4Kテレビの最新事情は?
2012年3月に地デジに完全移行してから、早くも10年以上が経過。その当時に液晶テレビへ買い替えていたら、今がちょうど買い替えどきです。
そこで、購入前に押さえておきたい最新のテレビ事情をまとめてみました。
現在は4K解像度が一般的になり、液晶テレビも高画質化が進んでいます。そして、上位モデルにはより表現力の高い有機ELと、従来型液晶テレビの弱点を補うmini LEDが台頭。
AV評論家の本田雅一さんは「窓が多く明るい部屋で観るならmini LED、暗い部屋でしか観ないなら有機ELというように、視聴環境で選ぶといいですよ」と助言をくれました。
有機ELには3種類のパネルがありますが、QD-OLEDとMLA‐OLEDを採用したモデルはかなり高価。
そのため、あえてmini LEDを選び、同価格帯のワンサイズ大きなテレビを選ぶという手もあります。音声再生の進化やOSの搭載といったトピックも要チェックです。
今の4KテレビはFHD時代からこう変わった
【画質の進化】有機ELの高性能化とmini LED液晶の台頭
有機EL:完全な黒の再現は有機ELが上!
- ◎:かなり値段は抑えめに
- ◎:画面輝度が大きくアップ
- ◎:焼き付きの心配はほぼなし
OLEDモデルは55インチで20万円台から購入可能となり、価格はだいぶこなれてきました。
映像の精細さに対して、液晶より画面が暗いのはネガティブな要素でしたが、QD-OLEDによってそれも払拭。懸念されていた焼き付きもほとんどなく、だいぶ身近な存在になっています。
mini LED:明るい色に元気がある!
- ◎:細かな部分制御が魅力
- ◎:暗部表現が大きく改善
- ◎:有機ELと並ぶレベルに
バックライトにmini LEDを採用した液晶パネル。従来のLEDより細部の表現に強くなったほか、LEDが苦手な暗部の表現も改善されており、明るい部屋であればあまり気にならないレベルです。
QD-OLEDに比べて画質とコストのバランスが高いです。
ピークの輝度も高く、明るい部屋で見たときの映像の元気のよさはmini LEDが上。有機ELとどちらを選ぶかは、テレビを設置する環境で決めましょう。
【音質の変化】AIとキャリブレーションで最適化!
AI:映像ジャンルでモードが変わる
各社搭載している「AI」による音声の最適化機能。映像ジャンルなどによって自動でモードが変わるので、設定せずとも最適な音質で映像に没入できます。
キャリブレーション:部屋に応じた音響を実現
テレビを設置した空間に応じて音響を補正することで、最適な音声再生を実現。
セリフの聞き取りやすさや立体感に影響するので、対応しているテレビでは必ず設定したい機能です。
検証でもレグザ・パナソニック・LGがキャリブレーションに対応していましたが、すべて補正後のほうが満足度の高い音質になりました。
【機能の進化】「Google TV」でパーソナライズ
エンタメ用途でも断然いける
リビングに置いたテレビの前に家族全員が集合していたのは昔の話。
Googleアカウントを連携することで、ホームには自分向きの配信コンテンツが並びます。
ダイレクトボタンの種類や並びにもメーカーの個性が表れます。好みのサービスがあるかは要チェックです。
Googleアカウントとひも付けすれば、自分専用テレビとして管理が容易になります。便利ですが、家族と共用することを考えるとちょっと微妙……。
家電批評が4Kテレビをテスト
今回、雑誌『家電批評』は「極上テレビ格付け 有機EL編」として、4Kテレビの人気製品を比較テスト。
もはやテレビは家の中心にあって家族のだんらんの時間を演出するものから、個人が趣味嗜好に応じて楽しむものへと変わりました。
それも踏まえて、この先10年を共にする最良のパートナーを見つけましょう。
“新製品高すぎ” ソニーは検証を泣く泣く断念
新製品ソニー「A95L」は欧米ではすでに2023年発売だったうえ、最安の55型でも60万円。
価格的におすすめできるモデルではなく、今回検証を見送りました。
4Kテレビの選び方は?
最新の有機ELテレビはパネルで選ぶべし! ですが、久しぶりのテレビの買い替えでは、何をどう選べばわからないこともありますよね。
そんな人のために、4Kテレビの選び方を解説します。
選び方1:【PLED】一般的な有機EL
バックライトを光源とする液晶と違い、OLEDは有機物が発光する仕組みを利用します。
白色の有機ELとRGBのカラーフィルターを組み合わせるのが一般的。映像の黒い箇所を発光しないことで、完全な黒を表現できます。
映像はなめらかで、高コントラスト。画面を薄型化できるのも特徴です。
ソニー「A90Jシリーズ」
選び方2:【QD-OLED】有機EL+量子ドット(QD)
サムスンが開発して2022年に市場に投入。QD-OLED(量子ドット有機EL)は、青色の有機ELが発光し、量子ドットの層を通すことでOLEDよりも広い色域を作ることができます。
輝度も高くなっており、OLEDの弱点を解消しました。検証した製品ではシャープが採用しています。
シャープ「4T‐GS1シリーズ」
選び方3:【MLA‐OLED】マイクロレンズアレイ搭載
LGが開発したパネル。OLEDをより明るくするため、白色の有機ELとRGBのカラーフィルターの前面に、マイクロレンズアレイを配置。
有機ELの光をピクセルあたり約5000個のレンズによって、さらなる高コントラストの映像を実現します。検証した製品ではレグザとパナソニックが採用しています。
パナソニック「Z95Aシリーズ」
サムスンのQD-OLEDとLGのMLA-OLEDの登場により、有機ELの弱点だった暗さを解消。最新モデルならワンランク上の高画質映像が楽しめます。
4Kテレビのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、4Kテレビのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シャープAQUOS 4T-GS1
|
|
素材のよさを生かした高画質/AIによる映像の自動調整が優秀/音声と画面との一体感が高い |
122.5cm(スタンド含む) |
30.4cm(スタンド含む) |
77.0cm(スタンド含む) |
31kg(約) |
地上デジタル×2、BS/110度CS 4K×2、BS/110度CSデジタル×2 |
GoogleTV |
55V、65V |
||||||
TVS REGZAX9900N
|
|
モードをおまかせできる優秀なAI/Dolby Visionでも明るい/地デジ映像がとにかくきれい |
122.3cm(スタンド含む) |
26.5cm(スタンド含む) |
77.0cm(スタンド含む) |
24.5kg(約) |
地上デジタル×9、BS/110度CS 4K×2、BS/110度CSデジタル×3 |
独自OS |
55V、65V |
||||||
パナソニックVIERA Z95A
|
|
UHD BD画質はダントツ/音質は驚きの再生力/Fire TVで操作感が大きく改善 |
122.7cm(約、スタンド含む) |
34.8cm(約、スタンド含む) |
79.2cm(約、スタンド含む) |
25.5kg(約) |
地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/110度CS 4K×2 |
Fire TV |
55V、65V |
||||||
LGエレクトロニクスOLED C4シリーズ
|
|
ゲームに最適な環境を構築/SDR映像は見やすい明るさ |
122.2cm(スタンド含む) |
23.0cm(スタンド含む) |
75.7cm(スタンド含む) |
16.0kg |
地上デジタル×3、BS/110度CS 4K×2、BS/110度CSデジタル×3 |
webOS |
42V、48V、55V、65V、77V、83V |
【1位】シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」
- シャープAQUOS 4T-GS1
- 実勢価格: ¥296,920〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで探す
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥297,870〜
- 画質
- 音質
- 機能
- 操作性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- 素材のよさを生かした高画質
- AIによる映像の自動調整が優秀
- 音声と画面との一体感が高い
- がっかりポイント
-
- リモコンの配置は慣れが必要
- 幅
- 122.5cm(スタンド含む)
- 奥行
- 30.4cm(スタンド含む)
- 高さ
- 77.0cm(スタンド含む)
- 重量
- 31kg(約)
- チューナー
- 地上デジタル×2、BS/110度CS 4K×2、BS/110度CSデジタル×2
- OS
- GoogleTV
- サイズ展開
- 55V、65V
- 年間消費電力量(55V)
- 220kWh
- 型番
- 4T-C55GS1
テスト結果
画質(57/60点)
Netflixの作品やUHD BDなど高画質映像のよさを生かします。
音質(15/20点)
画面と音の一体感があり、再生帯域は広め。立体感も感じられます。
機能(14/15点)
ゲームはほぼ遅延なく楽しめます。機能面で大きな欠点はありません。
操作性(14/15点)
電源オフからも起動が速くストレスなし。搭載OSはGoogle TVです。
コスパ(6/10点)
QD-OLEDモデルのなかでも、唯一40万円超えで価格は多少高めです。
合計(106/120点)
コスパ以外は軒並み高評価。特に画質は高く、文句なしのベストバイです!
【AI】高輝度でも色乗りがいいQD-OLED
左:シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」、右:レグザ「X9900Nシリーズ」
QD-OLED(量子ドット有機EL)の高輝度を使いこなしていて、「AIオート」でも映像の明るい部分でムリのない階調が出ています。
上図の火花を見ても違いは一目瞭然。同じく画質の評価が高いレグザ「X9900Nシリーズ」より火花が濃く出ていてメリハリがあります。
黒バックで撮影した猛禽類の映像では、片眼でも立体的に見えるほど。表現力の高さがあればこそです。
パネルのもつダイナミックレンジの広さや色再現性を生かし、素直に素材のよさを表現できています。センサー連動の自動調整機能もよし。
【画質評価】リビングに置くだけ、あとはいつでも高画質
地デジ:AI補正が巧みにディティールを復元
(左)シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」、(右)LGエレクトロニクス「OLED C4シリーズ」
キレイではない映像をキレイに見せるのはテレビの重要な役割です。その点、シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」の地デジは「AIオート」により白トビが少なく、とても優秀。
上図を見ても、ノイズを処理しながら色が自然で肌のディテールも失われていません。
検証でも映像が粗めのドラマをひと目見て、全員が「キレイ」「見やすくなった」と評価。AIによる補正の優秀さをあらためて示しています。
パネル性能のよさを素直に引き出しつつ、地デジのノイズを効果的に抑制しています。AIによる自動画質調整もうまく機能していて、部屋の環境に合わせて最適な映像を見せてくれます。
もとの映像の質がイマイチなほど、AIオートのよさが際立ちます。過去の地デジのドラマも全部シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」で見直したいです。
配信:ノイズ処理のうまさが際立つ
(左)シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」、(右)パナソニック「VIERA Z95Aシリーズ」
全体的にノイズの抑制がうまく行えており、NetflixはもちろんYouTubeのような粗めの映像でもキレイに見せてくれています。
本田さんも「Blu-rayぐらいキレイかもしれないね」と、想像以上に高精細で立体感のある映像に好印象。また、NetflixのDolby Vision対応作品では「Dolby Vision IQ」モードが活躍。
照度とコンテンツ内容に応じた自動的な画質調整がうまく働いていて、セッテイングを突き詰めなくともキレイな映像を楽しめるのは大きな利点です。
シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」は映像のボキャブラリーが豊富という表現が合います。(別の表現をすると)使える絵の具の色が多いように感じます。特に明るいシーンでは色の再現域が広い分だけ、その表現力は多彩です。
ゲーム:遅延もなく快適なゲーム環境
ゲームは「4K/144Hz VRR入力」に対応し、遅延を感じることなく、素早い反応が求められるタイトルも問題なし。
画質も自動でゲーム向けの設定に変わります。
【音質】音の再現性、画面との一体感が優秀
イネーブルドスピーカーのパンチングネットの開口率を上げた効果か、再生帯域の広さを感じます。セリフは低い声もしっかり聞こえました。
Dolby Atmosの立体感はパナソニック「VIERA Z95Aシリーズ」に譲りましたが、音の再現性や再生帯域はシャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」に軍配が上がります。
イネーブルドスピーカーとメインスピーカーのエネルギーバランスがよく、映像と音の一体感が高い。再生帯域の広さも感じられました。
【機能】地デジも配信も起動が激速
Google TVを搭載。ホーム、Netflixなどのアプリの起動が速く快適です。
「ツール」ボタンで画面を切り替えず映像や音声の設定を開けるのも便利ですが、押しにくいのは残念です。
【2位】レグザ「X9900Nシリーズ」
- TVS REGZAX9900N
- 実勢価格: ¥275,400〜
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- 画質
- 音質
- 機能
- 操作性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- モードをおまかせできる優秀なAI
- Dolby Visionでも明るい
- 地デジ映像がとにかくきれい
- がっかりポイント
-
- 音の立体感が物足りない
- 幅
- 122.3cm(スタンド含む)
- 奥行
- 26.5cm(スタンド含む)
- 高さ
- 77.0cm(スタンド含む)
- 重量
- 24.5kg(約)
- チューナー
- 地上デジタル×9、BS/110度CS 4K×2、BS/110度CSデジタル×3
- OS
- 独自OS
- サイズ展開
- 55V、65V
- 年間消費電力量(55V)
- 252kWh
- 型番
- 55X9900N
テスト結果
画質(57/60点)
地上波の映像評価はNo.1。積極的な補正で見栄えのいい映像です。
音質(12/20点)
音質は悪くないものの、中低音の厚みがなく、立体感も今ひとつでした。
機能(14.5/15点)
地デジの全録機能は唯一無二。ゲームの反応がわずかに遅れました。
操作性(13/15点)
ホームボタンが押しにくい以外、使い勝手よし。設定も詳細です。
コスパ(7/10点)
画質はトップの評価、全録機能を備えて40万円切り(検証時)は悪くないです。
合計(103.5/120点)
画質・機能性・操作性は高評価。コスパも高く、ベストバイにふさわしいです。
【AI】優秀なAIシーン判断で最適なモードになる
(左)レグザ「X9900Nシリーズ」、(右)シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」
視聴しているシーンと、部屋の明るさに応じて「おまかせAI」が最適なモードを調整してくれます。
上図の夜景シーンでは、明るかった前のシーンから夜景に変わったことを判別して最適な映像モードになっており、本田さんも「これはきれいだね」と感心するほどです。
視聴した部屋は窓からの日差しで電気を消しても明るめだったため、映画「ジョーカー」(Netflix)では暗めのシーンが「シネマ」モードに比べてほどよく鮮やかで見やすさが向上。AIの仕事の的確さに感心させられました。
レグザ「X9900Nシリーズ」は「明るさセンサー」と連動してトーンカーブを大胆に処理するため、真っ暗な部屋以外でも映像の見栄えがいいです。よりこだわるなら、明るい部屋は「あざやか」、暗い部屋は「シネマ」、それ以外は「おまかせAI」にすれば、最適な映像が楽しめます。
【画質評価】積極的な補正で地デジの高画質化はNo.1
【地デジ】ダイナミックに補正してキレイに
(左)レグザ「X9900Nシリーズ」、(右)パナソニック「VIERA Z95Aシリーズ」
大画面の有機ELテレビで地デジを見ると、気になるのが画質の低さ。これをいかにキレイな映像に見せるかは各社の腕の見せどころですが、レグザ「X9900Nシリーズ」の補正はかなり積極的。
他社がノッペリとした補正になりがちなところ、人物の肌つやがよく、立体感も生まれており、その差は歴然です。
日本の地デジ映像はあまりキレイではありませんが、レグザ「X9900Nシリーズ」は積極的な映像の分析と補正をかけてノイズを除去してくれます。シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」もキレイでしたが、よりダイナミックで感覚的にキレイに見える映像にしてくれます。
【配信】明るい部屋は「リビング」モード
▼リビングモード
▼Dolby Vision IQモード
部屋の明るさに応じて映像を調整する「Dolby Vision IQ」ですが、対応した配信コンテンツは明るめの部屋で見ると各社とも映像が暗めでした。
ただ、レグザ「X9900Nシリーズ」はメニューに「リビング」が用意されており、これを選べばかなり鮮やかな映像に変化。明るめの部屋で配信を楽しみたい人にはうれしいメニューです。
Dolby Visionはテレビ側の設定自由度が低いのですが、そのなかでレグザ「X9900Nシリーズ」は「リビング」モードを実装。とても効果的。やや派手すぎる傾向はありますが、実際に明るい部屋でも見やすい映像になります。
【機能】全録と配信の融合で見逃しゼロ!
地デジを全録できる「タイムシフトマシン」は、これを目当てでレグザ「X9900Nシリーズ」を選ぶユーザーがいるのも納得の機能。地デジを重視するなら必須といえます。
さらに「番組こねくと」により、番組情報から配信先を確認できるなど、見逃しや再視聴が容易になったことにも注目です。
リモコンは好きなサービスを登録できる「My.Choice」ボタンが、旧モデルの2個から1個に減ったのは残念です。
▼DAZN
サッカーファンには欠かせない「DAZN」ボタンをリモコンに備えているのはレグザ「X9900Nシリーズ」だけで、それだけでも魅力的。ダイレクトボタンが12個は最多です。
【音質】ミリ波レーダーで聞きやすいが……
ユーザーの位置を認識する「ミリ波レーダー」を備えており、部屋のどこにいても音が聞き取りやすいのが特徴。
ですが、14個のスピーカーを備えたものの音の立体感は弱く、全体としては今一歩物足りないという評価です。
シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」のほうが方位感や高さ感に優れていました。キャリブレーションでセリフは聞き取りやすくなるので、立体音響がもう少し広いとよかったです。
【3位】パナソニック「VIERA Z95Aシリーズ」
- パナソニックVIERA Z95A
- 実勢価格: ¥336,000〜
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アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥339,679〜
- 画質
- 音質
- 機能
- 操作性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- UHD BD画質はダントツ
- 音質は驚きの再生力
- Fire TVで操作感が大きく改善
- がっかりポイント
-
- 地上波のアップコンバートは△
- 幅
- 122.7cm(約、スタンド含む)
- 奥行
- 34.8cm(約、スタンド含む)
- 高さ
- 79.2cm(約、スタンド含む)
- 重量
- 25.5kg(約)
- チューナー
- 地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/110度CS 4K×2
- OS
- Fire TV
- サイズ展開
- 55V、65V
- 年間消費電力量(55V)
- 192kWh
- 型番
- TV-55Z95A
テスト結果
画質(52/60点)
派手さはありませんが、原画に忠実な補正は好感が持てます。
音質(16/20点)
Spece Tune使用後の音質はかなりいい感じ。立体感もあります。
機能(14/15点)
Fire TV 搭載で機能面は不足なし。ゲームの反応も速いです。
操作性(11/15点)
インターフェースの評価が高いものの、パナソニック独自機能が浮いています。
コスパ(7/10点)
映像面での進化は見られないものの、約36万円(検証時)という価格なら安いです。
合計(100/120点)
映像・音声の完成度は高いものの、Fire TVがどこまでなじむか不安は残ります。
【機能】「Fire TV」搭載で使い勝手が大きく改善!
ホーム:Fire TVユーザーにはなじみのUI
ライブ配信:配信とライブ番組が同一画面に並ぶ
アプリストア
2024年モデルの一番の変化が「Fire TV」の搭載です。
独自OSに比べてUIが見やすくなったのに加えて、配信番組と地デジなどのライブ番組をひとつの画面上に並べるというチャレンジも評価できます。
未完成な部分もありますが、今後が楽しみです。
基本はAmazonのFireTVなので、使い慣れている人にとってはプラス。配信と地デジを同じ画面で見比べて、どちらを見ようか考えるのは新鮮な体験でした。
アレクサも呼び出せる!
Alexaボタンから音声入力で操作可能。ダイレクトボタンは下部に配置されています。
【画質評価】安定の完成度だが前モデルからの変化は少ない
【配信】Netfix専用モードが圧巻の出来のよさ
パナソニック「VIERA Z95Aシリーズ」の特徴が原画に忠実でありながら、的確な補正をすること。他社に比べると「演出感がない画」(本田さん)になります。
それでもセンサー連動はしっかり働いていて、明るい部屋で「Dolby Vision IQ」は全体にコントラストをつけて元気のいい画に調整。SDR映像では「オートAI」がしっかり仕事をしてくれます。
映画を再生すると「シネマ」モードに近づけながら、部屋の明るさに合わせてコントラストを拡張。どちらもかなり実用的でした。
映画製作者の意図をそのままに伝えようとする、パナソニックらしい素直なつくりは好ましいです。FILM MAKER MODEはセンサー連動をオフにしないと本来の映像にならないので注意しましょう。
(左)Netflix、(右)YouTube
Netflixユーザーなら見逃せないのが「Netflixアダプティブ画質モード」です。Netflixの配信作品を最適なモードで再生するものですが、本田さんが「こんなにいいと思わなかった」と感心するほど、高い色の再現性。
ほかのモードより本来の階調を再現しており、美しさはワンランク上です。
Netflix向けにアダプティブ画質モードがあるのは大変いいです。視聴環境に合わせて選ぶだけで、ほとんど満足できる画質の映像が得られました。逆に、YouTubeに関してはキレイになってはいるものの、もう少し積極的な映像処理の介入があってもいいのではと感じます。
【地デジ】良くも悪くも演出感に乏しい
(左)パナソニック「VIERA Z95Aシリーズ」、(右)レグザ「X9900Nシリーズ」
地デジの画質の悪さを感じさせないノイズ処理はさすが。「オートAI」が部屋の明るさに合わせて色温度も調節しており、明るい部屋でも自然に見える映像表現です。
ただし、見栄えはいまひとつかもしれません。
テレビ番組に関してはもっと見栄えを重視した画像処理を望みたいです。
【ゲーム】ゲームモードを選択できる!
ゲーム機接続時は専用メニューから素早く設定を変更でき、ゲームを中断することなく、最適な設定で再開。接続機器の情報も表示可能です。
ゲームに集中した状態のまま状況に応じて設定の変更ができます。
【音質】音のサラウンド感に専門家もびっくり
「Space Tune調整」で視聴環境に合わせた補正をすることで、立体感は圧倒的。セリフが明瞭に前に出てきて、聞き取りやすさもアップします。
イネーブルドスピーカーの低域再生能力が高まり、セリフをうえに持ち上げたときの質感がよくなっています。
【4位】LGエレクトロニクス「OLED C4シリーズ」
- LGエレクトロニクスOLED C4シリーズ
- 実勢価格: ¥149,900〜
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- 画質
- 音質
- 機能
- 操作性
- コスパ
- おすすめポイント
-
- ゲームに最適な環境を構築
- SDR映像は見やすい明るさ
- がっかりポイント
-
- 配信映像は全体的に暗め
- 地上波の映像補正は弱い
- 幅
- 122.2cm(スタンド含む)
- 奥行
- 23.0cm(スタンド含む)
- 高さ
- 75.7cm(スタンド含む)
- 重量
- 16.0kg
- チューナー
- 地上デジタル×3、BS/110度CS 4K×2、BS/110度CSデジタル×3
- OS
- webOS
- サイズ展開
- 42V、48V、55V、65V、77V、83V
- 型番
- OLED42C4PJA
テスト結果
画質(46/60点)
暗い部屋ならそこそこですが、明るめの部屋で見るにはパワー不足です。
音質(9/20点)
低音があまり出ず、ドルビーアトモスの立体感も物足りません。
機能(13/15点)
ゲームは遅延を感じず、画質や各種設定向けの独自メニューも用意しています。
操作性(10.5/15点)
カーソルで操作するマジックリモコンは、慣れるまでに時間がかかります。
コスパ(8/10点)
比較的値落ちが早く、20万円台(検証時)で購入できるなら悪くありません。
合計(86.5/120点)
AIにすべておまかせとはいきませんが、パネル自体には可能性を感じます。
【操作】メニュー・リモコンは独自色強め
独自のOSを採用しており、インターフェースは洗練されているとはいえません。
リモコンの動きに合わせてカーソルが勝手に動く「マジックリモコン」にも慣れが必要。LG以外からの乗り換えだと、とまどいがちなポイントです。
電源オフからの起動の速さは4製品中トップ。Netflixは約3秒で視聴可能です。ただYouTubeボタンがないのは気になりました。
【画質評価】ハイエンドに比べて映像に元気がなく沈みがち
【HDR】映像が暗く色彩にとぼしい
(左)LGエレクトロニクス「OLED C4シリーズ」、(右)シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」
NetflixのDolby Vision作品や、Ultra Blu-rayのHDR10映像で気になったのは、全体的に暗く落ち着いた沈みがちな映像になること。
暗い部屋での視聴に最適化されているためか、昼間の明るめの部屋では真価を発揮できません。
Dolby Visionは視聴環境に応じて補正をしてくれるため多少マシになりますが、HDR10では一転してイマイチ。上図のはちみつもシャープのような濃密さはなし。
本田さんも「元気がない」と評価したように、画力の弱さは否めません。
全体に暗い部屋での視聴を想定しているようで、特にNetflixにおけるHDR映像の表現が少し暗くなりがちです。真っ暗な環境ならば心地よい調整ではありますが、少し明かりを残した環境で楽しむ場合には、自分自身で画質の調整が必要になってきます。
【SDR】エキスパートなら部屋にあった明るさ
(左)エキスパート(明るい空間、昼間)、(右)エキスパート(暗い空間、夜間)
調整の自由度が高いSDR映像は、モードの選択次第で視聴環境に適した明るさになります。特に「エキスパート(明るい部屋、昼間)」の設定は、明るい部屋では最適な表示になり、文句なし!
明るい部屋で見るとHDR映像では黒が引き込まれてつぶれてしまいがちでしたが、SDR映像の「エキスパート(明るい部屋、昼間)」にすると見やすくなります。
オートAIのような映像モードはありませんが、「パーソナル・ピクチャーウィザード」で自分好みの映像にカスタマイズ可能です。
パーソナル・ピクチャーウィザードは、知識なしに好みの映像設定を大まかに得られるのが便利です。
【モード】夜景はそこそこ得意だが黒つぶれも
黒が締まるOLEDは夜景が得意であり、全体に映像が暗めなLGエレクトロニクス「OLED C4シリーズ」も「夜景はこれくらいでいいです」(本田さん)という評価。
ただ、階調(黒色の部分の色の差)はあまり出ておらず、ほかの製品では確認できた森の緑も完全につぶれてしまっていました。
夜景のなかに映っている森のディテールはなくなっています。
【地デジ】ディテールがつぶれたのっぺり感
初期状態の「弱」でもノイズ処理は効いていますが、ディテールがつぶれてツルツルになってしまいます。処理前の画質よりは見やすいですが、顔色が悪く不健康そうなのは気になるところでした。
【ゲーム】モード設定が詳細でゲームに最適
ジャンルを問わず最適な設定でゲームを遊べるよう、「ゲームオプティマイザー」でゲームのジャンルや各種映像機能を素早く設定。ゲーム中でも「ゲームダッシュボード」を呼び出して編集できます。
ゲーム機がなくても、「GeForce NOW」で直接ゲームをプレイ可能なので、ゲーム好きのためのエンタメテレビとして不足ありません。
NVIDIAやAMDの規格に準拠しておりゲーミングディスプレイとしても実用的。応答速度0.1msで、実際にゲームをプレイしても遅延を感じることはありませんでした。
【音質】低音が聞こえず期待は薄い
セリフを聞くと声にトゲがある印象。低音も聞こえず、音質はイマイチです。
音楽番組では、低音域ではなく中低音域が振動していました。センシング機能を備えていますが、設定後の変化もごくわずかです。
型落ち有機ELテレビのおすすめは?
ハイエンドの有機ELテレビに憧れはあるけれど、30万円超えはちょっと高すぎる! そんなときには型落ちモデルを検討してみましょう。
実は、過去に雑誌『家電批評』で高評価だった製品も、発売当時に比べて10万円以上安くなっているんです。
ここからは、雑誌『家電批評』編集部おすすめの4製品を紹介します。
過去に検証した製品のなかから厳選した、今買うべき型落ちをまとめました!
シャープ「アクオス OLED ES1 ライン」
- シャープアクオス OLED ES1ライン
- 実勢価格: ¥166,560〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥166,560〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥179,800〜
- 総合
- 幅
- 122.7cm(スタンド含む)
- 奥行
- 30.4cm(スタンド含む)
- 高さ
- 77.0cm(スタンド含む)
- 重量
- 29.0kg(約)
- チューナー
- 地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/110度CS 4K×2
- 型番
- 4T-C55ES1
UHD BDで再生した光を反射する羽根の輝きは、思わず目を奪われる美しさ。一方、地デジは多少ノイズが目立っていました。
TVS REGZA「X9900L」
- TVS REGZAX9900L
- 実勢価格: ¥159,800〜
- 総合
- 幅
- 123.2cm(スタンド含む)
- 奥行
- 31.3cm(スタンド含む)
- 高さ
- 74.3cm(スタンド含む)
- 重量
- 21.5kg
- チューナー
- 地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/110度CS 4K×2
- 型番
- 4T-C55ES1
パナソニック「ビエラ TH-55MZ2500」
- パナソニックビエラ TH-55MZ2500
- 実勢価格: ¥194,800〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥283,080〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥194,800〜
- 総合
- 幅
- 122.7cm(スタンド含む)
- 奥行
- 35.0cm(スタンド含む)
- 高さ
- 77.9cm(スタンド含む)
- 重量
- 24.5kg(約)
- チューナー
- 地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/110度CS 4K×2
- 型番
- TH-55MZ2500
ソニー「ブラビア XRJ-55A80L」
- ソニーブラビア XRJ-55A80L
- 実勢価格: ¥249,000〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥273,906〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥264,800〜
- 総合
- 幅
- 122.7cm(スタンド含む)
- 奥行
- 32.7cm(スタンド含む)
- 高さ
- 73.8cm(スタンド含む)
- 重量
- 18.8kg
- チューナー
- 地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/110度CS 4K×2
- 型番
- XRJ-55A80L
まとめ:4T-GS1シリーズはアクオスのイメージを180度変える一台
以上、有機EL4Kテレビのおすすめランキングでした。
今回、ベストバイに輝いたのはシャープ(SHARP)「AQUOS 4T-GS1シリーズ」とレグザ「X9900Nシリーズ」。
シャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」は使いこなすのが難しいQD-OLEDを、新型の映像エンジンが完璧にコントロール。また、「AIオート」が映像や環境に合わせて調節してくれるので、面倒な設定いらずで最良の映像を写してくれます。
音の再現性や再生帯域も良く、すべてが高いレベルで融合した一台といえます。
レグザ「X9900Nシリーズ」は補正とおまかせAIで積極的に画質を追求した一台。画質評価はシャープ「AQUOS 4T-GS1シリーズ」と同点で、なかでも地上波の映像評価は1位となりました。
明るい部屋での試聴をサポートする貴重な「リビングモード」に加え、詳細な映像補正ができるのも強み。さらに録画機能の「タイムシフトマシン」も搭載し、さらに映像を楽しめます。
ハイエンドの有機ELテレビが高すぎるという人には、型落ちモデルがおすすめ。
特に2022年にベストバイだったシャープ「アクオス OLED ES1 ライン」は、17万円台(検証時)と液晶テレビ並みの価格です。映像は精細感が高く、価格以上の価値があります。
また、パナソニック(Panasonic)「ビエラ TH-55MZ2500」も見逃せません。現行モデルと同様のMLA-OLED採用モデルが30万円切り(検証時)。今回好評価だったFire TVを搭載していないのは残念ですが、画質・音質は遜色ありません。
ソニー(SONY)「ブラビア XRJ-55A80L」とTVS REGZA「X9900L」も有機ELの美しさを堪能するには十分。購入候補に入ります。
ご紹介した商品詳細を参考に、お気に入りの一台をぜひ見つけてみてください。
4Kテレビのおすすめ
シャープ
AQUOS
4T-GS1シリーズ
レグザ
X9900Nシリーズ
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画面が暗い問題も年々改善されていますが、QD-OLEDではほとんど気にならなくなりました。しかし安くなったとはいえ、まだまだmini LEDとの価格差は無視できません。