ゲーミングキーボードは話題の磁気式スイッチがアツい!
ゲーミングキーボードといえばメカニカルスイッチが一般的でしたが、磁気式スイッチを搭載したキーボードがアツくなっています。
始まりはWooting「Wooting 60HE」の発売です。この製品は「ラピッドトリガー」を初めて搭載したキーボードで、多くのプロが愛用していました。
それから磁気式スイッチの人気が爆発し、国内外問わずラピッドトリガーを搭載した磁気式スイッチのキーボードが浸透。今ではFPSゲーマーに必須アイテムのひとつなんです。
磁気式のゲーミングキーボードと安いキーボードの違いは?
メカニカル式の進化系ゲーマーに人気の磁気式スイッチの仕組み
ステムと呼ばれる軸に磁石を搭載
ステムの上下で次回を発生させます
発生した磁界を電気信号に変換!
磁気式スイッチは、磁石を用いて磁界を電気信号に変換する方式。磁界からキー入力を検知して入力のオン・オフができます。
鍵となるパーツが上のイラストにあるホールセンサー。イラストではピンセットでつまんだステムが上下に動き磁界を発生させ(つまりキーが押され)、ホールセンサーが磁界を電気信号に変換します。
これによって、文字を打てたり、キャラクターを動かせたりするようになるんです。このホールセンサーがキーボードに設置されていないと、磁界を電気信号に変換できないため磁気式スイッチは反応しません。
話題の理由は「アクチュエーションポイント」と「ラピッドトリガー」機能
「アクチュエーションポイント」とは、キーを押したときに反応する深さを表しており、「ラピッドトリガー」は、キー入力のオン・オフを高速化する機能です。
従来のキーは、決められた深さまで押したり離したりして入力をしていました。しかし、この機能では例えばキーを1cmに設定すると、移動キーを1cm以上押した時に反応します。
また、キーを深く押し込んでいても1cm手から離れると移動していた動きが止まります。これらの機能に最適な方式が、磁気式スイッチなんです。
VALORANTの「ストッピング」という、キャラクターの動きを一瞬にして静止させる技術をより速く行えます。
ちなみに、キーボードの仕組みは?
※出典:VEX ATK68 販売サイト「Rabbit」
キーボードの構造は、簡単にいうと性質の異なる素材の板を重ねて作られています。この板の材質によって打鍵感や打鍵音が変わり、軽くて高い音や、少しこもった音などに変化します。
また、ゲーム用キーボードは普通のキーボードにはないキーの複数同時押しに対応する「Nキーロールオーバー」や、誤入力を防ぐ「アンチゴースト」といった機能の搭載が大きな違いです。
キーボードの構造は4種類に大きく分かれます
メンブレン方式
やわらかく軽めなキータッチが特徴。静音性に優れており安価ですが、耐久性は低くゲームには不向きです。
パンタグラフ方式
キートップの下にひし形のスプリングが入ったキーボード。薄型のものに多く採用され、打鍵音は静かめ。
メカニカル方式
自分好みにカスタマイズが可能な方式。スイッチの耐久性も高く、ゲーミングキーボードに多く採用されています。
静電容量無接点方式
ほかの方式とは異なった打鍵感。キーストロークが短く、浅い打鍵感が好きな人におすすめです。
ゲーム用に主流のメカニカルはキースイッチの種類が豊富
※出典:FILCO 「CERRY MXスイッチの種類」
広く普及している「CHERRY MX」スイッチの場合、赤軸や青軸、茶軸など色によって打鍵感や打鍵音が違います。最近ではリニア、タクタイル、クリッキーと呼び方も変わり、種類もさらに増えています。
ゲーミングキーボードの選び方は?
ラピッドトリガーの元祖「Wooting」を含めた5製品を比較
今回は、雑誌『家電批評』編集部が、ラピッドトリガーの先駆者であるWootingをはじめとした約2万円から3万円(検証時)の人気有名メーカーの磁気式スイッチのゲーミングキーボード5製品を、打鍵感と操作実感に重きを置き比較しました。
どの製品が使いやすくて勝てるキーボードなのか探します!
打鍵感など3項目をテスト
テスト1:打鍵感
ガジェット系YouTuberのやまかふぇさんとモニター2人で実際に文字を打ち、押し心地と打鍵音をチェックしました。
テスト2:操作実感
ゲーマーのモニター2人で細かな操作が必要な『VALORANT』をプレイし、反応速度や使いやすさを体感で評価しました。
テスト3:機能性
アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの設定幅をチェック。スペックから点数を算出しました。
ゲーミングキーボードのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ゲーミングキーボードのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | |||||
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VXEATK68(L版)
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WootingWooting 60HE
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DrunkDeerDrunkDeer A75
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DarmosharkDarmoshark KT68
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エレコムV custom VK600A
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【1位】VXE「ATK68(L版)」
- VXEATK68(L版)
- 実勢価格: ¥14,599〜
- 打鍵感
- 操作実感
- 機能性
繊細な操作ができて価格以上の使いやすさ
ゲーミングキーボードのおすすめランキング1位でベストバイは、A+評価のVXE「ATK68(L版)」。打鍵感のよさで他製品と差をつけ、見事ベストバイを獲得しました。
キースイッチの押下圧が28gと比較的軽めですが、キーを押し込んだときの反発が強めで少し重く感じるのが特徴です。
反応は優秀で、ラピッドトリガーとアクチュエーションポイントを設定した状態でプレイすると、細かい操作がより快適になります。
キーの押し込みを離すと指についてくるようにキーが戻るので、ゲーム中はキーから指が離れず、入力のオン・オフを素早くできました。
打鍵音はコトコトと軽めで甲高い音ではなく、少しこもった落ち着いた音で嫌悪感はありません。これは、フレームがアルミニウム製で、音の響きが他製品に比べて少ないからだと考えられます。
また、重量も897gと重めでゲーム中に本体がズレず安定感があり、誤操作することもありません!
2万円を切った価格(検証時)でこの使いやすさ。実はコスパの高い製品といえます。
- おすすめポイント
-
- 反応がよく細かな操作ができる
- キースイッチが指から離れづらく押しやすい
- それなりの重量があるので本体が動きにくい
- がっかりポイント
-
- スペースキーが左に出ていて誤入力しそう
- 幅
- 313mm(実測値)
- 奥行
- 103mm(実測値)
- 高さ
- 37mm(実測値)
- 重量
- 897g(実測値)
【打鍵感】ほどよい反発と軽めの打鍵音が心地よい!
押下圧が28gと軽いものの、キースイッチ自体の反発が強めで少し重たく感じます。
また、打鍵音は高めですが、アルミニウムフレームの影響か、少し響く感じがして心地いい音。コトコトとタイピングをしていても、音が心地良くそこまで気になりません!
音はコトコトと軽め。キーの跳ね返り具合がよく、押下圧が28gと思えないほど重くていい感じ。打鍵音も気持ちいい!
キーキャップは少しすべりやすいです。スタビライザー(※)がしっかりしていてスペースキーが静か。高めの打鍵感も好き。(モニターYさん)
打鍵音はうるさすぎず、反発が強めで押していて楽しさがある打鍵感。キーキャップは滑らかで、手汗をかく人でも扱いやすいです。(モニターMさん)
※スペースキーやシフトキーなど、幅広いキーの端を押したときに傾かず真っすぐ押し込めるようにするパーツ。
【操作実感】キースイッチがぐらつかず真っすぐ押し込める
キーはゲーム中にぐらつかず、細かな操作までしっかり反応します。
本体も少し重いので、激しく操作しても、動いて誤操作なんてことはなさそうです。
キーを押したときにぐらつきがなく、斜めから押しても真下に落ちるのでとても押しやすいです。反応もよく思ったとおりに操作できます。(モニターYさん)
反発が強めなので、長時間使用していると少し疲れるかも……。反応はよく押しやすいが、スペースが少し左に出ていて誤操作しそう。(モニターMさん)
【機能性】ラピッドトリガーなどの設定はソフトウェアから簡単にできる
ラピッドトリガーはソフトウェアをダウンロードすればいつでも設定できます。0.1〜4.0mmと幅広く設定可能。
また、使用するキーの個別設定もできます。
プリセットを8個まで増やせるので、タイトルごとに設定したり、ゲーム用と仕事用で設定を分けたりできます。
【2位】Wooting「Wooting 60HE」
- WootingWooting 60HE
- 実勢価格: ¥38,600〜
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- 打鍵感
- 操作実感
- 機能性
すべらないキーキャップで的確にキーを押し込める!
ゲーミングキーボードのおすすめランキング2位は、A評価のWooting(ウーティング)「Wooting 60HE」。元祖磁気式キーボードです。
「操作実感」の評価が1位のVXE「ATK68(L版)」と同点と高く、総合2位を獲得しました。
少し粘り気のある沈み込むような押し心地が良好で、キーキャップもすべりづらく操作しやすいです。押し込みを離してもしっかり指についてきます。
一方で、キースイッチはぐらつき、連続で押していると指がズレてしまうことも……。また、打鍵音は低めで少しこもったように聞こえます。
とはいえ、重量感ある押し心地で細かい操作もでき、元祖磁気式キーボードは人気どおりの実力でした!
- おすすめポイント
-
- 沈み込むような重量感のある押し心地が気持ちいい
- キースイッチが指についてきて素早く操作できる
- キーキャップがすべらない材質で誤操作しにくい
- がっかりポイント
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- キースイッチのぐらつきが人によっては気になるかも
- 幅
- 302mm
- 奥行
- 116mm
- 高さ
- 38mm
- 重量
- 627g
- 型番
- Wooting
【打鍵感】滑らかな押し心地で打鍵音も静か
キースイッチの反発は弱めですが、押下圧が40gと少し重たく押し心地に重量感があります。
また、打鍵音は静かでこちらも1位のVXE「ATK68(L版)」と同様に少しこもったように聞こえますが、音自体は低く小さめ。
しかし、スペースキーやシフトキーはスタビライザーが暴れるので音が大きくなります。
重めのスイッチで粘る感じです。スペースキーはスタビライザーが少し暴れますが、余計な音はしません。
打鍵音は静かですが、スペース、シフトキーは少し音が大きくなります。キーは押しやすく、打鍵感も自分好みです。(モニターYさん)
押し心地はなめらかで少し沈むような感じで押しやすいです。打鍵音も静かで、ゲーム中に気になりません。(モニターMさん)
【操作実感】キーをスムーズに押し込める!
キーキャップはすべりにくく指についてくる感じ。しかし、キースイッチがぐらつくので連続で押すときは少し気になります。
【総評】
元祖磁気式キーボード。キーキャップがすべりにくく、押し込みを離してもしっかり指についてきます。
ただ、キースイッチがぐらつくので好みが分かれます。
とはいえ、重量感ある押し心地で細かい操作もできておすすめです。
【3位】DrunkDeer「DrunkDeer A75」
- DrunkDeerDrunkDeer A75
- 実勢価格: ¥15,603〜
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- 打鍵感
- 操作実感
- 機能性
深く押し込む人におすすめできる
ゲーミングキーボードのおすすめランキング3位は、A評価のDrunkDeer(ドランクディア)「DrunkDeer A75」。
打鍵音はこもらず高い音が鳴ります。キースイッチは少しぐらつくものの、気にならない程度。押し始めは少し重ためですが、少し押し込めばその後はなめらかに沈んでいきます。
残念なのは、アクチュエーションポイントの設定幅が0.2mmまでということです。
- 型番
- A75
【4位】Darmoshark「Darmoshark KT68」
- DarmosharkDarmoshark KT68
- 検証時価格: ¥22,800〜
- 打鍵感
- 操作実感
- 機能性
本体の重さ重視ならこれがいい
ゲーミングキーボードのおすすめランキング4位は、A評価のDarmoshark(ダーモシャーク)「Darmoshark KT68」。
アルミニウムフレームで今回テストした5製品中一番重い製品です。ゲーム中に本体が動く心配はありませんが、キースイッチが軽く、少し当たっただけで反応して誤操作につながるのがイマイチ。
打鍵音は響きませんが、少しカチャカチャと1位のVXE「ATK68(L版)」より低めの音が鳴ります。
キーボードの重量を重視する人におすすめです。
【5位】エレコム「V custom VK600A」
- エレコムV custom VK600A
- 実勢価格: ¥22,980〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥22,980〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥22,980〜
- 打鍵感
- 操作実感
- 機能性
普通に使えるが打鍵音はもう一歩
ゲーミングキーボードのおすすめランキング5位は、エレコム(ELECOM)「V custom VK600A」。
独自のキーキャップで「少し指が引っかかり離れにくいですが、他のキーを押すときに邪魔になりそう」というモニターの声があり、評価は低め。
打鍵音は少しオモチャ感のある音で、雑音も少し混ざっています。
反応には差を感じないため、静音対策をすればよくなりそうです。
- 型番
- TK-VK600AWH
まとめ:反応はどれもクイック!違いは重み
以上、ゲーミングキーボードのおすすめランキング5選でした。
今回は、人気のメカニカルに代わる磁気式スイッチ5製品を比較しましたが、機能性はどれも高評価を獲得。打鍵感と操作実感で差がつきました。
ベストバイに輝いたVXE「ATK68(L版)」は、キースイッチの反発が他製品よりも強めですが、軽めで程よい押し心地は気持ちいいです。キーはぐらつきがほとんどなく、押し込むと垂直に沈むので誤操作の心配はありません。本体も重めでゲーム中に動かず、価格以上の使いやすさです!
また、2位となった元祖磁気式キーボードのWooting「Wooting 60HE」は、沈み込むキーの押し心地が良好。人気どおりの実力でした。
さらに、深く押し込む人にはDrunkDeer「DrunkDeer A75」、本体の重さ重視の人にはDarmoshark「Darmoshark KT68」もおすすめです。
記事を参考に、自分好みのお気に入りのゲーミングキーボードを見つけてください。
ゲーミングキーボードのおすすめ
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磁気式スイッチを採用したキーボードは、ラピッドトリガーに対応し、ゲーマーに人気です。