格安テレビって買ってもいいの?

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雑誌「家電批評」では、さまざまな4K対応液晶テレビを検証・紹介してきました。そこで、「今、4Kテレビを安く買うなら、4Kチューナーは非搭載でも問題ないのでは?」という仮説を立て、それに基づき、各メーカーの製品の中から、4Kチューナー非搭載かつ50インチのモデルを探してリストアップすると、今まで紹介してきた格安モデルよりも、さらに安価な「格安テレビ」を見つけました!

今回はそんな「格安テレビ」が、本当に購入に値する実力なのかを、大手国内メーカーの最安値モデルや昨年の格安ベストバイモデルとも比較して、徹底的に調べ上げました!

まずは「格安テレビ」の素朴な疑問について解明していきます。一般的な4Kテレビのおすすめ記事は以下になります。

Q:あまり聞いたことのないメーカーが多いけど大丈夫?

A:大手海外メーカーやジェネリック家電だから大丈夫

4Kテレビといえばソニーやパナソニックなどの国内メーカーの名前が挙がりますが、国内外問わずテレビを製作しているメーカーは多く、「聞いたことがないメーカーの製品=粗悪」とは限りません。

大手海外メーカー

 

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ハイセンスTCLなどは世界シェア上位にも名を連ねる、有名メーカーで海外では有名です。

ジェネリック家電メーカー

 

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マクスゼンアイリスオーヤマなどはさまざまな工夫のもとに、安価なテレビを製作するメーカー。安くて品質もいいです。

ちなみに、ジェネリック家電メーカーとは、大手家電メーカーの一世代前の技術や大量生産されて在庫が余っているような電機器のパーツを利用しながら、搭載する機能を限定して低価格を実現した日本メーカーの家電商品のことです。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

機能は劣りますが、品質は悪くありません。

Q:なんでこんなに安く4Kテレビが買えるの?

A:機能などが限定されているから

最低限必要なテレビ視聴機能に絞られているのが格安テレビの特徴。一人暮らし・個人用で、テレビは基本「見るだけ」という使い方なら、価格は安い方がいいですよね。

また、登場時には平均価格が30万円近くした4Kテレビも、ここ5年で半額以下の10万円台にまで平均価格が下がりました。高価格帯には有機ELテレビが登場したのも、価格下落の原因と言えるでしょう。

それに伴い、格安モデルの価格もどんどん下がっているんです。

4Kテレビの平均価格の推移

 

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国産モデル

国産モデル イメージ

ソニー
BRAVIA X8000H
実勢価格:9万8466円

大手メーカーのテレビは、4Kチューナー、Wi-Fi対応の2機能が標準搭載されているモデルが現在の主流です。

格安モデル

格安モデル イメージ

ハイセンス
50F68E
実勢価格:4万4200円

対して格安テレビは、4Kチューナーなし、Wi-Fi非対応と搭載機能は必要最低限にまで限定されています。

そういった機能が不要であれば、格安テレビは「買ってよし!」と言えるんです。また、Wi-Fi機能については、この後紹介する「Fire TV」で後付けできてしまいます。

続いて、格安テレビの選び方のポイントをご紹介します。

【格安テレビの選び方 1】サブスク未対応はFire TVで解決!

最近のテレビは映像が美しいことは大前提で、Android OSを搭載して操作性や利便性を向上させたり、テレビ番組以外にも、ネットを通じて動画配信サービスの視聴ができたりと、機能性の向上が著しい傾向にあります。

しかし、残念ながら今回紹介している格安テレビの多くは、そのような機能には対応していません。

国内メーカーエントリー機の例

国内メーカーエントリー機の例 イメージ

ソニー
BRAVIA
KJ-49X8000H

実勢価格:9万7075円
主な対応サブスク:YouTube、Amazon Primeビデオ、Netflix、dTV、U-NEXT、Hulu、ABEMA、DAZN

格安モデルの例

格安モデルの例 イメージ

モダンデコ
SUNRIZE
4Kフレームレステレビ


主な対応サブスク:なし

では、格安テレビの購入がオススメできないのかといえば、そんなことはありません。格安テレビは、国内モデルと比べて圧倒的に安いので、周辺機器を買い足す余裕があるんです!

Fire TV Stick Maxをテレビに挿すだけで「未対応」ではなくなります!

Fire TV Stick Maxをテレビに挿すだけで「未対応」ではなくなります! イメージ

Amazon
Fire TV Stick 4K Max
実勢価格:6980円

Fire TVはテレビに挿すだけで4K対応の映像配信サービスを手軽に楽しめるアイテムです。いくつか種類がありますが、4Kテレビで使うなら、4K対応の「Fire TV Stick 4K」がおすすめ。

価格は約7000円とかなりの安価で、格安テレビを「サブスク対応テレビ」に進化させることができるんです!

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

ほとんどのテレビで簡単に使うことができます!

Fire TV Stick Maxをテレビに挿すだけで「未対応」ではなくなります! イメージ2
Fire TV Stick Maxをテレビに挿すだけで「未対応」ではなくなります! イメージ3

テレビに挿すだけで手軽に、AmazonプライムビデオやYouTubeをはじめとした、さまざまな動画配信サービスが利用できるようになります

リモコンにはマイクボタンがあり、押しながら話すこ、とでAlexaによる音声検索ができ、すぐに目当ての動画が見つかります。

動画配信サービスについては、「Fire TV Stick 4K」で解決。主要な配信サービスに対応できるようになります。約7000円で購入できるので、これを買ってもまだ、他のテレビより安く購入できます。

【格安テレビの選び方 2】録画機能は最低限でOK!

【格安テレビの選び方 2】録画機能は最低限でOK! イメージ

外付けHDDへの録画機能については、国内メーカー機の方が優秀です。ただし「全録」のような、それだけで購入を決断するほどの優れた機能が搭載されているのは、一部の高級機だけ。

国内メーカーエントリー機と格安テレビにはそこまで大きな差はありません。格安テレビも裏番組録画など、最低限の機能は搭載しているので、価格が安い分、お買い得な場合もあります。

【格安テレビの選び方 2】録画機能は最低限でOK! イメージ2

格安テレビは番組表から録画したい番組を指定して録画予約するという基本的な機能しか搭載していない場合がほとんどで、録りたい番組を指定する最低限の機能しかありません。

テレビ本体の録画機能は国内メーカーのほうが多少優秀ですが、それは微々たる差。もっと録画を充実させたい場合は、最初からレコーダーを使った方がいいでしょう。

【格安テレビの選び方 3】操作性はどれも同じ

格安テレビの多くは販売価格を抑えるために、大量生産されているパーツや安価なパーツ、ソフトを使用することが多いので、UIやリモコンなど、比べてみたら中身は同じだったということが多いんです。実はこれも安価な理由の一つです。

【格安テレビの選び方 3】操作性はどれも同じ イメージ

それぞれ違うメーカーの価格破壊テレビに付属するリモコンですが、ロゴ以外は形状からボタンの配置までまったく同じ作りになっています。

ハイセンス

 

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アイリスオーヤマ

 

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番組表もまったく同じ! 外見やリモコンだけではなく、番組表や設定画面など、システム面でも同様のものを使用しています。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

使い勝手や操作性が似通うことが多いです。

【格安テレビの選び方 4】ゲームで使うなら格安テレビは狙い目

最新テレビでは、より高画質の映像を描写、出力するために、内部でさまざまな変換装置や調整装置を通してから映像を出力します。そのため、若干ではありますが、ゲーム映像に遅延が発生する場合も。倍速駆動に対応したいわゆる「倍速液晶」も、描画の滑らかさを優先させるため遅延が起こります。

格安テレビは安価で製作、販売するためにそれらの内部装置が少ないため、遅延が発生する可能性も少ないです。

ただし、国産機の多くには格安テレビにはない「ゲームモード」と呼ばれる、前述した遅延の原因を抑え、ゲームに最適化したモードが存在します。特に東芝のテレビのゲームモードは秀逸です。

国産エントリー機(ソニー)

 

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映像の見え方、立体感はとても自然で、目にやさしい印象。こちらもプレイ中特に遅延を感じることもなく、快適にプレイできました。

格安モデル(モダンデコ)

 

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画面の輝度を感じ、明るさのメリハリが出ていて、目に見えて他の機種よりもきれいな描写でした。プレイ中の遅延も少なく快適です。
選び方のポイントがわかったところで、本題のテストの解説に入ります。

おすすめ格安テレビの比較方法は?

おすすめ格安テレビの比較方法は? イメージ

今回のテストでは、現行製品の中でも特に安い、画面サイズ50インチの7モデルをセレクト。AVライターの折原一也氏にご協力いただき、検証しました。テストしたのは、次の4項目です。

テスト1:音質

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TV放送などの実際の音声を聴き、聴き取りやすさを評価しました。

テスト2:画質

テスト2:画質 イメージ

地デジ、Ultra HD Blu-rayで映像を確認、評価しました。

テスト3:操作性

テスト3:操作性 イメージ

リモコンやメニュー画面の使いやすさをチェックしました。

テスト4:機能性

テスト4:機能性 イメージ

録画機能のほか、特筆すべき機能があるかを評価しました。
それでは、お待ちかねの格安テレビのおすすめランキングを発表します!

【おすすめ格安テレビ】東京Deco「TDP-i001-4K50W3-W」|Amazonで買える激安品

東京Deco:TDP-i001-4K50W3-W:テレビ

東京Deco
TDP-i001-4K50W3-W
実勢価格:5万3980円

▼テスト結果

  • 画質: 22点/30点
  • 機能性: 10点/30点
  • 操作性: 12点/20点
  • 音質: 15点/20点
  • 合計: 59点/100点

東京Deco「TDP-i001-4K50W3-W」。Amazonで購入できる手軽さが魅力の逸品です。

【おすすめ格安テレビ】アイリスオーヤマ「50UB10P」|ホムセンで買えます

アイリスオーヤマ:50UB10P:テレビ

アイリスオーヤマ
50UB10P
実勢価格:5万6800円

▼テスト結果

  • 画質: 18点/30点
  • 機能性: 10点/30点
  • 操作性: 12点/20点
  • 音質: 13点/20点
  • 合計: 53点/100点

ここまで、格安テレビランキングを紹介してきました。1・2位は、間違いなくおすすめできるので、一人暮らしでテレビを探している人は、ぜひチェックしてくださいね。次に、詳しい画質・視野角・音質比較テスト結果を紹介していきます。気になる方はチェックしてください!

格安テレビのおすすめ まとめ

以上、格安テレビのおすすめ品でした。もちろん高級機種には劣るものの、テレビ番組や動画配信を日頃視聴するだけなら十分なレベル。機能性は足りないものが多いですが、周辺機器を買い足したり、使用目的を絞って、割り切ってしまえば問題ありません。

今回の調査でこういった「価格破壊テレビ」がさらに進化していく可能性を大いに感じました。今後も格安テレビに大注目です!