意外!? 穀物の種類が少ないほうが自分に合った栄養素を選べます
雑穀米は近年、ヘルシーさから人気ですが、どんな基準で選んだらいいのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
なんとなく、いろんな雑穀が入っているものが効きそうと思ってしまいますが、実は「入っている穀物の種類が多い=栄養価が高い」というわけではないんです! 大事なのは「自分がどんな効果を期待して雑穀を食べるか」。
これって一見難しそうですが、いろいろな栄養を手軽に摂りたいときは「穀物数が多いもの」、特に摂りたい栄養素があったり、味の違いを考えたりして選びたいときは、「穀物数の少ないもの」や「単品」を選ぶ――それだけでいいんです!
ブレンドされた穀物の数に注目!雑穀の種類で選ぶガイドライン
それでは、単品の雑穀とブレンドされた雑穀は、いったい何が違うのかを簡単に説明していきましょう。
【単品】
栄養や味をピンポイントで選べます。必要なものだけをセレクトするといいでしょう。
【三~五穀】
あわ・きび・ひえ・麦が中心であることが多いです。各穀物の特徴がしっかり感じることができます。
【十六穀程度】
個性よりもハーモニーを楽しめます。ごまや豆などが入ることも。
【二十穀以上】
多種の栄養素を少しずつ摂れます。たくさんの穀物が少しずつ入っている、という感じです。
多穀ものは幅広い栄養を少しずつ摂れますし、少なければオーダーメイド感覚でピックアップできます。
ニーズに応じて使い分けましょう。
同じ「十六穀米」でも結構違いがあります
ただ種類が多いだけで満足してはいけないことはおわかりいただけたかと思いますが、雑穀の内訳も重要なポイント。「十六穀米」の2商品の原材料を比較してみましょう。
はくばく
おいしさ味わう十六穀ごはん
実勢価格:806円
■原材料:もちあわ、黒米、黒豆(大豆)、アマランサス、発芽玄米、キヌア、たかきび、小豆、黒ごま、白ごま、もちきび、大麦、赤米、ひえ、はと麦、とうもろこし
成城石井
十六種類の雑穀米
実勢価格:647円
■原材料:丸麦、はだか麦、もち玄米、胚芽押麦、黄大豆、発芽玄米、もち麦、もち赤米、もち黒米、もちきび、ハト麦、もちあわ、黒大豆、小豆、ひえ、とうもろこし
このように、穀物数が同じだったとしても、商品によっては配合がガラリと異なります。自分の摂りたい雑穀をチェックして選びましょう。
それでは、次に、主な雑穀に含まれる栄養素などを詳しくご紹介しましょう。
不足している栄養素はどれ?補ってくれる穀物を選びましょう
様々な栄養素を含んでいるのが雑穀の魅力です。少しずつでもいいので、継続して取り入れることで食生活のバランスを整えられます。そこでチェックしたいのが、ラベルに記載されている原材料名。実はこれ、含有量が多い順に書かれているんです。
気にしたいのは先頭に記載されている穀物です。栄養はもちろん、食感や風味にも大きく影響するので、特にチェックしておきましょう。
キヌアやアマランサスなど、風味にクセはあっても栄養価の高さで注目されているものもありますし、クセが少なく食べやすいあわやひえ、もっちりした食感の大麦など、万人に好まれるものにもさまざまな栄養が含まれています。それでは、主な雑穀の栄養素、特徴をご紹介していきましょう。
●大麦
効能:便秘解消
食感:もっちり
主な栄養素:食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB6など
食物繊維をたっぷり含み、クセが少ない雑穀。近年人気のもち麦のほか、押麦タイプもあります。
●きび
効能:生活習慣病予防
食感:もっちり、パラパラ
主な栄養素:ビタミンB1、B6、亜鉛、ナイアシンなど
ビタミンB群が豊富。品種によってもっちりタイプ、パラパラタイプに食感がわかれます。
●ひえ
効能:腸内環境改善
食感:パラパラ
主な栄養素:ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、リンなど
ビタミンB6やカリウムなどが豊富。まろやかでクセが少なく、食べやすい雑穀のひとつです。
●あわ
効能:美肌
食感:もっちり、パラパラ
主な栄養素:ビタミンE、B1、B6、ナイアシン、鉄、亜鉛など
特に多いのはパントテン酸。あっさりとした上品な風味でクセがなく食べやすいのが特徴です。
●ハトムギ
効能:美肌
食感:もっちり
主な栄養素:たんぱく質、ビタミンB2、B6など
力強くやや青っぽい風味。たんぱく質やビタミンB1が豊富で美肌効果が期待できますが、妊娠中の摂取は避けるようにしましょう。
●そば
効能:生活習慣病予防
食感:パラパラ
主な栄養素:たんぱく質、ルチン、ビタミンB群など
ポリフェノールの一種であるルチンを豊富に含んでいます。香ばしく素朴な風味でサラサラ、パラパラした食感が持ち味です。
●黒米・赤米
効能:オールマイティ
食感:もっちり
主な栄養素:ポリフェノール、ビタミンB群、ナイアシン、鉄など
抗酸化作用が期待できるポリフェノールを豊富に含んでおり、アンチエイジングが期待できます。食感は玄米に似ていますが、白米に色がうつることも。
●アマランサス
効能:オールマイティ
食感:プチプチ
主な栄養素:カルシウム、鉄、亜鉛、リン、ビタミンB6など
雑穀の中でも特に栄養価が高いと言われており、プチプチ、ほろほろした食感とやや土っぽい香りが特徴です。
●キヌア
効能:オールマイティ
食感:プチプチ
主な栄養素:鉄、たんぱく質、食物繊維、ビタミンB群、葉酸など
ミネラルや葉酸が豊富です。香りにはやや土っぽいクセがありますが、旨味や甘味も強く出ます。
レアな国産雑穀が価格差に雑穀の値段はこうして決まる!
最後に、なぜ雑穀で価格差があるのかを解説しましょう。あわ、ひえなど国産品が多いものと違い、アマランサスのように外国産がメインで流通している雑穀をあえて国産で買おうとすると、やっぱり価格は上がります。
これは白米より雑穀の方が高いのと同じ理由。要は、流通量の差によるものなんです。自分の摂りたい雑穀と価格の兼ね合いもみて選んでみてください。
以上、雑穀の選び方をご紹介しました。ぜひ、雑穀を買う際にご参考にしてみてください!