高級ブランドのたまごは やっぱり美味しいの?
TKG(たまごかけご飯)ブームの盛り上がりからか、今、超高級たまごが密かに人気を集めています。なかでも最高峰といわれている埼玉県秩父市アクアファームの「輝」のお値段は、1個で650円というのだから驚きです!
エサや飼育をこだわり抜いた高級たまごは、こちらの「輝」だけに限りません。日本の各地で、さまざまなブランドたまごがあることをご存知でしたか?
そんな数あるブランドたまご、いつもスーパーで買ってるたまごとどう違うのか気になりますよね。そこで今回は、見た目や香り、味を、3種類の食べ方で15パターン、食のプロにとことん食べ比べしていただきました!
今回比べたのは、次の5種類です。
・彩美卵(さいびらん)
実勢価格:2000円(10個入り)
1個約200円
・稲見商店 極(きわみ)
実勢価格:1080円(10個入り)
1個約108円
・ヤマサキ農場 ゆずたま
実勢価格:360円(6個入り)
1個約60円
・ヨード卵・光
実勢価格:356円(6個入り)
1個約59円
・スーパーのたまご
実勢価格:216円(10個入り)
1個約21円
価格は編集部が購入したときの価格です。
▼ご協力いただいた方々はこちら
今回は料理家の風間章子さん(左)とフードアクティビストの松浦達也さん(右)にご協力いただきました。
[生・ゆで・焼き] 3つの調理法で徹底検証!
今回の検証では、生、ゆで、焼きの3つの調理方法で食べ比べてみました。
①生たまご
生たまごは殻から割ってお皿に取り出し、色と香り、黄身と白身の盛り上がりや味を比較しました。また、箸でつまんで黄身の強度も調べました。
②ゆでたまご
95℃に沸騰したお湯の中に5種のたまごを入れ7分間加熱し、見た目や味を比較しました。
③目玉焼き
めだま焼きは、5種類とも焼き加減を「レア」に統一。半熟状態で、白身と黄身への火の入り方や味の違いを検証しました。
さて、いざ実食! 結果はどのようになったでしょうか……?
[1個約200円のたまご] すっきりとした上品な味わい
彩美卵(さいびらん)は1パック2000円という、超高級たまごです。主に贈答品などに使われます。さて、普通のたまごとの違いは?
アクアファーム秩父
彩美卵(さいびらん)
実勢価格:2000円(10個入り)
生たまご:◎
黄身は赤みが強く、白身もこんもりと盛り上がり、ひと目で高級だと分かります。すっきりとした上品な味わいで、たまご自体の味を楽しみたいたまごです。
味ににごりがなく、すっきりとしたうまみ。ご飯にかけてもお米のおいしさもしっかりわかります。
ゆでたまご:◎
味の強さと透明感が両立しています。雑味が少なく、たまごの味をじっくりと味わえます。これは絶品!
目玉焼き:◯
コクと甘みが感じられ、素直に美味しいと感じました。どんな調理にも合うバランスの良さは素晴らしい、とプロも絶賛! やはり、1個200円の贅沢たまごは味も濃厚で満足感がありました。
[1個約108円のたまご] 色も味もずば抜けて濃い!
こちらも10個入りで1000円と、普段にはちょっと使いにくい価格です。「極み」と名のつくその実力のほどは……?
稲見商店
極(きわみ)
実勢価格:1080円(10個入り)
黄身は赤色に近いような濃さで、味も色味に負けず濃厚です。白身もこんもり盛り上がり、くさみがなくおいしいです。パンチのある味わいは、料理に使った時にその本領を発揮しそうです。
生たまご:◯
すっきりとした旨味と、パンチのある味わいが特徴です。濃厚なたまごかけごはんが楽しめます!
ゆでたまご:◯
ゆでても濃厚さは変わらないので、サラダやおつまみなどにするといつもより強い味わいになりそうです。
目玉焼き:◎
焼くと、さらに黄身の濃厚な味わいが際立ちました。白身も、生やゆでたときにはなかった美味しさが出たのが魅力です。
[1個約60円のたまご] ゆずの香りのTGK!
1個60円と、ちょっと手が届く範囲にあるたまごです。「ゆず」とたまごの相性はいかに?
ヤマサキ農場
ゆずたま
実勢価格:360円(6個入り)
加熱してもゆずの香りが楽しめる、珍しいたまごです。たまごかけごはんは特におすすめで、ふわっと広がるゆずの香りがたまりません。
生たまご:◎
ゆずの香りがしっかりしています。黄身が濃厚で、あたたかいごはんにかければたまごとゆずの香りが食欲をそそります。
ゆでたまご:◯
ゆずの香りのする、さわやかなゆでたまごになりました。ほくほくとした黄身からもちゃんとゆずの香りがします。
目玉焼き:◎
加熱しても消えないゆずの香りに「これ買いたい、みんなにもオススメ!」と風間さんも一押しのたまごです。
[1個約59円のたまご] やっぱり強い優秀たまご
一時期テレビCMで目にしていたヨード卵光。一般的な安いたまごとなにが違うのでしょう?
ヨード卵・光
実勢価格:356円(6個入り)
スーパーでも売っているおなじみのブランドたまごです。しっかりとした濃い黄身を持つ優等生。鶏は海藻粉末や、良質な白身魚の魚粉などのエサで育てられ、黄身の甘さにつながっています。
生たまご:◯
スーパーのたまごよりしっかりした味わいで、安定感とバランスの良さがあります。
ゆでたまご:◎
1個100円以上する高級たまごに比べると安いですが、価格の差に負けないコクがあります。「思ったより美味しく、見直しました」と松浦さんも納得。
目玉焼き:◯
白身の印象はやや弱いですが、黄身の濃度がしっかりしていて甘みが強く感じられます。スーパーで日頃買うならオススメのたまごです!
[1個約21円のたまご] 食べ慣れたいつもの味!
見慣れたパッケージの登場です。多くの人が買っている、家計に優しいたまごは高級たまごと比べてどうでしょう?
スーパーのたまご
実勢価格:216円(10個入り)
いつもの食べ慣れた味ですが、改めて他のたまごと食べくらべてみると、黄身も白身も味やコクに物足りなさを感じました。ただ、いつでも手に入り、値段が安めという意味ではありがたい存在です。
生たまご:△
普段はあまり意識しないですが、高級たまごと比較するとややくさみが目立ちました。
ゆでたまご:×
ゆでるとほんのり硫黄臭を感じます。高級たまごと比べるとやや黄身がぱさついている印象です。
目玉焼き:△
色味は黄身も白身も薄めです。特別味が薄いわけではありませんが、高級たまごに比べると少し淡白な印象を受けました。
以上、高級たまごと一般的なたまごの違いをご紹介しました。値段によって、味わいも違ってくることがわかりました。日頃ちょっと贅沢な美味しいたまごを食べたくなったら、ぜひお取り寄せも検討してみてくださいね!