ
- 90mm
- 重量
- 211g(約)
- 撮影モード
- 4種
- 型番
- POWERSHOT V10 BK
美しい映像が簡単に撮れるのはどっちなのか?
同条件で撮影した場合に、使いやすさや撮影した映像にどこまで差があるのか比較してみました!
テスト1:機能と使いやすさ
撮影時のあらゆるシチュエーションに対応できる動きができるか、即座の操作はできるかなどを確認しました。
テスト2:画質比較
基本的な解像度から室内での人肌補正、逆光での撮影などさまざまな条件でキレイに撮影できるかをチェック。
テスト3:手ブレ補正
動きながらの撮影でどれくらいブレを感じさせない映像が残せるかを検証します。
【検証】DJIとキヤノンでどのくらい差があるのか?
【テスト1:機能と使いやすさ】どちらもシンプル操作で簡単撮影
DJI:Osmo Pocket 3
重量:179g 撮影モード:6種
画面をクルッと回転させれば即座に電源が入り、すぐに撮影可能です。
また、電源、録画ボタン、ジョイスティックが1カ所にまとまっていて操作性に優れています。
2型の液晶モニターで画面右下の「ジンバル回転」で前後の撮影切り替え、画面をスワイプすると設定メニューが開くなど、スマホ的な感覚で操作可能です。
撮影機能は「美顔効果」や「HLG」などが選べます。
キヤノン:PowerShot V10
重量:346g 液晶:タッチ式
録画は前面の赤いボタンを押すか、背面モニターに表示される録画アイコンをタッチすればOK。
カメラを構えると人差し指が届く位置に録画ボタンがあるので押しやすいです。
撮影モードの変更は、画面内の「撮影モード」アイコンをタッチ。「美肌動画」や「手ブレ補正動画」を選べます。
設定メニューはキヤノンのデジタルカメラと共通のデザインなので、キヤノンユーザーなら迷わず操作できるでしょう。
【テスト2:画質比較】画質はほぼ互角。DJIは逆光や輝度差に強い
DJI:Osmo Pocket 3
ポートレート
室内照明は肉眼の印象よりも暗いため、ポートレートは不健康な写りになりやすいのですが、「Osmo Pocket 3」は解像感を残しつつ健康的な人肌として撮れています。
それでいて不自然な印象もありません。こちらも顔認識で追尾します。
逆光
「Osmo Pocket 3」はHLG撮影(いわゆるHDR※)に対応しているので、より色域の広い映像を撮影できます。
HDR視聴環境(HDR対応モニターなど)であれば逆光時でも暗部がつぶれることなく、鮮やかな映像を楽しめます。
※HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、より広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる表示技術です。
極端な明暗さのある逆光や、室内から窓風景を写すと日陰が黒つぶれしたり日向が白飛びしたりしますが、HDRなら明るい部分と暗い部分どちらの階調も犠牲にせず表現します。
風景
小型ボディからは想像できないほど高画質。高級デジカメなどで使われる1型センサーとF2.0レンズの組み合わせは最強です。
「Osmo Pocket 3」の画質はあらゆるシチュエーションで高画質
1型センサーにF2.0のレンズを搭載しているので、小型カメラの常識を打ち破る驚きの高画質。発色もよく、ミラーレス一眼のカメラで撮った映像と見間違うほどです。
明るいレンズは背景ボケも楽しめますし、暗いシーンでも映像はかくつきません。逆光に強いのも魅力です。
ただ最短撮影距離が20cmと長く、被写体にグッと寄れないのは残念。ズームで対応しましょう。
キヤノン:PowerShot V10
ポートレート
「PowerShot V10」も「Osmo Pocket 3」同様、室内で撮影してもキレイに撮れました。美肌モードがあり、5段階の設定で効果が得られます。
少しボケたようなふんわりした感じになるので、女性に好評。なお、顔認識があり、被写体を追尾します。
逆光
「PowerShot V10」はHLG撮影に非対応なため、「Osmo Pocket 3」とは印象が異なります。
暗部が極端に暗くなることはなく、見た目の印象に近い画質。しかし、黒くつぶれている部分や白飛びしている部分もあります。
風景
キヤノンもDJI同様に1型のセンサーを搭載しており、こちらの解像感もなかなか。発色もよく、青空の発色がとてもいいです。
「PowerShot V10」はクリアで正統派の絵作り
「PowerShot V10」の絵作りはカメラメーカーらしく正統派。被写体の質感や色合いをしっかりと表現します。特に風景との相性がよく、クリアで解像感ある映像です。
人物は「美肌モード」で対応。こちらは優しい雰囲気に写るので、人物はもちろんソフトな雰囲気で撮りたい場合に重宝しそう。
逆光に弱いわけではありませんが、HDR機能を持たないのが惜しいところです。
【テスト3:手ブレ補正】やっぱりDJIの手ブレ補正は強力でした
DJI:Osmo Pocket 3
ジンバルがあるので動きながらの撮影に強い。手ブレ補正の効果はかなり強力で、歩き撮り時に出る「ドシンドシン」となるブレはほぼ抑えられています。
ジンバル特有のフワフワとした浮遊感のある映像が撮れます。
キヤノン:PowerShot V10
手ブレ補正は「入」と「強」があり、「強」に設定するとブレはかなり抑えられます。とはいえ、DJIのジンバルほどブレの補正をしません。
また、手ブレ補正は美肌モードやマニュアルモードとの併用ができないのは残念です。
【追加検証:マイク】Osmo Pocket 3はワイヤレスマイクが使えます
Osmo Pocket 3はマイクの指向性を「全方位」「前方」「前方後方」にセットできるほか、「風ノイズ低減」などマイク機能が豊富。
PowerShot V10は高性能なステレオマイクを装備。指向性は選べませんがワイド感のある音です。
DJI:Osmo Pocket 3
クリエーターコンボにはワイヤレスマイクが付属。本体から離れた場所での録音もキレイです。
キヤノン:PowerShot V10
ビデオカメラ時代からの資産があり、マイク性能は優秀。遠近とも音をよく拾います。
【追加検証:アプリ】どちらもスマホに簡単接続。リモート撮影もできる!
DJI:Osmo Pocket 3
DJI Mimo
スマホとの接続は、専用アプリを開いて手順を進めるだけ。リモート撮影やデータ転送、映像編集などを楽しめます。
キヤノン:PowerShot V10
Canon Camera Connect
スマホアプリに表示される手順に従って操作するだけで接続は完了。アプリから撮影、画像の転送やライブ配信などができます。
【まとめ】手ブレ補正技術に圧倒的な差を感じた!
DJI「Osmo Pocket 3」とキヤノン「PowerShot V10」を検証テストした結果、大きく差が出てしまったのが手ブレ補正の性能です。
「Osmo Pocket 3」の手ブレ補正は効果が強く、歩き振動によるブレはほぼ消え、高価なジンバルを使ったような滑らかな映像が撮れることが特徴です。
「PowerShot V10」も手ブレ補正は搭載していて、それなりに効果的なのですが日常的に使う美肌モードやマニュアルモードと併用できないので実用性では劣ってしまいました。
画質や使いやすさといった面では、ほぼ互角という内容だったので、「PowerShot V10」も健闘しましたが「Osmo Pocket 3」がVlogカメラのベストバイとしておすすめします。
ただし「PowerShot V10」は価格が約2.5万円も安いことから、機能を理解して、コストパフォーマンスを考えれば非常に魅力的な製品と言えるでしょう。
DJI「Osmo Pocket 3」
- DJIOsmo Pocket 3
- 実勢価格: ¥79,180〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥79,200〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥79,180〜
- 画質(風景)
- 画質(逆光)
- 画質(人肌)
- 画質(食べ物)
- 画角
- 手ブレ補正
- 音質(環境音)
- 音質(人物)
- 音質(風切り音)
- スマホ連携(アプリ)
- スマホ連携(映像転送)
- 操作性(録画)
- 操作性(モード)
あらゆる場面で高いクオリティ
通常の映像はもちろん、逆光や激しい動きなど難しいシチュエーションでも問題なく高音質な映像を撮影することができます。
特にジンバル機能を搭載しているのでラフに撮っても手ブレを抑えてスーッと流れるような映像になるので初心者にもおすすめな製品です。
- 幅
- 42.2mm
- 奥行
- 33.5mm
- 高さ
- 139.7mm
- 重量
- 179g(本体のみ)
- 撮影モード
- 6種
- 型番
- OSMO POCKET 3
キヤノン「PowerShot V10」
- キヤノンPower Shot V10
- 実勢価格: ¥47,949〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥53,800〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥52,799〜
- 画質(風景)
- 画質(逆光)
- 画質(人肌)
- 画質(食べ物)
- 画角
- 手ブレ補正
- 音質(環境音)
- 音質(人物)
- 音質(風切り音)
- スマホ連携(アプリ)
- スマホ連携(映像転送)
- 操作性(録画)
- 操作性(モード)
価格は安めだけど映像はバッチリ
「初心者でも使いやすい」というコンセプト通り、直感的に動かせる操作性とスタンド付きで自立させて撮影もできるという便利さは秀逸でした。
各種補正機能も優秀で多くの場面で問題なく撮影できますが手ブレ補正機能が他の機能と併用できない点だけ残念。それでも価格を考えれば非常に優秀な製品です。
- 幅
- 63.4mm
- 奥行
- 34.3mm
- 高さ
- 90mm
- 重量
- 211g(約)
- 撮影モード
- 4種
- 型番
- POWERSHOT V10 BK