生活がラクになる!"ヒット家電"は買っても良い?
コロナウイルスの影響で日常が大きく変わりました。「もっとこうしたい」「ここがラクになれば」といった新しいニーズに応えるさまざまな“ヒット家電”が生まれています。そこで、生活をラクにするそんなアイテムを本当に買っていいのか、テストとプロの目線でジャッジしました。
今回は、M1が搭載された「Mac Book Pro」「Mac Book Air」「Mac mini」に注目。売れている理由や、使い込んだ編集部員による比較レビューをお届けします。
M1搭載のMac3機種「Pro・Air・mini」はどう違う?
まずは、3機種それぞれの特徴や違いをご説明しましょう。
Mac Book Pro(13-inch, M1, 2020)
Apple
Mac Book Pro
(13-inch, M1, 2020)
実勢価格:14万8280円
サイズ・重量:W304.1×D212.4×H15.6mm・1.4kg
外部ディスプレイ:1台
Mac Book Proは、基本性能はAirと同じです。しかし冷却ファンを搭載しているので、最大パフォーマンスをより持続しやすいのが特徴です。
タッチ式のファンクションキーで、バッテリー駆動時間はAirより長い20時間。輝度はAirの2倍アップします。
Mac Book Air(M1,2020)
Apple
Mac Book Air
(M1,2020)
実勢価格:11万5280円
サイズ・重量:W304.1×D212.4×H4.1-16.1mm・1.29kg
ストレージ:256GB
外部ディスプレイ:1台
従来のMac Book Airは薄型化軽量化のため、CPU周りでProと差が大きかったのですが、M1版ではProとほぼ同じ性能を獲得しました。
Proよりも110g軽く、ファンレスなので静か。また、写真のゴールドカラーはAirだけの限定色です。
Mac mini(M1,2020)
Apple
Mac mini
(M1,2020)
実勢価格:7万9800円
サイズ・重量:W197×D197×H36mm1.2kg
ストレージ:256GB
外部ディスプレイ:最大2台のディスプレイ
Mac miniは、ディスプレイもキーボードもマウスも別売なのでこんなに低価格。
M1 Mac3機種の中ではポート類が一番充実していて、コスパは極めて高いです。なお、厚みは3.6cm、縦横は20cmです。
3機種で大きく違うのはポートです
Pro、Air、miniで大きく違うのはポートの数。Thunderbolt 3は全機種2ポートずつありますが、HDMI、USB-Aはminiにしか搭載されていません。
低価格でも高性能!"M1搭載"ってどういうこと?
従来のMacはウィンドウズPCと同じくインテルのチップを採用してきました。一方、今回ご紹介している3機種に搭載されているM1チップはiPhoneのチップから発展したため、消費電力が少なく高効率です。
その特性はMacBook Airのような薄型のPCには最適。さらにApple自社設計によるコスト効果もあり、M1 Macは低価格でも高性能なマシンに仕上がっています。
M1チップと従来のインテルチップの特徴は以下のとおりです。
M1チップの特徴
▼優れているところ
・低消費電力
・Macに最適な機能を搭載できる
・iPhoneアプリも動かせる
▼不向きなところ
・メモリや拡張端子に制限
・Windows10を動かせない
従来のインテルチップの特徴
▼優れているところ
・32GB以上のメモリもつめる
・USBなど拡張端子を増やす設計が容易にできる
・Windowsも動作する
▼不向きなところ
・Intelの戦略に左右される
・消費電力はM1に劣る
売れ筋ランキングを席巻!"M1 Mac"が売れている理由って?
量販店の売れ行きを集計しているBCNのデータでは、国内メーカーの低価格モデルを押しのけてMac miniやAirがたびたび1位を獲得しています。
ここからは、テストでわかったヒットの理由をお伝えしていきましょう。
ヒットの理由1:10万円台前半で買えるコスパの良さ
M1化された3機種は、性能がインテル時代より大幅に上がっているにもかかわらず価格は同等(miniは最安モデルが値下げ)。上位モデルでも20万円を切っていて、コスパは抜群です。
ヒットの理由2:性能だってトップクラス
上記のスコアはGeekbenchでの、シングルコア(棒グラフ赤色)、マルチコア(棒グラフ黄色)それぞれのベンチマーク結果。M1チップはシングル性能が高めでした。
M1のベンチマークスコアは30万円もする27インチiMacの上位モデル(Intel Core i9)にも匹敵するほど。10万円前後で買えるパソコンとしては、文句のつけようがありません。
ヒットの理由3:MacBookのバッテリー持ちのよさ
▼YouTubeの連続再生の比較
旧型Air:約3時間
新型Air:約7時間
M1チップのCPUは消費電力が大きい高性能CPUコアをと消費電力が少ない高効率CPUコアで構成されています。
Webブラウズなど負荷の低い作業では高効率コアが優先的に動くため、15時間という公称駆動時間に近いバッテリー持ちを実感でき、テレワークが本当にはかどります。
編集部員がレポート!最新Macは仕事効率に役立つ?
『家電批評』の編集部員がちょうどパソコンのリプレイスを検討していたこともあり、Mac miniとMac Book Proを発売直後の2020年11月に購入しました。
そこで、編集部員がM1 Macを実際に5ヶ月使い込んだ検証レポートをご覧ください。
【買ってすぐ】スリープ復帰の爆速さに感動!
購入したMac miniとMac Book Proは、いずれも16GBメモリ、512GB SSD搭載モデルです。用途は雑誌『家電批評』の作成のため。
動作が重たいアドビのIndesign(誌面レイアウト用ソフト)を快適に動かせるか半信半疑でした.
でも、使いはじめてまず実感したのが起動やスリープからの復帰の速さ。Mac Book Prを開くと瞬時に、スリープから復帰することに感動しました。
【使用2カ月目】フリーズに悩むも解決
Indesignなど高負荷な作業でも、ファンが回らず非常に静か。これまで使ってきたインテル版のMac Book Proはすぐにファンが回ってうるさく感じる場面も多々あったので、大違いです。
一方、トラブルにも遭遇。インテル版のMacからアプリやデータを引き継いで使用していましたが、キーボード用のユーティリティが悪さをして、頻繁にフリーズする現象に見舞われました。
【使用4カ月目】故障でバックアップの大切さを痛感
Mac Book Proが基盤と電源ボタンの故障で起動できなくなり、修理にだすことに。
M1のMacはOS起動の内部手順がインテル版と異なるため、電源ボタンが故障するとデータをサルベージできないのですが、バックアップを怠っていたためデータが消失する羽目に……。
こうしたトラブルもありましたが、登場時に比べM1に最適化されたアプリも増え、現在では実に快適かつ安定的に稼働しています!
【まとめ】現時点では「Air」と「mini」がオススメ
さいごに、M1搭載のMac3機種のよかった点と残念だった点をまとめてみました。
【Mac mini】即買いして良い傑作品!
【総合評価】S
▼よかった点
・HDMIとUSB-A端子搭載で、デスクトップPCとして最低限の拡張性を確保
・7万円台からと低価格とは思えない高性能
▼残念だった点
・USB-Cポートが2つに減少
・64GBメモリが選べない
【Mac Book Air】即ポチOK!
【総合評価】S
▼よかった点
・AirなのにProとほぼ同等のパフォーマンス
・打ち心地のいいキーボード
・ファンレス仕様なので無音
・M1 Macでは一番軽量!
▼残念だった点
・トラックパッドが小さい
・ややディスプレイ輝度が低い
【Mac Pro】拡張性の低さは要検討
【総合評価】B+
▼よかった点
・高輝度、高解像度なモニタ
・長時間稼働するバッテリー
・トラックパッドが大きいため操作性はAirより上
▼残念だった点
・高性能だが性能はAirに近い
・外部端子2つ、外付けディスプレイ1台対応でProと言える?
以上、M1搭載のMac3機種の検証レポートでした。
あまりのコスパの良さに2台自腹で買っちゃいました!