アウトドアや災害時にも使える「カセットガスストーブ」
寒さの厳しい季節、さまざまな暖房器具が大活躍かと思いますが、今回取り上げるのは「カセットガスストーブ」です。
カセットガスストーブとは、カセットボンベを利用して周囲を温める暖房器具のこと。カセットボンベというと調理用のイメージが強いかもしれませんが、アウトドアや災害時の暖房器具としても使える便利なアイテムなんです。
とはいえ、現在カセットガスストーブは、日本メーカーではあまり作られていません。ネット通販ではイワタニが販売する製品のみ入手できるような状況です。そこで『MONQLO』では安くて良いものを探すべく、アマゾンや楽天市場などのネット通販で手に入る国内・国外のカセットガスストーブを8製品集め、比較検証を試みました。
外国製は日本製に比べてリーズナブル
MONOQLO2022年3月号で行った検証で用意した海外製のカセットガスストーブは、中国製2製品と韓国製2製品の計4製品。お値段は5000円~8000円で、イワタニが1万~1万5000円くらいなのに比べるととてもリーズナブルです。
▼YANCHUAN「YC-808B」
YANCHUAN
YC-808B
実勢価格:5498円
サイズ:W28×D24×H27cm
重量:2142.8g(実測)
ガス缶:CB缶
中国製
暖房器具としてだけでなく、調理器具としても使えるYANCHUAN「YC-808B」。Amazonではさまざまな業者からOEM販売されているようです。
▼Kovea「KH-1203」
Kovea
KH-1203
実勢価格:7405円
サイズ:W27×D14×H17.5cm
重量:1417.4g(実測)
ガス缶:CB缶
韓国製
最軽量級のKovea「KH-1203」。とにかく小さいので持ち運びやすいです。調理にも使えるなど、汎用性の高さは魅力ですが……。
▼JINYU「ガスストーブ」
JINYU
ガスストーブ
実勢価格:5998円
サイズ:W27.5×D27.5×H18cm
重量:1803.4g(実測)
ガス缶:CB缶
中国製
さまざまな業者からOEM販売されていて入手しやすいJINYU「ガスストーブ」。持ち手のレバーで本体を支えられ、傾けて使うことで調理にも使用できます。
▼Nabia「SGH-200」
Nabia
SGH-200
実勢価格:8080円
サイズ:W21×D20×H18cm
重量:1500.8g(実測)
ガス缶:CB缶
韓国製
コンパクトで、プレートを使用すれば調理もできるアウトドア向けのNabia「SGH-200」。本体を傾けて使うことで正面だけでなく上部も暖められます。
ですが外国製2製品は検証を途中で断念……
しかし残念ながら、上記の海外4製品のうち2製品は、動作やカセットボンベの装着が不安定だったため、検証を途中で断念。
最後まで検証できた2製品は、温め性能自体に問題はなかったものの、取り扱い説明書が不十分だったり、安全装置の作動が確認できなかったり、ガスが漏れる臭いがしたりとトラブルがありました。
また、いずれもアウトドアを意識したパッケージですが、国内では屋外用製品として販売するのに必要な「PS LPGマーク」が4製品ともなく、全体として安全面に疑問が見られました。
▼PS LPGマーク
したがって、以上の4製品はおすすめできないという結果に。
というわけで今回は、暖房器具の安全性を重視する観点から、イワタニ製のカセットガスストーブ4製品と、そのテスト結果の詳細を紹介したいと思います。
今回の検証では、「暖め性能」「ガス消費量」「安全装置」「転倒しにくさ」など幅広く確認しました。
暖か&燃費が良い イワタニ 「CB-STV-DKD」
イワタニ
CB-STV-DKD
実勢価格:1万3150円
サイズ:W34.9 × D28 × H40.8cm
重量:約4.1kg
ガス缶:CB缶
今回のベストとなったのは、イワタニ「CB-STV-DKD」です。暖め性能と燃費の良さが高評価となりました。広い範囲をしっかり暖め、次に紹介する「CB-CGS-HPR」と同等の暖め性能ですが、こちらのほうがガス消費量はやや少なめでした。
▼テスト結果
- 使用環境:屋内OK/屋外NG(取説より)
- 暖め性能:温度◎/広がり◎
- 30分間のガス消費量:△ 48.0g
- ボンベの着脱:◎
ボンベは差し込むだけで簡単に装着できます。 - 安全装置:
転倒衝撃 ○
立ち消え ○
密室実験 ○
安全装置の記載があり、検証で実際に作動を確認できました。 - 転倒しにくさ:◎
本体が大きいので多少ぶつかった程度では倒れません。 - 付加機能:屋内専用で部屋の暖め以外には使えません。
- PS LPG表記:あり
- 取説評価:◎
日本語の詳細な取説があるため安心です。 - 総合評価:◎
4畳も十分暖まる イワタニ「CB-CGS-HPR」
イワタニ
CB-CGS-HPR
実勢価格:1万4500円
サイズ:W34.9 × D28 × H40.8cm
重量:約4.1kg
ガス缶:CB缶
イワタニ「CB-CGS-HPR」は本体が大きいぶん、広範囲をしっかり暖めます。カタログにある通り4畳程度の部屋なら十分暖められます。今回比較した中ではガス消費は多めですが、ベストに迫る優秀な製品です。
▼テスト結果
- 使用環境:屋内OK/屋外NG(取説より)
- 暖め性能:温度◎/広がり◎
- 30分間のガス消費量:△ 50.0g
- ボンベの着脱:◎
ボンベのは差し込むだけで簡単に装着できます。 - 安全装置:
転倒衝撃 ○
立ち消え ○
密室実験 ○
安全装置の記載があり、検証で実際に作動を確認できました。 - 転倒しにくさ:◎
本体が大きいので多少ぶつかった程度では倒れません。 - 付加機能:屋内専用で部屋の暖め以外には使えません。
- PS LPG表記:あり
- 取説評価:◎
日本語の詳細な取説があるため安心です。 - 総合評価:◎
コンパクトモデルで省エネ イワタニ 「CB-STV-2」
イワタニ
CB-STV-2
実勢価格:1万4200円
サイズ:W30.8× D21.2× H31.7cm
重量:約2.6kg
ガス缶:CB缶
小型モデルで優秀なのは、イワタニ「CB-STV-2」。サーモカメラで確認すると、この次に紹介する「CB-STV-MYD」よりわずかに温度や熱の広がりが劣りますが、体感ではわからない程度。温め性能は悪くありません。
また2kg台の製品ではもっとも省エネ。安全装置はバッチリ作動しますが、強めにぶつかると転倒しました。
▼テスト結果
- 使用環境:屋内OK/屋外NG(取説より)
- 暖め性能:温度○/広がり○
- 30分間のガス消費量:○ 35.0g
- ボンベの着脱:◎
ボンベの着脱は差し込むだけで簡単に装着できます。 - 安全装置:
転倒衝撃 ○
立ち消え ○
密室実験 ○
安全装置の記載があり、検証で実際に作動を確認できました。 - 転倒しにくさ:△
安全装置は作動しますが、強めにぶつかると転倒します。 - 付加機能:屋内専用で部屋の暖め以外には使えません。
- PS LPG表記:あり
- 取説評価:◎
日本語の詳細な取説があるため安心です。 - 総合評価:◎
小型ながらパワフルなイワタニ「 CB-STV-MYD」
イワタニ
CB-STV-MYD
実勢価格:1万500円
サイズ:W31.2× D22.2× H29cm
重量:約2.6kg
ガス缶:CB缶
イワタニ「CB-STV-MYD」は、2kg程度のコンパクトモデルですがパワフル。広い範囲を暖めます。ガス消費量も多くなく、長時間使えました。安全装置は、転倒と立ち消えでは問題なし。密室実験時はやや不安定な挙動が見られました。小型ながら足元に安定感があり、転倒しにくいつくりです。
▼テスト結果
- 使用環境:屋内OK/屋外NG(取説より)
- 暖め性能:温度○/広がり○
- 30分間のガス消費量:○ 38.5g
- ボンベの着脱:◎
ボンベの着脱は差し込むだけで簡単に装着できます。 - 安全装置:
転倒衝撃 ○
立ち消え ○
密室実験 △
転倒、立ち消えは問題なし。密室実験はやや不安定な挙動がありました。 - 転倒しにくさ:◎
足元に安定感があり、かなり強くぶつからない限り転倒しません。 - 付加機能:屋内専用で部屋の暖め以外には使えません。
- PS LPG表記:あり
- 取説評価:◎
日本語の詳細な取説があるため安心です。 - 総合評価:○
まとめ:イワタニ4製品は安心して使えました!
以上、イワタニ製のカセットガスストーブ4製品の紹介でした。カセットガスストーブ選びでは暖かさも大事ですが、何より大事なのは安全性です。今回のイワタニ製はどれも安全装置がしっかり作動し、安心して使えました。カセットガスストーブが気になる人は、参考にしてみてください。
暖房器具の売れ筋ランキングもチェック!
暖房器具のAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。