そもそも電気ケトルってハンドドリップに必要?
細い湯量でコーヒー粉のえぐ味や雑味をおさえる!
ハンドドリップでコーヒーを淹れるときに必要なのが、注ぎ口が細くて長い電気ケトルです。
コーヒー粉のえぐ味や雑味をおさえるためには、ある程度ゆっくり抽出する必要がありますが、注ぎ口が太い一般的なヤカンやケトルではお湯がドバっと出てしまうため、それが難しいんです。
コーヒー向けな電気ケトルはお湯を細くゆっくり出せて、湯量も調節しやすくなっています。
放っておいても勝手に最適な湯温になる
ハンドドリップのときに最適な湯温は85℃前後(いろいろな見解があります)。
温度が高すぎると、苦味や渋味が出すぎてしまい、飲みにくい味になります。逆に温度が低すぎると、酸味が際立つほかぬるい口当たりに。
設定した温度で加熱を止められる機能を持った電気ケトルなら、最適な温度で加熱が止まるためラクです。
また直火式ケトルのように、沸騰したお湯を冷ましたり、温度計を用意したりする必要がありません。
キッチン以外でも使用できるのが便利
直火式ケトルを使ってガスコンロでお湯を沸かすときよりも安全で、リビングなどキッチン以外の場所でも使用できます。
コーヒー向け電気ケトルの選び方は?
同じ細長な注ぎ口でも湯の勢いなどが若干異なる
コーヒー向け電気ケトルの注ぎ口は、細くて長い「細口」タイプがほとんどです。
いずれも細いお湯を出すことができますが、途中の管の曲がり具合や先端の切り口の違いにより、お湯の勢いや湯量の調節のしやすさが若干異なります。
その違いは、以下の製品ごとの「注ぎやすさ」の項目で解説します。
温度調節機能があるとラク
加熱したい温度を設定できる機種なら、その温度に到達したときに自動的に加熱を終了してくれます。
キッチンに張り付いている必要はなく、朝の忙しい時間でも朝食作りや身支度などと並行できるので、時短にも。
また保温機能がついていれば、加熱後は自動的に保温してくれるため、お湯が冷める心配もありません。
コーヒー向け電気ケトルのテスト方法は?
今回は喫茶店のオーナーであるコーヒーのプロ・三輪徳子さんが使い勝手や味を中心に、インテリアコーディネーターのくろだあきこさんがデザインを中心に、コーヒームックのライターである平岡祐輔さんが機能面を中心に検証。
合計50点満点でランキング化しました。
1位以外でも使い方によってはおすすめできる製品もあるので、自分に合った1台を選びましょう。
テスト1:注ぎやすさ(20点)
実際にお湯を注ぎ口から出してみて、細いお湯を出すことができるのか、お湯の量をコントロールできるのかをチェックしました。
テスト2:沸騰までの時間(10点)
500mlの水(水温22℃)をケトルに入れ、沸騰まで何分かかるのかを計測しました。
テスト3:ハンドルの持ちやすさ(5点)
ハンドルを実際に持ち、お湯を注ぐため傾けたときに手がグラつかないか、しっかり固定できるかのかをチェックしました。
テスト4:フタ開閉のしやすさ(5点)
フタが開け閉めしやすいか、フタの取っ手が持ちやすいか、ケトルを逆さにしてもフタが落ちないかなどを検証しました。
テスト5:デザイン(5点)
ケトル単体のほか、電源プレートに置いたときの見た目の美しさをチェックしました。
狭い場所への置きやすさも確認しました。
テスト6:便利機能(5点)
温度調節機能や保温機能など、あると便利な機能をチェックしました。
低い温度のときに加熱で止められれば、玉露(50℃)や煎茶(70〜80℃)などを淹れるときにも便利です。
それではさっそく、おすすめのコーヒー向け電気ケトルをランキングで紹介します!
コーヒー向け電気ケトルおすすめランキング4選
【1位】EPEIOS「EPEIOS Drip Kettle」
EPEIOS
EPEIOS Drip Kettle
実勢価格 1万3200円
ケトルのみのサイズ:W290×D145×H172mm
ベース含むサイズ:W290×D210×H200mm
内容量:約900ml
▼テスト結果
総合評価 | 総合点 | 注ぎやすさ | 沸騰までの時間 | ハンドルの 持ちやすさ |
フタ開閉のしやすさ | デザイン | 便利機能 |
A+ | 46/50点 | 19/20点 | 8/10点 | 5/5点 | 5/5点 | 4/5点 | 5/5点 |
EPEIOS(エペイオス)は、スタイリッシュな家電を作り出している東京発のブランド。
「EPEIOS Drip Kettle」もインテリアになじむデザイン性で、新色「ホワイト」は4月17日から加わりました。
◎おすすめポイント
- スタイリッシュなデザイン
- 持ちやすく注ぎやすい
- 温度も細かく調節できる
注ぎやすさ(19点):狙った場所にお湯を落としやすい
先端が曲がっている形状なので、狙った場所にお湯を落としやすいです。
ただ、底が広い形状のため、中で水が揺れるのか重さを感じることがあります。
沸騰までの時間(8点):4機種中3番目の成績
500mlの水(水温22℃)が100℃になるまでの時間は「3分22秒」でした。
4機種中3番目の成績です。
ハンドルの持ちやすさ(5点):指の位置を微調整できる
親指が当たる部分に、縦に溝がついた滑り止めの樹脂が貼られています。
親指は左右方向には滑りにくいのでしっかり持つことができ、縦方向には滑りやすいので位置を微調整させやすくなっています。
フタ開閉のしやすさ(5点):くぼみがあるので力を入れやすい
指を入れるくぼみがあるので力を入れやすく、フタを開けやすいです。
また縁があるので、指が熱い本体に触れることもありません。
ケトルを逆さにしてもフタは外れませんでした。
デザイン(4点):お茶会が似合いそう
全体的に幅があるので見た目の安定感があり、丸みを帯びたやわらかいイメージ。
操作ダイヤルは指で回転させるアナログタイプでかわいく、カチカチ操作をする感じも楽しいです。
キッチンでの作業だけでなく、友人同士の会に使うのにも合いそうなデザインです。
ただ、幅が広いためコンロの横に置くと場所をとりやすく、汚れがつきやすいかもしれません。
便利機能(5点):温度を細かく調節できる
温度調節は38〜100℃の間で1℃単位で調節でき、1時間の保温機能もついています。
【1位】山善「EGL-C1281」
山善
EGL-C1281
実勢価格 8980円
サイズ:W285×D180×H225mm
重量:0.9kg
内容量:800ml
▼テスト結果
総合評価 | 総合点 | 注ぎやすさ | 沸騰までの時間 | ハンドルの 持ちやすさ |
フタ開閉のしやすさ | デザイン | 便利機能 |
A+ | 46/50点 | 20/20点 | 9/10点 | 4/5点 | 4/5点 | 4/5点 | 5/5点 |
山善「EGL-C1281」は、下部があまり太くなっていないスラッとしたデザイン。
電源プレートは幅も長さも短いので、狭い場所にも置きやすいです。
U1万円とリーズナブルながら、豊富な温度設定など高い機能を持っています。
◎おすすめポイント
- バランスがよいのでお湯を注ぎやすい
- おしゃれなカラーリング
- ワンタッチ沸騰スイッチが便利
細くて長い注ぎ口は角度がよく、とても注ぎやすいです。
注ぎやすさ(20点):バランスがよく注ぎやすい
上部と下部の直径にあまり差がない円筒形に近いデザインのためか、重さのバランスがよく注ぎやすいです。
ゆっくりと少しずつ、安定した湯量を注ぐことができます。
沸騰までの時間(9点):4機種中2番目の成績
500mlの水(水温22℃)が100℃になるまでの時間は「3分11秒」でした。
4機種中2番目の成績です。
ハンドルの持ちやすさ(4点):
普通に持ちやすいのですが、ハンドルの鉄部分を樹脂が途中までしかカバーしていないのは気になりました。
手が大きな人が握ると、親指が鉄の部分に触れるかもという不安はあります。
フタ開閉のしやすさ(4点):手が大きい人も開けやすい
取っ手が大きくて指を入れるスペースも広いので、手が大きい人でも開閉しやすそうです。
フタの中のシリコン溝は2段になっているため、フタが外れにくく安全性は高いのですが、開閉時に多少力がいるかもしれません。
また湯気の吹き出し口がフタに付いているので、開けるときに湯気が指に当たるのではという不安を感じました。
デザイン(4点):グレージュ×銅色がおしゃれ
検証品のカラーはグレージュ。コッパー(銅色)カラーのワンポイントが効いていて、おしゃれなイメージです。
電源プレートの表面は鏡面仕上げになっており、おぼろげに表示される数字も高級感につながっています。
ただ、フタに貼られた警告シールが目立っているのは、注意喚起としてはわかりやすいですが見た目の観点だと少し残念なポイントです。
便利機能(5点):ワンタッチで沸騰させられる
温度調節は50〜100℃の間で1℃単位で調節でき、1時間の保温機能もついています。
また沸騰スイッチや7種類の温度がプリセットされたスイッチもあるので、毎回温度を+ーボタンで設定する必要がないのも便利です。
【3位】バルミューダ「BALMUDA The Pot」
バルミューダ
BALMUDA The Pot
実勢価格 1万3200円
サイズ:W269×D128×H170mm
重量:約0.6kg
内容量:600ml
▼テスト結果
総合評価 | 総合点 | 注ぎやすさ | 沸騰までの時間 | ハンドルの 持ちやすさ |
フタ開閉のしやすさ | デザイン | 便利機能 |
A+ | 44/50点 | 18/20点 | 10/10点 | 5/5点 | 5/5点 | 5/5点 | 1/5点 |
バルミューダ「BALMUDA The Pot」は約7年前に発売(2022年にリニューアル)された製品ですが、今なおそのデザイン性の高さで人気を集めています。
カッパー色でブランドロゴを配した特別モデル「スターバックス リザーブ」も話題になりました。
◎おすすめポイント
- デザインが美しい
- 沸騰までの時間が速い
- 親指が置きやすく持ちやすい
ほかの家電もバルミューダでそろえている人なら、キッチン家電に統一感が出ます。
注ぎやすさ(18点):湯量のコントロールはやや難しい
軽くて持ちやすいのですが、注ぎ口先端の角度があまり下向きになっていないためか、湯量のコントロールはやや難しい印象です。
慎重に注いでも、湯量が太くなったり細くなったりしやすいです。
沸騰までの時間(10点):4機種中トップの成績
500mlの水(水温22℃)が100℃になるまでの時間は「3分5秒」でした。
4機種中トップの成績です。
ハンドルの持ちやすさ(5点):親指を置きやすい
親指を置く場所が少しへこんでいて、平らになっているので置きやすいです。
ギュッと握っても、そっと握っても、ケトルをしっかり持てます。
フタ開閉のしやすさ(5点):安心感がある
フタの中に突起がついているのでケトルが倒れても外れにくくなっており、安心感があります。
取っ手の下には指を入れるくぼみがあるので力を入れやすく、縁も厚めなので指が本体に触れる心配も少ないです。
デザイン(5点):デザイン性はピカイチ
電源プレートが小さくて目立たず、ハンドルの先端についている湯沸かしランプが光るさまも美しいです。
警告の注意書きは電源プレートの底に書かれているので目立たず、全体のデザイン性を損ないません。
便利機能(1点):温度は100℃のみ
温度調節機能、保温機能はついていません。
温度は100℃のみなので、例えば85℃のお湯でコーヒーを淹れたいときは、少し冷まして温度計で測る必要があります。
【4位】アイリスオーヤマ「IKE-C601T」
アイリスオーヤマ
IKE-C601T
実勢価格 8800円
サイズ:約W266×D130×H187mm(電源プレートを除く)
重量:約0.7kg(電源プレートを除く)
内容量:約600ml
▼テスト結果
総合評価 | 総合点 | 注ぎやすさ | 沸騰までの時間 | ハンドルの 持ちやすさ |
フタ開閉のしやすさ | デザイン | 便利機能 |
A | 42/50点 | 18/20点中 | 7/10点中 | 4/5点中 | 4/5点中 | 4/5点中 | 5/5点中 |
アイリスオーヤマ「IKE-C601T」は、実勢価格が8800円とリーズナブルなのに温度調節機能もついており、広口でお手入れもしやすいです。
◎おすすめポイント
- リーズナブルな価格
- 注意書きシールが目立ちにくい
- 温度調節機能もついている
電気コーヒーケトルを始めて使う人に向いています。
注ぎやすさ(18点):お湯は勢いよく出やすい
お湯は勢いよく出やすいものの、同じ量で出すようにするコントロール性はいいです。
沸騰までの時間(7点):4機種中4位の成績
500mlの水(水温22℃)が100℃になるまでの時間は「3分26秒」でした。
4機種中4位の成績です。
ハンドルの持ちやすさ(4点):立った状態だと握りにくい
ハンドルが細めでカーブがついている形状のため、立った状態で注ぐと多少握りにくさを感じます。
座った状態なら握りにくさは感じません。
フタ開閉のしやすさ(4点):取っ手が長く持ちやすい
取っ手が長いので手が大きい人でも持ちやすいのですが、指を入れるへこみはついていないので開閉時に多少力がいるかもしれません。
水の注入口は広く、中を洗いやすいです。
デザイン(4点):注意書きシールが目立ちにくい
警告の注意書きシールが黒色なので、本体カラーがブラックだと目立たないのは◎。
電源プレートは操作部分が前に突き出した形状なので操作がしやすく、鏡面仕上げのため汚れも落ちやすいです。
スイッチ部分のおぼろげな光りかたは、ややチープに感じました。
便利機能(5点):3種類の温度モードが便利
温度調節は60〜100℃の間で5℃単位で調節でき、1時間の保温機能もついています。
また100℃、90℃、70℃をワンタッチで設定できるのも便利です。
持ちやすさ&操作性ならEPEIOS! 注ぎやすさなら山善もおすすめ!
以上、ハンドドリップでコーヒーを淹れるときに役立つ、コーヒー向け電気ケトルのおすすめランキングをお届けしました。
このランキングを参考に、電気ケトルの購入を検討してみてください。
EPEIOS「EPEIOS Drip Kettle」
EPEIOS
EPEIOS Drip Kettle
実勢価格 1万3200円
ケトルのみのサイズ:W290×D145×H172mm
ベース含むサイズ:W290×D210×H200mm
内容量:約900ml
▼テスト結果
総合評価 | 総合点 | 注ぎやすさ | 沸騰までの時間 | ハンドルの 持ちやすさ |
フタ開閉のしやすさ | デザイン | 便利機能 |
A+ | 46/50点 | 19/20点中 | 8/10点中 | 5/5点中 | 5/5点中 | 4/5点中 | 5/5点中 |
EPEIOS「EPEIOS Drip Kettle」はカーブを活かしたやわらかいデザインで、お茶会にも似合いそう。
温度調節を細かく設定でき、ハンドルが持ちやすいのも利点です。
山善「 EGL-C1281」
山善
EGL-C1281
実勢価格 8980円
サイズ:W285×D180×H225mm
重量:0.9kg
内容量:800ml
▼テスト結果
総合評価 | 総合点 | 注ぎやすさ | 沸騰までの時間 | ハンドルの 持ちやすさ |
フタ開閉のしやすさ | デザイン | 便利機能 |
A+ | 46/50点 | 20/20点中 | 9/10点中 | 4/5点中 | 4/5点中 | 4/5点中 | 5/5点中 |
山善「EGL-C1281」は色使いが美しくお湯も注ぎやすいのに、U1万円とリーズナブルに手に入るのが利点です。
もっとも湯量を安定して注げたのは山善でした。
湯沸かしランプが光り、たたずまいが美しいバルミューダもおすすめです。
アイリスオーヤマは私の手が入るほど広口なので洗いやすく、キレイ好きには助かります。
コーヒー向け電気ケトルの売れ筋ランキングもチェック!
電気コーヒーケトルのAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングの売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
そのほかの電気ケトルの購入を考えている際は、以下の記事も参考にしてください。
いちご柄のウェッジウッドなど、エレガントなティーカップやソーサーの横に置いても似合いそうです。