将来への期待高まるデバイス「眼鏡型AFアイウェア」
ViXionはHOYAから誕生した「視覚に不自由を感じている方向けの電子デバイス」の開発をするスタートアップ企業。そんなViXionから、眼鏡型AF(オートフォーカス)アイウェア、ViXion「ViXion01S」が登場しました。
一体どんなものか気になりませんか? そこで、普段、度入りメガネを着用している「家電批評」編集部員が実際に使って、その使い勝手を試しました。
Q. メガネで
オートフォーカスとは?
A. ViXion「ViXion01S」の外観は“変わったメガネ”ですが、中身はハイテク。中央の距離センサーで見ようとしている物体までの距離を計測し、オートフォーカスレンズでピント合わせを自動化しています。
通常のメガネの場合、眼球のピント調節機能を補助するに過ぎず遠近でメガネを使い分けたりする必要も……。
しかし、「ViXion 01S」なら本体側でピントを合わせるので至近(5cm)から無限遠まで視力に依存せずクリアに見えるというわけです。装着すると電子音とともに自動で電源が入る仕組み。
なお、メガネは医療機器ですが、本製品は医療機器ではありません。メーカーは「アイウェア」と呼んでいます。
眼鏡型AFアイウェアの実力は?
ViXion「ViXion01S」
- ViXionViXion01S
- 検証時価格: ¥88,000〜
- 総合評価
- おすすめポイント
-
- 高速なピント合わせ
- セットアップが簡単
- がっかりポイント
-
- 価格的に手頃ではない
- 視野が狭い
- 幅
- 155.5mm
- 奥行
- 163.44mm
- 高さ
- 42.5mm
- 重量
- 31g(アウターフレームなし)
- 瞳孔間距離
- 55mm~73mm
- 焦点距離
- 5cm~無限遠
- 連続使用時間
- 最大約15時間(充電:3時間)
サングラスのフレーム
本体だけかけるのもOKです!
度なしのフレームと度なしのサングラスフレームが付属し、ワンタッチで着脱できます。
【セットアップ】早ければ数分です!
近視の編集部員が試したところ5分とかからずセットアップが完了。視度調節レバーは細かく動かすのがコツです。目標物は文字を含むものが適していそうです。
まずは鼻パッドを調節します!
パッドの間隔を調整します。
片目をつぶりレンズ位置を調節
レンズは左右に動かせます。
1m先に目標物を用意
1m先にパソコンを設置しました。
クリアに見えるまで視度調節
レバーを指先で動かします。
【どう見える?】視野の狭さが惜しい!
0.5秒くらいでパッ! とオートフォーカス。
写真とイラストの合成で見え方のイメージを再現してみました。
オートフォーカスレンズ自体のフレームが太いため、まるで双眼鏡をのぞいているかのような見え方になります。
【用途】基本は手元作業。同じところを見続けるシーンが◎
組み立て
読書
遠くを見る
公式サイトに「静止している状態・特定シーンでのご利用を想定しています」と書かれているように、じっとして手元を見続けるようなシーン、あるいは遠くだけを見つめるようなシーンではクリアで鮮明な視界を得られました!
タイピング
歩く
階段
PC作業をする場合、視野が限られるためキーボードが視野に入り切りません。そのため、ブラインドタッチができないと非常に作業しづらいです。また、足元が見づらいので散歩をしたり、階段の昇降では不安を感じるほど。
近くの見え方はメガネと遜色なし。私はメガネをすぐ汚すのですが、この製品はレンズが小さいので汚れにくいのもメリット。
視界の中心に集中しないといけないので、メガネよりも集中力が必要そう。長時間の作業には不向きそうな印象でした。
夜間や逆光シーンでも試しましたが、ピントが合わなかったり、見えにくいことはありません。その点は安心できます。
【メガネに対する利点】他人と共用したり・自分の視力変化に対応
メガネの場合、近視や老眼が進行するとレンズを入れ替えたり、メガネごと新調する必要があります。一方、ViXion「ViXion01S」はデバイス側でピントを合わせをするので買い換えなどは不要です。
また再セットアップは必要ですが、家族と共用したり、他人に貸すこともできますね。
乱視だと別途レンズが必要
ViXion「ViXion01S」で見え方を改善できるのは近視や遠視、老眼の場合。軽度の乱視でもある筆者の場合、遠くのものを見た場合にピントが甘い印象を受けました。
乱視がなければもっとクリアに見えそうです。乱視で使用するには眼鏡店などでフレームに度付きのレンズを挿入する必要があります。
まとめ:メガネの代替にはならないが近くが見づらいの解消には効果を実感
以上、眼鏡型AFアイウェアViXion「ViXion01S」の紹介でした。
ViXion「ViXion01S」をしばらく使ってみました。メーカー自ら「眼鏡の代替として常用いただくよりも静止している状態・特定シーンでのご利用を想定しています」というように、メガネの代わりにはなりませんし、視野が狭いため使いづらいシーンも多々ありました。
しかしコンセプトそのものには大きな可能性を感じます。例えば度数の合っているメガネをかけていても体調や眼精疲労でピントがあいづらいときってありますよね。
そういうときもオートフォーカスでクッキリ見えますし、もし見づらくても、視度調節でピントを簡単に微調整できます。
また、筆者は老眼が始まった自覚もあるのですが、近くも遠くもクリアに見えるデバイスが存在するのは心強いです。外観は奇抜ですが、使うシーンは屋内が多そうなので、慣れれば恥ずかしがらずに活用できるとも感じました。
気になる人はぜひチェックしてみてください。
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自分の顔の形状と相性が悪く、鼻パッドを何度調節してもずり落ちてしまったのが残念です。