AV機器チューナーレステレビとは?

チューナーレステレビとは、その名の通り地上波チューナーを搭載しないテレビのこと。2022年ごろから、ドンキホーテやドウシシャなど、従来のテレビメーカーとは異なるメーカーが、低価格で十分品質のテレビを売り始めました。

しかも、チューナーを搭載していないので、NHKの受信料の支払い対象外になる(現時点)というオマケ付き。地上波離れの影響もあり、チューナーレステレビは少しずつ人気を集めました。

チューナーレステレビのメリット・デメリットは?

チューナーレステレビのメリットといえば、チューナー搭載テレビよりも格段に安い点です。普通、50インチ以上の有名メーカー製テレビは安くても12万程度しますが、チューナーレスだと10万円を切る製品がほとんど。

一方のデメリットですが、やはりチューナー搭載のテレビメーカー(TVS REGZAやシャープなど)に比べると画質は劣ることが多いです。

ただ、最近ではシャオミのテレビを中心に、Mini LED採用のチューナーレステレビが登場。画質・機能性ともにチューナー搭載のテレビメーカーに劣らない画質を発揮しているんです。また、ネット動画が視聴可能なスマートテレビで「Google TV」搭載で動画配信サービスを自由に追加できる製品が多いのも魅力。

AV機器チューナーレステレビの選び方は?

シャオミとSKYWORTHから3製品を比較

シャオミとSKYWORTHから3製品を比較 チューナーレステレビおすすめ イメージ

今回はシャオミの2製品と、OPPO(オウガ・ジャパン)から販売されているSKYWORTHの「SKYWORTH Smart TV」の3台の性能を検証。画質や音質をAV評論家の野村ケンジさん、使い勝手や機能性などを編集部で評価しました。

画質や使い勝手など5項目をテスト

テスト項目1:画質

AV評論家の野村ケンジさんとNetflix、UHD-BD、YouTubeでそれぞれコンテンツを視聴。画質を評価しました。

テスト2:音質

AV評論家の野村ケンジさんに、NetflixとUHD-BD、YouTubeでそれぞれコンテンツを視聴していただき、音質を評価しました。

テスト3:機能性

リフレッシュレートやゲームの入力から画面反映への反応速度などを編集部で検証しました。

テスト4:操作性

UIの充実度やリモコンなど、実際の使用感に関わる部分を編集部で検証しました。

※「SKYWORTH Smart TV」、「Xiaomi TV S Mini LED」は55V型。「Xiaomi A Pro」は製品手配の都合で、43V型で検証しています。

AV機器 チューナーレステレビのおすすめは?

プロと一緒に実際に使ってみた、チューナーレステレビのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。

ランキングは項目名で並び替えられます
商品
A評価
SKYWORTHSKYWORTH Smart TV
チューナーレステレビおすすめ SKYWORTH SKYWORTH Smart TV イメージ
3.76
4.00 3.00 5.00 3.25 3.67 4.25
1223mm
760.5mm
212.9mm
15.4kg
Google TV
32V、43V、55V
QD-Mini LED
最大120Hz
A評価
シャオミXiaomi TV S Mini LED 55
チューナーレステレビおすすめ シャオミ Xiaomi TV  S Mini LED 55 イメージ
3.71
3.50 3.00 4.00 4.50 3.67 3.75
1226mm
716mm
311mm
12.8kg(約)
Google TV
55V、65V、75V
QD-Mini LED
144Hz
B評価
シャオミXiaomi TV A Pro 43 2025
チューナーレステレビおすすめ シャオミ Xiaomi TV A Pro 43 2025 イメージ
3.19
3.00 2.50 3.50 3.00 3.67 3.75
957.4mm
597.8mm
209.1mm
6.1kg
Google TV
43V、55V、65V、75V
4K QLED
60Hz

A評価【1位】SKYWORTH「SKYWORTH Smart TV」

総合評価: 3.76

 
配信画質
 4.00
UHD-BD画質
 3.00
YouTube画質
 5.00
音質
 3.25
機能性
 3.67
操作性
 4.25

巧みなチューニングであらゆる映像を自然に映し出す

オウガ・ジャパン(OPPO)が国内販売を手がけるチューナーレステレビ「SKYWORTH Smart TV」はMini LED &量子ドットの性能を十分に発揮。チューニングが巧みで、映画・配信・BD・YouTubeと、さまざまなコンテンツで高水準な画づくりを実現しています。

特徴は、明るい部分はしっかり明るく、暗部は黒が引き締まりつつも階調を失わないコントラスト感のある画調。高いパネル性能をフル活用した設計で、暗いシーンでも潰れず、かといってノイジーにもならない。まさに“今の時代のテレビらしい絵づくり”が光っていました。視野角も悪くないので、複数人の視聴にも使えそうです。

一点だけ惜しかったのが「赤の出方」です。純色系の赤がやや強めに出てしまい、特にYouTubeの一部コンテンツなどでテールランプなどが“ギラッ”と目立つ場面も。ただし全体の色味のバランスは良好で、調整次第で気にならなくなる範囲です。

音質は「一般的なテレビスピーカー相当」で、可もなく不可もない程度。定位感はある程度ありつつ、広がりや奥行きはやや控えめです。外部スピーカーやサウンドバーとの組み合わせでカバーしましょう。

アプリを自由に追加できる「Google TV」を搭載し「Googleアシスタント」にも対応。付属のリモコンに話しかけて手軽に音声操作や検索ができて便利です。

リモコンはダイレクトボタンを3つ(Netflix、Amazon Prime Video、YouTube)と自分で設定可能なボタンをひとつ搭載。チューナー搭載テレビのリモコンに慣れてしまうとやや物足りなさはありますが、一般的なチューナーレステレビよりも充実度は高いです。

総合すると、チューナーレステレビとしては最上位クラスの完成度で、高い画質を楽しめます。55V型だと約12万円で同型のチューナー搭載テレビの型落ちと肩を並べてきますが、画面の明るさや華やかさでは一般的な液晶テレビよりも上回る可能性は十分にあります。チューナーレステレビの画質に不満を感じていた人は、ぜひ検討してみてください。

おすすめポイント
  1. リッチな明るさながら自然な映像
  2. 細部の階調も十分に描写できている
  3. 「Google TV」を搭載
  4. ゲーミングモードを搭載
がっかりポイント
  1. 赤色がちょっと強め
  2. リモコンが多少シンプル
  3. 音質で特筆すべきところはない
1223mm
高さ
760.5mm
奥行
212.9mm
重量
15.4kg
OS
Google TV
サイズ展開
32V、43V、55V
パネル
QD-Mini LED
リフレッシュレート
最大120Hz

おすすめポイント1:情報量の多い映像をしっかりと再現

おすすめポイント1:情報量の多い映像をしっかりと再現 チューナーレステレビおすすめ イメージ

「SKYWORTH Smart TV」のUHD-BD画質ですが、白銀の世界という“明るさが支配する”シーンながら、雪面の階調がきちんと残っており、飛びすぎることなく自然に描写されていました。馬の陰影や体毛の立体感、背景に溶け込む風景のボケ方など、情報量の多い映像がしっかりと再現されています。他のテレビでは見えにくかった後方の山や林もしっかり見えました。

野村ケンジ 氏
オーディオビジュアル評論家
野村ケンジ 氏 のコメント

シーンによっては明るい部分のバンディングがちょっと気になったものの、暗部の調整と色彩のバランスは優秀でした。不満はほとんどありません!

おすすめポイント2:ゲーミングモードで超快適にプレイ

おすすめポイント2:ゲーミングモードで超快適にプレイ チューナーレステレビおすすめ イメージ

ゲーミングメニューも搭載。リアルタイムのFPS表示やサウンド・映像設定の確認、画面中央に標準マーク(いわゆるクロスヘア)を表示することも可能です。

A評価【2位】シャオミ「Xiaomi TV S Mini LED」

総合評価: 3.71

 
配信画質
 3.50
UHD-BD画質
 3.00
YouTube画質
 4.00
音質
 4.50
機能性
 3.67
操作性
 3.75

価格と画質にこだわるのであればベスト!

シャオミのMini LED モデルも高評価になりました。特に優れていたのは音質。映画向けテレビと言ってもいいほどしっかりとした低域を感じられるので、臨場感が大切なアクション映画でもしっかり楽しめます。AV評論家の野村ケンジさんも「音質については、今回試した3台のなかで圧倒的に良かった」と高評価

また、画質についてもSKYWORTHよりは劣るものの、全体的にパワフルな明るさ表現が印象的。担当編集も視聴していて、まるで映画館で見るような強烈な映像だと感じました。ただ、多少ビビットすぎるので、バックライトを好みに応じて下げるなどの調整が必要でしょう。

欠点は暗部表現。下位モデルの「A Pro」と大きな差が感じられず、大雑把な表現に感じられました。薄暗い映像がぼやけているので、暗い映像が多めの動画などを視聴する際は要注意です。

とはいえ、55V型で8万円台とチューナー搭載テレビでは考えられないような価格で「10万円台に十分対抗し得る画質」(野村さん)を実現した逸品。コスパを重視しつつ映画も楽しみたい人におすすめです。

おすすめポイント
  1. 強烈なまでの明るさ
  2. 色ノリが優れている
  3. しっかりとした低音を感じられる
  4. 「Google TV」を搭載
  5. 55V型を約8万円で買えるコスパの良さ
がっかりポイント
  1. 暗部の階調をほとんど感じられない
  2. 色がビビットすぎることも
  3. 画面端がちょっと暗め
1226mm
高さ
716mm
奥行
311mm
重量
12.8kg(約)
OS
Google TV
サイズ展開
55V、65V、75V
パネル
QD-Mini LED
リフレッシュレート
144Hz
型番
ELA5664GL

おすすめポイント:YouTubeで勢いのある絵作りを実現

おすすめポイント:YouTubeで勢いのある絵作りを実現 チューナーレステレビおすすめ イメージ

XiaomiのMini LEDモデルは、従来のA Proと比べて一段階上の画質表現を実現しています。特に感じられるのが「映像のエネルギー感」。明部の表現力、彩度、コントラストすべてが強化されており、非常に鮮やか。いわば“画に勢いがある”仕上がりです。

上記の映像でも、Mini LEDの強みである高輝度性能が効いており、太陽の輝きが力強く、空のグラデーションもよりリッチに感じられます。山肌のディテールも潰れず、雲の陰影に至るまで立体感がしっかり描かれているのは見事でした。

野村ケンジ 氏
オーディオビジュアル評論家
野村ケンジ 氏 のコメント

YouTubeの標準モードはやや華やか寄りで、見る人によっては「ちょっと派手かな」と感じる可能性も。映像をより自然に楽しみたい場合は、「FILM MAKERモード」への切り替えがおすすめです

おすすめポイント2:音質は映画視聴にピッタリ!

おすすめポイント2:音質は映画視聴にピッタリ! チューナーレステレビおすすめ イメージ
画像:「Xiaomi TV S Mini LED55 2025」製品ページより引用

Mini LEDモデルで特に感動したのは音質。検証に参加した野村ケンジさんも「チューニングを意識しない自然な調整で、ステレオイメージをうまく作り上げています」と高評価でした。低域をちゃんと確保していて、迫力は十分。映画を視聴するのにもピッタリです。

B評価【3位】シャオミ「Xiaomi TV A Pro 43 2025」

  • シャオミXiaomi TV A Pro 43 2025
  • 検証時価格: ¥39,800

総合評価: 3.19

 
配信画質
 3.00
UHD-BD画質
 2.50
YouTube画質
 3.50
音質
 3.00
機能性
 3.67
操作性
 3.75

コスパを最重視するならこれがベストかも

 

色味も比較的ナチュラルで、緑や青にクセがなく、赤もやや強めながらバランスのとれた仕上がり。鮮明で見やすい映像は、ニュースやYouTube、バラエティなどのカジュアルな視聴に適しています。

一方で、黒の沈み込みや中間階調の表現には甘さがあり、暗い映像では立体感や深みが出にくい場面も。他の2機種との差が最も感じられたのがこの“暗部の描写力”でした。

とはいえ、画面サイズが43インチで約4万円、65インチでも約9万円という価格を考えれば十分に納得のクオリティ。「価格重視で楽しい映像を見たい!」という人におすすめしたい、バランス型の1台です

おすすめポイント
  1. 約4万円は破格
  2. 精細感はある程度感じられる
  3. 色合いのチューニングも悪くない
  4. 明るい部分はポップな色彩
がっかりポイント
  1. 暗部の階調を比較するとイマイチ
  2. HDR 10+を表現しきれていない
957.4mm
高さ
597.8mm
奥行
209.1mm
重量
6.1kg
OS
Google TV
サイズ展開
43V、55V、65V、75V
パネル
4K QLED
リフレッシュレート
60Hz

おすすめポイント:この価格でこの画質はスゴい!

おすすめポイント:この価格でこの画質はスゴい! チューナーレステレビおすすめ イメージ

「A Pro」の色表現は非常にナチュラル。緑や青の色味に過剰なクセがなく、赤も強めではあるものの、必要以上にギラつくことはなく比較的穏やかです。グラデーションもスムーズで、背景の空と雲の色合いは破綻がなく、美しくまとめられています。

野村ケンジ 氏
オーディオビジュアル評論家
野村ケンジ 氏 のコメント

フレアが出てしまっている点や影の沈み込みが弱い点は気になるものの、細かい部分までしっかりと表現しているのは好印象です!

AV機器まとめ:SKYWORTH &シャオミの画質に驚き。チューナーレスならコレで決まり

以上、チューナーレステレビのおすすめランキング3選でした。

3製品それぞれ価格以上の高画質を実現しており、どれを選んでも満足できるはず。

ただし、特にSKYWORTHはUHD-BDでの画質において高い実力を発揮しました。暗部の階調もある程度のレベルでしっかり出ています。AV評論家の野村ケンジさんも「暗部が多い映画でも十分に楽しめます」と太鼓判。テレビをじっくり視聴するならSKYWORTHがピッタリ。しっかりと調整された映像なので作品にのめり込んで楽しめます。

コスパ重視派で画質も良質なものが見たければ「Xiaomi TV TV S Mini LED」がベスト。8万円切りでMini LED採用している55V型は貴重で、音質も価格を考えればかなりの完成度。映画を視聴するのにもおすすめです。

前述の通り、チューナーレステレビは家電量販店に置いていないことも多いので、中々見比べることは難しいですが、ぜひ実際に視聴して選んでみてください!

チューナーレステレビのおすすめ

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チューナーレステレビのおすすめ チューナーレステレビおすすめ イメージ2

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