パソコン格安ノートパソコンの選び方は?

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リモートワークが当たり前になっている昨今。自宅で使うパソコンとはどんな商品がいいのでしょうか?

雑誌『家電批評』編集部が考えた条件は、手の届きやすい10万円以下で、キレイで見やすいIPSパネルのフルHD液晶を搭載し、持ち運びもしやすい14インチ以下のノートPCというものでした。

また、以下の3つのポイントも重視したいです。

ポイント1:セキュリティ

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最近のパソコンは、安全性と利便性の向上から生体認証機能を積極的に搭載しています。今回選定した4機種も、すべて指紋認証機能を搭載。指先だけでOSへのサインインができます。

ポイント2:インターフェース

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自宅で仕事をするなら、別途PCモニターを導入して大画面での作業、もしくはマルチモニター環境が便利です。そのため、ノートPCにはHDMI端子が必須。データ転送用のUSB Type-A端子もあると便利です。

ポイント3:スペック

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パソコンで快適な作業ができるかどうかは、主にCPUの性能で決まります。そこで、パソコン選択時に譲れない条件として、CPUはAMDのRyzen 5かIntelのCore i5、このどちらかから選んでいます。

各CPUの特徴は、Ryzen 5が「性能重視でバッテリー消費が大きい」Core i5が「省電力で安定した性能を発揮する」というもの。どちらのCPUでも通常の仕事で使うなら十分な性能を発揮します。

性能を決定づけるスペックセキュリティ使い勝手を向上させるインターフェースの3点は加味したいところです。そこで今回雑誌『家電批評』が、リモートワークも快適にこなせるノートPCを各パソコンメーカーの発表している製品の中から見つけることにしました。

なお、中古ノートパソコンならより安く手に入る…と思う場合もあるかもしれません。しかし、ノートPCは製品自体の進歩が早いうえ、バッテリーの劣化も進んで駆動時間が短くなっている可能性もあるので、新品を選んだ方が安心です。

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高性能で手頃な価格のノートPCは13〜14インチ機が多いことから、今回は、13~14インチの4機種に候補を絞りました。

▼テストしたのはこの4台

  • Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」
  • HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」
  • HP「ProBook x360 435 G8」
  • Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」

以上の4製品の「使い勝手」「ビデオチャットの性能」「ディスプレイの視野角」「キーボードのタイピングのしやすさ」をAV評論家の折原 一也さん、PCライターの高橋 亮さんと一緒に比較。映像・音声を折原さん、その他の項目を元PC ゲーム系編集者である高橋さんが担当して評価しました。

パソコン【比較1】パソコンの使い勝手

4製品は同じ価格帯で、同じようなスペックのノートPCとなりますが、それぞれの機種が持つ特徴は、実は明確な差がありました。

Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」

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画面表示がキレイなので疲れません。また、Lenovo独特のキー形状を持つキーボードは、タイピングの感触が気持ちよく、仕事で入力作業をするのにも最適です。重量は1.45kgです。

色の発色が優れている最高のディスプレイ

色の発色が優れている最高のディスプレイ イメージ

高精細な映像を表示すると、色の再現度、明暗の表現など、ハッとするほどの違いです。映像の美麗さに加え、スピーカーも音の広がりにパワーのある低音と、最も映像作品を楽しめます。

HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」

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最薄部で16.9mmという薄さで、957gと1kgを切る軽さは、手に持ったときに強く感じられます。鞄に入れて持ち歩くとなると、300~400gの差は大きいもの。10万円以下でこの性能なら重量で選んでも間違いありません。

画面表示がキレイなので疲れません。また、

HP「ProBook x360 435 G8」

HP「ProBook x360 435 G8」 イメージ

タッチディスプレイを備えているので、指先での直感的な操作に対応。オプションのHP Pro Pen(実勢価格7480円)を付ければ、手書き入力も容易になります。重量は1.45kgです。

Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」

Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」 イメージ

重量は1.3kgと重さを感じるものの、厚さは最薄部で15.9mmと検証機のなかで最もスリム。携帯性も悪くありません。

キーボードの評価は第1位

キーボードの評価は第1位 イメージ

薄型キーボードなのに十分なキーストロークが感じられ、長時間のタイピングでも疲れを感じない優秀さを感じられます。

HP「Pavilion Aero」は、1kgを切る軽さで携帯性を重視。Lenovo「IdeaPad Slim 550」は、ディスプレイの性能がひとつ抜きん出ていて、BDビデオを楽しめるほどです。HP「ProBook x360」は、唯一の2in1でタブレットとしての機能を持ち、Acer「Swift 3」は全体的にバランスのとれた機種でした。よって、使用用途によって選ぶべき機種は変わります。

パソコン【比較2】Webカメラ・ビデオ会議

今回検証した4機種は、Webカメラとデュアルマイクを搭載しているものの、720Pと低解像度。映像は照明の影響を強く受け、室内が少し暗いと映像が荒れます。

Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」

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性能としては△といったところです。

HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」

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こちらも同じく△の評価に。

HP「ProBook x360 435 G8」

HP「ProBook x360 435 G8」 イメージ

許容範囲のレベルで評価は△でした。

Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」

Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」 イメージ

カメラもマイクも△です。

4製品とも遅延はほとんどないものの、マイクの音量が物足りないなど、“許容範囲”ながら、必要最低限の装備でした。

パソコン【比較3】ディスプレイの視野角

今回検証した機種はすべてがIPSパネル搭載。発色がよく、視野角が広いので目が疲れにくいのが特徴ですが、10万円以下で搭載しているモデルは希少です。しかし、検証してみるとIPSパネルであっても機種によって性能差がありました。

Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」

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画面を少しずらすだけで色に変化が見られます。ただし、そこからさらにずらしていっても変化はありません。広い範囲でキレイな画面が見れるので優秀です。

Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」 イメージ2

上下も変化が少なく、とても優秀です。

HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」

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30度くらい斜めにずれると画面が暗くなっていくので、どちらかというと狭い視野角。ただし、画面が見えなくなるほどではないので実用の問題はありません。

HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」 イメージ2

上下は色味の変化がなく、優秀です。

HP「ProBook x360 435 G8」

HP「ProBook x360 435 G8」 イメージ

画面を30度くらいずらすだけで暗くなります。さらにずらすと、ほぼ画面が見えません。実用に問題あるレベルの視野角といえます。

Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」

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斜めにずれると少し画面が白く浮いてくるものの、画面はそこそこ見られます。実用範囲内の角度であれば視野角に問題はありません。

視野角の広さで優秀だったのは、Lenovo「IdeaPad Slim 550」HP「Pavilion Aero」。画面正面から少しずれて見るだけなら画面はキレイに見えました。問題があったのは、Acer「Swift 3」HP「ProBook x360」。角度によっては変化が大きく、画面の角度を調整して使う必要があります。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

IPSでもパネル仕様や表面シート、コーティングで視野角に差がありました。かたわらで動画を流しっぱにするようなエンタメ用途なら色変化の小さい機種がおすすめです。

パソコン【比較4】キーボードのタイピングのしやすさ

価値あるノートPCはキーボード品質が犠牲になっていないモデル。今回の4機種はどれもキー配置に破綻がなく、正確なタイピングができました。10万円以下クラスでは優秀です。

Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」

Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」 イメージ

バックスペースキーで若干タイプミスを誘発しましたが、打鍵感がよく、打ちやすいキーボードでした。しかし、一部のキーに隙間がないのが使いづらいです。

HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」

HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」 イメージ

今回もっともキー配置がよかった機種。打鍵感が柔らかいながらもしっかりしており、疲れることもなく打ち続けられて優秀でした。使いやすさはトップレベルです。

HP「ProBook x360 435 G8」

HP「ProBook x360 435 G8」 イメージ

エンターキーの小ささに戸惑ったものの、キー配置は問題なし。打鍵感が硬く、疲れやすいのが難点です。

Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」

Acer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」 イメージ

多用するバックスペースの配置に問題があるものの、深いキーストロークで打鍵感はいいです。タイピングの気持ちよさでは一番でした。

高橋亮 氏
PCライター
高橋亮 氏 のコメント

キーボードを判断するポイントは、キー配置や間隔、キーストロークに押下感など複数あります。気持ちよくタイピングできるのは、打鍵感が柔らかくても底突きでたわみがなく、タイプで疲れないキーボードです。

ここまでは、4製品の各テスト項目の結果をご紹介しました。それではいよいよ、おすすめランキングを発表します。

第1位【格安ノートPCおすすめ1位】Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」

【格安ノートPCおすすめ1位】Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」 イメージ
王冠アイコン

Lenovo
IdeaPad Slim 550
82LM00K4JP
実勢価格:7万3656円

サイズ・重量:約W321.6×D211.6×H17.9mm・約1.45kg
画面サイズ(解像度):14インチ(1920×1080)
CPU:Ryzen 5 5600U
メモリ容量:8GB
ストレージ:SSD 512GB
無線通信:Wi-Fi 5

▼テスト結果

  • 基本性能        :10点/15点
  • 価格          :15点/15点
  • 映像          :13点/15点
  • 音声          :9点/10点
  • キーボード、タッチパッド:7点/10点
  • カメラ、マイク     :3点/5点
  • 外観、インターフェイス :11点/20点
  • サポート        :3点/10点
  • 合計          :71点/100点

見事1位となったのは、Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」。14インチというコンパクトな本体に、優秀なキーボードやディスプレを装備し、性能的なトータルバランスが優れています。

検証では、映像と音声表現の評価が頭ひとつ抜きん出ていて、これだけ優れたディスプレイを備えたノートPCは10万円以下のクラスではほぼありません。それに加えてさらに基本性能も高く、ストレージは512GBのSSD搭載で速さと保存容量で他機種より優位にあります。

【格安ノートPCおすすめ1位】Lenovo「IdeaPad Slim 550 82LM00K4JP」 イメージ2

インターフェースは、HDMIやUSB端子の他にType-Cも搭載。これはデータ転送だけでなく、PCモニターへの出力も兼ねており、Type-C接続の最新PCモニターも接続できます。

しっかりと気持ちよく打てるキーボード

しっかりと気持ちよく打てるキーボード イメージ

独特な形状をしたキーボードは、打鍵感が良好で、気持ちよく使えます。長時間作業してても疲れにくいです。

これだけ性能と機能が充実しているのに、価格は検証機中で最安でコスパが非常に高いモデル。Web通販ではセールを行うことがあるため、サイト登録をしておいてセール情報を受け取るようにしておけば、さらに安く変える可能性があります。

普段使い向けの製品ですが、日常で不満となるような性能は見受けられず、リモートワーク用のパソコンとして選んでも十分に性能を発揮してくれます。

第2位【格安ノートPCおすすめ2位】HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」

【格安ノートPCおすすめ2位】HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」 イメージ

HP
Pavilion Aero
13-be0034AU
実勢価格:9万3000円

サイズ・重量:約W298×D209×H16.9mm・約957g
画面サイズ(解像度):13.3インチ(1920×1200)
CPU:Ryzen 5 5600U
メモリ容量:8GB
ストレージ:SSD 256GB
無線通信:Wi-Fi 6

▼テスト結果

  • 基本性能        :9点/15点
  • 価格          :12点/15点
  • 映像          :12点/15点
  • 音声          :9点/10点
  • キーボード、タッチパッド:7点/10点
  • カメラ、マイク     :3点/5点
  • 外観、インターフェイス :13点/20点
  • サポート        :5点/10点
  • 合計          :70点/100点

2位はHP「Pavilion Aero 13-be0034AU」。本体の隅が鋭角に絞り込まれ、実際よりも薄く感じられるノートPC。重量も957gと軽量です。ディスプレイやキーボードなど、パソコンとしての性能や機能も上位に入ります。

【格安ノートPCおすすめ2位】HP「Pavilion Aero 13-be0034AU」 イメージ2

軽さが最大の特徴ですが、キーボードも打ちやすく、ディスプレイの評価も第2位。全体的に不足のないノートPCです。

第3位【格安ノートPCおすすめ3位】HP「ProBook x360 435 G8」

【格安ノートPCおすすめ3位】HP「ProBook x360 435 G8」 イメージ

HP
ProBook x360
435 G8
実勢価格:9万8700円

サイズ・重量:W308.5×D222.95×H17.95mm・約1.45kg
画面サイズ(解像度):13.3インチ(1920×1080)
CPU:Ryzen 5 5600U
メモリ容量:8GB
ストレージ:SSD 256GB
無線通信:Wi-Fi 5

▼テスト結果

  • 基本性能        :9点/15点
  • 価格          :14点/15点
  • 映像          :10点/15点
  • 音声          :8点/10点
  • キーボード、タッチパッド:5点/10点
  • カメラ、マイク     :3点/5点
  • 外観、インターフェイス :13点/20点
  • サポート        :5点/10点
  • 合計          :67点/100点

3位はHP「ProBook x360 435 G8」。画面が回転してノートPCからタブレットになる2in1ノートPC。持ち歩くには厚さと重量が問題になるものの、タブレットとして使えるのは非常に便利です。仕事では、資料を他人と見せながらプレゼンを行うといった使い方ができます。タッチペンを用意すれば、画面をメモ帳としても使えます。

第3位【格安ノートPCおすすめ3位】Acer Swift「3 SF314-511-WF58Y/S」

【格安ノートPCおすすめ3位】AcerSwift「3SF314-511-WF58Y/S」 イメージ

Acer
Swift 3
SF314-511-WF58Y/S
実勢価格:14万7800円

サイズ・重量:約W322.8×D212.2×H15.9mm・約1.3kg
画面サイズ(解像度):14インチ(1920×1080)
CPU:Core i5 1135G7
メモリ容量:8GB
ストレージ:SSD 512GB
無線通信:Wi-Fi 6

▼テスト結果

  • 基本性能        :9点/15点
  • 価格          :14点/15点
  • 映像          :9点/15点
  • 音声          :6点/10点
  • キーボード、タッチパッド:8点/10点
  • カメラ、マイク     :3点/5点
  • 外観、インターフェイス :13点/20点
  • サポート        :5点/10点
  • 合計          :67点/100点

同3位はAcer「Swift 3 SF314-511-WF58Y/S」。旧モデル「Swift 3 SF314-511-N58Y/S」のOSをWindows 11にアップグレードした最新モデル。性能や使いやすさに定評のあるノートPCで、検証でもその高い実力を確認できました。従来モデル並に価格が落ち着けば、本特集の条件に合う機種です。

パソコンおわりに

以上、格安ノートPCのおすすめランキング4選でした。

今回の検証で驚いたのは性能の高さではなく、機能性の充実。ただ性能の高いCPUを搭載しただけというノートPCは1台もなく、ディスプレイの性能やキーボードの使いやすさ、そしてその機種独特の特徴を備えていました。

Lenovo「IdeaPad Slim 550」HP「Pavilion Aero」はディスプレイとキーボードが優れており、一枚評価が落ちたとはいえ、Acer「Swift 3」のキーボードも上位2台に引けを取らないほど使いやすいものでした。HP「ProBook x360」は唯一の2in1として、他機種にない利便性があります。10万円以下といっても、使い勝手を追求し、実用性で満足できる「安くて良い」ノートPCが選べるようになっています。

紹介した機種以外から選ぶ場合も、ぜひノートパソコン選びの参考にしてください。

高橋亮 氏
PCライター
高橋亮 氏 のコメント

ノートPCは、最も目にするディスプレイと手で触れるキーボードの出来が良し悪しを左右します。そこを踏まえたうえで自分の使い方に合った機種を選びましょう。