おすすめゲーミングノートパソコンの選び方は?

ここ数年で大きな盛り上がりを見せているeスポーツの発展や新型コロナウイルスによる巣ごもり需要により、今、ゲーミングパソコンが大きくシェアを伸ばしています。
そこで、今回は現行のゲーミングノートPCの中から発売半年以内で最新のCPU(11世代インテルCore iシリーズ、は第4世代AMD Ryzenシリーズ)を搭載した25万円以下の製品を対象におすすめの1台を探しました。
ランキングの前に、まずはゲーミングノートPCの選び方のポイントについて解説します。
1:CPU&GPU性能

ゲーミングPCを選ぶ上で重要な要素は、なんといってもCPUとGPUの性能です。遊びたいゲームが決まっている場合は、ゲームの動作推奨環境を確認し、それよりも余裕のある性能を選ぶのがCPUです。
2:メモリ・SSD・HDD容量

容量の余裕は快適さに直結することから、メモリ・SSD・HDD容量も大切です。メモリ容量は16GB以上、ストレージ容量は512GB以上のSSD搭載が特におすすめといえます。
3:液晶解像度

液晶解像度も大切です。テストでは、リフレッシュレート&解像度を比較しました。
4:携帯性

持ち運びが苦にならないかどうかといった携帯性も忘れてはならないポイント。テストでは、重量で評価しました。
5:付加価値

付加価値についても注目。テストでは、2in1や生体認証、MSオフィスの有無などで加点し、実用性の高い付加価値を評価しました。
6:実勢価格

購入する際は価格も決め手に。テストでは、2021年6月中旬の実勢価格で比較しました。
以上の6つは選び方のポイントといえますが、今回の評価項目は9項目。なかでもゲーミングにおいて、最も重要なCPUとGPUの性能はそれぞれ20点に設定。ここで点を稼がないと上位進出は厳しい配点としました。
また、液晶のリフレッシュレート(1秒間の描画回数)など、ゲーミングならではの項目も採点しています。
このように、今回のテストでは基本性能・携帯性 付加価値・価格などを厳しく比較しました。
テストしてわかった違いはここ!
ゲーミングPCの特徴といえば、黒い・光る・高額・デカい・重い・バッテリー駆動時間が短いなどが挙げられますが、最近は必ずしもそうとは言えなくなってきています。
そこで、ここでは今回のテストや調査で判明したことをご紹介します。
デスクトップPC用GPU価格の高騰はゲーミングノートPCには関係なし

2021年は仮想通貨取引の増加に伴うマイニング需要で、デスクトップパソコン用GPUの価格が過去に類を見ないほど高騰していますが、ノートPCはマイニング目的ではあまり使われていないので、ほぼ影響がありません。
1kg台の軽量ゲーミングPCが増えてきた

ゲーミングノートPCの重量は、2.5kg前後の機種が多いです。しかし、今回ランクインした「ROG Flow X13」や「Zephyrus」シリーズは1kg台で、持ち歩くことを前提とした設計になっています。
ゲーミングPCの型落ちにはうまみが少ない!?

上表はASUSのTUF Gaming シリーズにおける新機種と型落ちの比較です。型落ちのほうが2万円安いですが、それ以上に新機種の性能アップが際立っています。なお、CPUとGPUのカッコ内の数値は本ランキングと同じ基準の点数です。
ゲーミングノートPCの最新事情を踏まえたところで、お待ちかねのランキングを発表します。
【おすすめゲーミングノート1位】ASUS「ROG Zephyrus G15 GA503QM GA503QM-R9R3060WS」|すべての作業を高速に処理する高性能機
エイスース(ASUS)
ROG Zephyrus
G15 GA503QM
GA503QM-R9R3060WS
実勢価格:21万9800円
サイズ:W355×D246×H19.9mm
重さ:約1.99kg
CPU:Ryzen 9 5900 HS
メモリ:16GB
SSD:1TB
▼テスト結果
- CPU: 20点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 10点/10点
- GPU: 14点/20点
- 液晶解像度: 4点/5点
- リフレッシュレート: 2点/5点
- 質量: 7点/10点
- 付加価値: 2点/10点
- 価格: 4点/10点
- 合計: 70点/100点
ベストバイに輝いたのは、ASUS「ROG Zephyrus G15 GA503QM GA503QM-R9R3060WS」。ゲーミングモデルが苦手とする軽量・スリム化を実現した「Zephyrus(ゼフィルス)」シリーズの15・6型モデルです。
性能面での最大の特徴は現行のRyzenでは2番目に高性能な「Ryzen9 5900HS」を搭載している点です。このCPUは最上位のHXに比べて消費電力が低いという特徴があり、ゲーム以外の用途なら11時間以上のバッテリー駆動が可能です。
液晶は高解像度で高リフレッシュレート

液晶解像度はフルHDの約1.8倍になるWQHD。ゲームだけでなく、クリエイティブ作業でも力を発揮します。

近年、格闘ゲームで必要性が高くなった秒間描写回数は165Hzで十分な性能です。
6つのスピーカーで迫力のサウンドを奏でる

キーボードの左右に配置された正面スピーカーに加え、側面と底面にもスピーカーを内蔵しており、ノートPCとは思えない重厚なサウンドが楽しめます。
高速USBポートを4基備える

USBポートは左側面に3基、右側面に1基備えており、すべてが高速データ送信が可能なUSB3.2 Gen2規格です。

持ち運び時の負担を大きく軽減し、外観もスタイリッシュでスマートなデザインのASUS「ROG Zephyrus G15 GA503QM GA503QM-R9R3060WS」。いい意味でゲーミングらしくないPCですが、ゲーム適性は非常に高いので安心して遊べます。
【おすすめゲーミングノート2位】Lenovo「Legion 760 82N6008SJP」|携帯性以外は全部ある
レノボ(Lenovo)
Legion 760 82N6008SJP
実勢価格:23万1849円
サイズ:W355×D246×H19.9mm
重さ:約1.99kg
CPU:Ryzen 9 5900 HS
メモリ:16GB
SSD:1TB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 10点/10点
- GPU: 18点/20点
- 液晶解像度: 4点/5点
- リフレッシュレート: 2点/5点
- 質量: 3点/10点
- 付加価値: 3点/10点
- 価格: 3点/10点
- 合計: 69点/100点
2位はLenovo「Legion 760 82N6008SJP」。CPUとGPUは上位の高性能モデルを搭載。液晶は高解像度でMSオフィス付属とスキのない構成ですが、重量で点を落とし1位に一歩及ばずでした。
背面端子でスッキリ

映像、LAN、電源など、接続頻度の高い端子は背面にまとめられています。
汎用性の高いフルキー

16型というサイズのおかげで無理なくテンキー入りキーボードが収まっています。
【おすすめゲーミングノート3位】Lenovo「Legion 560 Pro 82JQ005QJP」|最新仕様の高性能機
レノボ(Lenovo)
Legion 560 Pro 82JQ005QJP
実勢価格:23万8700円
サイズ:約W356×D264×H26.85 mm
重さ:約2.45kg
CPU:Ryzen 7 5800H
メモリ:16GB
SSD:1TB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 10点/10点
- GPU: 18点/20点
- 液晶解像度: 4点/5点
- リフレッシュレート: 2点/5点
- 質量: 4点/10点
- 付加価値: 0点/10点
- 価格: 3点/10点
- 合計: 67点/100点
3位はLenovo「Legion 560 Pro 82JQ005QJP」。2位のLenovo「Legion 760 82N6008SJP」とは付加価値での評価で差がつきましたが、最新仕様の高性能機といえます。
4位: 【おすすめゲーミングノート4位】ASUS「ROG Flow X13」|他に類を見ない新機軸PC
エイスース(ASUS)
ROG Flow X13
実勢価格:14万9799円
サイズ:W299×D222×H15.8 mm
重さ:約1.35kg
CPU:Ryzen 7 5800HS
メモリ:16GB
SSD:512GB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 7点/10点
- GPU: 6点/20点
- 液晶解像度: 2点/5点
- リフレッシュレート: 1点/5点
- 質量: 10点/10点
- 付加価値: 6点/10点
- 価格: 8点/10点
- 合計: 66点/100点
4位はASUS「ROG Flow X13」。ASUSがイノベーション(新機軸)モデルに位置づけるほどで、モバイルPC並みの重量やコンバーチブル2in1機構を持たせた異色のゲーミングPC。GPUがやや非力ですが、価格を考えれば妥当です。
タブレットで遊ぶ

液晶は縦画面&タッチ対応なのでAndroidエミュレーターでスマホゲームを遊ぶのに最適です。
専用GPUを接続

別売りでGPUモジュールが用意されており、接続すると性能が大幅に上がります。
▼こちらもチェック!
4位: 【おすすめゲーミングノート4位】Lenovo「Legion 560 82JU00CXJP」|ゲームも仕事もこれ1台
レノボ(Lenovo)
Legion 560 82JU00CXJP
実勢価格:18万9468円
サイズ:約W356×D264×H26.85 mm
重さ:約2.45kg
CPU:Ryzen 7 5800H
メモリ:16GB
SSD:1TB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 7点/10点
- GPU: 14点/20点
- 液晶解像度: 1点/5点
- リフレッシュレート: 2点/5点
- 質量: 4点/10点
- 付加価値: 3点/10点
- 価格: 6点/10点
- 合計: 66点/100点
同4位はLenovo「Legion 560 82JU00CXJP」。SSDの評価は満点で、GPUもそこそこ。ゲームも仕事もこれ1台でOKです。
6位: 【おすすめゲーミングノート6位】Lenovo「Legion 560 Pro 82JQ005PJP」|総合性能はNO.1
レノボ(Lenovo)
Legion 560 Pro 82JQ005PJP
実勢価格:22万7700円
サイズ:約W356×D264×H26.85 mm
重さ:約2.45kg
CPU:Ryzen 7 5800H
メモリ:16GB
SSD:1TB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 7点/10点
- GPU: 18点/20点
- 液晶解像度: 4点/5点
- リフレッシュレート: 2点/5点
- 質量: 4点/10点
- 付加価値: 0点/10点
- 価格: 3点/10点
- 合計: 64点/100点
6位はLenovo「Legion 560 Pro 82JQ005PJP」。GPUが高評価でした。総合性能はNO.1といえるでしょう。
7位: 【おすすめゲーミングノート7位】MSI「GP76-11UG-326JP」|intel派にオススメ!
MSI
GP76-11UG-326JP
実勢価格:24万8800円
サイズ:W397×D284×H25.9 mm
重さ:2.9kg
CPU:Core i7 11800H
メモリ:16GB
SSD:1TB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 10点/10点
- GPU: 18点/20点
- 液晶解像度: 1点/5点
- リフレッシュレート: 3点/5点
- 質量: 2点/10点
- 付加価値: 0点/10点
- 価格: 2点/10点
- 合計: 62点/100点
7位はMSI「GP76-11UG-326JP」。GPUも悪くなく、intel派にオススメです。
8位: 【おすすめゲーミングノート8位】DELL「Dell G15 Ryzen Edition (5515) 165Hz」|コスパ超優良機!
デル(Dell)
Dell G15 Ryzen Edition (5515) 165Hz
実勢価格:14万3084円
サイズ:W357.3×D272.8×H26.9 mm
重さ:2.57kg
CPU:Ryzen 7 5800H
メモリ:16GB
SSD:512GB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 7点/10点
- GPU: 14点/20点
- 液晶解像度: 1点/5点
- リフレッシュレート: 2点/5点
- 質量: 2点/10点
- 付加価値: 0点/10点
- 価格: 9点/10点
- 合計: 61点/100点
8位はDELL「Dell G15 Ryzen Edition (5515) 165Hz」。付加価値は特にないものの、コスパでは超優良機です。
9位: 【おすすめゲーミングノート9位】MSI「Katana-GF66-11UD-480JP」|11世代i7搭載でこの価格!
MSI
Katana-GF66-11UD-480JP
実勢価格:15万8800円
サイズ:W359×D259×H24.9 mm
重さ:約2.2kg
CPU:Core i7 11800H
メモリ:16GB
SSD:512GB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 7点/10点
- GPU: 9点/20点
- 液晶解像度: 1点/5点
- リフレッシュレート: 1点/5点
- 質量: 5点/10点
- 付加価値: 0点/10点
- 価格: 8点/10点
- 合計: 57点/100点
9位はMSI「Katana-GF66-11UD-480JP」。人気イラストレーター長野剛氏とのコラボによりデザインされたマシン。性能と価格のバランスが非常に良く、エントリー機として最適です。
強力な排熱機構と冷却性能

MSI独自の冷却システムCoolerBoost 5を備えており、長時間のゲームプレイを支えます。
テンキーは窮屈

15.6型はテンキー搭載の分かれ目ですが、本機のテンキーはかなり窮屈です。
9位: 【おすすめゲーミングノート9位】MSI「Sword-15-A11UC-069JP」|Katanaの兄弟機
MSI
Sword-15-A11UC-069JP
実勢価格:15万8800円
サイズ:W359×D259×H24.9 mm
重さ:約2.2kg
CPU:Core i7 11800H
メモリ:16GB
SSD:512GB
▼テスト結果
- CPU: 19点/20点
- メモリ: 7点/10点
- SSD: 7点/10点
- GPU: 9点/20点
- 液晶解像度: 1点/5点
- リフレッシュレート: 1点/5点
- 質量: 5点/10点
- 付加価値: 0点/10点
- 価格: 8点/10点
- 合計: 57点/100点
9位はMSI「Sword-15-A11UC-069JP」。Katanaの兄弟機。低価格ながらバランスの取れた性能です。上位機に比べるとGPU性能はやや劣りますが、はやりのゲームが問題なくプレイでき、初めてゲーミングノートパソコンを購入するエントリー層に最適です。
【まとめ】バランス型から個性派まで幅広い10台がランクイン
以上、ゲーミングノートパソコンおすすめランキング10選でした。
レノボのゲーミングブランド「レギオン」は2・3・4・6位とトップ10に4台も入りました。メーカー直販サイトの専売モデルのため、他社の同性能マシンに比べると格安で購入できます(量販店用のモデルもあるが、仕様と価格が異なる)。また、細かい仕様違いのバリエーション機が豊富なので、ユーザーの細かいニーズに対応できます。ただし、そのコストパフォーマンスの高さ故に売り切れになることが多いです。
パソコンのプロである佐久間氏は、「今まで数多くのゲーミングPCを見てきましたが、4位にランクインした『ROG Flow X13』には驚かされました。モバイルノートと変わらないレベルの重量に2in1構造、そして専用のGPUモジュールによる拡張と遊び心満載。価格も安くオススメです」とのことでした。
ゲーミングノートパソコンは、ゲーム機に比べ高い買い物になるので、ランキングを参考に、後悔しない1台を見つけてください。