はじめに:エアコンをガンガンでも足元が寒い人に朗報!
冬場は暖房をつけても、頭がボーッとして足元は冷えたまま、なんてことになりがち…。
そんな時はエアコンの設定温度を下げて、足元用に小型の電気ストーブを使いたいところですが、電気代はなるべく節約したいのが本音ですよね。
そんな中、注目の暖房器具が2022年11月に発売しました。
11月発売のライソン「巻くコタツ KOZUTSUMI」の実力は?
じつはこれ「巻くコタツ」の名前の通り、足元を360度包み込む「巻くタイプの省電力パネルヒーター」なんです。
ライソン
巻くコタツ KOZUTSUMI KSHT-001A
実勢価格:9980円
サイズ:本体(使用時)/約φ40×H50.5cm、本体(展開時)/約W126×H50.5cm、毛布/約W95×H65cm、収納袋/W22.5×H62cm
重量:約730g
一般的な電気ストーブを弱モード(400W)で使用した場合、1時間あたりの電気代は約10.4円なのに対し、「巻くコタツ」の1時間あたりの電気代は約4.3円※と、一般的な電気ストーブの半額以下で済むようです。
※160W・電気料金単価(全国平均 大手電力10社の平均)26.1円/kWhで算出した場合。
家電の定格消費電力が小さいほど電気代が安く抑えられるのは当然といえば当然ですが、肝心の温める力はどうなのでしょうか?
専門テスト機関と協力して、巻くコタツの温め力を徹底テスト!
今回は、このライソン「巻くコタツ KOZUTSUMI」の温め力を『家電批評』編集部と専門テスト機関「LAB.360(ラボサンロクマル)」で徹底検証!
室温17.0(±0.5℃)の環境下で、閉じた状態の「巻くコタツ」の上に付属の毛布をかけて使用。素足の被験者が10分間足を入れ、製品内部と被験者の足の温度変化を調べました。
P1〜P5まで5段階の温度設定のうち、今回は「P1」「P3」「P5」の3パターンで検証を行いました。
製品内部2箇所の温度変化を測定
床面から約3cm(低)/約30cm(高)の位置に熱電対センサーを設置し、製品内部の10分間の高低差の温度変化を測定しました。
被験者の足の温まり具合をサーモカメラで撮影
「巻くコタツ」を使用する前の足と使用後の足をサーモカメラで撮影し、表面温度を測定しました。
ひざ下〜つま先間であたたまりにムラがないかを確認しました。
テスト1:「30秒で温まる」は本当なの?
結果:中温モード・P3と高温モード・P5の立ち上がりは早かった!
「P1(低温)」「P3(中温)」「P5(高温)」の3パターンの温度設定で製品内部の温度変化を測定。
「P1」の立ち上がりは穏やかで温まるまでに時間がかかりましたが、「P3」「P5」では電源を入れてすぐに温度が上昇し始めました。
もっとも温度の低いモード「P1」では、製品内部が温まりだすのに約2分かかり、内部温度は高い位置で30℃に達しました。
中間のモード「P3」では、起動してすぐに製品内部が温まりだし、温度が高い位置は約5分で32℃に到達。その後はほぼ横ばいで推移しました。
つけた瞬間、明らかにP1よりも暖かさが強いと感じました。
強モード「P5」でもすぐに温まりだし、10分後には内部温度が高い位置で37℃近くにまで到達。グラフからも緩やかな伸びが確認できるため、そのままつけ続ければさらに温度が上がっていきそうです。
床上30cm(グラフ内表記:高)の方が床上5cm(グラフ内表記:低)よりも温度が高く、3〜5℃ほど開きがあることがわかりました。
テスト2:足はどれぐらい温まるの?
結果:すね〜足の甲はポカポカ
! つま先〜足裏の温め効果はイマイチ
「巻くコタツ」使用後の足をサーモカメラで撮影すると、すねを中心に温まっていることが確認できました。
「P1」では、すねは真っ赤、足の甲はオレンジ色に染まっていますが、つま先は真っ青なままです。
高い位置は十分暖かさを感じますが、低い位置はあまり暖かく感じないです。
「P3」では、すねの上の方が白っぽく、「P1」よりもさらに足の表面温度が高くなっていることがわかります。濃紺だったつま先も青色に変化し、若干温度が上がっているようです。
「P5」では、すねの白っぽさが増してさらに高温になっています。つま先の冷たさも「P3」よりも若干の改善が見られます。
めちゃくちゃあったかい! 冷え性なので「P5」でも熱すぎることはなかったです。
テスト3:使い勝手はいいの?
結果:好みに合わせて、閉じた状態でも開けた状態でも使えて便利!
マグネット式の接続部を開閉したり、毛布の有無によって熱のこもり具合を微調整できます。
毛布がセットで付いてくるのは嬉しい!
手触りの良いブランケットが付属しています。小さすぎず大きすぎず、「巻くコタツ」の開口部を覆うのにちょうど良いサイズです。
電源ボタンが上部に付いているのは◎だが、しっかりめに押す必要アリ
この類の暖房器具の中には、操作ボタンが床に近い位置にあって押しづらいものもありますが、「巻くコタツ」の操作ボタンは、ちょっと屈むだけで押しやすい上部についています。
安全性確保のためか、電源ボタンはしっかり強めに押さないと反応してくれませんが、モードの切り替えは軽くタップするだけでできました。
本体が傾いたり倒れると、自動で電源オフされる
自動電源OFF機能を搭載しており、本体が45°以上傾いたり、転倒した場合は自動で運転を停止します。実際に倒してみると、すぐにエラー表示になり、運転が停止されました。
コード長が2.9mもあるので、電源から離れた場所でも使いやすい
コードに十分な長さがあるため、コンセントからちょっと離れた場所でも電源を確保しやすいです。
テスト4:使わないときにかさばるの?
結果:くるくる巻いてコンパクトに収納できた! 軽いから持ち運びも楽ラク
本体を巻いて付属のバンドで留めて袋に入れれば、かさばらずに収納が可能。また、リビングや書斎など場所を移動して使いたい時も、重さ約730gと軽いので女性でもラクに持ち運ぶことができます。
つま先と足裏は正直そんなに温まらないけど、即暖性と“おこもり感”がクセになる!
テスト1・2の結果から、上の方が温まり下の方は温まりにくいという現象が「巻くコタツ」内部で起こっていることが確認できましたが、改めて製品単体の様子もチェックしてみました。
上の画像は、P5(人・毛布なし)で運転し、30分後の内側の様子。発熱体の表面温度は60℃を超えていました。
「巻くコタツ」を展開し、サーモカメラで発熱体の位置を見ると、床から3cmくらい上にあることが確認できます。
底面もカバーできればパーフェクトでした。足裏やつま先の温め効果は弱いものと思われるので、床に何か敷いたり、靴下やスリッパを着用して使うのがよいかもしれません。
オフィスで実際に使用したスタッフからは「欲しい」コールの嵐!
「巻くコタツ」を会社で使用した20〜40代男女4名の感想を集めたところ、各々多少の不満はあるものの概ね好評で、全員から「欲しい」との声があがりました。
足首の裏側の冷えが気になるので、裏面までしっかり温まるのは嬉しい。高温モードだと、ふくらはぎやすねの方が先に温まって熱く感じてしまいまうので、「P1」でじんわりぬくぬく温まるのが好みです。毛布の柔らかな手触りにも癒やされます。
窓際の席で底冷えするので、「P5」で毛布をかけて使用してちょうど良かったです。
「P5」でも若干物足りないかも。暖房をつけるか迷うような時でも、手軽に暖をとれるのは良いですね。
エアコンがしっかり効いている時に使うと、全身が温まって眠くなっちゃいました。けど、会社にあったら絶対使うと思います。
テスト結果とアピールポイントを総まとめ!
以上、ライソン「巻くコタツ KOZUTSUMI」のレビューでした。
ライソン
巻くコタツ KOZUTSUMI KSHT-001A
実勢価格:9980円
サイズ:本体(使用時)/約φ40×H50.5cm、本体(展開時)/約W126×H50.5cm、毛布/約W95×H65cm、収納袋/W22.5×H62cm
重量:約730g
▼テスト結果
総合評価 | 温まるスピード | 足の温まりやすさ | 使い勝手 | 収納性 |
A | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
最後に、ライソン「巻くコタツ KOZUTSUMI」の良かった点と残念だった点をまとめてみました。
▼良かった点
- 中モード以上であれば約30秒で温まる
- 閉じても開いても使える
- 毛布がセットで付いている
- 電源ボタンが押しやすい位置にある
- 安全機能付き
- コードは十分な長さ
- 収納・持ち運びがラク
▼残念だった点
- ふくらはぎやすねが先に温まり、つま先と足裏は温まりづらい
- 電源ボタンは力を入れて押す必要あり
- 開いた状態だとやや安定しづらい
足先までしっかり温まるにはちょっと工夫が必要かもしれませんが、省電力で、電源さえあれば場所を選ばずぬくぬくできるのは大きな魅力。このジャンルの暖房器具の盛り上がりへの期待も込めて、ベストバイに認定です!
オフィスワークや勉強、リラックスタイムのお供に「巻くコタツ」をぜひ検討してみてくださいね。
モードごとで温まりの速さや温度がどれくらい違うのか、最終的に被験者の足がどのように温まるかを確認しました。