ヘルスケアそもそも「スマートリング」って?

そもそも「スマートリング」って? イメージ

自分の体調を知りたいけど、腕時計をつけるのは苦手(特に寝る時)だから、スマートウォッチは着けにくい……。そんな人に知ってほしいのが「スマートリング」です。

スマートリングとは、心拍数や睡眠状況、運動、歩数、健康状態などをアプリで把握できる指輪のこと。

ヘルスケアに特化していますがスマートウォッチより小さく、見た目も普通の指輪なので、手軽に装着できるのが魅力です。

ポイント1:内側のセンサーで生体データを計測できる

ポイント1:内側のセンサーで生体データを計測できる イメージ

赤外線LEDや3D加速度計によって、心拍数などを計測できます。

ポイント2:ヘルスケア特化のリングは少ない

ポイント2:ヘルスケア特化のリングは少ない イメージ

睡眠や血中酸素濃度まで計測できるリングは、今回検証したOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」とSOXAI「SOXAI Ring」の2製品ぐらいです。

ポイント3:サイズ計測用のキットを使用

ポイント3:サイズ計測用のキットを使用 イメージ

OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」を購入すると、まずリングのサイズ計測用キットが届きます(※)。

※ソフトバンクショップだと、キットを単体で購入可能(2000円)。購入後、リング購入時に使える2000円クーポンがメールで届くので、リングを2000円引きで購入できます。

今まであまり身近ではなかったスマートリングですが、日本の代理店でOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」の販売が開始し、格段に手に入れすくなりました。

ヘルスケアOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」

OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」 イメージ

OURA
Oura Ring
Gen3 Horizon(ホライゾン)
実勢価格:6万5800円(シルバー・ブラック)~(ステルス/8万3300円、ゴールド/9万1100円、ローズゴールド/9万9500円)

サイズ:全8サイズ
重量:約4~6g

OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」の見た目は単なる指輪ですが、さまざまなセンサーを内蔵。たとえば、心拍数や血中酸素飽和度、睡眠の質、運動、体のコンディションなどを計測できます。

しかも、スマートウォッチと異なり、“機械を装着している感”がありません。この存在感のなさが一番の魅力。また、調べてみると、指輪は手首以上に正確な記録がとれるそうです。

ヘルスケア指に着けているだけでスマートウォッチ並の計測が実現

はめるだけで体の情報が可視化される

▼コンディションの記録画面

はめるだけで体の情報が可視化される イメージ

▼運動時間や強度の記録画面

はめるだけで体の情報が可視化される イメージ2

▼睡眠時間と質の記録画面

はめるだけで体の情報が可視化される イメージ3

入眠した時間や睡眠の質、途中で起きた時間も正確に記録。運動なども含めた体のコンディション状況もわかりやすく把握できます。

ライフログ用途ならリングが圧倒的にラク

ライフログ用途ならリングが圧倒的にラク イメージ

圧迫感がなく、耐水性能も高いので、お風呂やプールでもつけっぱなしでOKです。

家電批評編集部員
プロが本音でテストする家電購入ガイド
家電批評編集部員 のコメント

装着したままお風呂に入っても問題ありませんでした。

ログの確認にはスマホなどのアプリが必須

ログの確認にはスマホなどのアプリが必須 イメージ

スマートウォッチとの違いは、スマートウォッチの方が歩数をディスプレイで確認したり、スマホの通知を受け取ったりできるなど多機能。利便性はスマートウォッチが有利です。

ログの確認にはスマホなどのアプリが必須 イメージ2

また、スマートリングにはディスプレイがないので、計測データを確認するには、その都度アプリを開く必要があります。接続はログを確認するときだけでOKです。

スマホ連携でワークアウト時の移動情報も記録できる

スマホ連携でワークアウト時の移動情報も記録できる イメージ

普段の歩行もワークアウトとして自動で検知します。

スマホ連携でワークアウト時の移動情報も記録できる イメージ2

ただし、10分以内の短いワークアウトは手動入力が必要。後から内容の編集を行うことが可能です。

スマホ連携でワークアウト時の移動情報も記録できる イメージ3

スマホのGPSで運動時の地図情報や移動距離もアプリに記録できます。ヘルスケアやGoogle Fit、Stravaとの連携もできます。

以上、メリットや特徴について説明してきました。ただ指にはめるだけでさまざまなデータを計測できるのは楽です。とはいえ、価格は6万円超え。気軽に手は出せませんよね。

そこで今回は、本当にこの値段相当の実力があるのか、手首よりも性格な記録はとれるのかを検証してみました。

ヘルスケア今回のテスト方法は?

今回のテスト方法は? イメージ

雑誌『家電批評』2022年3月号では、前モデルの「Oura Ring 3」について3カ月間の長期にわたる使用レポを掲載しました。

今回は、OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」を9日間ほど装着し、心拍計やスマートウォッチとの精度比較、アプリの使いやすさを中心に検証を実施。さらに国産のスマートリングとの比較も行いました。

それでは、検証結果を解説していきます。

ヘルスケア運動時の心拍数と睡眠検知の精度をテスト

直接心拍を測るため高精度が期待できる胸部式心拍計の定番、ガーミン「HRM-Dual」を基準に、1時間半ほどの屋外サイクリングでOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」の心拍精度を検証。

さらに、以前ベストバイを獲得したスマートウォッチZepp Health Corporation「Amazfit GTR 4」と睡眠検知の精度も比較しました。

検証に使ったアイテムはこちら

▼ガーミン「HRM-Dual」

検証に使ったアイテムはこちら イメージ

ガーミン
HRM-Dual
実勢価格:7927円

▼Zepp Health Corporation「Amazfit GTR 4」 

検証に使ったアイテムはこちら イメージ2

※画像はAmazonより

Zepp Health Corporation
Amazfit GTR 4
実勢価格:2万9700円

サイズ・重量:W46×D46×H10.6mm・60g(ストラップあり)

テスト結果1:入眠の検知が速く正確

▼入眠時間と睡眠時間の計測結果

  入眠時間 起床時間
Amazfit GTR 4 午前 3:57 午前 9:31
Oura Ring Gen3 Horizon 午前 3:48 午前 9:45
実際の時刻 午前 3:45 午前 9:40

▼「Amazfit GTR 4」の計測画面

テスト結果1:入眠の検知が速く正確 イメージ

▼「Oura Ring Gen3 Horizon」の計測画面

テスト結果1:入眠の検知が速く正確 イメージ2

OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」のほうが10分ほど早く入眠を検知し、途中で目覚めた時間もしっかり記録。Zepp Health Corporation「Amazfit GTR 4」と違い起床時間は覚醒してから起き上がるまでの時間も含まれています。

実際の入眠・起床時間とも、ほとんどズレはありませんでした。

テスト結果2:誤差はあるけど精度はなかなか

テスト結果2:誤差はあるけど精度はなかなか イメージ

▼心拍数(最小・最大)の計測結果

  • HRM-Dual……94-145拍/分
  • Oura Ring Gen3 Horizon……86-139拍/分

ガーミン「HRM-Dual」より最小・最大の数値はやや低く出たものの、時間ごとの心拍数の推移を表すグラフはほぼ同じような形状で記録できました。

ヘルスケア国産スマートリング「SOXAI Ring」と比較

国産スマートリング「SOXAI Ring」と比較 イメージ

SOXAI
SOXAI Ring
実勢価格:3万4980円

サイズ:全8サイズ

国産スマートリングとして話題のSOXAI「SOXAI Ring」とOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」の比較も実施しました。

その結果、SOXAI「SOXAI Ring」は、すでに第3世代となっているOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」に比べると機能性や精度は及ばず。

アプリもまだ正式リリースされていないので、iOS版の場合は「TestFlight」アプリ経由で導入する必要があります。

不具合の可能性もありますが、サイクリング検証では心拍数の変動がなく、精度もやや不安。機能の追加が公式でアナウンスされているので、アップデートに期待です。

睡眠計測とバッテリー持ちは良好

睡眠計測とバッテリー持ちは良好 イメージ

OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」も同様ですが、SOXAI「SOXAI Ring」の充電はワイヤレス方式です。フル充電したところ、1週間は余裕で持ちました。

睡眠計測とバッテリー持ちは良好 イメージ2

電池残量はアプリで確認できます。

睡眠計測とバッテリー持ちは良好 イメージ3

また、OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」に比べると入眠の検知は10〜20分ほど遅くなる日も。ただし、睡眠の質の分布はほぼ同じ結果でした。

「SOXAI Ring」のアプリはテスト版で完成度が低い

「SOXAI Ring」のアプリはテスト版で完成度が低い イメージ

SOXAI「SOXAI Ring」のアプリで規則できるのは歩数とカロリーだけで、ワークアウトごとに記録できないのも残念です。

「SOXAI Ring」のアプリはテスト版で完成度が低い イメージ2

睡眠などのスコアは表示されるものの、改善に向けたアドバイスもありません。

「SOXAI Ring」と「Oura Ring Gen3 Horizon」の比較結果

▼評価

製品名 総合評価 運動計測 睡眠計測 コスパ 耐水性能 サイズの種類 アプリの使いやすさ バッテリー サポート
Oura Ring Gen3 Horizon A 良好 優秀 難あり 優秀 良好 優秀 良好 優秀
SOXAI Ring B 不合格 良好 合格 優秀 良好 微妙 優秀 合格

A評価を獲得したOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」は、運動、睡眠の計測精度は非常に高く、睡眠や瞑想用のコンテンツがあるなど、アプリは多機能で使いやすさも抜群。海外メーカーですがサポートもしっかりしています。

B評価となったSOXAI「SOXAI Ring」は、OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」より3万円ほど安く、睡眠改善モニターとしてはまずまず。アプリはグラフがわかりにくく、運動や体調についての項目が少ないのが残念でした。

注目の国産スマートリングは今後のアップデートに期待したいです。

ヘルスケアOURA「Oura Ring Gen3 Horizon」の検証まとめ

最後に、OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」のおすすめポイントや残念ポイントをまとめてお伝えします。

A評価OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」

OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」 イメージ
OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」 イメージ2

OURA
Oura Ring
Gen3 Horizon(ホライゾン)
実勢価格:6万5800円(シルバー・ブラック)~(ステルス/8万3300円、ゴールド/9万1100円、ローズゴールド/9万9500円)

サイズ:全8サイズ
重量:約4~6g

▼総合評価

  • 評価:A(4.1/5点)
  • 身につけたい度:4.5/5点

おすすめポイント

1:代理店販売など日本でも購入しやすくなっている

1:代理店販売など日本でも購入しやすくなっている イメージ

2022年12月からソフトバンクショップでOURA「Oura Ring」の購入が可能になりました。

2:置くだけ充電でバッテリーも長持ち

2:置くだけ充電でバッテリーも長持ち イメージ

充電は専用のスタンドにリングをはめるだけ。寝る前に1時間ほど充電するだけで、6日間は充電なしで使えました。

3:サポートが手厚く、スマートリング初心者でも安心

3:サポートが手厚く、スマートリング初心者でも安心 イメージ

アプリ内から簡単に問い合わせができ、即日回答してくれます。

3:サポートが手厚く、スマートリング初心者でも安心 イメージ2

トラブルシューティングも画像付きでわかりやすいです。

▼そのほかのおすすめポイント

  • 常時装着しやすい
  • 普段使いで目立たない
  • 計測できる項目が多い

残念ポイント

アプリの利用には月額課金が必要

第3世代からアプリの機能をすべて使うのに月額約911円 ※(6.99ドル)のメンバーシップ加入が必須に。加入しない場合は、スコアしか確認できません。ソフトバンクショップで購入すれば、12カ月間は無料で利用できます。

※日本円価格は、2023年1月23日時点の為替レートを参照した編集部調べの価格です

▼そのほかの残念ポイント

  • 価格が6万円超えと、やや高額

ヘルスケアさいごに

以上、OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」の検証レビューでした。

今回OURA「Oura Ring Gen3 Horizon」を使ってみて体感したのは「着けているだけで体調を可視化できる」というラクさ

単純に数値化されるだけではなく、睡眠時間が短く、スコアが低いと「今日はそろそろ寝ませんか?」と通知で促してくれたり、アドバイスをくれます。

アプリも使いやすく、睡眠記録を見て赤字になっている「入眠潜時」をタップすると、入眠潜時が「眠りにつくまでにかかる時間」と教えてくれて、さらに「5分以内に眠りにつくのは過労のサイン」とまで判明。

また、アクティビティやコンディション、睡眠状態など生活のほとんどを着けるだけで数値化するので、なんだか面白くなり「今日はどうだったかな?」と何度も記録を見てみたくなるんです。

自分の体調を把握するなんて面倒なことが、少し楽しくなる。しかも、今回の検証で記録がかなり正確なのもわかりました。正直、6万円の金額でもアリかもと感じました。

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