Copilot+ PCとは?
2024年6月に一斉発売されたCopilot+ PC。
Copilot+ PCとはAIのローカル利用に最適化されたPCで、AI処理向けのNPUに40TOPS(整数演算を1秒間に40兆回実行できるという値)以上を要件とし、これまで困難だったパソコン内部で生成AIアプリを動かせる“AI推し”の新タイプPCです。
Copilot+ PCは3つの要件を満たす必要がある
- プロセッサー:40TOPS以上のNPU対応
- メモリ:16GB以上のDDR5/LPDDR5
- ストレージ:256GB以上のSSD/UFS
上記要件のうち注目はプロセッサー(SoC)のNPU性能。
AI処理をNPUに任せることで消費電力を抑え、ノートPCでの動作を確保しています。
CPUにインテル入ってない! 現状はSnapdragonのみ採用
Copilot+ PCに搭載のSoCはSnapdragon Xシリーズが採用されています。これはいち早く上記の要件を満たすSoCをリリースしたため。
同製品はインテルの第13世代Coreに対して、同じ電力で2倍の性能を発揮し、Apple M2よりマルチスレッド処理で50%高速と謳っています。
Snapdragonシリーズの種類
Snapdragon XシリーズはCPUのコア数によって10コアの「Plus」と12コアの「Elite」に分かれています。
さらにEliteには4つのモデルがあり、現在発売されているCopilot+ PCにはElite XIE-80-100とXIE-78-100が採用されています。
インテルとAMDからは24年秋頃に対応SoCが登場予定
Copilot+ PCのSoCとしてクアルコムに先行を許したインテルとAMDですが、2024年秋頃には搭載製品が出る予定です。
すでにHPからは2024年9月にSnapdragon Xを上回る性能のAMD Ryzen AI 300搭載機種の発売が公表されています。
家電批評がCopilot+ PCをテスト
今回、雑誌『家電批評』はCopilot+ PC5製品を比較テスト。
AIパソコンは本当に便利なのか? 仕事に役立つのかを探っていきます!
Copilot+ PCの機能は?
Copilot+ PCのWindows11限定でAI機能が新搭載されました。そのうち代表的なものが下の4つです。
この中で一番仕事向きなのはWindows Studioエフェクトだと思われますが、その他はまだ趣味の領域の印象です。
なお、これらの機能はCopilot+ PCに搭載されているNPUによって処理されていますが、完全にローカル環境で動作するわけではありません。
入力したプロンプトが規約に則っているかなどはクラウドで確認されます。
機能1:AI画像生成 コクリエイター
標準アプリの「ペイント」に備わるのが、AIを使った画像生成を行うコクリエイター(Cocreator)です。
本機能の特徴は、自分で描いたラフスケッチとプロンプト(言葉)を組み合わせて画像を生成できること。プロンプトのみでは生成AIに説明しづらいことを、簡単な絵で補完することにより作りたい絵に近づけられるようになります。
描画スタイルは水彩や油彩などから選択可能です。
拙い絵がAIの力でレベルアップしました!
▼生成前
▼生成後
簡単なラフを描いたら、生成したい絵のプロンプトを入力。「創造性」スライダーでAIの介入度が調整できます。
NPUにより生成はほぼリアルタイムで行われます。
機能2:Windows Studio エフェクト
PCに備わったWebカメラとサウンドの効果を変えられるのが「Windows Studio エフェクト」。
カメラ目線を維持する「テレプロンプター」や画面内で動いてもブレなく追従してぼかしを適用する「人物背景用ぼかし」などがあります。
アプリを問わず同一のカメラ効果を適用
カメラの設定メニューから適用したい処理効果をオンにするだけで、カメラを使用するアプリに処理された映像が映るようになります。
Studioエフェクトの効果は、内蔵カメラ、マイクにハードウェア的に作用するので、使用するWeb会議アプリが変わっても同じ効果を適用できます。
機能3:イメージクリエイター
フォトアプリに搭載されている画像生成機能。アプリ起動後、左メニューにある「Image Creator」を選ぶと利用できます。
プロンプトを入力すると無料かつ高速に次々と画像が作られます。
なかなか思い通りになりにくい
プロンプトの入力は日本語で利用可能ですが、内部では英語に翻訳されてから実行されるため、初めから英語で生成指示を出したほうが精度が上がります。
機能4:ライブキャプション
PCから音声出力されるデータにリアルタイムで英語字幕を付けられる機能。
例えばまったく聞いたことがない言語からでも、ひとまず英語に翻訳されることで大意が掴めます。
再生音声に英語字幕が付いた!
「Ctrl+Win+L」を押すと有効化されます。PCから出ている音声であれば、ネット動画、動画ファイルを問わず字幕表示がされます。
イチ押しだった新機能「リコール」は導入日未定に
一定時間ごとにPCのデスクトップをスクショし、その情報をNPUを使って処理することであいまいな言葉からでも検索をできるようにしたのが「リコール」。
ただ現在はセキュリティ上の問題から導入が延期されています。
Copilot+PCのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、copilot+ PCのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
デルXPS 13
|
|
295.30mm |
199.10mm |
14.80mm |
1.17kg(約) |
Windows 11 Home |
Snapdragon X Elite X1E-80-100 |
13.4インチ・2880×1880px(OLED) |
32GB |
1TB |
|
マイクロソフトSurface Laptop
|
|
329mm |
239mm |
18.29mm |
1.66kg |
Windows 11 Home |
Snapdragon X Elite X1E-80-100 |
15インチ・2496×1664px |
32GB |
1TB |
|
レノボLenovo Yoga Slim 7x Gen 9 83ED000QJP
|
|
325mm(約) |
225.15mm(約) |
12.9mm(約) |
1.28kg(約) |
Windows 11 Home |
Snapdragon X Elite X1E-80-100 |
14.5インチ・2944×1840px(OLED) |
32GB |
1TB |
|
HPOmniBook X 14-fe
|
|
312mm(約) |
223mm(約) |
14.4mm(約) |
1.34kg(約) |
Windows 11 Home |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
14インチ・2240×1400px(IPS) |
16GB |
1TB |
|
ASUSVivobook S 15 S5507QA-HA321W
|
|
352.6mm(約) |
226.9mm(約) |
14.7mm(約) |
1.42kg(約) |
Windows 11 Home |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
15.6インチ・2880×1620px(OLED) |
32GB |
1TB |
【1位】デル「XPS 13」
- デルXPS 13
- 検証時価格: ¥319,980〜
- 基本性能
- ディスプレイ
- スピーカー
- 操作性
- 接続性
- バッテリー
- 携帯性
- Webカメラ
5製品中で最小&最軽量ながら基本性能はトップ! パワフルな性能でAI以外でも活躍!
Copilot+ PCのおすすめランキング1位でベストバイは、A評価のデル「XPS 13」でした。
今回、2024年6月に発売されたばかりの「Copilot+ PC」を5台集めて比較しましたが、ハードウェア構成が近いため、基本性能はどれもほぼ同レベル。
ただし、5台中でトップとなったデル「XPS 13」は、プロセッサのクロック周波数がほかの製品より若干高く、基本性能が全体的に若干高めです。
検証した3K OLEDモデルのディスプレイは、画質が飛び抜けていいというわけではありませんが、色域も広くて色も正確です。
4スピーカーの音質もしっかり調整されており、トップの成績でした。
ポートがUSB-Cのみで少ないこと、フラットなキーボードとシームレスなタッチパッドで操作感がやや独特なこともあり、好き嫌いは分かれそうです。
しかし、全体的なバランスがよく、AIを使った作業はもちろん、書類作成やオンライン会議、ネットでの調べ物、写真レタッチ、動画視聴など、メインマシンとして十分活躍できる一台です。
本体が小さいので、持ち運んで外で使うのもおすすめです。
- おすすめポイント
-
- ベンチマークスコアが全体的に高い
- エンタメ用途にも使える画質・音質
- キーボードもトラックパッドも快適
- がっかりポイント
-
- ポートがUSB-Cのみで少なめ
- 幅
- 295.30mm
- 奥行
- 199.10mm
- 高さ
- 14.80mm
- 重量
- 1.17kg(約)
- OS
- Windows 11 Home
- CPU
- Snapdragon X Elite X1E-80-100
- ディスプレイ
- 13.4インチ・2880×1880px(OLED)
- メモリ
- 32GB
- SSD
- 1TB
テスト結果
【基本性能】26.8/30点
CPUを含め、全体的な性能がほかの製品よりもすべて若干高め。
特にSSDが高速で、読み書きともにストレスを感じることは少ないでしょう。
【ディスプレイ】12.3/15点
映像は精細感があり、色域や色差も優秀。ただGPUの差なのか、Intelモデルよりもやや全体が白っぽく、黒は墨っぽく見えます。
【スピーカー】4.0/5点
ツイーター+ウーハーの4スピーカー合計8W構成で、Dolby Atmosにも対応。
最大音量は小さめですが音割れもなく、しっかり調整されています。
【操作性】9.8/15点
フラットなキートップは大きめで打ちやすいものの、かためで長時間だと疲れそう。
Intelモデルと比べて、ややカーソルの動きにもったり感があります。
【接続性】2.7/5点
PDとDPに対応した40GbpsのUSB-Cが、左右に1つずつと少なめ。ワイヤレスはWi-Fi 7に対応しており、Bluetoothもバージョン5.4です。
【バッテリー】4.5/5点
3セルの55Whバッテリーを搭載しており、稼働時間は公称で最大27時間とかなり長めです。付属のACアダプターは60WのUSB-Cアダプター。
【携帯性】3.5/5点
CNC削り出しアルミの筐体で、A4サイズより小さいので携帯性も剛性も高いです。
重量は約1.17kgで、超軽量とまではいきませんが比較的軽めです。
【Webカメラ】7.5/10点
1080p(30fps)のフルHD RGBカメラを搭載。明るくてややのっぺりした印象はありますが、一番顔色がよく見えます。
音は若干こもり気味です。
【基本性能】Snapdragon X Eliteのなかでも仕様違いでわずかに高い!
同じSnapdragon X Eliteでも型番が「X1E-80-100」のプロセッサを搭載しており、「X1E-78-100」搭載のものより全体的にスコアが若干高めです。
さらにSSDの速度も、読み書きともに5製品中でトップでした。
FF14のベンチマークも測定してみましたが、フルHD・高品質(ノートPC)の設定で「やや快適」。
プロセッサ内蔵のGPUですが、設定を調整すれば重めのゲームも快適にプレイできます。
【操作性】ストロークは浅めだがキーが大きい 電源キーの配置には注意が必要
筐体は既存の「XPS 13」と一緒なので、操作感はこれまでどおり。キーは大きいものの、ややかたくて沈み込みも浅めです。
シームレスなタッチパッドは、慣れるまでクリック位置を見失います。右上が電源キーなので、誤入力にも注意が必要です。
なお、2024年5月号で検証した「XPS 13 Plus」と比べ、ややカーソルの動きが鈍く感じました。
【接続性】ポートはUSB-Cのみで少ないけれど左右に配置されていて使いやすい
ポートは少なめで40GbpsのUSB-Cが2つだけですが、USB PDによる急速充電やDisplayPort(DP)による映像出力も可能。
左右に分かれていて使いやすいものの、片方は電源に占有されます。
【ディスプレイ】3K OLED 60Hzで見やすく凝縮感もある
ディスプレイ性能はsRGB 100%で色域も広く、色差も平均ΔE 0.45と優秀。
動画再生では飛び抜けて高画質ではないものの、画面が小さい分凝縮感があって見やすいです。
エンタメ用途にも十分使えます。
【スピーカー】ライトで軽い音色ですがうまくまとまっています
ツイーターとウーハーが2個ずつで、4スピーカー構成です。
ライトな軽い音色で最大音量は小さいですが音割れもなく、うまくまとめてられています。
【Webカメラ】フルHDなので高解像度ではないけれど明るくて一番顔色がよく見えた
フルHD(207万画素)・30fpsと一般的なカメラ性能ですが、顔色が一番よく見えました。
音声も若干こもった感じですが、しっかり聞き取れます。プライバシーシャッターがないのは残念です。
Webカメラ映像は内部補正のせいかややのっぺりした印象はありますが、逆光でも顔色がよく好印象です。
残念ながらプライバシーシャッターは非搭載です。
【2位】マイクロソフト「Surface Laptop」
- マイクロソフトSurface Laptop
- 実勢価格: ¥261,643〜
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- 基本性能
- ディスプレイ
- スピーカー
- 操作性
- 接続性
- バッテリー
- 携帯性
- Webカメラ
ビジネス向けの縦横比
Copilot+ PCのおすすめランキングで第2位となったのは、今回の5台中で最も高価なマイクロソフト「Surface Laptop」です。
A評価を獲得し、操作性ベストとなりました。
プロセッサは「X1E-80-100」ですが、ベンチマークのスコアは「X1E-78-100」搭載の他製品と同等で、SSDはやや速度が遅め。
ただし、Surface特有の3:2比率の画面と5台中トップの操作性で、仕事ははかどります。
縦に広い画面なので、Office書類の表示にも適しています。
やや明るめ寄りですが、映像のチューニングも上手でバランスが取れており、動画視聴にも向いています。
なお、音量を上げても音割れしませんが、音質はいいわけではありません。
- おすすめポイント
-
- 縦に広いディスプレイで画質もいい
- キーボードもトラックパッドも快適
- がっかりポイント
-
- 頻繁に持ち運ぶにはやや重い
- 幅
- 329mm
- 奥行
- 239mm
- 高さ
- 18.29mm
- 重量
- 1.66kg
- OS
- Windows 11 Home
- CPU
- Snapdragon X Elite X1E-80-100
- ディスプレイ
- 15インチ・2496×1664px
- メモリ
- 32GB
- SSD
- 1TB
テスト結果
【基本性能】24.2/30点
CPUのマルチコア性能は「14315.3」で高めですが、総合べンチは「4471.2」で他製品と同等。
SSDは読み込み「3672.32」、書き込み「3036.80」と遅めです。
【ディスプレイ】13.3/15点
120Hz表示とHDRに対応したタッチディスプレイで色域も広く、色差も良好。エンタメ特化ではないものの、動画もそこそこ楽しめます。
【スピーカー】3.0/5点
中域しかなく、エンタメ向けではありませんが、ノートPCの性能を調整で最大限上げている印象です。
仕事用としては十分な音質です。
【操作性】12.0/15点
キーは小さめですが、本体にも適度な剛性があって打ちやすいです。
電源が「Del」キーの左にある配置も快適。タッチパッドは文句なしの使い勝手です。
【接続性】4.2/5点
ポートの種類も数も豊富。電源が独立しているので、USB-Cも占有されません。
ポート間隔も十分で、使い勝手も良好。Wi-Fi 7も使えます。
【バッテリー】4.0/5点
公称では最大22時間ですが、これはPC内の動画を再生した場合。アクティブなWeb使用時間では最大15時間ですが、十分な稼働時間です。
【携帯性】2.5/5点
しっかりした作りで持ち運びの不安はありませんが、幅329mm・奥行き239mmと比較的大きめ。
重量は1.66kgで最も重く、頻繁に持ち運ぶのは厳しいです。
【Webカメラ】6.0/10点
カメラの画素数は207万画素と一般的。逆光では顔がやや暗めですが顔色は悪く見えません。
音声は若干こもった感じですが内容は把握できます。
【操作性】しっかりした打ち心地でタッチ感度も良好
キーはやや小さめですが、電源が「Del」の左にある配置で打ちやすいです。
タッチパッドも指の動きがかなりスムーズで操作しやすく、思いどおりにカーソルを動かせます。
【接続性】欲しいポートがひと通り揃っている
ポートはPD・DP対応でThunderboltにも対応した40GbpsのUSB-C×2、5GbpsのUSB Type-A×1、ヘッドホンジャックとmicroSDに加え、電源用のSurface Connectも装備。
電源が独立していて快適です。
【画質】色域が広くて色差も小さくて良好! エンタメ用途もいける画質
映像のチューニングが上手でバランスが取れた映像です。エンタメ特化ではないですが、動画もそこそこ楽しめます。
色域はsRGBが100%でP3は99%、色差は平均でΔE 0.91と優秀でした。
Surface特有の3:2比率の画面で縦幅が広いため、Office書類の表示に最適。画面が広いので動画も見やすく感じます。
【Webカメラ】逆光ではやや暗めだけど顔色は悪く見えない
全体的にすごく明るいわけではなく、逆光では顔もやや暗いものの顔色は悪く見えません。音声はややこもり気味です。
【3位】レノボ「Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9」
- レノボLenovo Yoga Slim 7x Gen 9 83ED000QJP
- 実勢価格: ¥212,000〜
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- 基本性能
- ディスプレイ
- スピーカー
- 操作性
- 接続性
- バッテリー
- 携帯性
- Webカメラ
仕事がはかどる性能でお手頃
Copilot+ PCのおすすめランキング3位は、A評価のレノボ「Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9 83ED000QJP」でした。
約25万円で上位の製品と比べて若干安いのが嬉しいところ。
Snapdragon X Eliteは「X1E-78-100」で、総合ベンチとCPUベンチのスコアは1位の製品よりやや低めです。
ただ、グラフィック性能はほぼ一緒でSSDもそれなりに高速なので、性能差を感じるかは微妙なところ。
もちろん、AI作業だけでなく一般業務やビデオ会議も難なくこなせる性能なので、正直なところ3位以降の製品のほうがお買い得感はあります。
ポートがUSB-Cのみでも問題ないならおすすめです。
- おすすめポイント
-
- 上位2製品と性能差はわずかで安い
- 全体的なバランスがいい
- がっかりポイント
-
- ポート数は3つでUSB-Cのみ
- 幅
- 325mm(約)
- 奥行
- 225.15mm(約)
- 高さ
- 12.9mm(約)
- 重量
- 1.28kg(約)
- OS
- Windows 11 Home
- CPU
- Snapdragon X Elite X1E-80-100
- ディスプレイ
- 14.5インチ・2944×1840px(OLED)
- メモリ
- 32GB
- SSD
- 1TB
- 型番
- 83ED000QJP
テスト結果
【基本性能】24.9/30点
総合ベンチのスコアは「4442.7」で、マルチコア性能は「14070.3」。グラフィックが「6521.3」で、上位の製品との性能差はわずかといえます。
【ディスプレイ】13.1/15点
3K OLED 90Hzのタッチディスプレイを採用しており、DisplayHDRにもDolby Visionにも対応。
しかし、動画の映像はやや調整不足な印象です。
【スピーカー】3.0/5点
Dolby Atmosの4スピーカー構成ですが、比較的割り切った音質です。
最大音量では使いづらく、音質も定位感も実力を活かしきれていない印象。
【操作性】10.5/15点
バックライト・キーボードでキーの沈み込みも適度にあります。キーが丸みのある形状ですが、打ち心地は悪くないです。
タッチパッドは快適です。
【接続性】3.7/5点
ポートはPD・DP対応のUSB-Cが3つで、種類が少なめ。
ポート間隔もそこそこ広いので干渉の心配はありませんが、口が斜めでやや挿しづらいです。
【バッテリー】3.5/5点
4セルで70Whのバッテリーを搭載しており、公称の稼働時間は約19.6時間と長めです。
急速充電に対応しており、約2時間でフル充電できます。
【携帯性】3.3/5点
しっかりした作りで、持ち歩きに不安は感じません。14.5インチなのでそれなりの大きさですが、約1.28kgでサイズのわりに重さを感じません。
【Webカメラ】6.0/10点
207万画素のカメラで電子式プライバシーシャッターと光センサーを搭載しています。
白はクッキリ映りますが、顔はやや暗め。音声は比較的澄んだ感じです。
【操作性】キートップが変わった形状だけど操作性は良好
キーの上下に丸みがある形状で、やや違和感がありますが打ち心地は悪くありません。
タッチパッドはスムーズで感度良好です。画面はほぼ水平まで開きます。
人により好き嫌いが分かれそうな使い勝手
右側面に電源とプライバシーシャッターボタンという独特の配置。
文字入力時に電源を押してしまう心配はありませんが、逆側にUSBを挿す際に押してしまいがち。Webカメラ部分の出っ張りも含め、好き嫌いはありそうです。
【接続性】USB-Cのみだけど3ポート搭載
ポートはUSB-Cのみですが左側面に2つ、右側面に1つで計3ポートが用意されています。
PDにもDPにも対応していますが、ポートの口が斜めで若干挿しづらさを感じます。
【画質】ディスプレイ性能は優秀 でも若干調整不足を感じる
ディスプレイは色域も広く、色差も優秀。
しかし、映像が切り替わる際のチラチラが気になり、映像もやや眠い印象。赤が多少強めです。
解像感はあってシャープな映像なので、調整不足で素材の強みを生かしきれない印象です。
【4位】HP「OmniBook X 14-fe」
- HPOmniBook X 14-fe
- 実勢価格: ¥183,820〜
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- 基本性能
- ディスプレイ
- スピーカー
- 操作性
- 接続性
- バッテリー
- 携帯性
- Webカメラ
仕事も動画も快適な一台
Copilot+ PCのおすすめランキング4位は、A評価のHP「OmniBook X 14-fe」でした。
動画が一番キレイで、仕事だけでなくエンタメ用途にも向いています。そのため、エンタメベストを獲得しました。
液晶はIPSパネルですが、14インチで2.2Kと解像度は高めで、野村さんも「パネルの質の良さを感じる」とコメントしていました。
ただ、色差が大きくガンマ値もズレていたのが減点対象に。音質は派手めの音楽には合いませんが、低い性能ながら頑張っている印象で悪くありません。
操作性やポート数、Webカメラと大きな欠点がなく、良バランスな一台です。
- おすすめポイント
-
- 動画がキレイでエンタメ用途もアリ
- Webカメラの音声がクリア
- がっかりポイント
-
- 底面の強度にやや不安を感じる
- 幅
- 312mm(約)
- 奥行
- 223mm(約)
- 高さ
- 14.4mm(約)
- 重量
- 1.34kg(約)
- OS
- Windows 11 Home
- CPU
- Snapdragon X Elite X1E-78-100
- ディスプレイ
- 14インチ・2240×1400px(IPS)
- メモリ
- 16GB
- SSD
- 1TB
テスト結果
【基本性能】22.9/30点
総合ベンチのスコアは「4289.3」で、マルチコア性能は「13439.7」。グラフィックは「6058.3」。
SSDの転送速度は読み書きともにやや遅めです。
【ディスプレイ】12.5/15点
2.2K IPSのタッチディスプレイで、画面比率は16:10。発色がキレイでノートのモニターとしては悪くなく、動画は5台中で一番キレイでした。
【スピーカー】3.5/5点
音のエッジを立たせようとしたためか、ボーカルがややハスキーな印象です。
「J-POPには合いません」との話ですが、音質としては必要十分です。
【操作性】9.0/15点
打ちやすいですが「SHIFT」などの大文字表記が違和感アリ。「ENTER」キーも「SHIFT」と同サイズで紛らわしいうえに、タッチパッドの滑りも微妙です。
【接続性】3.7/5点
USB-Cの間隔が狭く、電源ケーブルと幅2cm程度のUSBメモリでギリギリです。
2つのUSB-Cポートは速度が違うので都度確認も必要です。
【バッテリー】4.5/5点
稼働時間は公称で最大26時間とかなり長めです。急速充電にも対応しており、30分間の充電で50%の充電が可能です。
【携帯性】2.5/5点
高強度アルミニウムボディですが、幅約312mmで奥行き約223mmとそれなりの大きさ。閉じて掴むと底面が若干ペコペコするのが気になります。
【Webカメラ】7.5/10点
500万画素で顔認証対応のカメラを搭載し、プライバシーシャッターも装備。明るいけれど全体的にやや白っぽいです。
音声はかなり澄んでいてクリアです。
【操作性】打ちづらくはないけれど気になる点もいくつかある
英字バックライトキーボードで大きくて打ちやすいですが、SHIFTなどがすべて大文字なのが違和感あり。
ENTERキーも小さいです。
【接続性】USBポートは十分な数が揃っているが2つのUSB-Cは転送速度に差がある
ポートはUSB-Cが2つとType-Aが1つで十分な数ですが、2つのUSB-Cは速度が違うので注意が必要です。
なお、どちらのUSB-CもPDとDPには対応しています。
【画質】有機ELではないものの透明感や奥行きまで感じられるキレイさ
液晶はIPSパネルですが、くすみもなく発色がキレイ。赤が強めですが、きちんと調整されていて違和感はなく、動画のキレイさはトップです。
ただし、色差は平均「ΔE 1.76」と他製品よりやや大きめです
ノイジーな感じもなく 、透明感や奥行きを感じるのでライブ映像向きです。
【Webカメラ】映像は白っぽいけれど音声は澄んだ印象
映像は明るいですが全体的にやや白っぽいです。ただ、顔色はよく見えます。
音声は澄んでいてクリアで、キーボードの「ミュート」も便利です。
【5位】ASUS「Vivobook S 15」
- ASUSVivobook S 15 S5507QA-HA321W
- 実勢価格: ¥208,717〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥208,909〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥208,717〜
- 基本性能
- ディスプレイ
- スピーカー
- 操作性
- 接続性
- バッテリー
- 携帯性
- Webカメラ
テンキー付きで表計算の入力が捗る
Copilot+ PCのおすすめランキング5位は、B評価のASUS「Vivobook S 15 S5507QA-HA321W」。こちらはコスパベストを獲得しました。
約25万円ながら15.6インチの大画面と、テンキー付きのフルキーボードを採用。ポート数も種類も一番豊富で、HDMI端子まで装備されています。
この価格で“全部入り”といった豪華な構成ですが、操作性と動画再生の画質・音質がやや残念な結果に。
画面も水平まで開くので、タッチ対応が欲しいところです。
- おすすめポイント
-
- バランスのいい基本性能で高コスパ
- テンキー付きで数字入力がしやすい
- がっかりポイント
-
- 音を大きくすると割れてしまう
- 幅
- 352.6mm(約)
- 奥行
- 226.9mm(約)
- 高さ
- 14.7mm(約)
- 重量
- 1.42kg(約)
- OS
- Windows 11 Home
- CPU
- Snapdragon X Elite X1E-78-100
- ディスプレイ
- 15.6インチ・2880×1620px(OLED)
- メモリ
- 32GB
- SSD
- 1TB
- 型番
- S5507QA-HA321W
構成と価格でみれば一番高コスパといえます。テンキーがほしい人にはピッタリの一台です。
テスト結果
【基本性能】24.4/30点
総合ベンチのスコアは「4488.1」で、マルチコア性能は「14685.3」。グラフィックも「6496.7」で、SSDもそこそこ高速です。
【ディスプレイ】11.5/15点
ビジネス向けをベースにエンタメ色をちょっと入れた印象。映像は破綻していませんが、激しい動きには不向きです。
【スピーカー】2.5/5点
音が揺れており、位相もシビア。音量を大きくすると割れてしまいます。
エンタメ向けにしようとして散らかった印象です。
【操作性】9.8/15点
使いづらいまではいきませんが、テンキーの分配置が厳しく、一部キーの間隔が狭いです。
タッチパッドもあまり滑りません。
【接続性】4.2/5点
ポートの種類も数も豊富で、ひと通り揃っています。ただし、その代わりにポート間が狭くなってしまっています。
【バッテリー】3.5/5点
3セルの70Whバッテリーを搭載。
大容量ですが、稼働時間は公称で約18時間。急速充電対応で約49分で60%充電可能です。
【携帯性】2.0/5点
ミリタリーグレードでしっかりした作りですが、サイズが大きいので頻繁に持ち歩くのは不向き。重量も約1.42kgと重めです。
【Webカメラ】5.0/10点
207万画素の赤外線カメラで、プライバシーシャッター付き。顔認証にも対応していますが、映像が全体的に暗めです。
【操作性】テンキー付きは便利だけどある程度慣れは必要
テンキーは快適ですが、テンキーなしに慣れているとしばらく誤入力が多そうです。キーボード右上が電源なのも注意が必要。
タッチパッドも滑りがやや微妙です。
【接続性】USBポート数も多くHDMIやmicroSDも搭載
ポートの種類や数も豊富ですが、USB-C同士の間隔が狭くて電源とUSBメモリで干渉してしまいます。
USB-Cだけでなく、HDMIでも画面を外部出力できるのは手軽です。
Copilot+ PCを選ぶ際に知っておきたいPC用語は?
ここからは、Copilot+ PCを選ぶ際に役立つPC用語を解説します。
SoC
System on a Chipの略で、CPU、GPU、メモリ、I/Oなど複数の機能を1個のチップに集積したもの。
これによりコントローラの小型化が図られるとともに、効率的な電力消費によりデバイスの長時間駆動が可能になりました。
スマホ・タブレット、ノートPCで幅広く採用されています。
色域
人間の目で認識可能な色の範囲の中で、ディスプレイで表現できる範囲を数値化したもの。
「sRGB」「Adobe RGB」「NTSC」「DCI-P3」などの規格が存在し、その規格内の何%を表示できるかが数値化されます。
もちろん100%に近いほうが優秀ですが、一般利用なら「sRGB」のカバー率が高ければ十分です。
色差
基準の色とディスプレイ表示の色の差で、「ΔE(デルタイー)」という単位で表記されます。数値が小さいほど正確で、「ΔE=1」で2色を横に並べて比べると違いが判別できるレベル。
高画質モニターでもΔE≦2〜3の仕様の製品もあります。
Thunderbolt
PCと外部機器を接続するための高速通信規格で、データ通信以外に充電や映像出力にも対応しています。
もともとはインテルとAppleが共同開発した規格のため、Macでは以前より利用されていました。
ポート形状はUSB-Cと同形状で、Thunderbolt 4の通信速度は40GbpsでUSB4と同じ転送速度です。
DisplayHDR
HDRモニター性能を示す世界初のオープンソースな認証。
認証されたディスプレイは、高輝度とコントラストで深い黒や暗部再現ができ、自然な色合いでHDRコンテンツを表示できることが保証されていることになります。
IPSパネル
液晶の種類のひとつで、視野角が広く、TN方式やVA方式よりも全体的に高性能なのが特徴です。
以前は高価だったため、製品数は少なかったのですが、現在では多くの製品で採用されています。
ただし、近年では有機EL(OLED)を採用した製品数が増えており、やや押され気味です。
まとめ:対象AI機能を使うなら潜在能力は高い!
以上、Copilot+ PCのおすすめランキングでした。
ベストバイに選ばれたのはDell「XPS 13」。30万円超えと高めですが仕事にも趣味にも使える性能なうえ、持ち運びもしやすい一台となっています。
今回、5台の「Copilot+ PC」を使ってみましたが、一般的な作業に関しては十分軽快にこなせる性能で、処理速度のストレスはまるで感じられませんでした。
「Copilot+ PC」ではない同価格帯の最新モデルと比べると、体感的には同等といったところ。「Snapdragon」だから特別速いという印象は受けませんでした。
また、Copilot+ PCで気になるのが、現在の機種はSoCにSnapdragon Xを採用する、ARM版Windows 11だということ。
有名アプリはARM版も提供していることが多く、動作に支障はありません。また、その他のアプリもエミュレーションによって多数が動作すると思われます。しかし、一部アプリは動作に不安が残ります。
加えて、現状ではまだハードウェアにAIを利用するソフトウェアが追いついておらず、性能を十分に活用できていません。
真価を発揮するのはAIを使った作業ですが、現時点では対象となるのはウィンドウズ標準の一部の機能のみ。“すべてのAI作業が高速になる”わけではありません。
利用環境が整っていないために、あえてCopilot+ PCでなければならない理由が見当たらず、バッテリー駆動時間しかメリットがないのが惜しいです。
しかし、今後もNPUで動くAI機能が増えることは予想できるので、AIを仕事に活用したいなら有力な選択肢にはなるでしょう。
現時点では搭載SoCが「Snapdragon」のみなので、どのメーカーを選んでも基本性能に大差はありません。ハード構成と価格で用途に合わせて選ぶのがいいでしょう。
ただし、今後はインテルやAMDのSoCを搭載するモデルも登場するので、待つのもアリです。
今回、いろいろと触りましたが、正直なところまだCopilot+ PCの有用性を感じませんでした。
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映像のキレイさはそこそこですが、比較的精細感があります。内蔵GPUの特徴なのか、全製品共通で映像の乱れがやや目につく傾向です。