アウトドアナイフとは?
アウトドアナイフは「キャンプナイフ」とも呼ばれるギアで、主にキャンプや登山で使われます。
キャンプナイフの主な用途は、魚を捌く、肉や野菜を切るといった調理目的から、薪の表面を削ってフェザースティック(自然の着火剤)を作るなど多岐に渡ります。
最近では、「ブッシュクラフトナイフ」と呼ばれるタイプのナイフで、太い薪を細く割る「バトニング」を行ったり、それを使って焚き火をおこし料理を行ったりなどといった「ブッシュクラフト」というアウトドアスタイルが密かにブームになっているほど!
その他にも、無人島で生き残るための作業を想定したサバイバルナイフ、ドライバーやペンチなどといったナイフ以外の機能も兼ね備えたスイスアーミーナイフと呼ばれる類のツールナイフもあります。
各部の名称を覚えておこう
ナイフを選ぶ上で、各部の名称を知っておくと非常に便利です。まずは下の図で、どの部分を何と呼ぶか、頭に入れておいてください。
シースナイフの部位名称
フォールディングナイフの部位名称
ナイフにはどんな種類がある?
アウトドアナイフにはさまざまな種類があります。ある程度の基礎知識を頭に入れておかないと自分の目的に合ったものを選ぶことができません。
そこで、まずナイフの種類について、今回の監修を依頼した、アウトドアイベントも多く手掛けるキャンプの達人・義村貞純氏に解説してもらいました。
アウトドアナイフは大分類でシースナイフ(フィクスドナイフ)とフォールディングナイフ、そしてマルチツールの3種類に分かれます。それぞれどんなものか詳しく見て行きましょう。
種類1:シースナイフ(フィクスドナイフ)
刃とハンドル(柄)が固定されていて、未使用時にはシース(鞘)に収納しておくタイプのナイフです。
全体に丈夫で耐久性に優れているのが特徴ですが、刃の鋼材がハンドルの末端にまでに入れられているものは「フルタング」と呼ばれ、とくに頑丈です。バトニングなどをメインで使いたいのならこのフルタングを選ぶことをおすすめします。
種類2:フォールディングナイフ
折り畳み式で、刃をハンドルに収納できるナイフです。シースナイフに比べて丈夫さでは劣りますが、コンパクトで持ち歩きやすく、シースを無くす心配がないのがメリットです。
大きな獲物を捌くとか、薪を割るバトニングをしたり、枝を打ったりといったことをしないのであれば、ポケットに入れられるフォールディングナイフが便利です。フィクスドナイフを持ち歩くには装着するベルトが必須。キャンプの時ベルトをしているならいいですけど、最近ではベルトが「できない」服でキャンプすることも多いんじゃないでしょうか?
種類3:マルチツール
ナイフ以外に栓抜きやハサミ、缶切りなどさまざまな機能が一体化したツールです。十徳ナイフやアーミーナイフなどと呼ばれることもあります。さらに下記のような機能を備えたものも。
・ドライバー、ペンチ、ノコギリ、やすり
・ホイッスル、ライト
ツールの組み合わせや数はさまざまで、多種多様なマルチツールが発売されています。いざというときに役立つので、ぜひとも一つは持っておきたいツールです。ただしナイフ単体の使い勝手ではシースナイフやフォールディングナイフにはかないません。
オートキャンプで大活躍するのがこのタイプ。花見などのイベントや日常生活でも便利ですが、不要に所持していると銃刀法に抵触する可能性があるので、僕はナイフの刃を落としたバージョンを携帯しています(が、ハサミがついていると駄目だったりもする場合も…)。ちなみに、アーミーナイフというと軍用ナイフ(陸軍ナイフ?)という意味ですが、軍用ナイフは、タクティカルナイフと言います。今回は紹介できませんが、ペンチがついたレザーマンなども有名です。
用途別に最適な刃の角度があるの?
続いて頭に入れておきたいのが「グラインド(刃付け)」です。この形によって、そのナイフがどんな作業に向いているか、どの範囲を研ぐか、が決まってきます。
まずは下記の4つの形をご覧ください。こちらはナイフの刃を正面から見た図で、赤線の部分が刃付け、つまり物を切る部分になります。
代表的なグラインド(刃付け)の種類
タイプ1:スカンジグラインド
ブレードの中ほどから幅広く刃が付けられており、研ぐ角度を決めやすいので、比較的研ぎやすいタイプだと言えます。また耐久性に長けているのでバドニングも可能です。
北欧ナイフに多いグラインドです。モーラナイフなどが有名。刃が鈍ってきたら、ベタッと砥石にグライドを押し付けて砥げるので、あまり刃の角度を気にしないで研げるのが初心者向きと言われていますが、実際は「砥ぐのが好きな人向き」かな、と思います。鋼材の硬さにもよりますが、気をつけないと、次に紹介する鈍角のフラットグラインドになってしまい、砥石の平面性を出すなど、意外に砥ぐのに気を使うグラインドだと感じています。
タイプ2:フラットグラインド
ブレードの側面が平らになっており、先端1mmほどに刃が付けられている両刃包丁のようなグラインド。ブレードが厚めの物は丈夫で多少乱暴な使い方でも耐えられる作り。逆にブレードが薄い物は調理に適しています。
スカンジグラインドに比べると、砥ぐ面積が少なくて済むので、砥ぐのは楽です。砥いで刃先が減ってくると、鋭角にするために、フラット面とグラインドの肩部分、もしくはフラット面を砥ぐ必要が出てきてしまいます。
タイプ3:ホローグラインド
ブレード側面が凹状になっていて、先端1mmほどに刃が付けられているのがホローグラインド。くびれのおかげで比較的で軽量で、シャープな切り口。調理にも向いています。
また研ぎ減っても先端を鋭利なままに保つことが可能。ただし強度はスカンジに比べて若干劣ります。
フラットグラインドと比べると、研ぎ減りしても、刃厚が薄いので、鋭角な刃を維持しやすいのがホローグラインドです。反面、刃先部分が薄くなっているので、ブレードに衝撃を加えるようなバドニングやチョッピングなどの用途にはあまり向きません。作る側から考えると、ホローにするために工程が増えているので、若干高価なナイフや昔のナイフに多いような印象です。
タイプ4:コンベックスグラインド
ハマグリ刃とも呼ばれるグラインド。やや丸みを帯びながら刃の先端に向かって行く形状で、切り開く力に優れ、耐久性も高いためバドニングなどにも向いています。斧などにもよく見られるグラインドです。
最近流行りのブッシュクラフトなどに適した、斧のような刃付けです。一見、砥ぐのは簡単なように見えますが、これがなかなか難しい!ただ刃先まで厚みがあるので、丈夫だと言われています。初心者は、あまり高級な硬度が高い鋼材ではなくって、研ぎやすいと言われる鋼材を選んだほうがいいかもしれません。
ナイフの素材はどんなものがある?
ナイフの素材にはさまざまな鋼材が使われますが、主なものとしてはステンレスとカーボンスチールの2種類があります。
素材1:ステンレス
サビに強く研ぎやすい素材です。メンテナンスが楽なのでどちらかと言えば初心者におすすめです。
素材2:カーボンスチール
ステンレスより切れ味で勝るのがカーボンスチールです。研ぎやすいメリットの反面、サビやすいというデメリットがあります。
刃物に要求される性能は、切れ味よく、その切れ味が長持ちし、刃こぼれしにくく、研ぎやすく、錆びないことです。特に理由がないのであれば、ステンレスのほうが錆びにくいのでよいと思いますが、炭素鋼に比べると、良い砥石が無いと研ぎにくい傾向があります。現在は、さらに進んで「粉末合金」という素晴らしい切れ味の鋼材もあります。ですが、高級鋼材のナイフを買うのであれば、砥ぐのに1~2万円ぐらいは砥石に費やすぐらいの覚悟が必要になります。最初はオーソドックスな鋼材で初めてみるほうがよいかと思いますよ。生産国も、近年は中華製の鋼材も大分良くなってきた印象ですが、当たり外れがあるように感じます。日本製、アメリカ製、台湾製、北欧あたりが無難で高性能です。個人的には、安かろう、悪かろうで、高いナイフを買うのではなく、まずは安いナイフを購入して、研ぎを練習したほうが幸せになれる気がしています。
アウトドアナイフの注意点とは?
さて、ナイフを持参する際は、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)についても熟知しておかなければなりません。
銃砲刀剣類所持等取締法では、「刃渡りが6cmを超えるものを正当な理由なしに所持してはいけない」ことになっています。護身目的も正当とは認められないため、移動時には十分な注意が必要です。
ナイフを持参する場合は、腰にぶら下げるなど本体を裸で持ち歩くことはせず、バッグなどに入れて厳重に保管し、移動時点で使用する意思がないことがはっきりとわかるようにする必要があります。
なお6cm以下でも軽犯罪法に触れる恐れがあるので注意してください。
アウトドアナイフ21製品を徹底比較
それでは、以上のポイントを紹介したところで、アウトドアナイフのランキングを発表します。
ランキングはフォールディングナイフ、シースナイフ(フィクスドナイフ)、マルチツールの3つに分けて紹介します。なお、採点基準は以下の通りです。
検証1:使い勝手(配点40点)
今回はアウトドアナイフを始めて購入する方を想定して、ハンドルは握りやすいか、実際に物を切りやすいかどうかといった「使い勝手」全体、そして防錆性や耐久性をチェック。
またブレードが折りたたみ式のフォールディングナイフの場合は、使用中にブレードがグラつかないなどのロック精度も調べました。
さらに調理やフェザースティック作りなど1本でさまざまな作業ができるかどうかといった汎用性も採点ポイントに加えました。
検証2:切れ味(配点40点)
ナイフの切れ味はどうか、刃持ち(耐摩耗性)はどうかをチェックしました。刃持ちに関してはブレードに使われている鋼材の質の良し悪しで変わってきます。このポイントでは、メーカー発表のスペック、並びに義村氏の使用感を総合して、採点を行いました。
検証3:コスパ(配点20点)
価格に対して、ブレードの鋼材やハンドルの素材、また全体の作りや工作精度が釣り合っているかどうかをチェックしました。
価格の高い安いは、使われている素材によるところが大きいのですが、安価のものはコストを抑えるためにグリップがプラスチック製だったりするのに対し、高価なものには特殊なグラスファイバーなどが採用されています。
今回の製品では、そうした素材だけではなく、性能面でもコスパに優れているかどうかをチェックしました。
シースナイフのおすすめランキング14選
それでは、気になるランキングを見ていきましょう。
まずは、「シースナイフ」14製品のおすすめランキングを紹介します。
おすすめは海水でも錆びない「ニューサビナイフ 1」
※画像は楽天より
G・サカイ
ニューサビナイフ 1
キャンプミニ包丁 直刃
実勢価格:9680円
サイズ:全長20.3cm/ブレード9.2cm
重量:約89g
ブレード:H-1鋼
ハンドル:FRN(ガラス繊維強化ナイロン)ザイテル
▼採点結果
- 使い勝手: 39/40点
- 切れ味: 37/40点
- コスパ: 20/20点
- 合計: 96/100点
シースナイフ編第1位のG・サカイ「ニューサビナイフ 1」は、海水でも錆びないH-1鋼を使用した包丁型キャンプナイフです。海釣りで使用しても殆ど錆びる事がなく、海釣りはもちろん、山キャンプや家庭でも使えます。
ハンドルには水分による腐食に強いザイテルを使用。手に馴染むグリップスタイルで初心者でも使いやすいのが特徴です。またシースは衝撃に強い強化ナイロン製。ベルトに取り付けられ角度を自由調整できます。
ワンタッチで取り外しが出来るベルトクリップも付属で機能性抜群です。
キャンプナイフとして、このナイフを一番にオススメします。というか、ナイフの形状(ブレードの厚みや大きさ、素材などなど)は、ナイフメーカーが考えて使いやすいようにデザインされています。モデル名にキャンプと銘打っているモデルはキャンプ用途なのは当たり前といえば当たり前ですが。 このナイフのH-1鋼は本当に錆びない。高級鋼材と比べると切れ味と刃持ちが若干劣りますが、それでも充分な性能です。特に海でキャンプする場合にはオススメです。また、横からみた刃のデザインが包丁のようになっているので、まな板と併用してもちゃんと平面で刃先が当たるので、野菜などのカットもしやすいデザインと言えます。ただ刃厚がそれほどないので、バトニングやチョッピングは、鉈や斧にまかせたほうがいいかもしれません。
汎用性と総合力に優れた「リアルスチール」
Real Steel
リアルスチール ブッシュクラフト プラス コンベックスグラインド
実勢価格:10480円
サイズ:全長24cm/ブレード11.3cm
重量:約195g
ブレード:14C28N鋼
ハンドル:G10
▼採点結果
- 使い勝手: 38/40点
- 切れ味: 38/40点
- コスパ: 19/20点
- 合計: 95/100点
2位はReal Steel「リアルスチール ブッシュクラフト プラス コンベックスグラインド」。2013年からの新興メーカーが発売する大人気のブッシュクラフトナイフです。
食い込みの良いコンベックスグラインドで、フルタング構造なので耐久性も抜群。比較的切れ味も鋭いので汎用性と総合力に長けたナイフだと言えます。
付属の専用シースはカイデックスシースとナイロンの2重構造。中身のカイデックスシースの向きを変えることが可能です。
コストパフォーマンスに優れたナイフメーカーのリアルスチール。コンベックスグラインドで、オーソドックスなデザインのモデルです。結構気に入ってしまって、サイズ違い、スカンジグラインドと同メーカーの3つのモデルを購入していますが、僕はやや大振りなモデルのほうがキャンプには食材を切るのにも、バトニングするのにも使い勝手が良かったです。
頑丈でバトニングにも向いた「ガーバーグ レザーシース 12635」
モーラナイフ(MORAKNIV)
ガーバーグ レザーシース 12635
実勢価格:1万2650円
サイズ:全長約22.9cm/刃長約10.9cm
重量:約170g(ナイフのみ)
ブレード:ステンレススチール
ハンドル:ポリアミド
シース:レザー
▼採点結果
- 使い勝手: 38/40点
- 切れ味: 37/40点
- コスパ: 19/20点
- 合計: 94/100点
3位はモーラナイフ「ガーバーグ レザーシース 12635」。フルタング構造のシースナイフです。刃厚が約3.2mmあり、頑丈な作りでバトニングに使用する人も多いモデルです。
またハンドルエンドで木の皮を削ったり、メタルマッチを擦ったりすることも可能。汎用性の高いモデルだと言えます。
これよりも安いモーラナイフでもバトニングできないこともないけれど、バトニングやるならば定番中の定番なモデルのひとつですね。モーラナイフは、シースとかハンドルグリップとかは見た目高級感はないものの、実用上はとても使いやすい素材を使っていると思います。
4位: コスパ抜群の「Companion Heavy Duty Black」
モーラナイフ(Morakniv)
Companion Heavy Duty Black
実勢価格:2860円
サイズ:全長約22.4cm/刃長約10.4cm
重量:104g
ブレード:ステンレススチール
ハンドル:ラバー
▼採点結果
- 使い勝手: 37/40点
- 切れ味: 36/40点
- コスパ: 20/20点
- 合計: 93/100点
4位のモーラナイフ「Companion Heavy Duty Black」は、価格が3千円を切る、コスパに優れたシースナイフです。
※画像はAmazonより
刃厚は約3.2mmと肉厚でかなり頑丈。バトニングに使う人も多いようです。実用性重視のキャンパーにおすすめの1本です。
安いけど、性能十分なスウェーデン製のナイフです。スカンジグラインドで、鋼材は高価なナイフと比べると若干柔らかい印象ですが、その分研ぎやすいのでファーストナイフにオススメ。高価なナイフとは違って、ガシガシ使って研ぎの練習にしてもいいかもしれません。個人的には、実用を重視するならば、フォールディングタイプのオピネルよりこちらをキャンプ用ナイフとしてオススメします。
5位: 400gと重く頑丈な「ケーパー」
ケーバー
ベッカー BK2 KA-BAR コンパニオン
実勢価格:1万1900円
サイズ:全長27.3cm/刃長12.7cm
重量:426g
ブレード:鋼材 1095 Cro-Van カーボンスチール
▼採点結果
- 使い勝手: 36/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 20/20点
- 合計: 91/100点
5位のケーバー「ベッカー BK2 KA-BAR コンパニオン」は、重量が400gを超える刃が厚めのフルタングです。頑丈で、遠慮なくバトニングを行うことができます。
※画像はAmazonより
ブレードの1095鋼材は研ぎやすく初心者にもおすすめ。ただ重いので細かい作業には不向きです。
鉈か!キャンプナイフというよりはサバイバルナイフとタクティカルナイフとかの類です。刃厚が6.6mmで重量感があります。鉈のようにチョッピングで枝払いやバトニングなどに使いたいモデルです。ちなみに、刃が黒く塗装されているのは、月明かりや太陽光などが不用意に反射して、敵に見つからないようにするためだとか。炭素鋼なので、コーティングがない刃先は、予想外にすぐ錆びるので注意。
6位: 調理や木工に向いた「Standard MG」
モーラナイフ(Morakniv Kansbol )
Standard MG
実勢価格:5130円
サイズ:全長約22.6cm/刃長約10.9cm
重量:約100g(ナイフのみ)
ブレード:ステンレススチール
ハンドル:TPEラバー、ポリプロピレン(中央部)
▼採点結果
- 使い勝手: 37/40点
- 切れ味: 36/40点
- コスパ: 17/20点
- 合計: 90/100点
6位はモーラナイフ「Standard MG」。刃厚が約2.5mmのブレードを持つシースナイフです。
※画像はAmazonより
ブレードの先が薄くなっており、魚を捌くなどの調理がラクにできます。一方根元部分はスカンジグラインドになっており木工作業などに最適。汎用性に優れたモデルです。
刃厚が2.5mmと薄いので、調理や木工作業でも力まかせというよりは、どちらかといえば細かい作業を得意とするナイフです。
7位: 薄くて切れ味鋭い包丁を含んだ3点セット「キャプテンスタッグ」
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)
バーベキュー BBQ用 抗菌PCマナ板 3点セットM-5561
実勢価格:1536円
サイズ:包丁全長25cm/刃長15cm
セット重量:約450g
刃身:ステンレス鋼
ハンドル:ポリプロピレン
▼採点結果
- 使い勝手: 34/40点
- 切れ味: 38/40点
- コスパ: 17/20点
- 合計: 89/100点
7位は、キャプテンスタッグの切れ味の鋭い包丁、缶切りまな板のキャンプ用3点セットです。
包丁は刃が薄く、調理に最適。折りたたみ式のまな板も軽量、コンパクトで持ち運びに便利。まな板にはお玉や菜箸などの小物の収納スペースがあるので、キャンプ用の調理器具をまとめておけます。
ナイフというよりは、むしろ包丁ですが、故に普段と同じように食材のカットができます。キャンプでも、調理で使うならどんなナイフよりも包丁が一番!と思っていますが、運搬するときに入れるケース(シース)が問題になります。他のシースナイフも同様ですが、シースを無くすと、その後の運搬に支障があります。炊事場で洗い物する際にも、まな板としても使えるこのタイプは便利だと思いますよ。キャンプで重宝するハサミもセットだと最高なのにー!
8位: 3千円を切る価格でコスパ抜群の「DURATECH」
DURATECH
シースナイフ
実勢価格:2780円
サイズ:包丁全長23.5cm/刃長10.5cm
重量:270g(シース含む)
刃身:ステンレス鋼
ハンドル:ウッド(花梨)
▼採点結果
- 使い勝手: 35/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 16/20点
- 合計: 86/100点
8位はフルタング構造のDURATECH「シースナイフ」です。
ブレードは鏡面仕上げで手によく馴染み、雰囲気があるウッドグリップを備えています。なおシースは本革を使用。初心者でも手が出しやすいナイフだと言えます。
テストで、ペーパーカット、バトニングをしてみた範囲では、問題なく使用できました。研いでみた感触では、そこそこ硬度はある印象です。簡易硬度ピッカーによればHRC56~58ぐらいかと。刃厚があるので、しならせたりはできませんでしたが、鋼材が詳細不明の中華製なので刃が大きく欠けないかだけ心配。シースはもう少し強度があったほうがよいです。
9位: 頑丈でバトニングにも使える「ユニフレーム」
UNIFLAME(ユニフレーム)
UFブッシュクラフトナイフ 684177
実勢価格:7299円
サイズ:全長約23cm/刃長約11cm
重量:本体約150g、シース:約40g
ブレード:ステンレス刃物鋼(8A材)
ハンドル:PP(ポリプロピレン)・エラストマー
▼採点結果
- 使い勝手: 35/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 15/20点
- 合計: 85/100点
9位は、ユニフレーム「UFブッシュクラフトナイフ 684177」。高強度フルタング構造のシースナイフです。3.5mm厚加工でバトニングにも耐えられる頑丈さを持ち、さまざまな作業に使うことができます。
※画像はAmazonより
刃部の背の部分は角が立っていてメタルマッチが使用可能。腰に着けられるベルトループ付きで携帯にも便利です。
アウトドアメーカーのユニフレームが販売しているナイフ。ハンドルやシースがやや安っぽく見えるものの、実用性充分でお安い。ステンレス鋼なので錆びにくく、スカンジグラインドです。
9位: ハンドルが握りやすい「ハルタホース」
Hultafors(ハルタホース)
アウトドア キャンプ ナイフ OK4 AV03802700
実勢価格:4057円
サイズ:全長20.9cm/ブレード9.3cm
重量:110g+ホルスター42g
ブレード:3mm厚炭素鋼HRC58-60
▼採点結果
- 使い勝手: 36/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 14/20点
- 合計: 85/100点
9位はハルタホースのアウトドアナイフです。切れ味が長持ちし頑丈な炭素鋼を採用。ハンドルが116mmとやや長めな上、サントプレーンフリクショングリップを採用しているため、滑りにくく取り回しが良いのが大きな特徴です。
※画像はAmazonより
ブレードは3mm厚でかなり丈夫。さらに腐食に耐える錆防止電気泳動析コーティングも施されています。ホルスターには80mm幅のベルトまで装着可能な織物のベルトループを装備。持ち歩きに便利です。
ハルタホースといえば、ナイフよりも斧が有名です。製品名は、キャンプナイフですが、ブッシュクラフトナイフのような使い方が向いている製品。
11位: 真っ赤なブレードが個性的な「バックナイフ」
バックナイフ(BUCK KNIVES)
#104 キャンプナイフ
実勢価格:1万8480円
サイズ:全長24㎝/刃長11cm
重量:201g
ブレード:5160スプリング鋼
ハンドル:キャンバスマイカルタ
シース:革
▼採点結果
- 使い勝手: 35/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 14/20点
- 合計: 84/100点
11位はバックナイフの真っ赤なブレードが特徴的なシースナイフです。色が目立つので自然の中でも見つけやすく、紛失対策にもなります。
ブレードには頑丈な5160スプリング鋼を採用。ホローグラインドなので刃が鋭利で、調理や木を削るのにも適しています。
世界的なベストセラーのフォールディングナイフ「フォールディングハンター」を世に送り出したメーカー「バック」の製品。刃が赤くコーティングされているのがちょっと怖い……。個人的にはホローグラインドが料理を含む場合のキャンプナイフには使い勝手がいいと思っています。シースが革なのと炭素鋼なので、水濡れ後のメンテナンスが必要です。
12位: 握り心地が快適な「BUCK」
BUCK(バック)
狩猟ナイフ
バンガード Vanguard 192BRS 0192BRS-B
実勢価格:1万6227円
サイズ:全長21.6cm/刃長:10.5cm
重量:179g
ブレード:420HC
ハンドル:ウォールナット
▼採点結果
- 使い勝手: 34/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 13/20点
- 合計: 83/100点
12位は、抜群の握り心地を持つBACKの狩猟ナイフです。
※画像はAmazonより
切れ味も合格点で、しかも研ぎやすいです。価格がややお高めですが、予算のある人におすすめのシースナイフです。
またまたBUCK。こちらは、古き良き時代のナイフで、昔ながらの鋼材を使っています。そのものずばり、ハンターが狩猟をして、お肉をバラす用途にデザインされています。指が滑って切らないように、ヒルトがついているのでまな板を使っての食材カットはやりにくいのでは? こちらも革製シースと炭素鋼なので、水濡れや錆には要注意です。
13位: 2千円ちょっとで買える「MOSSY OAK」
MOSSY OAK
シースナイフ
実勢価格:2080円
サイズ:全長22.5cm/ブレード10cm
重量:約240g
ブレード:ステンレス鋼
ハンドル:天然ウッド材
▼採点結果
- 使い勝手: 33/40点
- 切れ味: 31/40点
- コスパ: 12/20点
- 合計: 76/100点
13位は、2千円ちょっととコスパ抜群な「MOSSY OAK」のシースナイフ。
ブレードを挟み込んだ堅牢なフルタング構造で、グリップには天然ウッド材を使用。専用収納シース付属で、ケースの背部にはクリップが付いており、ベルトに取り付けられて、携帯性に優れています。
形状としては、フルタングでボルスターとよばれる金属部分が前後にあるタイプ。重量がハンドルヘビーでバランスは悪い。箱開けの状態で、あまり切れる刃がついていなかったのが残念。
14位: 握りやすいハンドルの「MinistoreDirect」
MinistoreDirect
アウトドアナイフ
実勢価格:4680円
サイズ:全長22.8cm/刃長10.5cm
重量:205g(ケース込み)
ブレード:9CR18MOVステンレス鋼
ハンドル:G10グラスファイバーハンドル
▼採点結果
- 使い勝手: 32/40点
- 切れ味: 30/40点
- コスパ: 12/20点
- 合計: 74/100点
14位は、2千円ちょっとと格安な「MinistoreDirect」のシースナイフです。
※画像はAmazonより
デザイン(カーブ 厚み)が特徴的。ブレードは鏡面処理されており、ハンドルも丈夫なザイテルを使った握りやすい形になっています。
中華製ナイフ。鋼材も中華製なので当たり外れがあるかも。
フォールディングナイフのおすすめランキング5選
以上、シースナイフのおすすめランキングでした。
続いて、「フォールディングナイフ」5選のランキングをご覧ください。
高品質の鋼材をブレードに使用した「Delica4」
スパイダルコ(Spyderco)
Delica4
FRN軽量・折りたたみ式シンプルエッジナイフ
実勢価格:9710円
サイズ:全長約18cm/刃長約7.3cm
重量:約70g
ブレード:VG-10スチール
ハンドル:ザイテル
▼採点結果
- 使い勝手: 38/40点
- 切れ味: 37/40点
- コスパ: 20/20点
- 合計: 95/100点
フォールディングナイフ編の1位はスパイダルコ「Delica4」でした。軽量でハンドルも滑りにくく扱いやすい1本。1990年の発売以来、改良を重ねてきたロングセラーモデルです。
ブレードには高品質の鋼材を使用しており、刃は薄めで切れ味抜群。木を削ったり、食材を切ったりといった作業に向いています。また独特のサムホールにより、ワンハンドでブレードの開閉が可能になっています。
アメリカ・コロラドのスパイダルコはフォールディングナイフで世界的に有名なメーカーですが、いくつかのモデルは岐阜県・関市で生産されています。
好き、嫌いが分かれる蜘蛛のマークのスパイダルコ。蝶々のマークのベンチメードと共にアメリカのメジャーナイフメーカーとして有名です。「デリカ4」や「グリップテリアン」など、定番品は同じモデル名でも鋼材やハンドル材の違いがあり、カラーも豊富です。フォールディングナイフにクリップをつける、ブレードに丸い穴を開けるというアイデアで一躍有名になりました。フォールディングナイフは、ポケットにクリップで止めておいて使うことが多いのですが、ワンハンドオープン&クローズは本当に便利です。デリカ4は万能だけど、僕はもう少し刃渡りが長いモデルの「ストレッチ」をキャンプメインの時に、刃渡りが短い「ドラゴンフライ」を登山などに、海や川では、錆びない「パシフィックソルト」というように使い分けることが多いかな。関のナイフメーカーG・サカイ製が多くて、バックロックが好みです。
フランスの"肥後の守”的なナイフ「OPINEL」
OPINEL(オピネル)
ステンレススチール#8コロラマ
実勢価格:2850円
サイズ:全長19.5cm/ブレード8.5cm
重量:約48g
ブレード:ステンレス鋼
ハンドル:ブナ
ブレードの形状:シープフット
ブレードのエッジ:フラット
▼採点結果
- 使い勝手: 37/40点
- 切れ味: 36/40点
- コスパ: 20/20点
- 合計: 93/100点
2位は OPINEL「ステンレススチール#8コロラマ」。すべてフランスの国内で職人の手によって作られているフォールディングナイフです。
セーフティロック付きで、ハンドル部分にぶら下げ用の皮紐を備えるなど実用的な作り。カラーはブラックブラウン、バーガンディ、ダークブルー他全5色。他に女性でも使いやすい#7(全長17.8cm)、#6(全長16.5cm)があります。
フランスの「肥後の守」的なナイフです。いろいろなサイズがあり安価で必要十分な性能があるので、人気の商品です。ステンレスモデルと炭素鋼モデルがありますが、ブレードの錆に気をつけるほか、ハンドルに水分を染み込ませるとロックが固くなったりするので要注意。包丁などと違って、刃の先端(ポイント)が上に反り返っているトレーリングポイントになっているので、個人的には若干使いにくいな……と思っています。普通のドロップポイント(刃の先端が中央)もしくはユーティリティー(刃の先端がやや上)ぐらいが使い勝手はいいと思うのですが。次のナイフを選ぶ時にいろんな指針を与えてくれる、ある意味、反面教師的な要素を持つナイフだと思います。
滑りににくく初心者でも使いやすい「ラット1」
Ontario(オンタリオ)
ラット1
実勢価格:5280円
サイズ:全長約21.9cm/刃長約9.6cm
重量:141g
ブレード:AUS-8 ステンレススチール
ハンドル:ナイロン
▼採点結果
- 使い勝手: 37/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 19/20点
- 合計: 91/100点
3位は、オンタリオ「ラット1」。刃厚が約3.0mmのフォールディングナイフです。
収納時は約12.6cm。海外でも人気の高いモデルで、ブレード側面がフラットに加工されているため初心者でも使いやすいモデルになっています。樹脂製のハンドルで滑りにくいのもうれしいポイント。ロック機構は扱いやすいライナーロックを備えています。
ライナーロック(フレームロック)のフラットグラインドの製品。ブレードにある突起に指を掛けてオープンするのだけど、意外にこの突起が大物をカットする時に邪魔になったりします。が、ワンハンドオープン、ワンハンドクローズは、バックロックよりも軽快にできます。最近のフォールディングナイフは、ネジを外せば分解清掃できるモデルが多く、このモデルも簡単に分解してメンテナンスが行えます。
4位: ハンドルもステンレス素材の「CRKT」
CRKT
フォールディングナイフ 6450S Drifter フレームロック
実勢価格:4581円
サイズ:全長16.3cm/刃長7.2cm
重量:88g
ブレード、ハンドル:ステンレス
▼採点結果
- 使い勝手: 35/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 16/20点
- 合計: 86/100点
4位は比較的小柄な「CRKT」のフォールディングナイフです。片手で操作できるのが非常に便利。素材はブレード、ハンドルともにステンレス。この点は好みが分かれると思います。
金属の塊感があるミニナイフ。台湾製のモデルが多いメーカーです。安価で高性能のナイフが多いです。キャンプで食材を切るならば、もう少し刃渡りが欲しいところですが。
5位: クラシカルなデザインの「BUCK」
BUCK(バック)
狩猟ナイフ レンジャー Ranger 112BRSFG 0112BRSFG-B
実勢価格:8200円
サイズ:全長18.5cm/刃長7.6cm
重量:159g
ブレード:420HC
ハンドル:エボニーウッド
付属品等:専用革ケース
▼採点結果
- 使い勝手: 35/40点
- 切れ味: 36/40点
- コスパ: 14/20点
- 合計: 85/100点
5位はBUCK「狩猟ナイフ レンジャー」。やや小さめのフォールディングナイフです。
※画像はAmazonより
ブレードには研ぎやすい420HC鋼材を採用。クラシカルなデザインが個性的で一味違ったギアを持ちたい人におすすめ。
※画像はAmazonより
ロック機構は外れにくいバックロックを備えています。
昔のデザインのナイフで、刺しやすいと言われるクリップポイントです。バックロックですが、スパイダルコのバックロックとは違って、ネイルマークに爪を引っ掛けてオープンするタイプ。バネが強力で、ロック解除の場所がハンドル後部にあるため持ち替える必要があります。最近のバックロック機構と比べるとオープンもクローズもやや大変です。反面、しっかりロックしたときの「バチン!」という感じは頼もしくも感じます。実際は、そんなに慌てて刃を出したり、引っ込めたりしないので、このデザインが気に入ったのであればアリ。ただ、この手の昔のフォールディングナイフはポケットに入れたりすると、クローズした時に角があるので、ポケットが破けることも……。シースが付属しますが、キャンプの時ベルトしないときもあるし……。
マルチツールのおすすめランキング2選
以上、フォールディングナイフの紹介でした。
最後は「マルチツール」のおすすめ2選です。
キャンプで大活躍の「ソルジャーナイフ」
VICTORINOX(ビクトリノックス)
ソルジャーナイフ 0.8461.MWCH
実勢価格:4311円
サイズ:ハンドル11.1cm
機能数:10
▼採点結果
- 使い勝手: 39/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 20/20点
- 合計: 94/100点
マルチツール編1位はビクトリノックス「ソルジャーナイフ」実用性と耐久性を重視したスイス陸軍お墨付きの製品です。
本格的なアウトドアだけでなく家庭のDIYでも使える、本格的なマルチツールです。
▼使える機能
1. ラージブレード(ロック付き)
2. のこぎり
3. マイナスドライバー / クレートオープナー(金てこ)
4. せん抜き
5. ワイヤーストリッパー
6. キーリング
7. リーマー(穴あけ)
8. プラスドライバー
9. マイナスドライバー
10. 缶切り
キャンパーの名があるキャンプモデルよりも、こちらのほうが活躍することが多いのでは?こちらのモデルはナイフがしっかりロックできますし、刃長もしっかりあります。また、意外にのこぎりが役に立つ。どうしても北欧風にブッシュクラフトっぽくてもいいのであれば、ナイフとのこぎりとファイヤースターターで火起こしぐらいは充分可能です。これにコルク栓抜きがあれば、完璧なのですが……。下の写真の波刃モデルだと特殊な砥ぎ機が必要になります。
14もの機能を備えた「VICTORINOX」
VICTORINOX(ビクトリノックス)
キャンパー レッド 1361371
実勢価格:2880円
サイズ:ハンドル9.1cm
機能数:14
▼採点結果
- 使い勝手: 37/40点
- 切れ味: 35/40点
- コスパ: 20/20点
- 合計: 92/100点
2位は「ビクトリノックス」の代表的なマルチツールです。アウトドアだけではなく防災用としても役立つツールです。
▼使える機能
・ラージブレード(大刃)
・スモールブレード(小刃)
・コルクせん抜き
・カン切り
・マイナスドライバー(小)
・マイナスドライバー(大)
・栓抜き
・ワイヤーストリッパー
・リーマー(穴あけ)
・キーリング
・ピンセット(毛抜き)
・ツースピック
・のこぎり
・ソーイングアイ(糸穴)
その名もずばりキャンパー。キャンプに必要だと思われるツールがひとつになっています。たくさんある分、ハンドルが厚くなるので、ナイフとしての使い勝手はシンプルなナイフと比べると劣ります。特に、ビクトリノックスは、分解清掃が簡単ではないので、ゴミが詰まると面倒です。
以上アウトドアナイフの21選でした。まずどのタイプを購入するか決めた上で、自分の好みのデザインや用途に合わせて最良の1本を選んでください!
なんとなく「シースナイフ」よりも「フィクスドナイフ」のほうが、通な言い方です。フォールディングナイフもシースに入れますしね。積極的にナイフを多用するならば、同じ価格ではフィクスドナイフのほうが性能もいい場合が多いです。ただ、長さがあるので、身につけたり、運搬したりする時には気を使う必要があります。