キャリアの補償は どれも1万円超え
スマホユーザーなら壊れたときのことも常に想定しておきたいところ。各キャリアには画面割れなどの故障の際の補償サービスが設けられていますが、月々の料金と壊れた場合に支払う修理代金を合わせると、どれも1万円を超える値段になります。(iPhone6sを1年間の利用で画面割れを1回修理した場合)。
メーカー修理以外考えられないという人や、絶対失敗したくないという人には、確かにキャリア補償がベストチョイスです。しかし、必ずしも壊れる確証がないのに正規の補償サービスに月々支払う気になれない……という方も多いのでは。
そんな場合、候補となるのは街の修理業者。筆者も利用したことはありますが、確かに早くてキレイ。お値段もメーカー修理と比べるとリーズナブル。メーカー補償を気にしないという人なら、ありでしょう。ただ、リーズナブルといってもそこそこします。もっと安くする方法はないものか?
そこで考慮したいのが自分で行うセルフ修理です。特にiPhoneの修理キットは多く出回っており簡単に入手することができます。
初心者でも試す価値アリ! 「パネルごと」修理
とはいえ初心者では失敗の可能性もあります。後述しますが、実際にガラスだけを張り替えるのは素人にはかなり難しいです。必要なパーツはアマゾンで700円以下と超リーズナブルですが、普通の人は決して手を出してはいけません。
そこでオススメしたいのは、「パネルごと」のセルフ修理です。端末前面をまるごと交換する方法で、ガラスだけ交換に比べ難易度が格段に下がり、本体はほとんど触らないので、やり直しがきくというのも初心者が手を出しやすいポイントです。
今回、編集部にて実際にiPhone 5sで検証をしたところ、まったくの素人である新人部員でもちゃんと修理することができました。
iPhoneのモデルごとに価格の違いはありますが、もっともリーズナブルに、かつリスクを抑えて修理できるのは、パネルごとの交換だといえるでしょう。iPhone 5sの場合、編集部のおすすめはこちらの商品です。
SZRSTH
iPhone 5s修理用LCD
実勢価格:2999円
サイズ・質量:W12.2×H20.9×D1.7cm・227g(パッケージ)
カラーバリエーション:ホワイト・ブラック
iPhone修理キットは少し探すだけでも数多く出てきますが、その中でも本製品は必要な工具が完備されているうえに、プラスチックパーツが最初から装着されており、他の製品と比べても修理が簡単なんです。
こちらがフロントパネルです。
交換用の液晶パネル。カメラ固定用のプラスチックパーツは装着済みなので、移植する必要がありません。
工具セットも付属されています。
ドライバーやヘラ、吸盤など、修理に必要な工具はすべてそろっています。星形のネジもこれさえあれば開けられます。また、初心者の場合、以下のようなグッズが一緒にあると便利です。参考にしてみてください。
便利グッズ①
ネジの位置を確認するためのプレートです。ネジはミリ単位でサイズが違いますが、これがあれば安心して外せます。
Dottorpod
分解ネジマップ
実勢価格:700円
便利グッズ②
ネジ穴を潰しにくいマイクロドライバーです。DIYに慣れていない人は用意しておきたい道具です。
ベッセル
マイクロドライバー
実勢価格:215円
便利グッズ③
刃先が細く曲がったピンセットです。分解では細かな作業が多いので役立ちます。
エンジニア
ESDピンセット
実勢価格:1178円
完全初心者がiPhone 5sの パネル交換に挑戦しました
実際に編集部で、初心者の新人編集部員が修理にチャレンジ。ここからは具体的な交換方法と、実践してわかったパネル交換で失敗しない方法をお伝えします。
<用意したもの>
・iPhone修理用LCD
・ドライヤー
・マイクロドライバー
・分解ネジマップ
・ピンセット
ステップ① 余分な力は必要なし
ネジを「ゆっくりと」外す
下部のネジは星形となっているので、付属のドライバーで開けましょう。取りかかる前にSIMカードは抜いておいてください。
ステップ② 断線しないように
「ホームボタン」から開く
ゆっくりとパネルを引っ張り、隙間ができたらヘラを差し込んで開きます。断線の恐れがあるので、強引に開くのはNGです。
ステップ③ 端末ケーブルを
「温めて」外していく
パネルについたホームボタンとインカメラを取り外します。その後、パネル裏のガードプレートも外していきます。
ステップ④ パーツの移植は
最も注意するところ
新たなパネルにパーツを移していきます。ホームボタン→プレート→インカメラの順で装着するとスムーズです。
ステップ⑤ 液晶機能をタップし
機能を確認していく
ここで一度パネルを接続し、動作を確認しておきましょう。問題がなければ外したパーツを元に戻します。
ステップ⑥ 最後まで慎重に!
本体とパネルを装着
本体とパネルを再装着します。本体とパネルを繋ぐケーブルに負荷がかかるので、慎重に行いましょう。これで終了です。
ご覧の通り、ちゃんと修理できました。
ガラスだけ交換するのは 安価だが非常にハードルが高い!
一方、前述の通り「パネルごと」ではなく、「ガラスだけ」を交換するパーツもあります。その場合、工具をそろえても1000円程度という超リーズナブルな価格なので、腕に自信のある人にとっては最もリーズナブルな選択ですが、初心者には非常にハードルが高い作業でした。
実際に試したのは、こちらの商品です。
ProWork Select
液晶ガラス割れ修理用パーツ
実勢価格:485円
難しい点としてあげられるのが、ガラス汚れの可能性です。
初心者には、きれいに貼り付けるのは非常に困難でした。接着剤の漏れが致命的な損傷にもなり得ます。
また、パーツ破壊も起こりやすいのが問題点です。
分解が複雑なものになるうえに、パーツを破損すると、もう買い直すしかありません。
破格のコスパに飛びついて挑戦しましたが、うっかりフレームを破損してしまったことで断念しました……。液晶ガラスの貼り直しも難関です。
初心者でも十分「アリ」な「パネルごと」修理。メーカー保証がきかなくなるなど、どうしても自己責任になってしまいますが、画面修理の可能性のひとつとして覚えておいてはいかがでしょうか。