ついにタッチレスに対応!新Apple Watchは買いか待ちか?
ついにタッチレス操作に対応したApple Watchの新モデル2製品、Apple「Apple Watch Series 9」とApple「Apple Watch Ultra 2」。
手首を上げて親指と人さし指をトントンとたたくだけで、目覚ましを止めたり、電話に出たり、写真を撮影したり……。久しぶりにインパクト大なCMで期待が高ままります。「ダブルタップ」と呼ばれるまったく新しいジェスチャー操作が、どんなイノベーションを起こすのか、ワクワクが止まりません。
さらに、iPhoneなしでもデータを処理できるようになった「Siri」にも注目。
このふたつの操作がより実用的になれば、端末に触れる必要はほとんどなくなります。これはもう新世代のスマートウォッチかも。未来を見据えたカーボンニュートラル化*も見逃せません。
*温室効果ガスの排出をゼロにする「カーボンニュートラル」。Apple社は2030年に全製品のカーボンニュートラル化を目指しており、今回のSeries 9はボディに再生アルミニウム、Ultra 2は再生チタニウムになり、再生糸でつくられたスポーツルーフも用意されています。クリーンエネルギーを使用した製造などとあわせ、Series 9は78%、Ultra 2は81%の削減を行っています。
最新のApple Watch Series 9とUltra 2をテスト
とはいえ、一見すると大きな変化がないようにも見える新モデル「9」と「Ultra 2」。はたして”買い”でしょうか? 気になりますよね。
そこで今回は、雑誌『家電批評』が、Apple「Apple Watch Series 9」とApple「Apple Watch Ultra 2」の新機能「ダブルタップ」の使い勝手やバッテリーのもち、iPhoneとの連携機能などを実際に使用して徹底チェック。機能面と使い勝手を総合的に評価しました。
さらに、前モデルの「Apple Watch Series 8」および「Apple Watch Ultra」と比較し、違いも調査しました。
検証方法
主に睡眠やワークアウトなどのログの記録状況や精度を継続して着用しチェックします。併せてバッテリーの消費や、iPhoneとの連携機能なども確認。機能面と使い勝手を総合的に評価しました。
最新のApple Watchの実力は?
Apple「Apple Watch Series 9」
- AppleApple Watch Series 9
- 実勢価格: ¥120,420〜
- ライフログ測定
- 運動計測
- 連携機能
- 決済機能
- 操作性
- スマホアプリ
- バッテリー
ジェスチャーで片手操作を実現
Apple「Apple Watch Series 9」は、前モデル「Apple Watch Series 8」から引き続き、41mmと45mmの2サイズをラインナップ。
外観は前モデルと変わりませんが、ディスプレイの輝度が1000ニトから2000ニトに向上し、強い日差しの下でも見やすくなっています。
プロセッサもS9 SiPに進化し、ダブルタップで本体に触れずに操作ができるのも特徴。
Siriは本体上のデータにアクセスできるようになり、処理が高速化しました。ストレージ容量も64GBに倍増するなど、中身は別物です。
- おすすめポイント
-
- 現状では使用シーンが限定されますがダブルタップには未来を感じます
- Siriの反応がよくなったためタッチレス操作がさらにはかどります
- がっかりポイント
-
- ダブルタップ以外の進化を感じにくい
- 駆動時間の短さは変わりません
- 幅
- 38mm(45mmモデル)
- 奥行
- 45mm(45mmモデル)
- 高さ
- 10.7mm
- 重量
- 51.5g(45mm、ステンレススチールモデル)
- ディスプレイ
- 396✕484ピクセル(45mmモデル)
モデル・価格
- アルミニウム・41mm・GPSモデル:¥59800(検証時)~
- アルミニウム・45mm・GPSモデル: ¥64800(検証時)~
- アルミニウム・41mm・GPS+Cellurarモデル:¥75800(検証時)~
- アルミニウム・45mm・GPS+Cellurarモデルモデル:¥8800(検証時)~
- ステンレススチール・41mm・GPS+Cellurarモデル:¥109800(検証時)~
- ステンレススチール・45mm・GPS+Cellurarモデル: ¥117800(検証時)~
前機種「Apple Watch 8」と「Apple Watch 9」のスペックの違い
外観は変化はないもののしっかりと処理能力が向上
ダブルタップで通知に反応します。
Siriの高速化と音声認識を向上。
アルミニウムケースに新色のピンクが追加
見た目は8とほとんど変わらない9ですが、新色のピンクはひと目で「9だ」とわかります。
Apple 「Apple Watch Ultra 2」
- AppleApple Watch Ultra 2
- 実勢価格: ¥128,800〜
- ライフログ測定
- 運動計測
- 連携機能
- 決済機能
- 操作性
- スマホアプリ
- バッテリー
タッチレスでの操作はアウトドアと好相性かも
「Apple Watch」の従来のシリーズとは一線を画すタフなボディが話題となった「Ultra」。
第2世代になったApple「Apple Watch Ultra 2」の進化のポイントもSeries 9と同様です。Ultraを特徴づける操作しやすい大きなディスプレイが進化し、明るい場所でも暗い場所でも視認性が向上。ディスプレイの輝度が3000ニトと明るくなったのに加え、暗闇では自動で夜間モードに変わります。トレッキングやキャンプなど、アウトドアシーンで一層の活躍が期待できます。
もちろん「ダブルタップ」にも対応していて、汚れた手でディスプレイに触れる必要なし! となれば積極的に利用したいです。
S9 SiPプロセッサで、ダブルタップとSiriの高速処理も実現しました。
さらにAppleの推し進めるカーボンニュートラルの実現に向けて、ボディに再生チタニウムを採用。もちろんタフなスペックはそのままです。
- おすすめポイント
-
- ダブルタップとSiriの高速化
- 3000ニトのディスプレイで屋外での視認性が向上しました
- 環境にやさしい素材になりました
- がっかりポイント
-
- 軽量化されなかった
- 幅
- 44mm
- 奥行
- 14.4mm
- 高さ
- 49mm
- 重量
- 61.4g
- ディスプレイ
- 410✕502ピクセル
- 型番
- 49mm チタニウムケース オレンジ/ベージュトレイルループ GPS + Cellularモデル
モデル・価格
- チタニウム・49mm・GPS+Cellurarモデル:¥128800(検証時)~
前機種「Apple Watch Ultra」と「Apple Watch Ultra 2」のスペックの違い
第2世代になったApple Watch Ultraも、進化のポイントはSeries 9と同様。
ディスプレイの輝度が3000ニトと明るくなったのに加え、暗闇では自動で夜間モードに変わります。S9 SiPプロセッサで、ダブルタップとSiriの高速処理も実現。
さらにAppleの推し進めるカーボンニュートラルの実現に向けて、ボディに再生チタニウムを採用しました。もちろんタフなスペックはそのままです。
高輝度ディスプレイにサステナブルなボディ
多彩な情報を追加表示できる文字盤が追加。
暗闇で見やすい夜間モードを追加。
ボディの素材が再生チタニウム。
パワーメーター対応で自転車トレがもっとはかどる
自転車のペダルを漕ぐ力を数値化できるパワーメーターの接続に対応。
サイクルワークアウトを開始するとiPhoneに情報が表示され、パワーや心拍情報をもとにしたトレーニングができます。
実際にダブルタップってどれだけ実用的なの?
親指トントンがクセになるダブルタップ
やはり気になるのは「ダブルタップ」。「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」、新モデル2製品でしか使えない機能だけに、実用性が高ければ買う理由になります。
操作:タッチしなくても操作ができる
CMで話題となった親指をトントンとたたく操作が、新機能の「ダブルタップ」です。電話に出たり、アラームを止めたりするとその感度のよさに驚かされます。タッチするのが面倒になるほど、クセになる操作です。
ジェスチャの設定を有効にするだけ
「設定」の「ジェスチャ」で有効・無効を切り替え。スマートスタックの操作方法なども編集できます。
ダブルタップで真価を発揮。
機能面:スマートスタックに多用するアプリをまとめる
今日の予定、タスク、天気など、毎日チェックする項目をまとめられる機能。ダブルタップで開けるのも大きな特徴です。
ダブルタップはこんな時に便利です
実際に使ってみてまず驚かされるのは、反応のよさです。親指と人差し指を「トントン」たたくと、ディスプレイにアイコンが表示。端末や連携機器に触れずに操作できるのは、SF映画に出てくる近未来のガジェットを手に入れた気分です。
1:歩きながらLINEに返信
受信通知から「表示」→「返信」→「音声入力」→「送信」という作業をダブルタップで完結できます。
2:自然なポーズで写真撮影
iPhoneのカメラをリモート操作する際、ダブルタップでシャッターが切れます。端末に触れる必要がないため、より自然なポーズがとれます。
3:ラーメンタイマーを即作動
スマートスタックの最上位にタイマーをピン留め。3分のタイマーを登録しておけば、ダブルタップ2回でラーメンの完成をカウントできます。
4:寒くて手袋をしているとき
手袋をしている冬場でも、ダブルタップなら操作が可能。感度は落ちますが、厚手の手袋を着用していても操作できました。
現状では“できること”が少ない
ただ、ダブルタップに感動するのは最初だけ。基本的に電話に出る、アラームを止めるといった受け身の操作になるのがその理由です。時計をつけている手だけで操作が完結するのは実用性が高いだけに、もっと主体的に使える機能が欲しかったです。
電話の通知から通話を開始できます。拒否は不可。
任意のアプリやメニューを選んで実行はできません。
端末に触れずに操作できるのは画期的ですが、現状できることは通知へのリアクションがメインで、厳しく言えばなくても困らない機能。可能性は感じるだけに、今後の展開に期待です。
スマートスタックに対応していないアプリを起動できなかったのは残念です。
watchOS 10の新機能も実用的。Series 4以降でも使えます
watchOS 10にアップグレードすることで、既存のモデルにも新機能が追加されます。
「マップ」は、現在地からまわりを囲った円までの徒歩時間を表示。連携したiPhoneの音楽・動画の操作も強化されました。
注目したいのが環境光センサーを使った「日光下の時間」。自分が日光に当たっていないことを思い知らされます。
「歩いて30分」で行ける場所を確認
「マップ」で現在地を表示すると、徒歩30分以内の圏内を円で表示してくれます。範囲は拡大・縮小で変化。ちょっとした散歩の参考になります。
iPhoneで再生中のメディアを表示
連携したiPhoneで音楽や動画を再生すると、文字盤にアイコンが表示。これをタップすると、すぐに操作画面を開くことができます。
“Hey, Siri”がレスポンス向上! 過去のライフログを即効確認
音声アシスタントの「Siri」は、インターネットに接続しない処理が高速化。
過去に取得したライフログの確認をお願いすると、瞬時に表示してくれました。日常的に「Siri」で操作をする人にとっては、大きなアップデートになります。
前モデル「Apple Watch 8」「Ultra」との違いは?
端末は進化したけれど“できること”は意外と変わりません
「Apple Watch」は2製品とも前モデル「Apple Watch Series 8」と「Apple Watch Ultra」ですでに完成度が高かっただけに、今回も評価は変わらず。新モデルのみの機能である「ダブルタップ」もできることはまだ少なく、使っていくにつれて新鮮さがうすれていきます。
ちなみに、以前からある「アクセシビリティ」の「ハンドジェスチャ」は、反応はイマイチなものの4種類のジェスチャーに対応。将来的にこれが「ダブルタップ」になり、今以上にタッチレス操作が進化することを期待したいです。
前モデルと総合評価はまったく同じでした
使用した評価は前モデルと差が出ず。
前モデル「Apple Watch 8」「Ultra」の完成度が高すぎた
タッチ操作の反応が◎
前モデルでも日本語をフリック入力できるほど反応は抜群。スマートウォッチでこれ以上を求めるのは酷でしょう。
ログが高精度で詳細
睡眠時の就寝や起床時間、ワークアウトの距離やルートなど、ログ精度の高さは過去の本誌テストで実証済み。
タッチ決済対応が充実
各種クレジットカードに加え、Suicaのようなチャージ式電子マネー、PayPayなどのバーコード決済まで対応しています。
でも、ここは言わせて!
一部メニューの操作方法が変わったことは、一部のユーザーには不評です。
上下のスワイプ操作とサイドボタンの役割はOS9のほうが使いやすかったです。
短期間でバッテリーの進化を感じられず
バッテリー充電の最適化設定が追加されましたが、1週間ほどのテストでは24時間使用後の残量、0%からの充電量ともに前モデルと変わりませんでした。
長期の利用では差が出るかも。
以上、Apple Watchの新モデル2製品、Apple「Apple Watch Series 9」とApple「Apple Watch Ultra 2」の紹介でした。
「ダブルタップ」は未来を感じさせてくれる機能ですが、これだけで既存モデルのユーザーに買い替えを勧めるほどのインパクトがあるかは疑問。画面の明るさや「Siri」の反応の速さなどは進化しましたが、日常的に利用していて違いを感じるシーンはあまりありません。前モデルの完成度が高かったゆえに、今回は厳しめの評価になりました。
ですがもちろん、新規ユーザーなら最新モデルで間違いなし!「親指トントン」で未来の操作を体験しましょう。
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iPhoneがサイクルコンピューターになります。