スペック向上したのに価格据え置き三代目ドンキを徹底テストしました
今年2月下旬にカムバックした、ドンキ格安4Kの第3世代 LE-5070TS4K。輝度は400cd/m2 、スピーカー出力は総合20Wと、スペックアップしたのに価格は据え置きとなっています。今回はそんな三代目の気になる性能を徹底的にテストしました。
情熱価格PLUS(ドンキ)
LE-5070TS4K
実勢価格:5万9184円
サイズ:W112.5×H70.5×D24.4cm
質量:約11.92kg(いずれもスタンドあり)
この三代目ドンキ4Kの主な評価ポイントは以下のとおり。各項目とも20点満点の場合は10点、10点満点の場合は5点を合格点としています。
テスト1:画質
4Kテレビの画質で重要となるのは「精細さ」「色表現」「明るさ」の3つ。これらの要素を考慮し、地デジ放送(2K)、4K映像『4K 宮古島』(4K/60P)で画質を調査しました。
テスト2:機能
ネット接続による「Amazonプライム」「Netflix」へのサービス対応と、外付けHDD接続による録画など、放送関連機能もチェック。
テスト3:操作性
テレビの基本操作や番組表のデザイン、GUIの操作性に不自然で使いにくいところがないかどうか、実機で確認しました。
リモコンを実際に操作して、
チャンネル操作や入力切替がスムーズかどうかテスト。
テスト4:音質
テレビの評価で忘れてはならないのがサウンド。まずはテレビ放送を観た際にニュースやドラマ等の音声が聞き取れるかをテスト。
さらに、映画の低音や広がりの再現性もチェックしました。
はたして、スペックアップした三代目ドンキ4Kは本当に買いなのでしょうか? 画質や音質など、テレビの基本性能に欠かせない4項目をくまなくチェックしました
今回ご協力いただいたのは、初代・二代目共に当然過去にレビュー済み、専門誌やモノ雑誌等で映像と音の評論やレビュー、トレンド解説を手がける、AVライターの折原一也氏です。
それでは、テストした4項目をより詳しく解説します。まずは画質からどうぞ。
【画質】不自然に眩しくて色設定がメチャクチャです
画質テストでは新旧3台のドンキ4Kを比較。下が初代、右上が二代目、左上が三代目です。こうして実際に比べてみると、三代目の輝度がアップしていることがわかります。
数値で見ると一目瞭然。輝度スペックが二代目より50cd/m2アップしています。
こちらが画像のアップ。二代目より全体的に明るいものの、不自然な眩しさが見られ、人が映っても画面全体がボケてしまいます。これは4K最低レベル……。
空の色味なども不自然に眩しく光る上に、画面全体が赤みがかる不自然さが施されていて、色設定がメチャクチャ。
映像モードをチェックしてみましたが、「標準」は白飛びしまくり、本来の色味を再現できていません。「あざやか」はギラギラすぎ、「ゲーム・PC」はCGチックな彩度の低さで、「映画」はなぜか明るく、どれを見ても色調節のバランスの悪さが目立ちました。
視野角も酷く、真正面から少しずれただけで色が抜け始め、30度の角度でも白っぽくなり厳しい状態です。
【機能】レグザGUIは操作性良し!しかし依然ネットなしは残念です
続いては機能。いまだネット配信サービスとの提携はありません。安さのために削ぎ落とすのはわかりますが、そろそろ導入も検討してほしいところ。
機能やメニュー構成は「ジェネリックレグザ」と呼ばれた、東芝映像ソリューションのシステムボードによる特有のGUIを確認。レグザと基本は同じ番組表の操作性、外付けHDDの録画と操作性はまともで、レスポンスも許容範囲でした。
テレビでネット配信サービスを視聴するスタイルが増えているなか、ネット機能がないのはやはり寂しいです。
【操作性】受信部が端っこすぎ!リモコンが機敏に反応しません
それでは操作性はどうでしょうか? 最低限として、リモコンのデザインは問題ありませんが、初代・二代目とはテレビのフレームの形が変わったため、本体側のリモコン受信の位置が中央から画面の左端へと移動していました。
リモコン受信部が画面の端っこすぎて反応が微妙……。これによりリモコンを無意識にテレビに向けても反応せず、戸惑うこともありました。
【音質】声が聞き取れない…音量を上げてもこもって聞こえます
最後は音質。もともと音質はいまひとつでしたが、スペック上は16Wから20Wに強化されています。しかし、音のクリアさには全く改善が見られず、ニュース番組の人の声もロクに聞き取れないレベル。音量を上げても声はクリアにならなくて、音質は最低です。
スピーカーの出力もスペック上では総合20Wと改善されたハズ……でしたが、これまで以上に聞き取りづらく感じました。
【結果】バランスが悪く完成度が低いと言わざるをえません
テストした結果、画質8点、機能8点、操作性6.5点、音質1.5点で総合24点と、テレビとしての完成度が低すぎて褒めるところもなく、バランスの悪さが目立ちました。
二代目もそれなりに評価していたAVライター折原氏も「これは前にも増してひどい!」と、思わず口にしたほど。スペック値は上がっているものの、完成度はイマイチ。特に画質設定は滅茶苦茶でした……。
結論としては三代目ドンキ4Kの購入を検討中であれば、少し待った方がいいでしょう。「価格の割に良い」という評価は二代目にはいえましたが、ライバルの値下げが進む今、最安値ではあってもコスパが悪く、三代目が決して買いとはいえません。
同時にテストした東芝 49C 310XとLGエレクトロニクス 49UJ630Aは、画質も音質も水準以上で完成度も問題なし。50インチクラスの最安値であるドンキとの差額も少なくなってきています。しかし、どうしてもドンキがよいということであれば、二代目の方がおすすめです。
今回は3月発売の三代目をテストしましたが、なんと、現時点で早くも四代目が登場しています。気になる性能については近日中にテスト予定。ぜひともご期待ください!