甘酒の選び方のポイントは?
近年では甘酒の栄養価が着目され、様々なメーカーが甘酒を製造しています。それに付随して多くの製品が販売されており、今やブームになっているといっても過言ではないですよね。ここでは「甘酒にチャレンジしてみたい!」という方へ向けて、甘酒を選ぶポイントをご紹介します。
1.飲み方に合わせて選ぶ
まずは手軽に試してみたい!という方におすすめなのが、缶や紙パックなどで販売されているストレートタイプです。一回で飲み切れる量のものも多いため、「続けられるかわからない」「思い立ったときに手間なく飲みたい」という方にぴったりです。
一方で、濃縮タイプは料理に混ぜて使用したい方や、水・お湯などで割りたい方におすすめです。自由に味の調整ができるため、ある程度甘酒に慣れている方やさまざまなアレンジを楽しみたい方は濃縮タイプを選ぶと良いでしょう。
2.添加物の有無で選ぶ
普段の食事などで添加物の有無を気にされる方は、甘酒の添加物にも注意しましょう。防腐剤などの添加物が含まれているものもありますが、最低限の米麹・酒麹などから作られるものもあります。気になる方は購入前に原材料をチェックしておくのがおすすめです。
3.アルコールが含まれているかで選ぶ
「甘酒にはアルコールが含まれていない」と考えている方も多いのではないのでしょうか。
甘酒には、米・麹から作られる「米麹甘酒」と酒粕・砂糖から作られる「酒粕甘酒」があり、酒粕甘酒にはアルコールが含まれているものもあります。製造過程でアルコールが飛ばされているものもありますが、多くアルコールが残っている場合は「お酒」とされることも。
妊娠中の方や子ども用にノンアルコールの甘酒を探している方は、米麹甘酒から選ぶことをおすすめします。
甘酒の種類は原材料で分けられます
先述しましたが、「甘酒」と一口に言っても作り方の違いの関係で、アルコールの有無など、結構違いがあるんです。
■米麹甘酒
最近注目されているのはこちらのタイプです。米麹の甘酒はお酒くささがまったくなく、自然な甘さで飲みやすいのが特徴です。
ビタミンB群、ブドウ糖、必須アミノ酸など美容や健康に欠かせない栄養素が豊富なので、ダイエット中の強い味方にもなります。砂糖・アルコール不使用なので、赤ちゃんや妊婦さん、アルコールが苦手な人でも飲めるのがうれしいところ。妊娠中の方や高齢の方などの栄養摂取にも注目されています。
市販ではこのようなものが売られています。
【タイプ1:米と米麹】
篠崎
国菊 あまざけ
実勢価格:713円/900ml
米の粒がしっかり残っており、ドロっとした液体が特徴の甘酒です。
米と米麹を使って作られています。奥深い甘さは料理にもピッタリ。現在市販の甘酒でもっとも多いタイプです。飲み応えがあり、噛みながら飲めば腹持ちもバッチリです。
【タイプ2:米麹のみ】
八海醸造
麹だけでつくったあまさけ
実勢価格:864円/825g
※Amazonのリンク先は3本セットの商品ページになります
最近の甘酒ブームを牽引する、新感覚の甘酒です。
麹のみを使用して作られています。米と米麹の甘酒より麹菌の割合が多く、栄養価もやや高めです。すっきりした甘さで飲みやすいタイプです。
■酒粕甘酒
こちらは、いわゆる昔ながらの甘酒です。作り方は途中までは「米麹甘酒」と同じですが、アルコール発酵をするので、少しですがアルコールが含まれることもあります。酒粕甘酒には日本酒の香りが残るので、お酒の風味を楽しみたい方におすすめです。
酒粕の甘酒は、不溶性食物繊維が豊富で、便秘解消に役立ちます。また、ビタミンやたんぱく質は米麹の甘酒の数倍含まれているので、美容や美白効果は米麹の甘酒よりも期待できます。ただし、砂糖で甘みをつけるので、高カロリーになることも。
市販ではこのようなものが売られています。
【酒粕入り】
森永製菓
甘酒
実勢価格:87円
(リンクは30本セットのページに飛びます)
お正月に神社で配られている、昔ながらの甘酒はこちらのタイプです。
酒粕を使っているのが特徴。酒粕の栄養価は高いものの、砂糖で甘みをつけているのでカロリーが高めになる場合もあります。また、アルコールが微量に入っている場合もあるので、子どもや妊婦さんは注意してください。
26製品の甘酒を 飲み比べてもらいました!
健康ブームに乗って、いまでは多数存在する市販の甘酒。実は製造会社や原料などで、味や香りがかなり違うのです。そこで、甘酒のプロの方々に実際に飲んで採点をしていただき、26製品をランキング化。今回は上位の12製品を発表致します!
テスト方法・評価項目は以下の通りです。
【テスト方法】
甘酒や発酵食品のプロたちが市販の甘酒を飲み比べて、味・香り、甘み、口当たりをジャッジ。その中で特徴のあった製品をピックアップしました。
【評価項目】
■味・香り:10点満点
甘酒らしい風味を感じるか、酒粕のクセのある臭いは強くないか、など10点満点で評価しました
■甘み:10点満点
甘みは強い弱いではなく、ほどよさで評価。弱すぎても強すぎても低評価になります
■口当たり:10点満点
とろみの度合い、米粒の量などで口当たりを評価。さらり系と軽いとろみが人気です
合計30点満点で評価しました。
また、ご協力いただいたのは、こちらのプロの方々です。
写真左:甘酒探求家/藤井 寛さん
写真中:発酵料理研究家/高橋香葉さん
写真右:発酵ライフアドバイザープロフェッショナル/佐々木智衣さん
はたして、甘酒の頂点に立つのはどの1本でしょうか?
[1位] 旨み甘み香り のバランスが絶妙!
篠崎
国菊 あまざけ
実勢価格:713円/900ml
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 10点
- 甘み: 9点
- 口当たり: 8点
- 総合点: 27点
福岡の老舗蔵元、篠崎が作る製品です。こだわりを感じる濃厚で奥深い味わいですが、サラッとした口当たり。
甘酒本来のうまみと奥深い甘さのバランスが秀逸! 麹の香りが高く、お米の食感がおいしいこっくりとした甘酒です。
[2位] 料理にも使える コクのある甘み!
八海醸造
麹だけでつくったあまさけ
実勢価格:864円/825g
※Amazonのリンク先は3本セットの商品ページになります
●タイプ:米麹のみ
【評価】
- 味・香り: 9点
- 甘み: 9点
- 口当たり: 6点
- 総合点: 24点
「米麹の旨みと言えばこれです! 」と佐々木さんがオススメするのは、銘酒「八海山」を手がける蔵元の本製品。
濃厚な風味で米麹のおいしさを存分に味わえます。やや甘みが強めですが、味わい深いのでクドさがないので、砂糖の代わりとして料理にも使えます。
米の粒もあまり感じず、飲みやすい甘酒です。
[3位] 酒感が少なく 飲みやすい!
メロディアン
酒粕甘酒
実勢価格:138円/195g
●タイプ:酒粕入り
【評価】
- 味・香り: 8点
- 甘み: 8点
- 口当たり: 7点
- 総合点: 23点
国産米100%使用、添加物不使用の本製品は、「昔ながらの甘酒らしい懐かしい味です!」と藤井さんも絶賛。
酒粕入りはアルコールの香りで好き嫌いが分かれますが、本製品はアルコール臭が少ないので飲みやすいのが特徴。
砂糖は加えているものの甘みのバランスはよく、栄養価も高い甘酒です。
[3位]「越の誉」の 蔵元が作りました
原酒造
越の誉 あまさけ
実勢価格:648円/500ml
※Amazonのリンク先は500ml×12本セットの商品ページになります
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 7点
- 甘み: 8点
- 口当たり: 8点
- 総合点: 23点
芳醇な香りと口当たりのいいとろみ感のある甘酒です。でも、日本酒のような吟醸香は好みが分かれるかもしれません。
5位: [5位] 粒感が少く
初心者も飲みやすい
マルコメ
米糀からつくった プラス糀 糀甘酒LL
実勢価格:150円/125ml
※リンク先は125ml×18本セットの商品ページになります
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 6点
- 甘み: 6点
- 口当たり: 10点
- 総合点: 22点
甘さを引き立てるために塩を入れているので、しっかりとした甘さがあります。粒感も少ないので初心者でも飲みやすい甘酒です。
6位: [6位] バランスが良く
爽やかな甘酒
ぶんご銘醸
酒蔵のあまざけ
実勢価格:590円/900ml
※Amazonはあわせ買い価格です
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 7点
- 甘み: 7点
- 口当たり: 7点
- 総合点: 21点
甘さ控えめで、風味と香りもバランスの良い甘酒です。かすかにライチのような香りがし、爽やかさもあります。
7位: [7位] 昔ながらの
どっしりしたおいしさ
国分グループ本社
國分の蔵元造り あまざけ
実勢価格:540円/500g
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 5点
- 甘み: 7点
- 口当たり: 8点
- 総合点: 20点
味に少し雑味を感じるものの、昔ながらのどっしりした甘酒です。
「お米入りで甘みがしっかりし、飲みごたえがあります」(佐々木さん)。
8位: [8位]ち ょっと粉っぽい
けどバランスが良い
酢屋亀本店
信州善光寺 門前甘酒
実勢価格:391円/350ml
●タイプ:米麹のみ
【評価】
- 味・香り: 5点
- 甘み: 7点
- 口当たり: 7点
- 総合点: 19点
少し粉っぽいですが、飲みやすいサラッとした甘さでバランスの良い甘酒です。
9位: [9位] 玄米系では
これがベスト!
ヤマト醤油味噌
糀発酵玄米 玄米がユメヲミタ
実勢価格:1468円/490ml
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 5点
- 甘み: 7点
- 口当たり: 6点
- 総合点: 18点
玄米系のなかでは臭みがなく、独特の酸味もまずますです。玄米なので糠の香りはどうしても残ってしまうのと、お値段が少し高めなのが惜しい!
9位: [9位] 粉っぽい味だけど
風味はバッチリ!
伊勢惣
国内産原料
麹屋さんが造ったかたねり あま酒
実勢価格:291円/350g
●タイプ:米と麹
【評価】
- 味・香り: 6点
- 甘み: 6点
- 口当たり: 6点
- 総合点: 18点
粉っぽさはやや気になりますが、麹の風味をしっかり感じます。サラッとした飲み口で初心者向きです。
11位: [11位] 米の粒感が強く
好みが分かれそう
伊豆フェルメンテ
純 あま酒
実勢価格:216円/350g
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 6点
- 甘み: 6点
- 口当たり: 5点
- 総合点: 17点
塩を利かせて甘みを引き立てている製品です。米の粒を感じる飲み口で、好みが分かれそうです。
11位: [11位] 発芽玄米の
栄養素たっぷり!
伊勢惣
発芽玄米麹使用あま酒
実勢価格:260円/230g
●タイプ:米と米麹
【評価】
- 味・香り: 7点
- 甘み: 5点
- 口当たり: 5点
- 総合点: 17点
発芽玄米らしい独特な香りと甘さに、ちょっと塩味がある個性的な甘酒ですが、栄養価が高く健康的です。
いかがでしたか? メーカーも種類もたくさんある甘酒。気になるものがあったら、ぜひお試しください!
【ご協力いただいた方々】
写真左:甘酒探求家/藤井 寛さん
市販甘酒のレビューサイト「あまざけ.com」を運営。レビューした甘酒は200本以上
写真中:発酵ライフアドバイザープロフェッショナル/佐々木智衣さん
アンチエイジングフードマスターの資格を持ち、「アンチエイジング発酵薬膳TC Style」として活躍中
写真右:発酵料理研究家/高橋香葉さん
しょうゆ麹の考案者で、発酵ブランド化観光連盟アドバイザー。レシピ開発、料理教室の他、発酵に関する商品開発で活躍