ストリーミングデバイスとは?
定額で映画やドラマが見放題になる「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」をはじめとする動画配信サービス、通称「動画サブスク」が人気です。
動画サブスクの視聴手段は様々ですが、大画面で視聴したい場合はテレビが最適。しかし、古いテレビは配信サービスに対応していません。
そこでおすすめなのが、ストリーミングデバイス(セットトップボックス・STB)です。
ストリーミングデバイスがあれば、古いテレビや PCモニターでも動画サブスクが楽しめます。さらには、YouTubeも大画面で再生できます。
ストリーミングデバイス(セットトップボックス・STB)の魅力は、コンパクトなので手軽に持ち運べ、自宅のリビングだけでなく、旅行先のテレビやモニターでも好きな動画配信サービスを手軽に楽しめることです。
代表的なのが「Amazon Fire TV」シリーズや「Apple TV 4K」などの製品。高速プロセッサーや最新のWi‐Fi規格に対応しており、スムーズな操作性と高画質なストリーミングを実現しています。
さらに、2024年秋にはグーグルがこれまで販売していたSTB「Chromecast」を刷新し、「Google TV Streamer (4K)」を新発売。そこで今回は、新しくなったグーグルのSTBの実力を確かめるため、大手3社の人気製品を集めて徹底検証します。
ストリーミングデバイスにはどんなメリットがある?
動画サービスをテレビで視聴できるストリーミングデバイス。
まずはストリーミングデバイスを導入することで、どんなメリットがあるのか紹介していきます。
ストリーミングデバイスの導入を検討している方は、是非参考にしてくださいね。
迫力ある映像をテレビで楽しめる
最も大きなメリットといえるのが、大きな画面で迫力ある映像を楽しめるという点です。
動画配信サービスを、スマホやパソコンといったデバイスで視聴する際は、寝る前やちょっとした暇つぶしに鑑賞するのにも便利です。そういった利用が基本となっている方も多いでしょう。
しかし、テレビでの視聴はスマホやパソコンにはない、独自の良さがあります。
せっかく迫力ある映画や緊迫したドラマを4Kテレビなどで見るなら、大画面・臨場感を感じる音声で視聴したほうが、没入感や迫力はひと味もふた味も変わってくるでしょう。
細かな描写や、色彩の明暗などもテレビで見るとより鮮明なのも魅力です。
また、パートナーや友人など、複数人で視聴するときにシェアしやすいのもテレビで視聴するメリットといえます。
同じ画面をほかの人と見るのには、スマホなどの小さな画面で限度があり、やはり大きな画面での視聴がおすすめ。恋人や夫婦の二人の時間を楽しむのにも良いでしょう。
オリジナルドラマや映画の視聴が可能に
動画配信サービスは、ドラマや映画はもちろんのこと、見逃し配信など、幅広い作品を視聴することが可能になります。
中にはそのサービスのみで視聴できる、オリジナル作品に力を入れているサービスも存在します。
思い出に残る懐かしの映画や、先週見逃したドラマの続きも、ストリーミングデバイスを繋いでテレビで見ることができます。
話題の最新作もいち早く視聴できるサービスもあるので、自宅にいながら、自分のタイミングで最新作を観られるのはとても魅力的ですよね。
映画館やレンタルショップに行く必要がなく、時間にも左右されないので、すべて自分のペースで完結できてしまいます。
モデルによってはアプリやゲームにも対応できる
ストリーミングデバイスは、映画やドラマなどの動画を視聴できるだけではありません。
モデルによってはアプリやゲームを追加できるものもあり、テレビで操作することが可能です。
AppleTVだとApp Storeから、Google PlayからはAndroid系のゲームアプリを入手し、大きな画面で楽しむことができます。
こういった使い方ができると、家事の合間に子どもと一緒に遊べて便利ですよね。
機種によっては、Bluetoothに接続してキーボードやマウスにつなぐことも可能に。幅広いシーンで活躍してくれるのは、テレビに接続できるからこそといえるでしょう。
ストリーミングデバイスの検証方法は?
AV評論家が操作性や画質を採点
REGZA「55X9900N」とSTBを接続して、リモコンによる操作性やレスポンス、画質、音質などを検証しました。
ストリーミングデバイスのおすすめは?
【1位】Google「Google TV Streamer (4K)」
- GoogleGoogle TV Streamer(4K)
- 実勢価格: ¥14,586〜
- おすすめポイント
-
- UIがよくコンテンツが探しやすい
- AndroidスマホやPixel Buds Proと連携できる
- がっかりポイント
-
- 画質は暗い部分にややノイズっぽさ
- 幅
- 75.6mm
- 奥行
- 161.6mm
- 高さ
- 26.7mm
- 重量
- 160.7g
- CPU
- ARM Cortex-A55(4コア)
- メモリ
- 4GB
- ストレージ
- 32GB
- 型番
- GA05662-JP
【2位】Amazon「Fire TV Cube」
- AmazonFire TV Cube
- 実勢価格: ¥10,480〜
- おすすめポイント
-
- スマートスピーカーとして使える
- リモコン操作が快適
- Amazon Echoと連携できる
- がっかりポイント
-
- HDMIケーブルが付属していない
- 幅
- 86mm
- 奥行
- 86mm
- 高さ
- 77mm
- 重量
- 513g
- 出力解像度
- 4K
- Wi-Fi
- 11ax
- CPU
- ARM MT8183(8Cores)
- メモリ
- 2GB
- ストレージ
- 16GB
- 無線規格
- IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
- Bluetooth規格
- 5.0
- インターフェース
- HDMI出力、HDMI入力、USB-A、LAN、スピーカー
- 型番
- 53-027984
【3位】Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet (第3世代)」
- AppleApple TV 4K Wi-Fi + Ethernetモデル
- 実勢価格: ¥22,838〜
- 幅
- 93mm
- 奥行
- 93mm
- 高さ
- 31mm
- 重量
- 214g
- 出力解像度
- 4K
- Wi-Fi
- 11ax
- CPU
- A15 Bionic(6Cores)
- メモリ
- 4GB
- ストレージ
- 128GB
- 無線規格
- IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
- Bluetooth規格
- 5.0
- インターフェース
- HDMI出力、LAN
- 型番
- MN893J/A
【4位】Amazon「Fire TV Stick HD」
- AmazonFire TV Stick HD
- 実勢価格: ¥3,390〜
- おすすめポイント
-
- セットアップが簡単
- 価格がお手頃で導入しやすい
- がっかりポイント
-
- リモコンの作りが若干チープ
- 解像度はフルHDまで
- 幅
- 30mm
- 奥行
- 13mm
- 高さ
- 86mm
- 重量
- 32g
- CPU
- 1.7GHz(4コア)
- メモリ
- 1GB
- ストレージ
- 8GB
- 型番
- 53-035654
【テスト1】UIの出来
Amazon「Fire TV Stick」(15/20点)
画面レイアウトや検索エンジンの精度はAmazon「Fire TV Cube」と同じ。CPUのスペックはこちらのほうが低いので、検索時間やカーソル移動が遅く感じます。とはいえ、遅すぎてイライラするほどではありません。
Amazon「Fire TV Cube」(19/20点)
ホーム画面にPrime Videoなどの主要な動画サービスが並び、画質などの設定項目に移動するアイコンが中央に配置されており使いやすい。検索時のカーソル移動やスクロールもサクサクと軽快に動きます。
Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」(19/20点)
ブラウザ版のApple TV+をイメージさせる画面レイアウト。おすすめ動画の下にはアプリのアイコンが並びます。iPhoneやiPadでおなじみのコントロールセンターも表示でき、スリープタイマーやオーディオコントロールを設定できます。
Google「Google TV Streamer (4K)」(20/20点)
ホーム画面上部にユーザーの視聴履歴に基づいたおすすめ動画が表示されます。画面の下にはAndroidスマホライクな丸型のアイコンが並び、見たい動画サービスへすぐに移動可能。使いやすい画面構成です。
Google「Google TV Streamer (4K)」はウィキペディアの情報も表示
人名など、条件に合えば検索結果に関連するウィキペディアの情報も同時に表示されて便利です。
“キムタク”などの略語検索もできるApple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」
Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」とGoogle「Google TV Streamer (4K)」は「キムタク」や「ガッキー」などの略語でも検索が可能でした。ただし、すべての略語で検索できるわけでなく、検索できないことも……。
Amazon Fire TVシリーズはどちらもフルネームを言わないと認識できませんでした。
Amazon「Fire TV Cube」は 声をかけるだけで検索OK
リモコンを使わず、アレクサと声をかけるだけで検索可能。そのほか、「テレビをつけて」や「ボリュームを上げて」などの操作もでき、重宝します。
目的の動画を素早く的確に検索できたのは?
アイコンの見やすさに加え、目的の動画を迅速に検索できるかがポイントです。
最も見やすく、各動画サービスに素早く移動できたのはGoogle「Google TV Streamer (4K)」でした。ネットフリックスなどの動画配信サービスがホーム画面の下部に整然と並んでおり、目的のサービスに即座にアクセスできます。
カーソル移動のレスポンスも良好で、画面スクロールを伴う検索が快適でした。
動作レスポンスに限れば、Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」が最速で、4機種で最もスムーズな操作を実現しています。検索結果がポップアップ表示される点も視認性が高く評価できます。
一方、Fire TVシリーズもレイアウトがわかりやすく、動画配信サービスと本体設定のアイコンが中央に配置されているため、画質や音声設定へのアクセスが便利でした。
【テスト2】リモコンの操作性
Amazon「Fire TV Cube」と似たデザインですが、全体的な作りがややチープ。またボタンの数が減っています。サイズが小さい分こちらのほうが持ちやすく感じました
水色のボタンが音声ボタン。丸いリングがナビゲーションボタン。リングの中央が設定ボタンです。Prime VideoやNetflixが別ボタンになっているのは便利。
上部の円形パーツがクリックパッドになっており、スワイプ操作ができます。Siriボタンは右側面にあり、親指や人差し指がちょうど当たる位置にあって使いやすい。
白くコンパクトでリビングに置いても邪魔になりません。上部の円形パーツが上下左右ボタンで中央が決定ボタン。その他のボタンも大きく押しやすく感じました。
Amazon「Fire TV Stick」は動作がもっさり
カーソル移動やボタンを押したときのレスポンスがやや鈍く、ボタンを押してからワンテンポ遅れます。
Amazon「Fire TV Cube」が最も良好でした
操作性が最もよかったのは、Amazon「Fire TV Cube」です。カーソル移動や決定を行う上部の丸いナビゲーションボタンが非常に操作しやすく快適でした。
Amazon「Fire TV Stick」も似たデザインながら、ボタンの数が減り、ナビゲーションボタンの形状も異なるため、Amazon「Fire TV Cube」ほどの快適さはありません。
Google「Google TV Streamer (4K)」はボタンが大きめで押しやすいのが特徴です。Appl「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」はクリックパッドを採用しており、指をスライドさせてカーソル操作が可能。
この動作に慣れていないと使いにくさを感じるかもしれません。
【テスト3】画質チェック
Amazon「Fire TV Stick」
フルHD画質なので、4Kと比べると解像感は劣りますが、色みやコントラストがよく、キレイと感じる画質です.
Amazon「Fire TV Cube」
Apple TVに近い画質のよさ。4Kの解像感を見事に再現しており、暗部の表現も見事でした。
Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」
画質は一番優秀でした。映像内の砂ボコリまで緻密に描写し、空のグラデーションも滑らかです。
Google「Google TV Streamer (4K)」
Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」が自然な色みで 一番キレイでした
配信される動画を表示するだけだから、画質はどれも同じでは? と思う人もいるかもしれませんが、実は違います。
映像の明暗差や色彩の鮮やかさを強化するHDR技術、フルHD映像を4Kにアップスケーリングする技術の精度によって、画質がザラついたり、ぼやけたりすることもあります。最も画質がよかったのは、Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」です。
暗いシーンでも細部までしっかり表現。加えて、コントラストが優れているため、立体感のある映像が楽しめました。
他のストリーミングデバイスがテレビと本体の電源が入っている状態でしか操作できないのに対し、本機は電源オフ状態でも音声で操作できます。
【テスト4】対応サービス
対応サービスは4製品ほぼ一緒
STBを購入する前に、確認しておきたいのが目的の動画サービスに対応して い る か ど う か。Prime Video やNetflixなど主要なサービスにはどの機種も対応しているため、これらを観たいだけなら、どれを選んでもOK。
ただし、STBを購入しただけではNetflixなどの有料サービスは利用できません。個別に会員登録が必要です。
【テスト5】設置性
Amazon「Fire TV Cube」は高さがあるのがネック。最近のテレビはスタンドが低いので、テレビの下は難しいかも。
Amazon「Fire TV Stick」はテレビに直刺し。ぶら下がりがイヤなら延長HDMIケーブルで対処しましょう。
Google「Google TV Streamer (4K)」は薄いのでどこでも置けそう。
小型で設置場所に悩まない
Amazon「Fire TV Cube」は、高さが77mmあるので置き場所を選ぶかも……。Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet(第3世代)」やGoogle「Google TV Streamer (4K)」は薄いので、テレビの下など、ちょっとしたスペースがあればどこにでも置けます。
Google「Google TV Streamer (4K)」は据え置きですが、テレビまわりに置いても邪魔になりません。
ストリーミングデバイスのおすすめの使い方は?
ストリーミングデバイスの用途はかなり多彩です。使い手の工夫やアイデアによって活用の場は広がるので、ここではその一例を紹介します。
フォトストレージ内の画像を大画面のテレビに映す
ストリーミングデバイスは使用中のスマホやサービスで選ぶのが基本で、特にフォトストレージの連係が便利です。
「キャスト」もしくは「ミラーリング」と呼ばれる機能で、スマホの画面をそのまま映したり、再生している動画だけを映すことができます。
ただし、Google TVにはフォトアプリがなく、スマホからキャストする必要があります。
Amazon Photosはプライム会員なら容量無限!(写真左) 。また、 iPhoneで撮影した写真をテレビで楽しめます(写真右)。
USBハブを繋げれば活用シーンが増やせる
スティック型のFire TVなどは、給電機能のあるUSBハブを用意して繋げば、活用できるシーンが増やせます。おすすめは、LAN端子のあるマルチハブです。
有線のLANケーブルやUSBストレージを使います(写真左)。ハブの使用には20WのPD対応充電器も必要です(写真右)。
ゲームのリモートプレイ端末としても活用できる
ストリーミングデバイスに「Steam」のゲームをパソコンからリモートでプレイするアプリ「Steam Link」を導入すれば、ゲーム端末としても活用可能。コントローラはPS4やPS5のものが使えます。
ストリーミングデバイスの性能が低くても、大作ゲームが快適にプレイできます。
まとめ:Google「Google TV Streamer (4K)」がおすすめ!
以上、2025年ストリーミングデバイスのおすすめランキング4選でした。
今回の検証の結果、ベストバイに輝いたのは、Google「Google TV Streamer (4K)」でした。
今回検証したSTBはいずれも快適に動画を楽しめました。特にGoogle「Google TV Streamer (4K)」は、他製品と比べて洗練されたUIと優れた操作性が魅力。本体が薄く設置がしやすいのも高く評価できます。
なお、今回はコスパを評価していませんが、Amazon「Fire TV Stick HD」はお手頃ながら機能性は十分で、4K画質にこだわらなければ非常におすすめです。
また、Amazon Echoと連携してホームオーディオ環境を構築したいなら、Amazon「Fire TV Cube」が適しています。
iPhoneとAir Podsシリーズを使用しているなら、Airplayや空間オーディオが楽しめる、Apple「Apple TV 4K Wi-Fi+ Ethernet (第3世代)」がおすすめ。価格は高いですが、空間オーディオの迫力は見逃せません。
ストリーミングデバイスを探しているという人は、本記事のおすすめランキングを参考に、自分の視聴環境を加味して、製品選びをするといいでしょう。ぜひ、お気に入りをみつけてみてくださいね。
ストリーミングデバイスの売れ筋ランキングもチェック!
ストリーミングデバイスのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
Amazon「Fire TV Cube」は持ちやすさ操作性のどちらも優秀です。