小型サイズはホントに数が少ない! 今、手に入る小型モデル全部検証
ここ2、3年でスマートフォンは画面サイズが大型化し5インチ台が主戦場。かつてのように片手でサクサクと操作できる端末には、なかなかお目にかかれない。そこで、今回編集部では手に馴染むちょうどよいサイズのコンパクトモデルを調査しました。
調査を開始して改めて感じましたが、小型のスマホってホントに数が少ないんです! あっても、5インチサイズの人気端末より機能も使い勝手も劣るものが多く、ホントにオススメできるものを見つけるのはなかなか難儀です。
テストした中で、今回優秀な成績を収めたのがXperia Z5 CompactとiPhone SEの2製品。CPUに余裕があり動作もキビキビ。特にXperiaはとにかく高機能で、スモールフルスペックと呼べるのは、現状この端末だけでした。
一方、iPhone SEは防水機能や大きなストレージ容量が要らないという人には十分オススメです。性能のわりに価格が抑えられている点も評価できます。
[テスト採点]
・発熱(20点):初期設定で30分の動画撮影後、本体の発熱をサーモメーターを使って計測
・アプリ起動(20点):バックグラウンドで動画を流しつつTwitterアプリの起動時間を測った
・操作性(20点):Twitterで「メニュー操作、文字入力、送信」までの一連の動作時間を測定した
・バッテリー(20点):バッテリー100%の状態からYouTubeを3時間連続再生しバッテリー残量を計測
・カメラ・ディスプレイ(20点):プロカメラマンにディスプレイ・カメラを評価してもらった
[スペック採点]
・価格(20点):スマートフォンの端末価格を評価。ROMなどの容量によって価格差があるものは安いものの価格を採用
・編集部評価(20点):編集部での実使用感をもとに総合力を評価した
・ストレージ(5点):端末のROM容量を評価。複数モデルあるものは容量が少ないモデルを評価している
・RAM/CPU(各5点):端末のRAM・CPUを評価。CPUはコア数、クロック数で主に評価している
・重さ/薄さ(各5点):端末の重量・薄さを比較。薄さの評価には最厚部の数字を用いている
・PPI(5点):ディスプレイの解像度をPPIを基準に評価をした
・カメラ画素数(5点):カメラ評価とは別に、スペック上のメインカメラの画素数を評価
・SDカード(5点):データをSDカードによって外部保存できるか否かをチェックした
・付加機能(20点):下記の付加機能にいくつ該当しているかをチェックした
(防水5点/SIMフリー5点/指紋認証・虹彩認証2点/ワンセグ・フルセグ1点/耐衝撃2点/ハイレゾ2点/おサイフ2点/4K撮影1点)
スモールフルスペックと呼べる 唯一のスマホ Xperia Z5 Compact
片手で操作できるスマホが欲しいと思ったら、第一候補は断然コレです。特に、今っぽい機能は全部欲しいと思う人には、コレ以外の選択肢は正直ありません。
今回、同時に行われた企画 最新スマホベストランキング50 では、全50台中4位という結果に。主戦場の5インチスマホと比べても遜色のない端末と言えます。
実際、オクタコアCPUによる高速処理、ソニーの技術がつまったカメラ、ハイレゾ対応のオーディオ機能、指紋認証、防水性能、ワンセグなどなど、今っぽい機能は全部入っています。
ウィークポイントとして発熱は少し気になりますが、それ以上に完成度が高くて満足できるスマホだと言えるでしょう。
同率1位はApple iPhone SE 6sを4インチに凝縮しコスパ際立つ
同率で1位に選出されたのが、iPhone SE。コンパクトかつ軽量で人気の高いiPhone 5sのボディに、6s相当の性能を詰め込んだのがこちらのSE。
高い性能にもかかわらず、価格は5万円程度に抑えられており、コスパはトップクラスです。Xperiaのように今っぽい付加機能はほとんどないですが、iPhoneがいいという人にとっては第一候補。前出の 最新スマホベストランキング50 では、Xperia Z5 Compact同様に全50台中4位という結果に。本サイトでも自信をもってオススメします。
実はコンパクトスマホの中でも最軽量級なのも、アピールポイントのひとつです。
3位はソニー J1 Compact 型落ちですが機能も性能も現役です
少し古めの型落ちモデルが第3位に。'14年発売でも使い勝手は悪くありません。性能も十分、価格も5万円台に抑えられています。SIMフリー端末としては珍しくモバイルSuicaにも対応するので、そっち目当てで買うのもアリ
最新スマホベストランキング50 では、全50台中17位という結果に。大健闘と言えますね。
ベンチマークスコアがこちら(右に長いほど高性能)。2.2GHzクアッドコア搭載で、現行機種と比較しても処理速度はさほど引けをとりません。
4位: 4位はシャープ AQUOS SH-M02
持ちやすいですが遅いCPUでモッサリ
5インチオーバーながら三辺が狭額縁でコンパクトなので、非常に持ちやすい。携帯性と操作性が高いレベルで実現しているスマホと言えます。ただ、最新スマホベストランキング50 では、全50台中22位という結果が示すように、CPUが遅くその分モッサリ感は否めません。
5位: 5位はシャープ AQUOS mini SH-M03
機能豊富でもモッサリ&電池持ちは✕
フルHDディスプレイ搭載、防水・防塵、ワンセグなど光る部分が多い期待の端末……でしたが、バッテリー持ちが悪くレスポンスも低レベル。魅力的な部分もあるがバッテリーで台無し。最新スマホベストランキング50 では、全50台中45位。
「4インチ=電池が持たない」は 大いなる誤解ですよ
5インチ以上の大型機では3000mAhを超える機種も珍しくない昨今。それに比べればコンパクト機では容量が少ない機種が多いのは確かです。
ただし、テスト結果をみてみるとXperia J1 Compact(2300mAh、3.72V)をはじめ容量が少なくても好成績の機種があります。
その一方で、高電圧・大容量をアピールするAQUOS mini SH-M03(2810mAh、4.16V)のようにテスト結果が悪いケースも。容量だけで電池の持ちを判断するのは早計なんです。
[結論]片手サイズのスマホは Xperia Z5 Compact か iPhone SEが鉄板です
そもそも数がホントに少ない4インチスマホですが、2トップのXperia Z5 CompactとiPhone SEは、他の主流の5インチスマホと比べても十分優秀。「小さいから」と何かを犠牲にすることなく、最新レベルの性能を堪能することができる端末と言えるでしょう。