乾燥対策に必須の加湿器 何を求めるかで選び方が変わります
季節の変わり目や冬の寒い時期、部屋の中の空気は思っている以上に乾燥しています。肌がガサガサになったり、ノドが痛くなったりするのはそのせい。よって、毎年早め早めの対策が必要です。そんな乾燥対策に欠かせないのが、「加湿器」です。
しかし、加湿器にもいろいろな種類があって、どれにしたらいいか迷いますよね。部屋の広さや何を重視するかで選び方も変わってきます。
そこで今回は、さまざまなメーカーの加湿器20台を集めて徹底比較することに。テストの結果は、総合と「清潔度」、「加湿性能(5畳以下・8畳以上)」、「使い勝手」、「電気代の安さ」、「静音性」の5つの項目別にランキングで発表します。
今回は、「清潔度の高さで選ぶ加湿器おすすめ4選」をお届けします。
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それでは、テスト方法について詳しくご紹介します。
タンク内&蒸気の菌を調べて 加湿器20台の清潔度をテスト
検証するのは、寝室に置き睡眠中の無防備なノドと肌を守るのに最適な5畳以下対応の8製品と、リビングに置いて日中の乾燥を潤すのに最適な8畳以上対応の12製品の全20台。これらを4つのタイプに分別してテストを行います。(畳数は木造和室の場合)。
▼テストした20製品はこちら
[加熱式]
・アイリスオーヤマ KSHM-260RA
・山善 KS1-A084
・象印マホービン EE-DA50
・三菱重工 roomist SHE60SD
・東芝 KA-X60
[気化式]
・Panasonic FE-KFS03
・SHARP HV-J30
・Panasonic FE-KXS07
・バルミューダ Rain
・KOIZUMI KHM-5592
[超音波式]
・スリーアップ HF-T1952WH
・アイリスオーヤマ KUHM-280B
・ダイソン Pure Humidify +Cool
・cado STEM630i
・TaoTronics TT-AH025
[ハイブリッド式]
・APIX AHD-160
・ダイニチ HD-3019
・SHARP HV-J75
・CORONA UF-H5019R
・maxzen KSH-MX601
今回は「清潔度」に着目してテスト。菌が加湿器内で増えるとそれがミストとともに拡散され、病気などになる可能性があるため、清潔さはとっても重要です。そこで、タンク内&蒸気に含まれる菌を調査して、どのタイプの加湿器が清潔度が高いかを見極めました。
検証では、まず加湿方式別に1台ずつ製品を選び、同じ条件の部屋で1週間連続で稼働させました。その後にタンク内の水とミストを採取し、それを専門機関に持ち込み菌(細菌と真菌)を培養させ、発生したの数を測定しました。
テストの結果は、4つのタイプ別に発表します。さて、どのタイプの加湿器がもっとも清潔だったのでしょうか。早速、結果を発表します!
※以下掲載する菌の画像は、採取した水を一定条件下で培養させた結果のものです。
[加熱式]1週間使っても菌はなし 4タイプの中では一番清潔です
▼テストした製品
山善
KS1-A084
実勢価格:2980円
サイズ:W12xD21.5×H20cm
重量:約0.9kg
タンク容量:0.8リットル
対応畳数:5畳以下
加熱式でもっとも優秀だったのは、山善「KS1-A084」。やはり煮沸されるからか、1週間使用しても菌の発生がなかった加熱式が一番清潔に使えると言えるでしょう。もっとも「絶対」はないので、マメな手入れは怠らないようにしておきたいです。
▼テスト結果
細菌 蒸気:◎
▼テスト結果
細菌 タンク内:◎
▼テスト結果
真菌 蒸気:◎
▼テスト結果
真菌 タンク内:◎
蒸気にもタンク内にも細菌、真菌は存在しませんでした。
[気化式]ミストにわずかに菌発生 フィルター部分で繁殖する可能性が
▼テストした製品
Panasonic
FE-KFS03
実勢価格:1万3720円
サイズ:W29.5×D30.5×H19cm
重量:3.1kg
タンク容量:2.1リットル
対応畳数:5畳以下
気化式のPanasonic「FE-KFS03」は、フィルター部分で菌が繁殖する可能性があります。今回の検証でも菌の姿がありました。一方タンクは、使用した製品が空気中の菌と触れづらい密閉できるタイプを採用しているたため、菌は発生しませんでした。
▼テスト結果
細菌 蒸気:△
▼テスト結果
細菌 タンク内:◎
▼テスト結果
真菌 蒸気:△
▼テスト結果
真菌 タンク内:◎
タンク内は清潔でしたが、ミストには細菌と真菌が発生しました。
[超音波式]ミスト内に菌が発生! 1週間で驚くほど菌が増えます
▼テストした製品
スリーアップ
HF-T1952WH
実勢価格:5585円
サイズ:直径20.1×高さ22.7cm
重量:1.1kg
タンク容量:2リットル
対応畳数:8畳以上
超音波式でテストしたのはスリーアップ「HF-T1952W」。一般的に菌が発生しやすいとされる超音波式の加湿器。残念ながら検証の結果、振動部分が濡れているから発生しやすいことが改めて示されることに。使用する際は徹底的な手入れを日課にした方がいいです。
▼テスト結果
細菌 蒸気:×
▼テスト結果
細菌 タンク内:×
▼テスト結果
真菌 蒸気:×
▼テスト結果
真菌 タンク内:◎
ミスト内にも細菌も真菌も発生! 唯一、タンク内のみ真菌が発生しませんでした。1週間でこんなに発生するなんて、驚きです。
[ハイブリッド式]発生量は2番目 加熱温度が低いのが原因です
▼テストした製品
APIX
AHD-160
実勢価格:8720円
サイズ:W30×D19×H23cm
重量:1.9kg
タンク容量:3.5リットル(加熱超音波式)
対応畳数:8畳以上
今回使用したのは、APIX「AHD-160」。加熱超音波式のタイプは加熱で殺菌されるものと思いきや、菌が大量発生。どうやら温度が加熱式と比べて低かったのが原因のようです。
▼テスト結果
細菌 蒸気:×
▼テスト結果
細菌 タンク内:△
▼テスト結果
真菌 蒸気:×
▼テスト結果
真菌 タンク内:◎
超音波式に次いで菌が多く発生しました。このミストは遠慮したいです…。
[まとめ]4タイプの中で 一番清潔に使えるのは加熱式でした
検証でわかったのは、加湿方式によって発生する菌の数が違うということ。一般的に「加熱式は発生しづらい」「超音波式は発生しやすい」とされていますが、その真偽も含め検証を行ったところ、その通りの結果に。
今回のテスト結果をまとめてみました。
・加熱式
高温で煮沸されるため菌が発生しづらいです。構造上、密閉できるタイプのタンクである製品が多く、そもそも菌の入りこみも少ないです。
・気化式
フィルターを濡れたまま放置しておくと菌が発生し、それがミストに混ざる恐れがあります。こまめな手入れが必要と言えるでしょう。しかし、dysonのように製品に紫外線による菌を抑えるが搭載されているものもあるので、あくまで傾向程度にとどめておきましょう。
・超音波式
超音波を発生させるためのパーツに菌が発生します。またタンクが本体と一体型の製品の場合だと、タンクにも菌が発生します。
・ハイブリッド式
加熱により菌が死滅すると思いきや、温度が加熱式と比べ控えめなためか、加熱超音波式だと菌が発生してしまうことに。
以上、清潔度の高さで選ぶ加湿器おすすめ4選でした。テストの結果判明したのは、「加熱式でタンクが密閉できる製品」がもっとも優秀だということ。さらに、タンクがキャップで密閉され空気に触れないものを選ぶのがベストです。
やはり加熱式が菌を抑えるなら一番と言えます。