蘇生処理で見た目だけは復活!逃げた栄養素は戻りません
陳列されているレタスやホウレンソウは「新鮮そう」に感じます。実は、これらは陳列前に水をかけたり、冷水につけてシャキッとさせたりしてから陳列されています。これを「蘇生処理」といいます。
通常、野菜は輸送されている間も呼吸しているため、水分を蒸散させて熱を発し、どんどん傷んでしまっています。同時に、栄養素も減少しているんです。そのため、お店についた頃にはしなしなになっていることが珍しくありません。当然、そのまま陳列できないので、スーパーでは、蘇生庫に入れて熱を冷ましたり、冷水に浸けたりすることで葉っぱを元気にさせているのです。
蘇生処理により見た目は良くなっても、残念ながら逃げてしまった栄養素は戻りません。「鮮度が戻った」と思うのは間違いです。
蘇生庫とはいきませんが、葉物野菜を水につけたり、冷蔵庫で冷やすといった簡単なことなら自宅でもできますよね。シャキシャキ感が欲しい! という場合には効果的なので、お試しになってみてはいかがでしょうか。
葉物野菜はみんな蘇生処理をしているの?
すべての野菜が蘇生処理されているわけではありません。袋入りの野菜は処理していない可能性があります。なかでも、産地名入りの野菜袋に入れて販売されているものは、入荷前にラッピングされているため、蘇生処理されていないものがほとんどです。
※写真はイメージです。
蘇生処理がされていない野菜は、劣化しているように思えますが、そうとは限りません。地元の野菜なら移動時間が短いので、蘇生処理をしなくても劣化が少ないのです。
栄養を重視したいなら迷わず地元野菜を
野菜は栄養を重視! であれば、見た目に騙されてはいけません。見た目イマイチな感じでも、遠方から輸送されてくる野菜より、移動時間の少ない地元の野菜を選んだほうが間違いありません。上述の通り、輸送途中で逃げてしまった栄養素は、蘇生処理をしても戻りません。移動時間が長いほど栄養素のロスが多くなるので、圧倒的に地元野菜のほうが有利です。
地元の野菜は、直売所やスーパーの地元野菜コーナーなどで購入できます。直売所の中には、地元の生産者が採れたてを直接出荷している場合があります。収穫当日の地元野菜を購入できるのですから、利用しないともったいない! また、お店で農家の方に出会ったら、商品の選び方や食べ方などを教えていただくチャンスです。
スーパーでは野菜がラッピングされていなかったり、ラッピングされていても産地がプリントされていなかったりして、産地がパッと見ではわからないことがあるかもしれません。その場合、陳列棚に価格と共に産地が表示されていることが多いと思いますので、しっかり産地をチェックして地元野菜を選びましょう。
地元の新鮮な野菜を購入したら、味と栄養素を損なわないためにもなるべく早くお召し上がり下さいね。