スティック本体のゴミ捨てがいらない掃除機が登場!
2021年10月にパナソニックから発売されたスティック掃除機「MC-NS10K」。スティック本体のゴミ捨てが不要という画期的なシステムが話題となり、発売されてから約3カ月でも売り切れで入荷待ちの家電量販店が多かった人気商品です。
ネットの口コミでも評価が高い製品ですが、吸引力や使い勝手は本当にいいのでしょうか?
そこで、本音の家電ガイド『家電批評』が、掃除機としての実力と使い勝手、2つの視点で徹底検証しました。
家電の専門家と主婦ライターが使い勝手を徹底検証
今回お届けするのは「使い勝手」の検証結果です。
検証は、家電プロレビュアーの石井和美さんと主婦ライターの石原美紀子さんにご協力いただき、夫婦、小6男児と犬がいる家庭で実際に2週間使って掃除機としての使い勝手をチェックしてもらいました。
毎日家で使う掃除機としての使い勝手を検証しました。
それでは、検証結果をご覧ください。
革新的なデザインで大人気!パナソニック「MC-NS10K」
※画像はAmazonより
パナソニック
MC-NS10K
実勢価格:7万2600円
サイズ:[スティック]スティック時/W213×D130×H1030mm、本体/W54×D65×H540mm [クリーンドック]W134×D282×H417mm
重量:[スティック]スティック時/1.5kg、本体/0.8kg [クリーンドック]3.0kg
充電時間:約3時間
使用時間の目安:HIGH/約6分、AUTO/約10~15分
集じん容積:スティック/0.05L、クリーンドック/0.8L
パナソニック「MC-NS10K」は、最新のロボット掃除機と同様のシステムでクリーンドックが充電とゴミ捨てをしてくれるスティック掃除機。
まず、掃除し終えたスティック本体をセット。
すると、本体のフィルターケース内のゴミが吸気路を通ってクリーンドック内の紙パックに吸い込まれます。
どこに置いても違和感のないかっこよさで、その革新的なデザインも人気を集めています。
さて、ここからは、実際に使い倒してわかった、イマイチだったポイントと素晴らしかったポイントを紹介します。
【イマイチ】デザイン重視で使い勝手が犠牲になっている
主婦ライター石原さんの家で使用してもらったところ、「美しいデザインを優先した故に、使い勝手をいくつか犠牲にしているという印象」とのことでした。リアルに毎日の掃除で使うと、フィルターケースの小ささとノズルの使い勝手が気にかかり、メインとして使用するには難しそうです。
まずは、パナソニック「MC-NS10K」のイマイチだったポイントをご覧ください。
大きめのゴミはフィルターケースに残ってしまう
チョコの小袋などは吸い取ったものの、吸気路に入らずフィルターケースに残りました。
菓子の袋など大きめのゴミは手で拾う必要があります。
充電中のランプが裏側で見にくい
充電中は電池残量表示ランプが青く明減します。
ただし、この向きで収納すると表からは見えません。掃除機が微妙にズレていて充電できていなくても、わからないのは不親切です。
ハンドルに突起などがなく持ちにくい
ハンドルが滑って握りにくく、フローリングなどを掃除すると肩に余計な力が入って微妙に疲れます。ハンドルに突起を付けてくれればだいぶ持ちやすかったはず。
床用ノズルはフローリングだと特に滑ってブラシの方向性も定まりにくいです。
ソファの下などに入れると先が浮いてスイッチが切れる
床用ノズルをソファ下に入れると、ブラシの先が浮いてアイドリングオフになり、スイッチが切れます。
持ち手をひねって椅子の下に入れれば、ブラシの先が床に密着したままになりスイッチは切れません。
運転切り替えスイッチ2秒押しでアイドリングオフが働かないように設定できますが、切り替えが面倒です。
床用ノズルの構造上、すみのゴミは吸いにくい
床用ノズルで部屋のすみを掃除しても、ゴミは残ったまま。
ノズルを裏返してみると、両端の幅が広いため、壁際や部屋のすみのゴミは吸いにくく、残ってしまうようです。
付属の隙間用ノズルが収納できない
「すき間用ノズル」が付属しますが、本体にもクリーンドックにも収納するスペースがないので紛失しそうなのがネック。
本体に付けるとかっこ悪い点もイマイチです。
【素晴らしい】セカンド機としての使い勝手は抜群
イマイチな点が多かったパナソニック「MC-NS10K」ですが、ホコリが気になったり子どもが散らかしたりしたときのちょっとした掃除に、さっと取り出せるのは便利。ロボット掃除機のセカンド機としての使い勝手は抜群でした。
ルンバ+気になったときMC-NS10Kでいつもキレイです。
ここからは、パナソニック「MC-NS10K」の素晴らしかったポイントを見ていきましょう。
想像以上に軽くてラクちん
クリーンドックにスティックをセットすれば、充電とゴミ捨てが一度にできます。本体にダストボックスがないので軽く、「掃除機本体からダストボックスを出してゴミ箱の上で開けてゴミ捨て」をしなくていいのは本当にラクちんです。
ゴミ捨てで手が汚れない
フィルターケース内のゴミは、クリーンドック内の紙パック内に集められます。交換ランプが赤に点滅したら、紙パックを捨てて付け替えるだけでOKです。ちなみに、パナソニック「MC-NS10K」を使った2週間では1回もゴミ捨てをしませんでした。
ゴミ捨ての際のホコリの飛び散りがなく素晴らしいです。
ブラシにペットの毛がまったく絡まない
大型犬2頭飼いの石原さんが普段使用している掃除機は、絡まったペットの毛をハサミで切って取らないといけません。
一方、パナソニック「MC-NS10K」は2週間使い倒してもブラシにはまったく犬の毛が絡んでいませんでした。
「まさか毛を吸っていないのでは?」と紙パックをのぞくと、そこには犬の毛がどっさり。きちんと吸うのに絡まないブラシは、ペットと暮らす家庭には最適です。
コンパクトだから狭いところにもスッと入る
デスクの脚とパソコンのケースが入り組んだ奥もサクサク掃除ができました。
短毛カーペットなら滑りがちょうどいい
床用ノズルは長毛のカーペットではやや引っかかり、フローリングでは滑りすぎますが、短毛のカーペットなら適度な手応えでまったく疲れません。
部屋にもしっくりなじむデザイン
白一色で置く場所を選ばないデザインも魅力。ソファやテレビの横など、リビングのどこにクリーンドックを置いても違和感がありません。
壁に立てかけられる
自立はしませんが、壁に立てかけられるので掃除の合間の一時停止に便利です。
【まとめ】発想はいいけどあくまでもフォロー用の掃除機
今回の検証では、ダストボックスレスは素晴らしいですが、メイン掃除機として使用するには使い勝手がイマイチという結果となりました。
フル充電でも駆動時間が最高15分程度で、ゴミを一時的にためるフィルターケースの容量が0.05L程度のパナソニック「MC-NS10K」は、「がっつり」ではなく「毎日のこまめな掃除」を念頭に置いたもの。
メインのロボット掃除機やキャニスター型掃除機を持っていて犬や猫などのペットと暮らしている人が、ロボット掃除機をフォローする掃除機として買うなら断然アリだと思います。
「光る部分もあるのに惜しい!」が正直な感想です。
もう少し使い勝手がよくなれば超オススメの掃除機です。
以上、パナソニック「MC-NS10K」の使い心地の検証結果でした。
次回は、静音性や吸引力など性能テストの結果を紹介します。ぜひ、チェックしてみてください。
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